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発行年月日:2004/09/30

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トピックス
塩ビ製テントに塩ビ製のたたみ…アテネオリンピックで塩ビも活躍
論壇
専務理事に就任しました。宜しくお願いします。
塩ビ工業・環境協会 専務理事 西出 徹雄
お知らせ
編集後記

トピックス

塩ビ製テントに塩ビ製のたたみ…アテネオリンピックで塩ビも活躍


 数年来、低迷を続けてきた塩ビの需要。今後も環境問題などから、更なる需要の下振れも懸念されていました。しかし、ここへ来て国内景気は上昇傾向を見せ、そしてなりより喜ばしいことにダイオキシンなどを巡る塩ビの環境問題の冤罪も見事に晴れて、需要見通しも明るさを増してきた模様です。

 それと無関係ではないのでしょうか、最近の新聞記事では、塩ビを利用した製品の話題があちこちに見られるようになりました。ここ数ヶ月の新聞記事から、塩ビ製品に関するニュースを取り上げました。

 先ずは大盛会に終わったアテネオリンピックに関するニュース(やや旧聞ですが…)。
 アテネ五輪のサッカー会場「カライスカキ・スタジアム」の屋根は塩ビでコーティングしたもので、日本のテントメーカー太陽工業の技術(7月9日付産経新聞)。女子サッカーの日本対ナイジェリア戦もここで戦われたが、結果は残念ながら日本の惜敗に終わった。
 同じく柔道会場のたたみも塩ビコーティングのもの(8月17日付東京新聞)。注文を受けた日本メーカーは、アイボリーカラーの色調に苦労したそうである。柔ちゃんこと谷亮子選手のV2や、前人未到の野村忠広選手のV3もこのたたみの上で成し遂げられた。
 広島のバレーボール製造メーカーのミカサは、本社ビルの屋上に塩ビ製で直径6メートルのバレーボール型風船を飾り、五輪ムードを盛り上げた(8月19日付中国新聞)が、結果は残念ながらご承知のとおり。次回中国に望みをつないだ。

 さらにその他の記事について。
 JR東日本では、テロ対策の一環として、管内300駅で合計2,300台のゴミ箱を、ステンレス製から透明型へ切り替え始めている(7月17日付下野新聞)。捨てられたものが分かるようにとの配慮であるが、この透明型ゴミ箱の透明部分が塩ビ製。…テロや犯罪防止にも役立つ塩ビ。
 JRといえば、新幹線東京駅22、23番ホームの待合室が8月いっぱい、花柄のフィルムでラッピングされた(7月19日付フジサンケイ)。大王製紙の提供で、「暑さを忘れる清涼感ある青い花柄で心地よさを提供する」とか。当然、材料は、印刷しやすく汚れにくい塩ビ。
 塩ビのフィルムといえば、携帯電話に動物や町並みなどオリジナリティあふれる図柄を貼り付けて個性を出す風潮があって、その展示会が大阪で開かれた(6月30日付朝日新聞)。「ハデハデケータイ」がそのうち街角で巾を利かすかもしれない。一方アキレスは家庭のトイレ用に自己粘着性の装飾シートを開発(7月30日付化学工業日報)、「何度でも張ったり剥がしたりできるうえ、水などで拭くだけで粘着性が回復する」とのこと。両者とも材料は塩ビ。
 さらに建材分野では、川島織物がオフィス用タイルカーペットにリサイクル塩ビを50%以上使用し、環境負荷低減を進める企業にアピール(9月1日日刊工業新聞)、ロンシール工業は塩ビに特殊材料を混ぜることで日射の反射率を高め、優れた遮熱性能を持つ屋上用防水シートを上梓した(9月9日付日刊工業新聞)。

 と見てくると、やはり塩ビは、応用範囲が広くて加工性はじめ諸特性に優れ、社会生活に必要不可欠な材料なんだなあ、という実感と、それに加えて市民や企業やマスコミも、やっと塩ビの実態を正当に判断してくれ始めたのかなあ、とちょっぴり安堵するのでありました。


