10月31日付の東京新聞をご覧になった方も多いのではないでしょうか。日曜日の特集、「サンデークラフト」というコーナーに、塩ビパイプで作ったオーディオ用のスピーカーの話題が載りました。
千葉県館山市在住の市民の方が、ホームセンターで買ってきた塩ビパイプと継ぎ手を組み合わせてスピーカーとして使ってみたところ、小さなスピーカー本体の割には素晴らしい、迫力ある音が飛び出してびっくりしたのだそうです。製作は簡単「スピーカーさえあれば、1時間もかからない」ですし、値段も安い「スピーカー込みでも1万円以内」、それでいて音質は抜群「なんといっても音がきれいで、ソフトごとの録音状態がはっきり分かるほど」というのですから、マニヤにはこたえられないのでしょう。
これは面白い、というわけで、その記事に載っていた、館山市の谷古宇(やこう)さんのホームページをサーフしてみました。するとなんとそのホームページには、全国各地の20人以上のオーディオマニヤたちが、自作のスピーカーを紹介して自慢話に花を咲かせているのです。
サーフしてみてまず分かったことは、スピーカーの材料は、(残念ながら)塩ビパイプでなくてもよい、いろいろある、ということ。紙筒やコンクリートのパイプを使っている例もあれば、道路工事に使う、赤いトンガリ屋根の注意標識(カラーコーンというらしい)を用いているケースもあり。なんと、ペットボトルを使った例まであります。要するに、共鳴作用がポイントなのだから、何でもいいんだ、とこれは、オーディオマニヤを自認する、我が同僚の弁。
また、それぞれ独創的な工夫を凝らしていて、たとえば、車の中にパイプを持ち込み、カーオーディオを一変させた人もいれば、パイプにペンキを塗ってサイケにしたり、凝ったものとしては漆を塗った、やや神がかり的なものもある。
次には、マニヤたちの幅の広さ。高校2年の男性から、60歳過ぎのオジサンまで、また、住んでいるところも、東北や九州から、伊豆大島、果てはアメリカはミネソタ州在住の人まで、実にさまざま。長年やっている人もいて、「もう10年前に作ったものです」という写真が載っていたりする。
要するにこの塩ビ製スピーカーは、簡単に加工できてしかも音調を変えようとすると簡単に改良・改善できる、なおかついろいろ工夫が可能で、何より音質が素晴らしいというのが「売り」のようです。
そういえば一時、塩ビ製の尺八という話題があって、これまた材料が安価で加工が簡単(素人でも作れる)なので、小・中学校の音楽の時間に手作りして使っているという話を聞いたことがあります。
加工しやすく安価でしかも性能が出る塩ビ製品を、もっといろいろな分野で使用していただきたいものです。
塩ビパイプ製スピーカーのより詳しい話は下記へどうぞ。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~tyuuou/enbisp.htm
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