NO.165
発行年月日:2008/02/21

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トピックス
◇日本化学工業協会の教育関連活動
  −理科を好きになってもらうために−

(社)日本化学工業協会 広報部 青山好延


随想

極めて個人的な中国観/中国リサイクル産業現地調査から(第1回)
−中国のホテル事情1−

株式会社産業情報研究センター 調査・情報室長 林 廣和


お知らせ
【NEW】建築・建材展2008 出展案内
NEDOの補助金事業が公募開始されました。

編集後記

トピックス
◇日本化学工業協会の教育関連活動
  −理科を好きになってもらうために−

(社)日本化学工業協会 広報部 青山好延


 理科離れということが言われて20年近く経ちます。理科離れとは単に子どもの理科嫌いを指すのみでなく、大人の自然科学に対する関心やリテラシーの無さを表しています。日本化学工業協会(日化協)では、理科離れへの対策として、1993年から日本化学会や化学工学会、新化学発展協会と夢化学21キャンペーン事業などを行っていますが、それを含め日化協の教育関連活動についてご紹介します。

 「夢化学」の現在の活動の3本柱は、主に小・中学生とその保護者向けの「実験体験活動」と、高校生向けの「化学コンテスト」、小学生から大人の方向けの「ホームページやパンフレット」です。

夏休み子ども化学実験ショー
 まず、実験体験活動ですが、そのコンセプトは実験の体験を通して化学のもつ面白さ、不思議さ、化学製品の有用性を知ってもらうこと。宣伝文句は「見る、ふれる、楽しむ、化学との出会い」。
 一番大きなイベントは、毎年夏休みに実施している「夏休み子ども化学実験ショー」です。今年は8月22日(金)から24日(日)まで、東京お台場の日本科学未来館で開催する予定です。昨年は、実験コーナーや実験教室、化学クイズショー、化学マジックショーなど18の演目を行い、3日間で1万4千人もの方が参加しました。日本化学会の多くの先生方と会員企業が14社参加しましたが、参加企業の多数の社長が社員の激励や視察に来館されたことに時代の変化を感じました。
 また、毎年、秋から翌3月までの毎週土曜日に東京・北の丸の科学技術館で、今年度からは、上野の国立科学博物館で毎月1回土曜日に「『夢化学21』わくわく理科・実験教室」を開催しています。
 活動が東京に偏らないように、化学実験材料とマニュアル等を全国の科学館へ配布しています。さらに、全国の科学館を訪問し実験する「出前実験教室」は、今年度、北は釧路から南は宮崎まで10数箇所で開催しました。

 次に、高校生向けの化学コンテストとして世界で活躍する化学者の育成を目的に「全国高校化学グランプリ」を1999年から実施し、今年で10回目を迎えます。昨年は2000人を超える高校生が参加し、理数系のコンテストでは、数学を抜き最大規模のコンテストにまで発展しています。このグランプリは次年度の国際化学オリンピックの日本代表の予選を兼ねています。代表は毎年メダルを獲得しており、優秀な化学好きな生徒が数多くいることを実感しています。2010年には国際化学オリンピックを日本で開催することが決まり、化学オリンピック日本委員会を設立しましたが、日化協も組織の一員として支援をしています。

各種パンフレット
 ホームページやパンフレットの配布については、昨2007年に高校の化学の教材として「おもしろ化学史」(6万部)と「地球の未来を化学がつくる」(10万部)の2冊を数年ぶりにそれぞれ改訂増補し、全国の高校に配布しました。「おもしろ化学史」はエピソードと人物で化学史をつづったものです。「地球の未来を化学がつくる」は、化学製品がどのように使用され、近い将来どのように社会や生活の向上に貢献していくかを紹介したものです。いずれも全国の高校の10数%にあたる学校から希望が寄せられました。

