NO.031
発行年月日:2005/05/19

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トピックス
◇結露BOXで目の当たりに見る、塩ビサッシの断熱効果に、
  注目!瞠目!納得!
   日本経団連・経済広報センター主催の環境技術シンポジウムに展示

随想
世界物理年とアインシュタイン
信越化学 木下清隆
お知らせ
編集後記

トピックス

◇結露BOXで目の当たりに見る、塩ビサッシの断熱効果に、注目!瞠目!納得!

日本経団連・経済広報センター主催の環境技術シンポジウムに展示

 連休前の4月26日(火)の午後、大手町の日本経団連会館で、(社)日本経団連および(財)経済広報センターが主催する、「環境技術シンポジウム」が開かれました。この催しは、急務になりつつある地球温暖化対策に対し、産業界の取り組みの実状を広く認識いただくとともに、国民の意識改革と企業の技術革新を有機的に結びつける試みとして企画開催されたもので、私たちVECも、日本化学工業協会をはじめ化学産業団体が集まって作った、化学産業団体・地球温暖化対策協議会の一員としてシンポジウムに参加しました。

 1時半から始まったシンポジウムでは、日本経団連の山本一元環境安全委員会共同委員長が挨拶された後、基調講演では、キャスターでエッセイストの福島敦子さんが、「生活者側から見ると、電気を湯水のごとく使い、レジ袋を一人毎日1枚消費するなど、まだまだ意識は足りないと思う。豊かで快適な生活を、環境に配慮しながらエンジョイするために、やるべきことはもっともっとあるのでは。」とコメントされました。

パネルディスカッション風景
塩ビ製の実力を見せつけた「結露BOX」
 引き続きのパネルディスカッションでは、シンクタンク・ソフィアバンク副代表の藤沢久美さんをコーディネーターとし、日本経団連の桝本晃章環境安全委員会地球環境部会長をコメンテーターとして、各産業団体代表9名のパネリストで意見交換が行われました。私たち化学産業界からは、日化協の今田和生さんが出席し、住宅の断熱材や樹脂サッシ、太陽電池など、化学業界が生み出した省エネ・省資源技術を紹介しました。

 シンポジウム会場の外側の両サイドには、参加団体が選りすぐった展示品を並べたコーナーが設置され、来会者の注目を集めていました。
 この中でひときわ目立っていたのが、化学業界のコーナーに出した、「結露BOX」。縦・横・高さそれぞれ約1メートルの冷蔵箱の4面に、単層ガラス・アルミサッシから複層ガラス・樹脂サッシまで4種類のサッシのモデルを組み込んで内部を0℃にまで冷却し、外からサッシに触ってみて、結露や断熱の度合いを確かめるというもの。VECの新年賀詞交歓会でも同種のものをご披露した、私たちの「スグレモノ」展示品です。

 数ある展示品の中で、眺めて触って実感できるのはこれだけとあって、来会者はひきもきらず、展示会場の人気を独り占めにした感がありました。説明に当たった担当者の話を聞くと、「皆さん、まず樹脂サッシの存在をあまりご存じない方が多い」とか。しかし、「いろいろご説明すると、なるほどそうですか、それは素晴らしいですね、と納得していただける。説明冥利に尽きます」とのことでした。

 とにかく、この樹脂サッシなるもの、複層ガラスと組み合わせることにより、冷暖房費を約40%節約でき、全国約3,000万戸の戸建住宅に適用すれば、温暖化ガスの発生を、CO2換算で少なくとも2,800万トン削減できると期待される、現代にマッチした製品なのです。
 私たちは今後とも、折に触れ、機を捉まえて、この樹脂サッシの特長を広く知っていただくべく広報活動を展開します。よろしくご声援をお願いします。

随想

世界物理年とアインシュタイン

信越化学 木下清隆


 国連は2005年を「世界物理年」と定めた。丁度100年前の1905年、アインシュタインは、『特殊相対性理論』、『光量子理論』、『ブラウン運動理論』の論文を立て続けて発表した。どれもがノーベル賞を受賞してもおかしくない、後世に大きな影響を与えた大論文である。このような偉業を一人で成し遂げた大物理学者の業績を記念し、100周年に当る本年を国連は「世界物理年」としたのである。

 アインシュタインの業績、特に『特殊相対性理論』(以下、相対性理論)を解説した本は多いが、本を読んでもその基本概念を理解するのは相当に難しい。そこで、ここでは物理法則の保存という概念からこの理論の本質を解説してみたい。

 我々が地上に立って手を伸ばし、ボールを落としたとすると、ボールは真下に落ちる。この時のボールの運動はニュートンの運動方程式によって記述される。では、走っている電車の中で同じことをやったらどうなるか。電車が等速で走っていれば、中にいる人から見てボールは真下に落ちる。何故か? 地上に立っている人と電車の中の人との位置関係は簡単な変換式で表すことが出来るが、これを「ガリレイ変換」という。このガリレイ変換を用いると電車の中の運動は地上と全くの同一式で表されるのである。従って、等速運動している場合、"「ガリレイ変換」に対して運動法則は不変である"と結論付けられることになる。ところが電磁気学はこのガリレイ変換に対して不変では無いのである。何故か?その謎を解いたのがアインシュタインである。

