NO.023
発行年月日:2005/03/17

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トピックス
◇テントにアート、ベンチにデッキ、
  名古屋で花咲く塩ビのスター
「愛・地球博」のあちこちで塩ビ製品が活躍

随想
丈夫で長持ち、メンテフリーの外壁とは?
塩ビ工業・環境協会 長繩 肇志
お知らせ
編集後記

トピックス

◇テントにアート、ベンチにデッキ、名古屋で花咲く塩ビのスター

「愛・地球博」のあちこちで塩ビ製品が活躍

 21世紀初の大型国際博覧会、「愛・地球博」が3月25日から名古屋市を中心に開催されます。シベリアの凍土に眠っていた巨大マンモスがはるばる運ばれてきて登場したり、名古屋城の天守閣から市中に睨みを利かせていた金のシャチホコが会場に飾られたり、流し目をくれるアンドロイドロボット、会場への往来には日本初のリニアモーター『リニモ』の営業路線で・・・、等々、話題には事欠きません。

 これらの大スターには比べもつきませんが、この博覧会のあちこちでわが塩ビ製品がそれなりに活躍するのを、ご存知でしょうか。今日はこれら塩ビ製品の一端をご紹介しましょう。

 まず第一のスターはホールやパビリオン、広場や通路などを覆っている屋根くんたちです。3,000人収容のEXPOドーム、440人収容のEXPOホール、モリゾー・キッコロメッセなど巨大パビリオンの屋根には塩ビ製のテントが多用されています。その他、からかさ広場のからかさ屋根、IMTS駅舎の屋根、西エントランスの屋根など、見渡せば限りがありません。耐久性と難燃性に富み、軽量でもある塩ビ製テントの面目躍如です。博覧会終了後はきちんとリユース・リサイクルするシステムも確立しています。

 続いてこれまた会場のあちこちを彩るオブジェやアート作品くんたち。成型しやすく、カラーリングも華やかな、塩ビが得意とする分野の一つです。会場のあちこちに点在するアートプログラム作品の中で、「幸福のかたち」をテーマとした若手アーティストの作品をはじめ、工夫を凝らしたかたちと色彩で、来訪者を楽しませてくれるでしょう。

万博会場に設置されたリサイクル塩ビベンチ
 さらに耳寄りな話は、会場内で小中学生が休憩したり、昼食をとったりする「学童広場」のベンチくん。約1メートル四方のこのベンチ、実は文科省の「大学教育改革プログラム」の一環として、大同工業大学笠嶋教授の教室がデザイン・製作したもので、なんと材料は使用済みのパイプや雨どい、畳縁型などのリサイクル塩ビ。これを地元のリサイクル企業、成型企業などが協力して再利用システムを作り上げた、いわば現場密着型リサイクルシステムの成果なのです。木製ベンチに比べて腐食せず長持ちする上、意匠性も豊か。万博終了後は名古屋市内の公園などで再利用するそうです。

カトウヨット全景
 私たちVECはこのリサイクルシステムに賛同し、微力ながら支援・協力していますが、このシステムから生まれた製品は万博会場だけでなく、名古屋市堀川沿いにある「カトウヨット」のヨットハーバーのデッキにも使用されています。このカトウヨットでは、デッキをリサイクル塩ビ製に変えただけでなく、ヨットハーバーの事務所建物の窓をアルミサッシから塩ビ製の樹脂サッシに、同じくスレートの外壁を塩ビ製のサイディングにそれぞれ変更し、まるで、耐久性、長寿命、意匠性に優れる塩ビ製品のオンパレード。ここは博覧会場からも近く、万博客の屋形船遊覧コースになる可能性もあるとか。博覧会の帰りに一度、このヨットハーバーも見学してみて下さい。

 誤解のない様に申し添えますが、万博で活躍する塩ビ製品はこれらだけではありません。給排水設備や衛生設備に使われる塩ビパイプ、会場全体に張り巡らされた電線の被覆材料、その他数々の建築部材など、会場全体を支えるインフラ材料として、塩ビは欠くことのできない、地味ながら隠れた大スターなのです。

随想

丈夫で長持ち、メンテフリーの外壁とは?

