NO.063
発行年月日:2006/01/19

今週のメニュー

トピックス
◇「昨年の成果を、今年の飛躍につなげよう」
 中原会長、VECの新年賀詞交歓会で挨拶

随想 
 盛岡での出来事
東京農工大学専門職大学院客員教授 瀬田重敏
お知らせ
編集後記

トピックス
◇「昨年の成果を、今年の飛躍につなげよう」

中原会長、VECの新年賀詞交歓会で挨拶

 1月11日(水)の11時半から、一ツ橋の如水会館で、VEC恒例の新年賀詞交歓会が開かれました。晴天なれども寒さ厳しい中、集まったのは、経済産業省、環境省、国土交通省などの行政部門の方々始め、塩ビ関連業界、塩ビ製品のユーザー業界の方々、商社や流通関係の方々、マスメディア関係者、それにいろいろな場面で私たち塩ビ関係者がお世話になっている方々など、300人に上りました。

VEC 中原会長挨拶
 冒頭、VECの中原会長((株)トクヤマ社長)が挨拶に立ち、日頃の塩ビご愛顧のお礼を申し述べるとともに、業界としての今年の抱負を話しました。
 先ずこの1年間の総括として、「昨年は、歴代のVEC会長はじめ諸先輩のご努力の成果がやっと実り始めた年であった。私が会長就任時に掲げた3つの課題、すなわち、(1)健全な経営体質の実現と維持、(2)塩ビに対する社会の偏見の解消、(3)新規内需の創出、のいずれについても、明確な目途が立ちつつある」とされ、今年の抱負として、「引き続き3つの課題について精一杯取り組む。需給関係については不安要因も多いが、粛々と正道を進む覚悟である。中国や韓国などで、数年前に逆戻りしたかのような塩ビ忌避風潮があり、APVNの組織を活用して対処する。リサイクルについてもさらに前進させるべく、関連業界とタイアップした、塩ビ含有建設廃プラのリサイクル事業の模索などを進める」と述べました。そして、「今年は、昨年までの成果を基に、大きく飛躍する年にしたい」として、関係各位の引き続きのご理解とご支援を要望しました。

 続いて来賓を代表して、経済産業省製造産業局の塚本次長がご挨拶に立たれ、「永年のご努力が実り始めた由、ご同慶の至りである。経済産業省としても、業種を超えた連携に対する支援を強化する一方、景気回復のこの機を捉えて、中長期の新成長戦略を、グローバル戦略およびエネルギー戦略とあわせて立案し、それらを現場を重視しながら実現すべく努力する所存である」と述べられ、「塩ビ業界にとって今年が飛躍の年でありますように」とエールを送られました。

談笑風景
 その後、VECの日野副会長(大洋塩ビ(株)社長)の音頭で乾杯。副会長は乾杯前の挨拶で、「この機会に、4つのお願いを申し上げたい」として、経済産業省、塩ビユーザー、商社、報道関係者のそれぞれに対する要望を、ユーモアたっぷりに披露し、満場が同感をこめた笑いに包まれる一幕もありました。

 乾杯の後は、三々五々それぞれのご歓談。アルコールを取りながら、和洋中の料理をつまみながら、日頃のご無沙汰のお詫びなり、仲間の噂話なり、今後の活躍の計画なり、広い会場も所狭しと話の花が咲きました。

塩ビサッシ・サイディング展示
 参加者の目を引いたのが、会場の片隅にセットされた、塩ビサッシと塩ビサイディングの見本の展示コーナーでした。それぞれの実物見本や関連するカタログ、解説書などが並べられたほか、サッシについては、その断熱性能、防露性能を見せつける、通称「防露セット」の実演まであって、入れ替わり参加者が立ち寄り、説明員の話を聞いて熱心に意見交換をされていました。

 2時間足らずの賀詞交歓会でしたが、参加者の今年の塩ビにかける熱意がひしひしと感じられ、改めて今年に期待したくなる、そんな雰囲気の会合でした。

随想

盛岡での出来事

東京農工大学専門職大学院客員教授 瀬田重敏

 3年前、盛岡市立下橋(しものはし)中学を訪ねたことがある。学校祭のメインイベント「環境シンポジウム」にパネラーとして出席するためで、東大生産研(当時)の安井至先生にご同行いただいた。盛岡市を貫通する川の1つ、秋には鮭が遡上する中津川沿いにその中学校は立つ。朝の学校は学校祭の興奮と緊張に包まれていた。受付の中学生の礼儀、言葉遣いに感心する。私たちを招いてくれた先生が出迎えくれて、早速校長先生にご挨拶する。
 私達は司会役の生徒に紹介され、この日のために生徒達が準備したプリントが手渡される。プリントには、一昨年の「アフリカのチャドの環境と人間の生活」、昨年の「ドイツの環境政策」、今年は日本の環境基本計画を皆で読み、要旨と感じた問題意識が記載されている。予定の10時が迫り、会場の体育館に導かれる。

