NO.060
発行年月日:2005/12/15

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トピックス
◇食品容器・包装材の安全衛生規準の調和を目指して
 東アジアのシンポジウム、新宿で開催

随想 
 古代ヤマトの遠景(3)—ヤマト政権の誕生—
信越化学工業(株) 木下 清隆
お知らせ
編集後記

トピックス
◇食品容器・包装材の安全衛生規準の調和を目指して

東アジアのシンポジウム、新宿で開催

 11月22日の午後、東京都新宿区の野村コンファレンスプラザで、「東アジアの食品容器・包装材における安全衛生の進展」と題するシンポジウムが開かれました。このシンポジウムは、塩ビ食品衛生協議会(JHPA)と私たち塩ビ工業・環境協会(VEC)が主催したもので、中国、韓国などをはじめとする東アジア各国での食品容器・包装用プラスチックの安全衛生面についての情報交換、意見交換を行い、以ってそれぞれの社会への安全な製品供給に役立てようという試みです。
 参加者は中国、韓国、台湾、タイ、EU(フランス)それに日本の6カ国から、総勢約130人。予想以上の人数で、講演会場は満員でした。

 塩ビを初めとするプラスチックは、食品容器や食品包装材として、世界中で広く使われています。そして、そういった食品容器・包装用プラスチックの安全性について、日本では民間の自主的な機関が、安全性に関する世界中の文献の調査や確認実験などにより評価し、当該用途に使用可能な物質をリストアップして公表し、社会に安全な製品を供給するための活動を続けています。
 塩ビについては、このシンポジウムの主催者の1つであるJHPAが、この任に当たっています。1967年(昭和42年)に設立されたこの団体は、塩ビ樹脂メーカー、塩ビ製品メーカー、可塑剤・添加剤メーカー、塩ビ製品の使用者や商社など幅広い分野からの200社近い会員で構成されています。そして、その活動の成果の一部である、食品容器・包装材料として使用が可能な物質のリスト(ポジティブリスト)は850物質に上っています。

中原会長挨拶
シンポジウムの様子
田村事務局長のマンドリン演奏
 シンポジウムは中原JHPA会長兼VEC会長((株)トクヤマ社長)、および厚生労働省の伏見基準審査課長の挨拶に続き、各国の出席者からそれぞれの国の規制と管理の状況、問題点と今後の方向などについてのスピーチと意見交換がありました。規準作りのシステムや、官と民の役割分担、安全性に対する思想などに各国それぞれお国柄があり、そういった点を巡って出席者からも活発な質問や意見が飛び出しました。特に最近伸張著しい中国については議論が集中し、時間切れで場所を変えて続きをやってはどうかとの話が出たほど。
 最後に経済産業省の山根化学課長から、「今後は海外も含めたトータルな安全確保がますます重要になるが、環境ホルモン問題の例にあるように、日本の情報が海外に充分伝わっているとは言いがたい。この会合が、情報の流れる仕組作り、ネットワーク作りに役立つと期待している」との挨拶があり、拍手の中閉会しました。

 そしてその後、別室にて懇親会が開かれ、ビュッフェ形式で和やかなひとときを過ごしました。ここでの圧巻は、JHPAの田村事務局長によるマンドリン演奏。田村さんは昔、全日本マンドリン演奏コンクールで2年連続優勝という輝かしい経歴の持ち主。懇親会場が一時きらびやかな雰囲気に包まれました。

 東アジアにおける食品容器・包装材の安全問題は、各国の事情によりかなりの激流にさらされているのが実態です。しかし、お国柄はあるにしても、安全規準は科学的事実に基づいた客観的なものであるべきであり、そのためには国や地域を超えた情報交換、相互理解が是非とも必要です。充分かつ正確な情報に基づいた規準作りを進めることが、ひいては各国間の規準の調和につながる。そういうことを実感した、この半日でした。

随想

古代ヤマトの遠景(3)—ヤマト政権の誕生—

信越化学工業(株) 木下 清隆

 前回、古代倭国の中心が大和に置かれていたことを述べたが、なぜ大和なのかを説明するのは難しい問題である。
 現在の奈良盆地に一大勢力があり、この勢力が中心となったとの考え方は有力である。彼等が結果的に倭国全体を征服したとの考え方である。
 では3〜5世紀の奈良盆地の勢力はどうなっていたのだろうか。実は、ばらばらだったのである。
 この地方の勢力は盆地の東と西の勢力に大きく二分される。そして、盆地東側の勢力、具体的には三輪山を取り囲む阿倍氏その他の勢力及び、天理から春日にかけての和珥(わに)氏の勢力は、大雑把に言えば3〜4世紀に活躍した。これに対して西側の勢力、具体的には平群(へぐり)氏・葛城(かつらぎ)氏・巨勢(こせ)氏・波多氏等の勢力は5世紀に活躍するのである。彼等の活躍時期は完全にずれており、この地に統一の勢力が存在していたとする説は成り立たないのである。
 このように大和に一大勢力の存在がないとすると、別の考え方が必要となってくる。

