NO.024
発行年月日:2005/03/24

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◇電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも・・・
  ウソのようなホントの話、ホントのようなウソの話

随想
「不二」
倉敷市 牧野 哲哉
お知らせ
編集後記

トピックス

◇電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも・・・

ウソのようなホントの話、ホントのようなウソの話

 仕事柄、筆者はいろんな新聞や雑誌などの記事のうち、こちらが選んだキーワードに関係するものを集めてリストアップしてくれるサービスを利用しています。塩ビに関わるもの、ダイオキシンや環境ホルモンに関わるものなどなど、毎日数十件の記事に目を通しています。今日はそこから拾ったお話です。

 某月某日、某県で環境ホルモンに関する講演会が開かれた。講師の一人が環境ホルモンについて講演し、曰く、「最近、チョウチョの一種でナガサキアゲハという種類に、同じ個体でオスとメスの性質を併せ持った、いわゆる雌雄同体のものが発見された。環境ホルモンの影響が懸念される・・・」と。

 筆者は今でこそやりませんが、若かりし頃は山野にチョウチョやガを追い求める、いわゆる昆虫採集を趣味としており、昆虫については詳しいのです。その筆者の記憶によれば、少なくとも1950年代にも、ナガサキアゲハというチョウチョは、雌雄同体が頻繁に見られることが知られており、筆者にとってこの出来事は何ら新しい現象ではありません。この現象に環境ホルモンが影響しているという説は、大変信じ難いのです。

 ということは、この講師は知ってか知らずか、講演で間違った情報を発信し、聴衆に間違った認識を植え付けた可能性があります。環境ホルモンちゅうのはほんにまあ、怖いもんのようだのう、と聴衆は思ったことでしょう。ほんにまあ、困ったものです。

 もう一つの話題。こちらは東京医科歯科大学大学院の藤田教授のレポート「”きれい”社会の落とし穴」(注)からのものです。教授曰く、「アトピーや小児喘息や花粉症などは40年前には日本には全くなかった。それがどんどん増えてきた理由の一つは日本人が清潔になりすぎたからだ。例えばカイチュウなどの寄生虫はアレルギーを抑制する。カイチュウを駆除してしまった1965年ごろから日本人にアトピー、喘息、花粉症が出てきたのだ・・・」というのです。

 こちらのほうは筆者には真偽を云々する能力はありませんが、もしホントなら、少なくとも筆者にとっては「ウソのようなホントの話」です。前述のナガサキアゲハはまず間違いなく「ホントのようなウソの話」。まあ、世の中何事についても、眉に唾つけて考えなければならないようですね。

 それにしても、何でもかんでも環境ホルモンに結びつけようという、上述のナガサキアゲハの例を見ていると、ついこんな台詞が浮かんできます。昔からよく言うじゃないですか。「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みーんなアタシが悪いのよ」って。これをもじった次の言葉で、今週の結語にしましょう。

「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みーんな環境ホルモンのせいなのか?」

(注):「”きれい”社会の落とし穴」藤田紘一郎、学士会会報第851号、94〜114ページ、(社)学士会 平成17年3月1日発行、

随想

「不二」

倉敷市 牧野 哲哉


金のなる木、別名「花月」
 「不二」という言葉はあまりお聞きになったことがないかも知れませんが、「因果応報」「輪廻転生」と共に仏教の根本思想を意味する言葉です。善悪不二、生死不二、凡聖不二、という風に使いますが、「良いも悪いもなく、唯一、あるがままにあるのみ」という真理の教えです。

 ある物質や工業材料について、これは環境に良く、あれは環境に悪い等と簡単に言ってしまいますが、本当にそうでしょうか。

 物には良い面もあれば悪い面もあります。少しでも悪ければ、そのもの全てが否定されるという考え方は間違いではないでしょうか。
 物質にしても工業材料にしても、私達にとって必要だから生み出された物です。良い面も悪い面もありますが、それはその物の本質で変えようのない物です。その物の良い面が必要だから、悪い面を良くわきまえ、それを補いながら使っていくというのが正しいあり方だと思います。

 私達が生きて行くためには、衣食住をはじめ、様々なものが必要です。これらのうち、どれをとって考えてみても、自然環境に影響しないものはありません。
 人類誕生以来、激しい生存競争に勝ち抜く過程で、私達の祖先はいわば環境を破壊し続けて来ました。人が生きるという行為は、すなわち他の犠牲の上に成り立っているのだという事の自覚がなければならないと思います。人類の最大の環境破壊は食糧を獲得する為になされた行為(狩猟、農漁業、牧畜等)ではありませんか。

 私達が考えねばならない事は、最も環境への影響の少ない生き方を模索する事でしょう。どんな物質や工業材料も、無闇に使い続ければ、環境を破壊しない物などあろうはずがないのです。その事を正しく理解して、環境効率、資源効率の良いものを選ぶ姿勢が必要と考えます。

お知らせ
PVC Newsが3/15に発行されました。

PVC News 52号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されました。
詳細は下記からご覧頂けます。
購読を希望される方は、送付先などご連絡下さい。


http://www.pvc.or.jp/index/i_saisin.html

編集後記

 私事ですが、3月初めに、用あって故郷を訪ね、中学校時代までを過ごした家屋の前に立つ機会がありました。子供の目には広く見えた門前の道が、予想外に狭くてびっくりしましたが、道を隔てたお向かいの貸本屋が、今もって健在だったのにはこれまた驚きました。H2ご幼少の頃、この貸本屋で世界の推理小説を読み漁ったのを懐かしく思い出しました。
 推理小説といえば、その昔、「エラリクイーンズミステリーマガジン」という月刊の専門誌があったのを、ご存知の方はもうだいぶお年寄りなのでしょうね。最近またブームになっているアガサクリスティとか、松本清張より先に時刻表を使った名作を書いたクロフツとか、雑誌を編集していたエラリクイーン(「Xの悲劇」、「Yの悲劇」なんて、懐かしいなあ)とか、・・・書き始めるときりがありません。
 この月刊誌は、誌名の頭文字をとって、略称をEQMMと名付けられていました。そこで、わが「塩ビと環境のメールマガジン」も今後、略称をEKMMとすることにしました。本号は第3巻第24号ですから、「EKMM3−24」です。どうです。かっこいいでしょ。以後、お見知りおきを。

(H2記)

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