 第1幕。向かって右に安井先生と私、向かい合う形で安藤さんという女生徒が座って幕が開く。会場には350人の全校生徒が椅子を並べて座し、その左には先生方、後ろには父兄と卒業生。総勢400人強。まず安藤さんが、簡単な挨拶と今日の目的を説明し、私達二人に質問をしながら二人の紹介をする形にもってゆく。今の立場、中央環境審議会とは何をするところか、どういういきさつで環境問題に関心を持つようになったか。安藤さんは赤い顔で緊張しているのがわかったが、はきはきとしてわかりやすく、きちんと質問と回答を重ねてゆく。こうして第1幕が終る。

 第2幕。3つの机が扇型に据えられ、中央に安藤さんともう1人の司会役小川さんが座る。舞台に向かって右に開いた長い机には、安井先生、私、校長先生。舞台に向かって左の机には、3年代表、2年代表、1年代表の3人が座る。
 まず、司会者が、自分達がこれまで3年にわたって勉強してきた環境問題認識について、プリントを使って説明する。自分達の環境はよくなっていると思うか、悪くなっていると思うか、というアンケートの設問で悪くなっているという答えが多いことに対しては、3年代表、2年代表、1年代表の3人にそれぞれ理由を尋ねる。ときに司会者はフロアからの質問を誘う。フロアの中学生達は、最初はおずおずだったが、1つ2つ質問が出るうちに、次々と手が上がり、一度に十本以上も上がるようになる。

 印象に残ったのは、「瀬田さんにお聞きします」と質問した2年生。「旭化成はサランラップの環境負荷を減らすために代替材料の開発はしていますか」。これに私は「環境負荷として塩素を含んでいることを言っているのであれば、これは必ずしも正しくありません。塩素を含む合成樹脂なら、量的には圧倒的に塩ビですが、私は塩ビが環境に悪いとは思いません。ダイオキシン問題は燃焼温度を適切にすることで解決の目処はついています。世界で塩ビの需要が伸びていますが、その理由は社会基盤用の上下水道などの大型パイプと住宅の窓枠の2つの用途が伸びていることにあります。社会基盤用は発展途上国には必須、窓枠用はこれをやめようとすれば木を使う、すると『木を切るな』という別の環境運動が控えています。旭化成は塩ビを作っていませんが、私は塩ビが環境に悪いと思っていません。」と答える。

 もう1つ、印象にのこった質問、これも2年生であったが、「家でお父さんと環境問題について話をしますが、お父さんは、盛岡も景気が悪い、景気が悪いと環境問題に目がいかない。環境をよくするには、まず経済をよくしなければならない、と言うのですが、瀬田さんはどう思いますか」という。私は「大変に鋭い質問ですね。私もお父さんのご意見に全く賛成です、経済がよくならなければ環境もよくならない、しかし経済は政治がまず先導しなければよくはならないでしょう」と答える。

 「新エネルギーについて日本はどうするつもりですか」という質問。「原子力や火力はそれぞれに問題があるが、これは正しく使うことで十分存在意義があります。風力が環境にやさしいと言われますが、将来的に見てコストがどうか、景観を損なう、騒音や電波障害、渡り鳥対策、風が弱いと働かないが強すぎると壊れるので止める、など、いろいろ制限もあって、風力が全面的に環境にやさしいと一概にはいえない。新エネルギーでは日本の技術が世界をリードしている面が多い。例えばリチウムイオン電池、太陽電池や燃料電池にも日本の力が大きな役割を果たしています。」と答える。

 こうして約2時間半、司会者は「今日、私達はいろいろな問題意識を出し、それに対してある部分については違っていたと指摘され、新しい知識を得ることができました。これにより、また新たな問題意識をもって来年、再来年の勉強に生かして行きたいと思います。」と締めくくる。

 大人の世界にもまれな、質問続出の感動的なシンポジウムであった。先生方によれば、中学生達の反応は「もっと質問したかった」「よくわかって勉強になった」「時間が足りなかった」とのこと。参加した父兄も、もし生徒達から質問が出なければ自分が質問しようと思っていたが、杞憂だった、と言っていたという。

