NO.021
発行年月日:2005/03/03

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トピックス
◇山口県で、建設系混合プラスチックの再資源化実証試験に成功
建材分野の塩ビリサイクルに弾み

まちかど妙報室 −その5:ポイ捨て看板、いろいろあるが・・・。−
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編集後記

トピックス

◇山口県で、建設系混合プラスチックの再資源化実証試験に成功

建材分野の塩ビリサイクルに弾み

 ご存知のとおり、廃プラスチックを再利用する場合には、もう一度プラスチックとして繰り返し使用する、いわゆるマテリアルリサイクルがベストです。塩ビは他のプラスチックに比べ、このマテリアルリサイクルが一段と進んでいる素材で、特に上下水道管や農業用フィルム、電線被覆材などの分野ではそれぞれ排出量の半分近くまでリサイクルされています。

 しかし、排出されるすべてのものをマテリアルリサイクルすることは不可能です。その代替として、それらを化学原料等として再利用する、いわゆるケミカルリサイクルの試みが全国各地で進められています。
 塩ビに関しては、既に宇部興産や昭和電工などが、容器包装リサイクル法に基づいて集められた塩ビを含む廃プラスチックを、加圧2段ガス化炉で処理して塩酸や合成ガスを製造する設備を稼動させていますし、住友金属も自社のガス化炉技術で全国各地に自動車の破砕屑(シュレッダーダスト)や廃プラなどを有効利用する事業を展開しています。また、JFEは廃塩ビを脱塩素した後、高炉原料と塩酸に再利用する技術を完成させ、昨年から事業化しています。
 私たちVECは、これら諸技術の推進に種々の面で協力し、マテリアルリサイクルだけでなく、ケミカルリサイクルの分野でも塩ビの再利用を進めようと努力してきました。

陸路分 ユーワで積み込み(ユーワにて撮影)
海路分 RORO船に乗船
 そういった流れの中で、私たちは塩ビの市場として大きな比重を占める建材分野に注目し、建設解体時に排出される、塩ビを含むプラスチック(建設系混合プラスチック)の再資源化を促進する活動を続けてきましたが、この度、山口県と国土交通省中国地方整備局が進めている「リサイクルポート間静脈物流実証調査」に参加し、建設系混合プラスチックの長距離輸送とガス化改質炉での再資源化を実証・確認することが出来ました。

 この実証調査は、関東地区で収集された建設系混合プラスチックや木屑などを、陸路はJR貨物便で、海路はRORO船と称せられる1万トン級の大型定期船でそれぞれ山口県まで大量輸送し、安全性やコスト、環境影響などを調査するとともに、山口県周南市のトクヤマや小野田市の共英リサイクルなどで再資源化を試みるというものです。

 再資源化に使用する建設系混合プラスチックは陸路と海路で計50トン。塩ビの含有量は10%程度と推定されます。このうちの陸路分は所沢のユーワに集められ、JR貨物のコンテナに詰められて、2月16日東海道本線・山陽本線経由で小野田の共英リサイクルへ向け出発しました。一方海路分の30トンは埼玉県庄和町の共同土木でこれまた大型コンテナに詰められた後、東京の有明埠頭まで輸送され、同じ2月16日の夜にRORO船「ひまわり5号」に無事積載完了。VECの担当者も陸路・海路の両方に立ち会いましたが、折からの寒波で寒さ厳しく、震え上がったとか。

共英製鋼ガス化炉で再資源化
 週明けの2月21日、今度は山口県小野田市の共英リサイクル。ここでは、陸路分と海路分の計50トンが集積されて、ガス化改質炉での再資源化実証試験が行われました。コンテナから出された建設系混合プラスチックは破砕機で30ミリ程度に砕かれた後、整然とガス化炉に供給され、処理条件その他に何の問題もなく再資源化されました。ここのガス化炉は住友金属の技術で、国内有数の実績を誇っているものです。立ち会ったVECの担当者によれば、この日もまた寒波で雪が横殴りに降ってたよ、とのこと。日頃の行いがよくないのかな?

 それはさておき、今回の実証試験の結果についてはダイオキシンなどの環境測定の結果を待って、3月末に正式レポートが出されるようですが、建設系混合プラスチックの長距離輸送とガス化炉による再資源化は、まず問題なく実証されたと見て良いでしょう。このことは、全国各地で発生する塩ビを含む建設系廃プラスチックは、適切な処理により安全に再資源化できることを改めて示したと言え、私たちにとって大変喜ばしいことです。
 私たちは、関係する行政部門や業界のご協力も得ながら、この種のシステムを全国各地に展開できないか、引き続き検討を続ける予定です。ご期待ください。

まちかど妙報室

まちかど妙報室 −その5:ポイ捨て看板、いろいろあるが・・・。−


 時や処を問わずマナーの悪さが目立ちます。なかでもポイ捨て。煙草の吸い殻に限ったことではありませんが、街のあちこちでポイ捨てをとがめる看板などが目につきます。
 一番多いのが、市町村が作った「ポイ捨て禁止」といった無味乾燥なもの。その一方で、家の前に捨てられることの多さに怒りをあらわした手書きの看板。

 この前たまたま、対照的なポイ捨て看板を見つけました。ひとつは、小さな紙に手書きで、「隠しカメラで見ているぞ、見つけたら警察へ知らせる・・・」と書かれているもの。もう一つは、可愛いお嬢さんが困った顔して、「ポイ捨てやめて!」と頼んでる、イラスト入りのものです。
 一方の小さな紙の小さな(達筆からは程遠い)字に比べて、もう一方の女学生の表情、「ポイ捨て やめて!」の大きな文字。共感の度合い、納得の度合いはまさに天と地の差がありました。

 この場合、例えば、「ポイ捨ては禁止します。掃除には公費が必要で、税金がムダに使われます。皆さんの倫理的行動を期待します。」などと、論理を全面に出した看板では、訴える力がありません。感性に訴えるか、論理に訴えるか、TPOをわきまえないといけません。
 消費者製品企業での塩ビ忌避には、ビジネスの世界ですから論理が通じる世界の筈ですが、実際のところはそうでもないようです。私達の考えに共感してもらえるよう、真摯な姿勢で繰り返し訴えることが決め手なのでしょうか。

 なお、この女学生、写真を見ていただければ分かりますが、お下げ髪と胸に付けたバッジでどこの学校かわかる人も多いとか。そう、東京の山脇学園の近くで見つけた看板でした。

(浮遊子)

お知らせ
PVC Newsが3/15に発行されます。

PVC News52号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されます。
お楽しみに。


編集後記

 今日は3月3日、ひな祭り。ひな人形飾って、ひなあられ食べて、白酒飲んで・・・。なんて、今も昔も、H2はまともにやったことないなあ。白酒じゃないけど冷酒なら、毎日毎日ひな祭りみたいなもんだけどなあ。

 なんてくだらないことは置いといて、お約束の数字語呂合わせ第2弾。なかには英語読みや中国語読みやフランス語読みもあるよ。
(1)0899:したいときには相手がいないものじゃ。
(2)1564:神の名のもとに行う国もある。
(3)2040:オイ、アレ、何だっけな? ホラ、アノ、アレさ、エート、アノ、アレ??
(4)2934:みだりに使うとこれが怖い。
(5)9123:出したことも、もらったこともある?
(6)52884:今日の日にちなんで・・・。

(H2記)

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
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