塩ビ工業・環境協会 長繩 肇志


 現在私の住んでいる集合住宅は10数年ぶりの大規模改修工事をしている。昨年の秋からネットがすっぽりと建物全体を包み込み、陽の当らない日が続いている。ベランダの防水工事、手すりや外壁の塗り替え工事が繰り返し行われており、陽が当らないばかりか、塗装をした日は室内にまで臭気がこもり、頭痛がするくらいだ。昼間は家にいない私でさえうんざりである。一日中お宅にいる方はどんな思いでおられるのだろうかと心配してしまうほどだ。
 私と同じような経験をされた方もおられると思う。集合住宅だろうと戸建住宅だろうと、一定の期間毎にメンテナンスが必要。外壁でいえば8〜10年毎にメンテナンス(ペンキの塗り替え)が必要と言われている。

 仮に住宅の寿命が30年としたら2回から3回のメンテナンスが必要という計算になるが、世の中にはこのメンテナンス(塗り替え)がいらない外装材があるのをご存知だろうか。樹脂サイディングである。
 すでに北海道では大分知られるようになってきているが、その他の地域でこの外装材をご存知の方は残念ながらまだそれほど多くない。
 北海道で大分知られるようになったのは、実はメンテナンスが不要ということからではなく、凍害を受けないという理由からである。吸水性のある素材は、塗膜(ペンキ)が剥げたりつなぎ目の部分が痛んできたりするとそこから水分が入り込み、特に寒冷地では凍結と融解が繰返えされ、外装材がボロボロになってしまう、いわゆる凍害が問題となるが、この外装材はまったく吸水性のない樹脂でできているため、凍害を受けないという利点をもっている。

 こういう話をすると、寒冷地向けの外装材の話かと思われてしまうが実はそうではない。「メンテナンスが不要」「凍害を受けない」の2点に加え「塩害を受けない」「軽量でリフォームにうってつけ」などの利点があるが、最大の特徴はその「耐久性」にある。
 一見したところとても耐久性があるとは思えないのだが、非常に丈夫である。よく実物をご覧頂いた方から「ペラペラで頼りなさそうに見えるけど大丈夫?」というご質問を受けるが、この「頼りなさそう」というのが逆に強さの秘訣となっている。手で曲げれば簡単にしなるが決して割れはしない。手を離せば又元に戻るといったように弾力性に富んでおり、生まれ故郷の北米ではすでに50年近い実績をもっている。

 そんなに良いモノなら何でみんな使わないの?悪いところはないの?というご質問が当然出てくると思う。確かにデメリットもある。素材が塩ビなので「燃えにくい」とはいえるが「燃えない」とはいえない(準防火地域までは使用ができるが、防火地域では使用ができない)。レンガや窯業系の外装材のような重厚感はない。などなど。

 色々なモノがあるのがこの世の中。外装材にも沢山の種類があり、それぞれにメリットもあればデメリットもある。もし樹脂サイディングのメリットに魅力を感じて頂けるのであれば、ぜひ外壁リフォームの際に検討してみて頂ければ、と思う次第である。


お知らせ
PVC Newsが3/15に発行されました。

PVC News 52号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されました。
詳細は下記からご覧頂けます。
購読を希望される方は、送付先などご連絡下さい。


http://www.pvc.or.jp/index/i_saisin.html

編集後記

 自然の力は大したもので、寒暖を繰り返しながら着実に春を迎えつつありますね。昨年買ってきてベランダに置いて楽しんでいた鉢植えのクレマチス、年末の雪や霜にさらされてカチカチになり、アーア、枯らしてしまったか、と諦めていたところ、つい数日前に気がついたら、なんと小さく可憐ながらしっかりと芽吹いていました。
 たまの休日にこんな光景に出会うと、感無量で涙が出てくるのは、H2も年とったですなあ。
 塩ビだってそのうち、芽吹いて、葉が茂り、花も咲き、実もなりまっせ。(H2記)


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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