 そこで、古代倭国の領域はどこまでだったのかを考えてみることにする。これについては、古事記・日本書紀に倭国誕生の神話がそれぞれ冒頭に出てくるので、これから類推することができる。
 日本書紀によればイザナギ・イザナミの二神によって、淡路洲(しま)・豊秋津洲〔大和〕・伊予二名洲〔四国〕・筑紫洲〔九州〕・隠岐洲佐渡洲・越洲〔北陸道〕・大洲・吉備子洲〔吉備地方〕の大八洲が誕生した。この国生み神話から判断する限り、ヤマト政権が後世になって記紀を編纂し始めた当時、彼等の意識として倭国誕生頃の領域は、現在の奈良県以西の諸国だったことになる。
 要するに西日本が倭国であり、現在の東日本は倭国ではなかったのである。このような認識は東国が全て倭国に敵対していた諸国だった可能性があることになる。

 更に卑弥呼は女王として共立されて以来、狗奴国と戦いつづけている。ほとんど半世紀に渡ってである。
 この狗奴国がどこにあるのか『魏志』倭人伝からでは特定できない。邪馬台国と同様にである。
 そこで東国の美濃・尾張国等を狗奴国と見なすとどうだろうか。このように考えると全てが上手く説明がつく。要するに卑弥呼は東国の美濃・尾張と長年にわたって戦い、そのための拠点が大和に置かれていたと考えれば良いことになる。
 この他の拠点として近江・河内等が考えられるが、大和が一番守りに堅い土地柄である。尾張から大和を攻める道は四日市・伊賀から木津川沿いに西進してくるしかないからである。反対に東国を攻める場合もこの道しか無かったということである。

 恐らくこのような理由から倭国の中心が、連合諸国の話し合いによって大和に置かれるようになったといえよう。ここにヤマト政権が誕生したのである。
 この政権の最初の女王卑弥呼は尾張・美濃勢力と戦闘を続け、戦い半ばで死んだ。248年のこととされている。この後、壱与(いよ)の時代が続くが、それ以降一世紀以上倭王の行方がわからなくなる。中国側に全く記録が残されていないからである。では、古事記・日本書紀によって、その後の倭王を追うことが出来るのだろうか。
                          (つづく)

お知らせ
【NEW】 住宅・生活誌「家と人。」セミナーIn 青森 参加報告

 樹脂サイディング普及促進委員会では、去る12月2日(金)に青森市において行われた住宅・生活誌「家と人。」主催のセミナーに参加し「寒冷地における画期的外装材」をテーマに樹脂サイディングの紹介を行うとともに樹脂サイディングをお使い頂いているお宅の見学会を行いました。
 セミナーでは基調講演として、秋田県立大学システム科学技術学の長谷川先生より「サステナブル住宅の可能性」、主催者であるリヴァープレス社の加藤氏より「成功する広報の鉄則10」の講演に引き続き、中村建材コンサルタントより「寒冷地における画期的外装材」の講演が行われました。青森県下より約30名の参加を頂き活発な質疑が行われるとともに、講演終了後に行われました見学会にも寒空の中多数のご参加を頂き大変盛況な会となりました。

(樹脂サイディング普及促進委員会 事務局 長縄 肇志)



エコプロダクツ2005 出展案内

日 時 2005年12月15日(木)〜17日(土)
10:00〜17:00
場 所 東京ビッグサイト(東4・5・6ホール)
小間番号:424
主 催 新エネルギー・産業技術総合開発機構
(社)産業環境管理協会、日本経済新聞社
入場料 無料
塩ビ工業・環境協会、樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会にて出展致します。
エコプロダクツ2005 ホームページをアクセス下さい。
http://eco-pro.com/


PVC Newsが12/15に発行されます。

 PVC News 55号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されます。記事の一部をご紹介致します。

トップニュース

塩ビのリサイクル製品にもエコマーク表示が可能

視点・有識者に聞く

エコロジカルな経済をめざして
慶応義塾大学 経済学部教授 細田衛士氏

リサイクルの現場から

住電資材加工(株)の電線・ケーブルリサイクル事業

その他、塩ビに関する最新情報をお届け致します。

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編集後記
 毎週毎週、編集後記と称して、下らない作文をしていると、たまには飽きがきます。「もうネタギレだ、イヤになった、もう止めたい!」と落ち込みます。
 そんなときに限って、読者の方から素敵なメールを頂戴します。いつもそれに元気付けられて、エネルギーを回復するのですが、最近のエネルギーの基の1つをここにご紹介します。

〔H2様、

 昔、「ギヨォテとは俺のことかとゲーテ言い」という川柳があったことを思い出しました。

駅でアメリカ人に聞かれました。
ハイルーは何線に乗ればいいのですか?
ああ、そうですか。イービスの次ね。
では、シャイオドームはどこで乗り換えですか?
チャイバまで行く地下鉄はありませんか?
空港へはデーマンでキーシー、キーヒンに乗るのですね。
・・・
出てくる順番に広尾、恵比寿、汐留、千葉、大門、京成、京浜。
ローマ字万能に非ず。

折角のメルマガを、編集後記しか読まない馬鹿もいるのです。
私の名前? 匿名、匿名。〕

はっはっは。ああ面白かった。元気になった。それに、作文が一回分、助かった。

(H2記)


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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◆編集責任者 事務局長  原田 浩

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