 日本化学工業協会でも、教育活動を実施しています。教員向けの活動と生徒向けの活動です。
 教員向け活動としては、毎年夏に東京都小学校社会科研究会の先生方約40名の工場見学会を実施しています。2007年は環境をテーマに発泡スチレンの大手生産会社でリサイクルを古くから実施し、平成18年度の容器包装3R推進環境大臣賞を受賞したエフピコのリサイクル工場見学と、花王の東京工場とショールームを見学し好評でした。また、東京の高校化学教員向けに環境研修会を実施しています。2007年は20名弱の先生方に講演会と実験を行いました。
 生徒向けには、高校の家庭科向け教材「知っておきたい食べ物の話」を2007年に新規に制作しました。予定(10万部)を初日でオーバーし、全国の高校約5500校の内、2000校を超える高校から応募があるほど大好評で最終的に40万部を超える部数を配布しました。

 個人的な見解も含め、日本化学工業協会は何のために教育活動をするのかについて簡単に記しました。
(1) メッセージを伝えるため。
主な内容は
化学は面白く、不思議で、美しい。
化学製品が現代社会に不可欠なものになっている。
化学産業界は、社会的責任をもって行動している。
化学製品、学問としての科学、ならびに化学産業がなければ未来は持続しない。
(2) 次世代の理科離れを防止し、日本の競争力を確保・向上させるため。
(3) 人間は不確実性と共生しなければならない。経験と現代科学に基づく、その時点での最善の知恵を伝え、よりよい社会を構築するために、社会の人々と「共に考える」ため。
 最後に、20年ほど前に「化学業界は学生・生徒の教育活動にまったく無関心なのは困ったことだ」と大学の先生から叱られました。今は企業の姿勢も、文部科学省や教育現場の姿勢も大きく変わっています。しかし、教育の現状をもっと知って、化学業界が教育関連活動にもっと力を入れていけばと念願しています。(了)

(社)日本化学工業協会HPはこちらです。
http://www.nikkakyo.org/

随想
極めて個人的な中国観/中国リサイクル産業現地調査から(第1回)
−中国のホテル事情1−
株式会社産業情報研究センター 調査・情報室長 林 廣和

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 8月22日、午前9時50分成田発のJL791便でスタートした17度目の訪中は、私にとって精神的にハードな旅となった。上海浦東空港には予定より10分早い11時50分に到着し、上海から主に中国南西部を廻って北京に至る40日の中国リサイクル産業行脚が始まった。仕事とは無関係なことを含めて、この行脚で見聞きしたことを何回かに分けてご紹介してみたい。

 この日、上海は快晴であった。ホテルへの道は渋滞しており、結局、ホテル付近まで来るのに2時間近くかかってしまった。その上、ホテルがみつからず、ドライバーは同じ通りを2回ほど走り、ようやくホテルを見つける始末で、結果的に空港から2時間30分ほどの時間が経過していた。疲労感が濃く、暑さもあって、気分は最悪であった。これに拍車を掛けたのがホテルの雰囲気である。古かったのはともかく、エレベータや廊下が異常に暗く、部屋が黴臭かったことである。
 中国のホテル事情はこの数年でずいぶん変化した。特に値段は、年々高くなっている。リサイクル産業の現地調査で初めて上海を訪れた2002年、静安賓館というホテルに宿泊した。高級感はないが、中国資本のごく普通のホテルで、価格は1泊500元くらいであった。昨年、静安賓館に久しぶりに泊まろうとしたが、1泊860元と言われ、別のホテルにした。

