NO.039
発行年月日:2005/07/14

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トピックス
◇あなたの暮らしは何ウォーム(Wm)?
  「安井式」温暖化対策評価方式の面白さ

まちかど妙報室 −その10:誤解、そして10大誤解−
お知らせ
編集後記

トピックス

◇あなたの暮らしは何ウォーム(Wm)?

  「安井式」温暖化対策評価方式の面白さ

 最近、国連大学の安井副学長のホームページで、興味深いレポートがありました。今年の3月12日付の、「個人的二酸化炭素削減術」なる題名のものです。

 この中で安井副学長は、国民一人一人が温暖化問題を身近に感じ、必要な行動を取るために、「1kgのCO2を排出する行為を1ウオーム(Wm)と名づけ、これを手がかりに考えてみてはどうか」と提唱されたのです。
 日本全体の年間CO2排出量は2003年で約1,339百万トンですが、このうち、家庭から排出される量は約170百万トンです。これは国民一人あたりにすると1,330kgになります。つまり私たち一人一人が家庭で年間1,330Wmの行為をしていることを意味します。この1,330Wmを、何とかして例えば1,000Wm程度に抑えられないか、そのためにはどうすればいいか、考えましょう、という訳です。

 さてその1Wmですが、これだけで1Wm、つまり1kgのCO2排出になる行為の例が、たとえばこんな風に紹介されています。
 ・テレビを15時間ぐらい見る。
 ・蛍光灯を60時間ぐらい点ける。
 ・自動車(1800ccクラス)を3〜5km走らせる。
 ・新幹線に50km乗る。
 ・水道水を風呂桶10杯分使う。
 ・アルミ缶6缶、ペットボトル7本、レジ袋60枚を消費する。
 ・強火の調理1.3時間、お風呂を1〜2回沸かす。

 他にもいっぱい紹介されていますが、確かにこの考え方は合理的でかつ面白い。最近流行りの環境家計簿などにも共通する考え方だと思い、感心しました。しかし、ちょっと考えると分かりますが、1,330Wmを1,000Wmに減らすのは、並大抵ではありません。

 そこで塩ビの話。塩ビは他素材に比べて、LCA評価ではエネルギー消費や環境負荷が格段に少ない、ということは何度も触れたことがありますが、今日のこの「ウオーム評価」ではどうでしょうか。
 アメリカのコンサルタントの研究で、塩ビと他素材でパイプや農業用フィルムを製造した場合のLCAデータがあります。それに基づいて換算すると、口径15センチの水道管では塩ビ製の場合1mあたり7.8Wmですが、鋳鉄製の場合はなんと27.1Wm。農業用フィルムでは塩ビ製だと1?あたり0.177Wmですが、ポリオレフィン製の場合は0.346Wm。

 現在のところ、こういった温暖化への影響まで考慮して素材選定をする考え方は、主流とはなっていませんが、近い将来、考慮するようになる、いや考慮せざるを得なくなると思います。そういった観点をいち早く取り入れ、実現することが、これからの社会で評価されるものだと考えます。如何でしょうか。

 安井先生のホームページの該当部分のアドレスはこちら
http://www.yasuienv.net/ReduceCO2Personal.htm
 塩ビ製品のLCAデータについては、VECのホームページ中の「塩ビファクトブック」の項でどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/fact/chapter5/LCA2.html

まちかど妙報室

まちかど妙報室 −その10:誤解、そして10大誤解−


 何の因果か、週末には相変わらず東京の街の中を歩き回っています。その間に取り集めた写真と、書きなぐった文章で構成する、この「まちかど妙報室」も今回で10回目を迎えました。辛抱してつきあって下さった読者の皆様に、改めてお礼を申し上げます。

 今日の話題も、さる街角散歩の一場面。公園に入ってさて一休み、と思って気がついたのがこの画用紙サイズのポスターでした。黄色地に黒く浮き上がった妙齢(?)の女性のシルエット。背景にぼんやりと、3人の男性の影が・・・。そしてポスター中央に大きく、「たすけて!!」の言葉と「?」が書いてあります。

