NO.004
発行年月日:2004/10/21

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トピックス
ロシア風(かぜ)、吹いて輝く塩ビサッシ
 ロシア、地球温暖化防止の京都議定書批准へ
論壇
アジア太平洋ビニルネットワーク会議に参加して
塩ビ工業・環境協会 専務理事 西出徹雄
お知らせ
編集後記

トピックス

ロシア風(かぜ)、吹いて輝く塩ビサッシ

 ロシア、地球温暖化防止の京都議定書批准へ


 先日マスメディアは、ロシア共和国が、地球温暖化防止のための京都議定書に批准する方向を決めた、と報じました。
 ご承知のように、京都議定書は1997年に京都で開かれた地球温暖化防止京都会議(COP3)で採択された取り決めで、この条約が発効すれば日本は、COなどの温室効果ガスの排出量を2008年から2012年までの間に、1990年レベルと比べて6%削減することが義務付けられることになります。条約発効のトリガーとして最後まで残っていた「1990年当時のCO排出量の55%以上を占める国が批准すること」という条件が、今回のロシアの批准で満たされることになるのです。

 日本のCO削減は、前途多難です。日本政府が2002年に策定した「地球温暖化対策推進大綱」(新大綱)によると、この6%削減を果たすために、エネルギー起源のCO排出は1990年度と同水準に維持する、その内訳は産業部門7%削減、民生部門2%削減、運輸部門17%増とする、とされています。
 ところが、2002年の実績を見ると、エネルギー起源のCO排出総量は1990年比12.0%増、内訳は産業部門1.7%減、民生部門33.0%増、運輸部門20.4%増となっており、民生部門の排出抑制が最重要の課題となっています。

 この民生部門のCO対策については、ライフサイクルの変革を含め、これまでにさまざまな手段がとられてきましたが、最近一部で話題になってきている対策に、住宅の断熱化があります。住宅の新築時やリフォーム時に、可能な限りの高断熱・高気密化を実現しよう、というものです。そのためには、最大の放熱源である窓を高断熱化すること、すなわち窓ガラスを二重ガラスにし、窓枠を高断熱の塩ビ製にすることがもっとも有効なのです。

 この複層ガラス・塩ビサッシシステムは、日本ではまだ北海道地方や北東北地方を中心に普及している程度ですが、アメリカ、ヨーロッパ、それにお隣の中国や韓国などでは、ほとんどの窓にこれが採用されているとか。これにすると断熱効果や省CO効果のみならず、結露防止やそれによるダニ・カビ防止、火災に対する安全性向上、さらにガラスが二重であることによる防犯効果も見込めるとあって、国内でも各方面から注目を集め始めています。

 もしも、日本全国の戸建住宅27百万戸のすべてが、この複層ガラス・塩ビサッシを採用した場合、それによる省CO効果は年間約26百万トン分にも上ります。この数字は1990年の民生部門のCO排出量273百万トンの約1割。家庭からのCO排出量129百万トンの実に20%になるのです。

 政府もこれに目をつけて2004年度、環境省や経産省などから高断熱・高気密化住宅に対しいろいろな補助金を出して推進を図ってきており、来年度の予算要求にも引き続きの資金補助や税額控除などが盛り込まれています。

 ロシアの議定書批准をきっかけに、本格化する省CO対策。民生部門の決め手ともなりかねない住宅の高断熱・高気密化に関して、塩ビの特性がフルに発揮できる日がいよいよ近づいているような気がするのです。


論壇

アジア太平洋ビニルネットワーク会議に参加して

塩ビ工業・環境協会 専務理事 西出徹雄

 去る10月4日、ジャカルタにて第8回アジア太平洋ビニルネットワーク会議(Asia Pacific Vinyl Network;APVN)が開催されましたので、その様子をご紹介しましょう。
この会議は年1回ないし2回のペースで開かれているもので、今回は開催地のインドネシアのほか韓国、マレーシア、パキスタン、フィリピン、タイ、日本の7カ国から約30人の塩ビ関係者が参加しました。オーストラリア、中国、インド、台湾の3カ国1地域は不参加でした。