 中国のホテルは、宿、招待所のようなものを除くと、賓館、酒店、飯店などの名称がついたものが多い。このうち酒店、飯店には大酒店、大飯店のように“大”の字がついているものとついていないものがある。2003年に広州の東方賓館というホテルに宿泊した際、このホテルの印象が良かったため、私は“賓館”という名前がついたホテルは格式が高いというイメージを持っていた。これは誤りであった。その後、“賓館”の名称がついたホテルで良いホテルに巡りあったことがない。
 最近になって知ったことであるが、中国の知人が言うには、一般的に“賓館”の名称がついたホテルは古いホテルが多い。昔で言えば、省政府の招待所的な宿泊施設だったところが多く、修復、改装などが行われていない“賓館”が多い。ホテルとしては酒店、飯店が上で、部屋も綺麗でサービスも良いとのこと。中国スタイルか欧米スタイルかはあまり価格の基準にならないが、どちらかといえば欧米スタイルのホテルの価格は高い。欧米人の昔の邸宅を改装したようなホテルもあるが、こうしたホテルは通常のホテルとは異なる特徴、例えば建築様式であるとか時代を偲ばせる豪華な内装などを特徴にしており、個人の好みで評価に開きが生じる。最近、私は、仕事なら、インターネットが使え、ある程度の清潔感があれば、それで良いと思っている。(続く)

お知らせ

【NEW】建築・建材展2008 出展案内

 快適・健康・安全な住環境・商環境の実現に向けた様々な情報を発信する、建築・建材展が以下の通り開催されます。
 塩ビ工業・環境協会、樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会は、「健康・エコロジー建材ゾーン」に出展いたします。

・日 時 :2008年3月4日(火)〜3月7日(木)
 10:00〜17:00(最終日のみ16:30終了)
・場 所 :東京ビッグサイト 東3・5・6ホール
 ブースNo.:東5ホールAC5111
・主 催 :日本経済新聞社
・入場料 :当日一般 1,500円
 下記HPより事前登録頂くと無料となります。
 (3月3日(月)まで)
https://www.shopbiz.jp/pages/t_index.phtml?PID=0005&TCD=AC

・建築・建材展2008のホームページをご覧下さい。
  http://www.shopbiz.jp/top/index_AC.html?PID=0003&TCD=AC

建築・建材展と同時開催される以下のセミナーのパネル討論に、樹脂サッシ普及促進委員会の市村委員長がパネリストとして参加いたします。
この中で、塩ビサッシを使った断熱改修により、結露によるカビ・ダニを抑え、省エネを実現した、リフォーム事例をご紹介します。

「世界一の健康・省エネ住宅立国をめざして
 〜産官学と医師会、消費者団体も協力して国民合意可能な研究、
  市場づくりを〜」

・日 時 :2008年3月5日(水)10:00〜13:10
・受講料 :一般 5,000円
・事前申込み締切:2月27日(水)

・詳細、お申込みは以下のHPをご覧ください。
http://www.shopbiz.jp/contents/AC/7_071.phtml

NEDOの補助金事業が公募開始されました。

 住宅・建築物高効率エネルギーシステムの公募により、NEDO技術開発機構が指定する当該システムを住宅に導入する場合に、その費用の1/3が補助されます。

 様々な補助要件がありますが、樹脂サッシ普及促進委員会がお勧めする要件は『断熱リフォーム』です。
 既設住宅のリフォームで『塩ビサッシ+複層ガラス』の内窓を採用する事により、上記の費用補助の対象となるものです。

公募期間:2008年2月5日〜3月6日

詳細は、NEDO:独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構のホームページをご覧ください。
http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/200205_1/200205_1.html

編集後記
 寒い日が続いています。最近の新聞に、全面凍結することで有名な袋田の滝(茨城県)が、今年も凍結していないことを紹介されていました。近年の温暖化によるものと言われている様です。昨年と比較し今年は寒さが厳しく、温暖化について少し疑いを持つことも有りましたが、実際には過去と比較すると厳しくないのかもしれません。
 リサイクル原料を使用した製品の偽装問題が紙、印刷インキ、続いてプラスチックで新聞を賑わしました。マテリアルリサイクルは新品に比べどうしても品質が落ちます。コストなどを考え、どのような製品にするのがよいのか決めることが重要ではないでしょうか。今回の偽装問題はこのあたりの配慮が足りず、無理があったのではないでしょうか。
 このことを契機に、リサイクル製品がどう有ればよいのかについて議論されることを期待したいですね。(可)

VEC関連URL
●家族で学べるページ https://www.vec.gr.jp/kids_new/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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