論壇

専務理事に就任しました。宜しくお願いします。

塩ビ工業・環境協会 専務理事 西出 徹雄

 6月23日付けで専務理事に就任しました西出徹雄と申します。前任の佐々木同様宜しくお願いいたします。

 塩ビ工業・環境協会(VEC)にまいりましてから3ヶ月ほどになりますが、VECとはこれまでにもいささかのご縁がありましたので、簡単に自己紹介をさせていただきますと、6月以前は広島にある中国経済産業局に2年間勤務し専ら地域活性化の仕事をしていましたが、その前は環境省の大気環境課に1年半、更にその前は通産省の化学課に97年の夏から3年半おりました。したがってダイオキシンや環境ホルモンの問題で日本中が騒然となった際にも、VECの近くでその様子を見、あるいは協力して活動していましたから、VECについても全く何も知らないというわけではありませんが、直近の何年かは直接的に接することも余りなく、その間に外部環境もかなり変化しているようですので、目下その変化分をアップデートするべく勉強中です。
 まだ勉強中ではありますが、この3ヶ月ほど協会の中から見た印象、現在の課題を少し並べてみたいと思います。

 ダイオキシンの問題はこの4,5年で大きく状況が変わりました。特に塩ビが関与していると思われていた廃棄物等の焼却に伴い発生する部分が、ダイオキシン対策特別措置法等により焼却が適正に行われるようになり、廃棄物焼却施設からの発生量は5年前の98%削減となっています。また環境ホルモンの問題も科学的な評価試験が進み、塩ビに使われる可塑剤についても内分泌撹乱作用は認められないとの結果が明らかにされるにいたっています。しかしながら、一旦ダイオキシンと関連づけて考えられた塩ビ忌避の動きはまだ各分野で残っており、正確な情報を広く提供していくことが引き続き最重要の課題です。

 また、化学物質の安全性についての管理は、国際的にもより厳しく求められており、特にEUではRoHS規制の導入やREACH規制案が欧州議会で審議に入ろうとしており、米国や中国でもこれに類似した規制導入の動きが進んでいます。このため、化学産業や他産業の関連団体とも連携を深めながら、自らの管理を徹底するとともにユーザーや消費者への情報提供や対応支援を早急に進めていく必要があります。

 リサイクルの関係では、従来から進んでいる農ビや塩ビパイプのリサイクルに加え、JFEスチールと共同して開発した塩ビ廃棄物の高炉原料化技術は実用化され営業段階になっていますが、それ以外の新しいリサイクル技術の開発やシステム構築にも積極的に取り組んでおり、詳細につきましては次回以降にご紹介したいと思います。

 地球温暖化対策に関連しては樹脂サッシの普及に力を入れています。複層ガラスと組み合わせた樹脂サッシは住宅の省エネルギー化に大きな効果があるため、エネルギー消費の増加している民生部門において温暖化対策として期待され、資源エネルギー庁や環境省も導入の助成措置を講じています。

 こうした様々な動きは、いずれもグローバルな動きとして展開していますから、国際的な枠組みの中で協力していくことが必要ですし、特にアジア諸国の関係企業や団体との連携が重要で、来週インドネシアで開催されるアジア太平洋ビニルネットワーク(APVN)や11月初旬にソウルで開催される世界塩ビ会議(GVC)でも各国における状況について情報交換、意見交換を行うとともに、安全問題やリサイクル問題等について積極的な各地での対応の様子が紹介されることでしょう。

 このメールマガジンもこれから毎週1回のペースに復帰することにいたします。その時々の動きをより臨場感をもって知っていただければと考えております。いろいろご注文をいただきながら、協会の活動も、このメールマガジンも改善してまいりたいと思いますので、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。


お知らせ
展示会 出展紹介

「びわ湖環境ビジネスメッセ 2004」

開催日時 2004年10月20日(水)~22日(金)
10時~17時(最終日は16時まで)
開催場所

滋賀県立長浜ドーム(JR田村駅から徒歩5分)

JR米原駅~長浜ドーム~JR長浜駅を結ぶ無料循環シャトルバスを運行。

主  催 滋賀環境ビジネスメッセ実行委員会

PVC NEWS発行致しました

PVC NEWS 50号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されました。詳細は下記からご覧頂けます。
購読を希望される方は、送付先などご連絡下さい。

http://www.pvc.or.jp/index/i_saisin.html

編集後記

 私たちVECのメールマガジンも、2001年9月に週刊で創刊以来、満3年を経過しました。この間、2003年1月末からは月刊制に変わりましたが、この度、再び週刊制に復帰しました。塩ビを巡るより良い、より詳しい情報を、密度濃くお知らせすることに努めます。
従来にもましての、ご支援とご叱正の程、よろしくお願い申し上げます。
 …ただし、たまには(ときどき?)、塩ビと何のかかわりもない記事が出るかもしれません。乞うご期待(H2記)。


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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◆編集責任者 事務局長  原田 浩

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