NO.061
発行年月日:2005/12/22

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トピックス
◇小雪ちらつく中、新潟から川崎へリサイクルの旅立ち
 中越地震の塩ビ廃材、JFE環境(株)で再利用作業開始

随想 
 環境税の論争について想う
鹿嶋市 宮崎
お知らせ
編集後記

トピックス
◇小雪ちらつく中、新潟から川崎へリサイクルの旅立ち

中越地震の塩ビ廃材、JFE環境(株)で再利用作業開始

 年の瀬を迎え、何やかやと忙しないシーズンになりました。この季節は日本海側の地方では雪のシーズン。あの大地震から1年ちょっと経った新潟地方でも、ここのところ連日降雪が続いているようです。特にここ数日の大寒波襲来で、またまた雪深さが増したことでしょう。

 地震といえば、あの新潟中越地震で倒壊した家屋の解体廃材のリサイクルを、塩ビ関連業界が支援する、というお話はご存知ですよね。廃材の中の塩ビ製品、特に塩ビパイプや塩ビ雨樋などを対象に、VECを始めとする塩ビ関連業界が、JFE環境(株)の協力も得て、費用は全額業界負担でリサイクルすることとした、ということはこのメルマガの第54号でお知らせしたとおりです。

小千谷の集積場から川崎目指して
JEF川崎工場に到着
新潟県泉田知事からの感謝状
 この計画がいよいよ進み始めました。12月1日には新潟県小千谷市から、6日と13日には同県長岡市から、それぞれの集積地に集められた解体塩ビが10トントラックに積み込まれ、折りしもの小雪ちらつくなかを、神奈川県川崎市にある、JFE環境(株)の高炉原料化プラントまで運ばれました。
 そしてこのプラントで、小千谷市のものについては8日に、長岡市のものについては16日に、それぞれケミカルリサイクルされました。つまり、廃塩ビ中の塩素分は鉄鋼工場の酸洗工程で使われるべく塩酸に形を変え、その他の炭化水素分はJFEの高炉用のコークス代替原料として生まれ変わったのです。当然のことながら、リサイクル処理に関して何の問題もなく、環境負荷に関してもきちんと管理されています。

 回収された廃塩ビの量は、両自治体合計で30トン弱。現在、両自治体の集積場には、分別完了した廃塩ビは殆んど残っておらず、とりあえず全量回収できた、ということです。
 ただし、市内各地には倒壊したまま放置された廃材がまだ残っているようです。これらについては雪のため作業不可能なので、来年春の雪解けを待ってもう一度集積・分別を行い、量がまとまった所で今回同様、川崎まで輸送してリサイクル処理する計画です。

 この活動についてもうひとつ嬉しいお知らせがあります。この計画に参画した私たち塩ビ工業・環境協会(VEC)初め、塩化ビニル環境対策協議会(JPEC)、塩化ビニル管・継手協会、塩ビ雨樋協会の4者に対し、新潟県の泉田知事からサイン入りの感謝状をいただいたのです。その中で泉田知事は、不幸にして被災した地域を、単に元に戻すだけでなく、「明日に向かって希望の持てる創造的復旧をめざし」、「『元気だしていこー!新潟』を合い言葉として全力で取り組みます」との、力強い決意表明をされており、共感を覚えました。

 リサイクル可能な使用済み資材をむざむざ埋立てるのは資源の無駄遣い。塩ビはリサイクル可能な、しかも社会生活に不可欠な資材です。私たち塩ビ関連業界はこの例のような活動を通じて、震災からの復興に微力を尽くすとともに、塩ビの有用性を少しでも社会の皆様により良くご認識いただこうと努力しています。今後とも、ご理解とご支援をお願いいたします。

メルマガ第54号(11月4日発行)は、VECのホームページよりバックナンバーをご覧下さい。
https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

随想

環境税の論争について想う

鹿嶋市 宮崎

 先日は、小生の拙い文章を掲載いただき、有難うございました。
 ところで、本日ペンを取りましたのは、貴協会の専務理事の「環境税反対」ときっぱり言い切られた随想文に感銘したからです。

新井白石先生自画像
「紫石稜稜電人を射る」と自ら詠んだこの鋭い眼差しで、徳川6代将軍家宣の政治顧問として敏腕を振るい、時代の腐敗を命がけで取り除いた。まさに、今の日本が必要とする「狂直な政治家」ではないだろうか。
 現状の国策をみると、全て「税金」と「補助金」で国民を操ろうとする浅はかな施策ばかりで、うんざりします。
 本来は、資本主義に基く経済活動の中で「国民の利益が守られ、かつ、国民の生活が向上する等といった、正しい目的」が達成されるべきなのですが、しばしばこれが行過ぎて問題が発生する。例えば、今問題となっている「耐震不足のマンション」などは、企業の利益優先が行過ぎた結果です。こうしたことに対して、元来は「法律」が効力を発揮し、国民が不利益を蒙らないように対策が取られている筈です。

