NO.028
発行年月日:2005/04/21

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トピックス
◇温暖化って、ほんまだっか?
  だけど、「省エネルギー」は必須です。

随想
子どもの健康問題
東京都目黒区民 金井 晃
お知らせ
編集後記

トピックス

◇温暖化って、ほんまだっか?

だけど、「省エネルギー」は必須です。

 今年は花粉の当たり年だそうで、そのせいか、毎日通勤する地下鉄の中でも、例のキツネ風のマスクを装着した人が、何人かに一人の割合で見かけられます。テレビで見る花粉の飛び具合も格別で、この前は、あまりの花粉モクモクに、山火事と間違えて消防車が出動した事件も報じられていましたっけ。
 この花粉症なる症状、原因がはっきりしていないようですが、少なくとも花粉に敏感に反応することは間違いないものの、そうなってしまった原因は、食生活なのか、何らかの化学物質なのか、他の何かなのか、よくわからないようです。寄生虫説もありましたしね。例によって毒舌を振るうならば、「環境ホルモン問題に多額の研究費をつぎ込むより、花粉症の原因究明にもっと国家資源を投入したらどうなの?」といいたくなりますが・・・。

 原因がわからないといえば、今世界的に騒がれている、地球温暖化問題も、その最たるものでしょう。京都議定書が発効され、わが国も、温暖化ガス排出削減の厳しい義務を負う羽目になりました。しかし、これって、ホントに温暖化するの? 温暖化ガスを減らせれば、温暖化は止まるの? なんて考えだすと、次から次へと疑問が湧いてきて、収拾がつかなくなります。
 まず、ホントに今、地球は温暖化しかかっているのか? これについては、日本ではあまり論じられていないものの、アメリカあたりでは、侃侃諤諤の議論があって、いまだに諸説紛紛だそうです。世界数千ヶ所の、100年以上前からの温度記録をまとめて解析すると、ここ100年間で地球の温度は0.5℃程度上がっているというのですが、よく見るとこの測定地点のうちかなりの場所はいわゆる都市化傾向が強くて、人類の活動によってローカルに温度が上がった部分が多い、それをまとめて地球そのものの温暖化と考えることは出来ない、という説もあるようです。一方で南極や北極での温度推移から見ると、温暖化しているとはなかなか言い難い状況だとか。
 また、百歩を譲って、温暖化していると認めても、炭酸ガスなどのいわゆる温暖化ガスを減らせれば、温暖化は止まるのか? これも実は怪しいらしい。たかだか5%や10%の削減では、温暖化防止効果は、あるとしてもほんの僅からしいのです。

 考えだすときりがありませんが、これだけは間違いない、ということがあります。われわれ人類は、石油資源に頼って生きているということ、その石油は有限であり、まもなく枯渇するということ、従って、石油資源を極力長持ちさせて、人類の生存期間を延ばさなければならないということです。
 このことを私たち化学業界としては充分こころえ、いわゆる省エネルギーの努力を続ける必要があります。従来から私たちは省エネルギー活動を続けてきており、温暖化防止についても、自主活動によって自らの目標を達成しておりますが、今後、より一層、省エネルギー活動を中心として地球温暖化防止対策に注力していく所存です。私たち塩ビ工業・環境協会も、日本化学工業協会を中心として結成された「化学産業団体・地球温暖化対策協議会」に参加し、関連業界一丸となって活動を進めて参ります。

 なお、温暖化問題について、ユニークな語り口で判りやすく解説されている本(下記)があります。この本では、温暖化問題だけでなく、古くは酸性雨からダイオキシン、環境ホルモンなどの諸問題について、独自の観点からコメントされています。ご興味のある方はご一読ください。
 渡辺正著「これからの環境論」日本評論社2005年刊

随想

子どもの健康問題

東京都目黒区民 金井 晃


 「米国の医療をどう改革するかだって? キューバに聞いてくれ(原文はHealth Care? Ask Cubaらしい)」との1月のニューヨーク・タイムズのコラムを引用した日経新聞(05年3月7日朝刊)の記名記事には今更ながら驚いた。
 CIAの調査で、2004年の米国生まれの乳児1,000人の内、6.5人が生後1年以内に死亡した。同年のキューバの数字は6.3人で、キューバにも追い越されたという(日本は3.2、シンガポール2.3)。その原因は、白人に比べて黒人やヒスパニックの乳児死亡率が高いことによる。黒人乳児の死亡率は白人の2.4倍だった。低所得で医療保険に加入できず、高度医療の恩恵に預かれない、医療弱者がマイノリティーに偏っている、との解説である。