 電磁気学は、電気学と磁気学をマクスウエルが纏め上げたことで誕生した。この電磁気学の重要な結論が、光は電磁波である。電磁波の真空中の速度は光源の運動状態の如何にかかわらず一定で、秒速約30万kmである、というものである。この結論は相対性理論の重要な出発点になるが、未だ後のことである。このように光が電磁波であるとするなら、波である以上、音波や水面波のように空気や水のような媒質があるはずだと考えられるようになった。これがエーテルである。
エーテルなる媒質が宇宙空間を満たしているとの仮説が出された。これを検証するためにマイケルソンとモーレーは実験を重ねた。エーテルで満たされている空間を地球が自転し公転している以上、地球の運動方向と垂直方向とでは光の速度が変わるはずだと彼らは考えた。しかし、極めて精緻な実験でも彼らはその仮説を検証できなかった。この実験結果は科学者達を悩ましたが、ローレンツはこの実験結果の辻褄合わせに、極めて大胆な仮説を提言した。それはエーテルに対して運動している方向の長さは収縮し、垂直方向の時間は遅れるというものであった。このような変換仮説を導入すれば、エーテルの存在を否定するようなマイケルソン・モーレーの実験結果を説明できるとした。このような長さと時間に関する変換を「ローレンツ変換」という。しかし、この仮説はニュートン物理学の常識とは矛盾するものであった。

 これに対し、アインシュタインはマイケルソン・モーレーの実験結果から「光速度一定」を前提として、物理現象を見直した。最初は同時性の概念の見直しである。光速度が無限大と考えられていたニュートン物理学では、同時という概念は普遍的なもので、これを問題にすることすら思いも及ばないことであった。ところが、例えば東京タワーの先端から東京駅に光を送る場合と、札幌駅に送る場合とでは、光速度が一定ならその到達時間は変わらなければならない。従って、同時とは何なのかが改めて問題になってくるのである。このことは宇宙の彼方を飛行する宇宙船と、基地局との交信を考えれば更にはっきりする。この同時性についての思考実験から、アインシュタインは長さの収縮と、光の遅れに関する式を導き出したが、それはローレンツ変換式と全く同一のものであった。このことは従来信じられていた光速度無限大の認識を捨て、光速度一定の概念を導入することで、必然的にローレンツ変換式が導かれるということである。しかし、このことはニュートンが物理学建設の基礎として導入した「絶対時間」と「絶対座標」という基本概念を破壊するものでもあった。素朴な認識として存在していたこのような絶対概念が、光速度一定或いは「光速度不変」という新しい物理学上の発見によって雲散霧消したのである。

 アインシュタインは自ら導いた「ローレンツ変換」によって電磁気学が不変の形式を保つことを証明した。更に、彼は「ローレンツ変換」に対して不変な運動方程式を導き、この中から質量とエネルギーが同等であることを示す有名な式を導き出した。また、ローレンツ変換式は、物体の運動速度が光速に比べて著しく遅い場合は、ガリレイ変換式が導かれる。従って、アインシュタインが導き出した相対論的運動方程式は、ニュートン方程式を特殊な場合として含んでいることになる。このように見てくると、アインシュタインはニュートン物理学を拡張し、その適用範囲を拡大したといえるが、その分野こそ光速に近い運動をする物体の世界、即ち、『量子力学』の世界であった。揺籃期の量子力学には相対論的な概念の導入はないが、両者の結合は論理的な必然である。新しい理論は「ローレンツ変換」に対して不変でなければならない。この困難な仕事を成し遂げたのがディラックであり、ここから相対論的量子力学が誕生した。量子力学の基本理論である。

 アインシュタインは「光速度不変」の概念を武器として、高速運動物体の記述方式を明らかにした。これが『特殊相対性理論』であり、その本質である。彼は、次に生まれてくる『量子力学』のために、揺り籠を用意したともいえる。

お知らせ
展示会 出展紹介

・第3回「三重の21世紀リーディング産業展」


開催日時 2005年5月20日(金)〜21日(土)
10:00開場

開催場所 四日市ドーム
(四日市駅より無料シャトルバス運行)

主   催 三重の21世紀リーディング産業展実行委員会

入場無料

塩ビ工業・環境協会は、「エネルギー・環境ゾーン」に樹脂サッシ、樹脂サイディング関連、及び各種リサイクル塩ビ製品の事例を展示いたします。

詳細は、下記の三重県ホームページをアクセス下さい。
http://www.pref.mie.jp/sangyos/moyooshi/


「塩ビ製品カタログ」が発行されました。
「塩ビ製品カタログ」(塩化ビニル環境対策協議会/塩ビ工業・  環境協会編)が発行されました。
私達の日常生活のあらゆる場面に登場し、その豊かな生活の一端  を担う塩ビ製品の主要なものをまとめた小冊子です。
ご希望の方は、下記URLよりご請求下さい。
https://www.vec.gr.jp/shiryo.htm

編集後記

 例によって、くだらない話を一つ。
 H2は京王線で新宿へ出て、丸の内線と日比谷線を乗り継いで茅場町のオフィスまで毎日通っています。途中、八幡山、新宿三丁目、四谷、八丁堀などの駅を通ります。
 ある日、ふと、「ん?3と4と8の駅があるな」と気がつきました。気がつくと凝りだすのがH2の悪い癖です。以来、電車に乗っては駅名地図を眺め、数字付きの駅名を探すこと約1ヶ月。その結果。
 「一之江(都営新宿線)」、「二重橋前(メトロ千代田線)」、「三越前(メトロ銀座線)」、「四谷(メトロ丸の内線)」、「五反田(都営浅草線)」、「六本木(メトロ日比谷線)」、「砂川七番(多摩都市モノレール)」、「八丁堀(メトロ日比谷線)」、「九段下(メトロ東西線)」、「麻布十番(メトロ南北線)」。
 どうです!
 なんで1ヶ月もかかったかというと、7番目が見つからなかった。困って困って、ついに昨日、オフィスの女性に聞いてみたら、「はいはい、分かりました」てんで、2分もすると、ありました、と言ってきた。なんと、パソコンの「駅すぱあと」で調べたらしい。
 いやあ、やっぱり、H2も年取ったなあ。

(H2記)


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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