現在私の住んでいる集合住宅は10数年ぶりの大規模改修工事をしている。昨年の秋からネットがすっぽりと建物全体を包み込み、陽の当らない日が続いている。ベランダの防水工事、手すりや外壁の塗り替え工事が繰り返し行われており、陽が当らないばかりか、塗装をした日は室内にまで臭気がこもり、頭痛がするくらいだ。昼間は家にいない私でさえうんざりである。一日中お宅にいる方はどんな思いでおられるのだろうかと心配してしまうほどだ。
私と同じような経験をされた方もおられると思う。集合住宅だろうと戸建住宅だろうと、一定の期間毎にメンテナンスが必要。外壁でいえば8〜10年毎にメンテナンス(ペンキの塗り替え)が必要と言われている。
仮に住宅の寿命が30年としたら2回から3回のメンテナンスが必要という計算になるが、世の中にはこのメンテナンス(塗り替え)がいらない外装材があるのをご存知だろうか。樹脂サイディングである。
すでに北海道では大分知られるようになってきているが、その他の地域でこの外装材をご存知の方は残念ながらまだそれほど多くない。
北海道で大分知られるようになったのは、実はメンテナンスが不要ということからではなく、凍害を受けないという理由からである。吸水性のある素材は、塗膜(ペンキ)が剥げたりつなぎ目の部分が痛んできたりするとそこから水分が入り込み、特に寒冷地では凍結と融解が繰返えされ、外装材がボロボロになってしまう、いわゆる凍害が問題となるが、この外装材はまったく吸水性のない樹脂でできているため、凍害を受けないという利点をもっている。
こういう話をすると、寒冷地向けの外装材の話かと思われてしまうが実はそうではない。「メンテナンスが不要」「凍害を受けない」の2点に加え「塩害を受けない」「軽量でリフォームにうってつけ」などの利点があるが、最大の特徴はその「耐久性」にある。
一見したところとても耐久性があるとは思えないのだが、非常に丈夫である。よく実物をご覧頂いた方から「ペラペラで頼りなさそうに見えるけど大丈夫?」というご質問を受けるが、この「頼りなさそう」というのが逆に強さの秘訣となっている。手で曲げれば簡単にしなるが決して割れはしない。手を離せば又元に戻るといったように弾力性に富んでおり、生まれ故郷の北米ではすでに50年近い実績をもっている。
そんなに良いモノなら何でみんな使わないの?悪いところはないの?というご質問が当然出てくると思う。確かにデメリットもある。素材が塩ビなので「燃えにくい」とはいえるが「燃えない」とはいえない(準防火地域までは使用ができるが、防火地域では使用ができない)。レンガや窯業系の外装材のような重厚感はない。などなど。
色々なモノがあるのがこの世の中。外装材にも沢山の種類があり、それぞれにメリットもあればデメリットもある。もし樹脂サイディングのメリットに魅力を感じて頂けるのであれば、ぜひ外壁リフォームの際に検討してみて頂ければ、と思う次第である。
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