 正直なところ、ぱっと見ただけではなにを訴えたいポスターなのか、迷ってしまいました。「火事の時には迷わず大声で叫びなさい」のポスターか?と思ったのですが、違いました。下の方に小さく書いてある、警察署と小学校PTAの文字を見て、これは誘拐に注意のポスターだ、とようやく気がついた次第です。綺麗なデザインに感心したあまり、誤解してしまったことを反省しました。浮遊子もそろそろ年齢ボケなのですね。

 誤解といえば、「化学物質を巡る10大誤解」というのがあるのをご存知でしょうか。念のため、書き並べましょう。
 (1)化学物質は、安全なものと危険なものとに分けられる。
 (2)化学物質のリスクはゼロにできる。
 (3)大手マスコミの情報は信頼できる。
 (4)化学物質のリスクは科学的に解明されている。
 (5)学者は客観的にリスクを判断する。
 (6)一般市民は科学的なリスクを理解できない。
 (7)情報を出すと無用の不安を招く。
 (8)情報をたくさん出せば理解や合意が得られる。
 (9)詳しく説明すれば理解や合意が得られる。
 (10)情報提供や説明会がコミュニケーションだ。

 ある時、これを教えてくれた人に、「いろいろ書いてあるけれど、本当のことをきっちり分かってもらうにはどうしたらいいの?」と質問したら、「本当のことを、少しずつ、何回も繰り返して説明しなさい」という答えが帰ってきました。
 王道はないんですね。やっぱり、地道に、汗をかいて、努力するしかないんでしょうね。いや、いい勉強になりました。
(浮遊子)

お知らせ
上越市環境フェアー2005出展報告
 6月26日(日)上越市主催の「上越市環境フェア2005」が上越市市民プラザにて開催されました。
 塩ビ工業・環境協会(VEC)は、NPO法人エコネット上越(古澤良彰理事長)と協賛して、「エコ商品」の紹介・展示を行いました。
 上越市では、今年は「ストップ地球温暖化は環境のまち上越から」をテーマに資源の有効利用、地球環境の保全、緑化の推進など、環境にやさしい取り組みについて展示・紹介が企画されました。
 VECは、長寿命と省エネで暮らしを支える素材『塩ビ!』をアピールしました。展示内容は次の3点です。
 1)快適な住空間と省エネを実現する住宅用窓枠「塩ビサッシ」
 2)長寿命かつ景観な住宅用外装材を創り出す「塩ビサイディング」
 3)使用済み塩ビ製品の「各種リサイクル製品事例」について、
 特に、今回は「塩ビサッシ」と「アルミサッシ」を比較した「結露実験装置」に、多くの人の関心が集まりました。
 上越市の公式発表では、例年を上回る5,000人の方々のご来場があり盛況でした。
(VEC荒崎直臣)

「塩ビ製品カタログ」が発行されました。
「塩ビ製品カタログ」(塩化ビニル環境対策協議会/塩ビ工業・環境協会編)が発行されました。
私達の日常生活のあらゆる場面に登場し、その豊かな生活の一端を担う塩ビ製品の主要なものをまとめた小冊子です。
ご希望の方は、下記URLよりご請求下さい。
https://www.vec.gr.jp/shiryo.htm

編集後記

 このEKMMのいわば兄弟格でもある、月刊「温暖化対策通信」、愛称Ontai−Pressで温暖化対策の標語を公募していました。職場や家庭で、温暖化防止に励むための合い言葉の募集でしたが、特選1席には賞金50,000円!(の図書券)が出るというので、H2も目の色を変えて、苦吟して、応募しました。
 結果は7月末に分かりますのでお楽しみ、ですが、せめて100通ぐらいは応募して欲しいね、という事務方の予想に対し、6月30日の締め切りに集まったのは、なんと992通。予想以上の大盛況に関係者は、大喜びでしたが、992通からどうやって1つを選ぶんだ?と事務方は思案投げ首。
 それにH2の(密かな)落胆は、「1,000通もあったら、とても俺の駄句には5万円は当たらないな」の悲しみ。ヤレヤレ。

 先々週のメトロの駅名クイズ、分かりましたか?分かる為には、一度それぞれの駅へ出かけて、ローマ字の駅名表示をじっくりみるといいです。Aグループの「新橋」は「Shinbashi」と書いてあるか?「神保町」は「Jinbocho」か?「外苑前」は「Gaienmae」か?
 この問題、Aグループのローマ字表記はちょっとおかしい、と思うのは、H2だけなのかしら?

(H2記)


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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