 最近の日本の数字は3.0まで下がっており、未熟児及び低体重児出生の増加が心配されながらも、生まれれば無事に育っていくことはうれしいことであるが、5才10才と成長するにつれて子ども達の健康、情動に問題が生じてきているのは、どうもまちがいないようである。喘息、アトピー、学習障害、行動障害などの増加のことであるが、これらの問題が有害合成化学物質によって引き起こされていると主張される人達がおられることには、戸惑いを禁じえない。1997年のマイアミ宣言を始めとして、先進各国とも、子どもの環境保健に関して種々の取組みがされているのは事実であり、この動きを疑問視するのではないが、こと日本に関しては、環境からの合成化学物質のリスクは圧倒的に減少しているのに対して、上記の問題は増加している。他の要因も考慮すべきである。

 ちょっと考えてみよう。まず食のバランスの変化がある。例えば、硬いものを咀嚼することで脳の発達が促がされることは間違いない。また過度に清潔になりすぎている。抗菌グッズの使いすぎは自己免疫力の発達を阻害する。遊び方も変わってきた。野外の遊びが少なくなり、屋内のテレビゲーム遊びが多くなっていることが大脳発達に影響する、との懸念がある。他に家族関係、近所関係などの変化も影響するだろう。
 いささか常識過ぎる指摘ばかりだが、最近二つの考え方が示されている。一つは子どもの睡眠挙動の変化である。就寝時刻が遅いため、朝寝ぼけて朝食もとらず通学する子ども達が増えており、これが学習障害・成績低下と関係することが強く指摘されている。また、乳児の育て方の変化である。乳児の望むままに授乳し、抱っこし、添い寝する、近年の子ども中心の育て方が「学級崩壊」などと関係するのではないか、と社会学者・品田知美氏は指摘している(中公新書「<子育て法>革命」)。

 総人口が逓減し始める日本である。大切な子どもの健康問題は、多方面の関係者の知見に基づいて対応策を考えるべきであり、全体的な議論なくして各論を突出させる議論は心して控えるべきと思う。

お知らせ
シンポジウム・展示会 出展紹介

・第3回「三重の21世紀リーディング産業展」


開催日時 2005年5月20日(金)〜21日(土)
10:00開場

開催場所 四日市ドーム
(四日市駅より無料シャトルバス運行)

主   催 三重の21世紀リーディング産業展実行委員会

入場無料

塩ビ工業・環境協会は、「エネルギー・環境ゾーン」に樹脂サッシ、樹脂サイディング関連、及び各種リサイクル塩ビ製品の事例を展示いたします。

・環境技術シンポジウム

「みんなで取り組む温暖化対策−技術と工夫で減らせるCO2!」

開催日時 2005年4月26日(火)
展  示 10時〜18時
シンポジウム:13時30分〜16時30分

開催場所:経団連会館11階 国際会議場

日本経団連・経済広報センター共催
入場無料

(社)日本化学工業協会のパネルスペースに樹脂サッシ普及促進委員が展示いたします。


「塩ビ製品カタログ」が発行されました。
「塩ビ製品カタログ」(塩化ビニル環境対策協議会/塩ビ工業・環境協会編)が発行されました。
私達の日常生活のあらゆる場面に登場し、その豊かな生活の一端  を担う塩ビ製品の主要なものをまとめた小冊子です。
ご希望の方は、下記URLよりご請求下さい。
https://www.vec.gr.jp/shiryo.htm

編集後記

 プロ野球シーズン開幕。H2も昔は熱中したものですが、最近トンと興味が薄れました。年のせいか?なんて言わないで下さい。これでもまだまだ若いつもりなんだから。
 最近、テレビのニュースでプロ野球の経過と結果の表を見ると、「ソ7−4ロ」とか、「日6−3楽」とか、見慣れない頭文字が目立ちますね。ソはソフトバンク、楽は楽天、と知っていても、瞬間、なんだっけ?と考えてしまいます。やっぱり、年かな?

(H2記)

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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◆編集責任者 事務局長  原田 浩

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