◇リサイクルで大役果たした後、第3の人生(?)へ |
|
「愛・地球博」で活躍したリサイクル塩ビ製ベンチ、全国で再利用 |
今年の夏の話題の一つは、なんといっても「愛・地球博(愛知万博)」ではないでしょうか。名古屋近郊の長久手会場と瀬戸会場で、3月25日から9月25日まで、185日に渡って開催されたこの万博は、延べ2,200万人余という、予想を大きく上回る入場者を集め、大成功に終わりました。
21世紀初の万国博覧会として、「自然の叡智」をテーマとして開催されたというだけあって、会場内の随所で、環境に優しい工夫が取り入れられていました。
この「愛・地球博」の中で、塩ビが地味ながら隠れたスターの一つとして活躍したことはご存知でしょうか。このメルマガの3−23号でもお知らせしたとおり、塩ビ製品は給排水設備用の塩ビパイプ、強電から弱電までの電線被覆材、数々の建築部材などを始め、パビリオンの屋根用テント、アート作品の材料など、さまざまなところで使われていたのです。
 |
愛・地球博会場にて |
なかでも、環境に優しい塩ビを強くアピールしたのは、会場のあちこちの休憩コーナーに設置された塩ビ製ベンチでした。実はこのベンチは、都市再生機構の解体現場から集められた塩ビパイプや雨樋などを再利用したリサイクル塩ビ製品であり、文科省の肝いりで大同工業大学が製作し、地元リサイクル企業の(有)三宝が企画とシステム構築をし、コンパウンド・成型企業の協力も得て完成した、現場密着型リサイクルシステムの成果品としても価値ある代物なのです。
185日間の長丁場を無事終えたこの「ベンチくん」、万博終了後は息つく暇もなく、地元の長久手町始め全国各地の公園などに設置されて、再び社会のお役に立っています。
 |
茅ヶ崎公園にて |
一番遠くへ行ったのは、神奈川県茅ヶ崎市まで。ここには10基のベンチくんが貸与され、茅ヶ崎市の海岸近くの茅ヶ崎公園に設置されて、市民の憩いに役立つことになりました。10月22日には同市の服部市長のご出席を得て、関係者とともに披露の会も開かれました。服部市長は「塩ビがベンチとしてリサイクルされ、茅ヶ崎市民の憩いの場であるこの公園に設置されたことは、環境の面からも、市民の意識向上の意味からも、大変有意義である」と挨拶されました。
今後茅ヶ崎市としては、市内の公共施設を中心に塩ビ製品の積極的活用を図っていく意向を強くされており、私たちとしても心強い限りです。
ベンチくんのみならず、「愛・地球博」で使われた塩ビ製品は、万博終了後、それぞれきちんとリサイクルされる予定になっており、テントもパイプも電線も、それぞれ第2のお役に立つべく、それぞれの道を進んでいます。
それにしてもこのベンチくん、もともとの、いわば現役時代はパイプや雨樋、畳縁型などで活躍したつわものですが、使用済みとなった、いわば定年後の第2の人生(?)としてベンチに生まれ変わったもの。それがさらに場所を変えて第3の職場で社会のお役に立ち続ける。すがすがしい、いい話であると同時に、なんとなく(わが身と引き比べると)しみじみとするではありませんか。
|
|