 先生が指導したとはいえ、事前に彼等がまとめた資料が上出来であったし、どんどん出る質問も的確で鋭い。質問を促されると中学生たちは次々と手をあげ、指名されるとすっくと立ち、「安井先生にお聞きします」「瀬田さんにお聞きします」と言って発言する。こちらも真剣に答え、最後に「こういうお答えでいいですか」と言うと「よくわかりました。丁寧に答えていただいてありがとうございました」と言って座る。こういう中学生がいるのなら日本の将来は決して暗くない、われわれが考える以上に子供達はわかっているし、今はわからなくても将来に向かって必ず強く記憶に残る、という確信を得たのだった。

お知らせ
【NEW】 ひょうじょう展 〜未来はいい”表情”から始まる〜 出展案内

日 時 2006年2月23日(木)〜3月14日(火) ※水曜日(祝日を除く)休館
10:30〜19:00
場 所 リビングデザインセンターOZONE (3F:OZONEプラザ、6F:リビングデザインギャラリー)

主 催 「ひょうじょう展」実行委員会、リビングデザインセンターOZONE
入場料 無料

樹脂サッシ普及促進委員会では、樹脂サッシを用いた遊具の提案として、フレームに樹脂サッシを用いた屏風状の鏡の世界を作り、見えたり、離れたりする不思議な世界を表現します。(6F:リビングデザインギャラリー)
2006年3月9日(木)開催のトークイベント会場に、「塩ビ工業・環境協会PRコーナー」を出展致します。(3F:パークタワーホール ホワイエ)
詳細は、ひょうじょう展 ホームページをご覧下さい。
http://www.ozone.co.jp/WebX?13@251.RIqAbGa3bJt.0@.346a1b17
http://www.ozone.co.jp/WebX?13@@.349c6409


ENEX2006 第30回地球環境とエネルギーの調和展 出展案内

[東京会場]
日 時 2006年2月1日(水)〜3日(金)
10:00〜17:00
場 所 東京ビッグサイト(西1ホール)

[大阪会場]
日 時 2006年2月16日(木)〜18日(土)
10:00〜17:00
場 所 インテックス大阪2号館

テーマ 2010年省エネ社会へ
「変わる、変える、私たちの暮らし、しごと」
〜企業と、家族と、地域でエネルギーダイエット〜
主 催 財団法人 省エネルギーセンター
入場料 無料
樹脂サッシ普及促進委員会とプラスチックサッシ工業会にて共催致します。
東京電力のブースにも、内窓と外窓の樹脂サッシを展示致します。
ENEX2006 ホームページをご覧下さい。
http://www.eccj.or.jp/enex2006/

編集後記
 世は挙げてIT時代。例えば会社の仕事にしても、パソコンがなければお手上げですよね。H2若かりし頃は想像もしませんでしたが・・・。
 さてそのパソコン。先ず一番多用するのはワープロとして使うことでしょう。おかげで大悪筆のH2はおおいに助かっています。
 それで、文章を入力する時、世の大多数の方々は、いわゆる「ローマ字入力」をするらしい。つまり「塩ビ」と書くのに「enbi」と打つ。
 H2は実はこの「ローマ字入力」というのが嫌いなんです。「塩ビ」と書きたい時には「えんび」と打つのです。
 なぜかって? H2にしてみれば、文章を日本語で考えているのに、打つ時にわざわざローマ字に変換して打つのは思考の無駄、というか、ある種、日本語を冒涜するものである、と思うからですが、違うでしょうか。
 なんて偉そうにいうけれど、実は最初にローマ字打ちをサボって日本語入力に慣れちゃったから、という理由も(少しは)あるのですけど・・・。おかげで入力のスピードは大変遅い。

(H2記)


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

■メールマガジン登録解除
メールマガジンの送信希望登録・解除は下記URLよりお願いします。
https://www.vec.gr.jp/cgi-bin/mailmag.cgi
■プライバシーポリシー
当協会の個人情報保護に関する考え方については、
下記のページをご覧ください。
https://www.vec.gr.jp/privacy/index.html

◆編集責任者 事務局長  原田 浩

■東京都中央区新川1-4-1
■TEL 03-3297-5601 ■FAX 03-3297-5783
■URL https://www.vec.gr.jp/  ■E-MAIL info@vec.gr.jp