 会議そのものは、ネットワークの運営、情報交換に関する事務的な事項の議論のほか、各参加国からのカントリー・レポート、日本からグリーン調達の現状、ゲストスピーカーとして欧州塩ビ工業会のドグレーヴ専務理事から欧州における最近の動向とVinyl 2010計画についての説明がありました。
 各国の動向の中で特徴的だった点をご紹介しますと、韓国ではシックハウス問題への対応が進行中で来年末に法制化し2006年1月から法施行の予定とのことです。タイではグリーンピースによる工場襲撃が今年ありましたが、東南アジアでは環境NGOによる塩ビ攻撃が続いているようで、塩ビのイメージダウンが続いているとのこと、日本より何年か遅れて同じようなことが起こっているようで、支援が必要だと感じました。
 一方欧州ではEU加盟国の拡大とともに、今年6月に欧州議会の議員選挙、11月から欧州委員会ではメンバーや担当の交代などが予定されており、これまで環境担当のコミッショナーだったスウェーデン出身のMargot Wallstrom女史はNO.2のVice Presidentとなり、後任の環境担当にはギリシャ出身のStavros Dimas氏(ギリシャ政府では貿易相、産業エネルギー技術相を歴任)が雇用社会問題担当コミッショナーから異動される様です。

 インドネシアは雨季に入る時期でしたが、幸い会議の前後は良いお天気に恵まれ、日中の屋外は35度くらいで日本の真夏の暑さと変わりませんが、会場となったホテルの中は冷房が徹底していて、半日も会議場にいると体がすっかり冷え切ってしまいました。
 インドネシアは大統領選挙が終わり、APVNの会議当日に得票数が確定し、ユドヨノ前政治・治安担当調整相がメガワティ大統領に大差をつけて当選したことが発表されました。大統領選挙のあとは国会と地方代表議会で構成される国民協議会(MPR)の議長選挙があるようで、私たちの会議のあったホテルにも国会議員ほか多数のMPR関係者が集まって大パーティーが開かれており、大変にぎやかでした。
 ちょっと前にジャカルタにあるオーストラリア大使館前での爆破事件がありましたから、空港やホテル、ショッピングモールなどもセキュリティー・チェックは大変厳しくなっていましたが、市内は落ち着いた様子で、特に不安を感じるような場面はありませんでした。

 通貨のルピーは1円が79ルピーくらいの水準で、ちょっとした食事が数万ルピー、出国する時の空港使用料が10万ルピーと単位が大きいのにやや面食らいました。それでも経済発展のせいで、この2,3年で市内の自動車、バイクが随分増加したと現地勤務の方からうかがいました。そのせいか朝早くは晴れ渡った素晴らしい青空でも日中になるとスモッグで空が霞んでしまい、オートバイに乗っている人はヘルメットの下で鼻にはマスクを当てて走っていました。

 会議終了後は参加者全員がプールの近くで夕食会、インドネシア名物のサテ(日本の焼き鳥のような)やバーベキューで楽しい歓談の輪が広がりました。
 次回の会合は愛知万博に合わせて来年4月に日本で開催の予定です。


お知らせ
セミナー

・慶應義塾大学 開放環境科学専攻

  16年度・後期 一般・環境公開セミナ−
テ−マ:『21世紀は人類最後の世紀になるか?』
期間 平成16年10月23日(土)〜平成16年12月18日(土)全6回
時間

13:30〜15:00(90分)(休憩10分)15:10〜16:40(90分)
場所 慶應義塾大学・日吉キャンパス・来往舎2階 中会議室
募集人数 学生30名・一般30名
参加申込

必要事項を記入の上、FAX又はメールにて申込下さい
株式会社テムス・環境コミュニケ−ションセンタ−事務局
FAX 03−3547−3656
携帯OK mail:http://www.adad.jp/i/p/29469

(1)住所 (2)氏名 (3)メ-ルアドレス (4)FAX番号

詳細は下記URLをご覧下さい。
http://www.env-center.com/report/index.html

展示会 出展紹介

・「びわ湖環境ビジネスメッセ 2004」

開催日時 2004年10月20日(水)〜22日(金)
10時〜17時(最終日は16時まで)
開催場所

滋賀県立長浜ドーム(JR田村駅から徒歩5分)

JR米原駅〜長浜ドーム〜JR長浜駅を結ぶ
無料循環シャトルバスを運行。

主  催 滋賀環境ビジネスメッセ実行委員会

編集後記

 H2は調布市の市民で、毎日京王電鉄の京王線で通勤しています。
この京王線、新宿〜京王八王子まで、片道約1時間、駅の数にして32駅です。
 先日、通勤つれづれなるままに、くだらないことを考えました。
 駅の名前にもいろいろあるが、上中下がついたもの、あるかな?…ある、ある。「桜上水」、「府中」、「下高井戸」。
 それなら、東西南北は?…ある、ある。「東府中」、「南平」、「西調布」、「上北沢」。
 それならついでに、白発中はどうだ?…さすがに、中以外はない。参った…いや、待てよ。途中の支線の高尾線に「めじろ台」がある。漢字じゃないが、勘弁してもらおう。あとは「発」か…ン、新宿新線に「初台」てのがある。字が違うが勘弁…してはもらえないな。
 そろそろ、おあとがよろしいようで…。(H2記)


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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