 話を「環境税」に戻せば、行過ぎた経済活動への規制について、従来の「法律」は本当に機能しているかどうか、機能していないとすれば、何を新たに加えるべきかを、先ず最初に検討すべきだと思います。
 但し、ここで注意しなければならないのは、現実社会での経済活動を詳細にとらえ、機能する法律をつくることだと思います。国民が正しくその目的を理解し、「法律=規制」を受け入れなければならないと感じることがポイントなのではないでしょうか。
 規制されることで、個人の自由が束縛されることになるでしょうが、でも、その「束縛されること」、「我慢すること」が、自分以外の人たちのためになっているんだという認識ができ、「ああ、本当に良いことをしてるんだな」と思えることでその我慢が報われ、逆に「ある心地よさ」を生むのだと思います。

 「環境税」の導入に関して意見を言わせてもらえば、この法律を施行することで、本来の目的であるCO抑制へ向けて「経済活動」が本当に変わるのか。過去の事例はよく知りませんが、例えばSOX賦課金などどうだったのでしょうか。脱硫技術の向上、対策の普及など一気に進んだ筈ですが、今はどうなんでしょうか。
 地球温暖化ガス=特にCOについては、現人類の文明の発祥のきっかけともなる「物を燃やすこと」が原因で発生する訳ですから、ここにSOXとは違った難しさがあると思います。すなわち、発生源が企業に限定されておらず、個人も発生源となり、ここに「発生源者の認識の違い」が発生する・・・ある人は「問題」と思い、またある人は「問題なし」と思う。

 この「問題」を「課税」によって認識させるということですが、例えば、自動車のガソリンの値段が上がれば、なるべく使用を減らそうとは思いますが、元来移動するという行動は必要な訳ですから、多少税金を払ってもガソリンを購入することになります。(本当にすごい人なら自動車を止めて自転車を使うなんていうこともあるかも知れませんが、こういう人は「課税」に関わらず行動に移すでしょうね)
 で、ガソリン購入から吸い上げられた「税金」を何に使うかですが、本来は、「ガソリンの消費を減らすこと」に使用されるべきですが、この具体策は、本当に用意されているのでしょうか?
 本来は、交通手段である車の燃費を向上させる・・・これは自動車会社の任務、一人あたりの消費を減らす意味では、バスなどの公共交通手段を充実させる・・・これはバス・鉄道会社の仕事、目的地までの距離を短くする・・・これは都市計画でしょうか。それとも各種サービス会社の仕事でしょうか。
 こう言った具体的な計画が、本当に実行されるかというと、無理じゃないかな、と思ってしまいます。

 話がだいぶ長くなってしまいましたが、本来、国の行うべきことは、「現状の資本主義的経済活動」を国民が望むべき方向に「正しく導く」ための「必要な規制=法律」をまじめに考え、これを国民に無理なく厳守させること、それだけではないのでしょうか。課税による増収で修正するなどは、本来、国として行うべき対応ではないと思いますが・・・。
 国政を「金で修正」すれば、「金の力」の反動で国政が崩れると思うのですが、如何でしょうか。 

お知らせ
PVC Newsが12/15に発行されました。

 PVC News 55号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されました。
記事の一部をご紹介致します。

トップニュース
塩ビのリサイクル製品にもエコマーク表示が可能
(財)日本環境協会に新認定基準。
塩ビのマテリアルリサイクル率の高さなどに言及

講演会レポート(1)

第3回「住まいと環境・エネルギーセミナー」から
小池環境相を迎え、“クリーンな次世代住宅”テーマに講演とパネル討論

講演会レポート(2)

JPEC講演会「『環境時代』を考える」
東大・渡辺正教授が環境の常識に挑む。
大切なのは「科学的で冷静な視点」

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編集後記
 年の瀬もいよいよ押し迫って参りました。ビジネスのかたわら、年賀状、大掃除、忘年会、などなどが気になりはじめる季節です。

 「あさ寝、あさ酒、あさ湯が大好きで、それで身上つぶしたぁ〜」とは、ご存知、福島民謡「会津磐梯山」の一節。
 実はH2、少し血圧が心配な年頃ということもあって、夜、アルコールが入った後では風呂に入らないことにしています。その場合は翌日ちょっと早起きして「あさ湯」に入り、心身ともシャキッとして出勤するのです。
 さて、年末のこの頃になると、ご承知のとおり忘年会続きで、連日、飲んだくれての帰宅になります。当然、「あさ湯」の日が続きます。
 週末の土曜日はというと、前日深夜に帰宅、「あさ寝」の後「あさ湯」に入り、午前中テニスで汗かいて、帰ってきて「ひる湯」、喉が乾くのでビール飲んで「ひる酒」。くたびれて「ひる寝」して夕方また「よる酒」、・・・。ひょっとしてこれ、「おはら庄助」ならぬ、「おはらH2」なのかな?
 もっとも、H2にはつぶす身上はありませんので、安心、安心。

 おっと、忘れるところでした。来週と再来週は年末年始でこのメルマガもお休みです。次回は年明け、2006年1月12日(木)にお目にかかります。「なんだ、つまらない」、なんて言ってくれる人、いないかなあ。
 では、よい年末と、よいお年を。

(H2記)


VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
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