サンクトペテルブルク見聞記(1/2)− 窓枠 |
塩ビ工業・環境協会 高橋裕明
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昨年10月ロシアの第2の都市サンクトペテルブルクにおいて、塩ビ協会の国際会議が開催されました。7月にはG8サミットが開催されたり、12月にはフィギアスケートのグランプリファイナルが開催されたことでご存知の方も多いと思います。 サンクトペテルブルクは、北緯60度とかなり北極圏(66度33分)に近いことから、10月でも寒いものと覚悟はしていましたが、事実その通りで手袋とマフラー、それにコートは必需品でした。
寒いといえば、塩ビ工業・環境協会では、断熱効果が高く、省エネにつながり、炭酸ガスの排出削減に貢献する塩ビサッシ(樹脂サッシ)の普及に努めています。そこで、寒いサンクトペテルブルクの窓枠は、どんなものが使われているか仕事柄気になり、会議の合間に街の中を見て歩きました。
会議の開かれたホテルは、サンクトペテルブルクの中心地に位置し、世界三大美術館の一つエルミタージュ美術館、カザン寺院、血の上の教会など歴史的建造物が近くにあり、古い石造りのビルディングが多く見られました。当然窓枠も古めかしく、よく見ると二重窓になっていました。2つの窓は接触しているのではなく、外側の窓と内側の窓の間には30cmもの空間があり、これも寒さ対策のためでしょうか?というわけで、窓を観察するといっても内側の窓までを見ることはできず、道路に面した外側の窓をみることとなりました。ましてや、世界的な観光地で窓越しに家の中をのぞきこんでいる怪しい東洋人と見られては大変です。できるだけさりげなく窓に触ったり、写真をとったりと私なりにも大変気を使ったわけです。
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シールが貼られたままの塩ビサッシ |
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木枠の窓(右)の隣には塩ビサッシの窓 |
鉄製の窓は朽ちてボロボロのものもあるし、木枠の窓もこれまた古めかしいものでペンキもはげかけていたものも見られました。しばらくすると、小さなテナントビルかアパートかと思われるこぎれいなビルに出会いました。近づいてよく見ると道路側に面した窓枠は白色で、触った感じは間違いなく塩ビサッシらしいものでした。よく観察すると、会議で講演していたロシアのあるメーカーのシールが貼られていたことから塩ビサッシであることを確信しました。
ところが、その建物全体が塩ビサッシかというとそうではなく、隣の窓は、同じ白色でも木でできていました。もともとは木枠であったものが改装により塩ビサッシに取りかえられたものと思われます。それを契機にいろいろ見て歩くと、古い建物は木製であったり鉄製ですが、木肌模様の塩ビサッシにも出くわしました。確かに、都会の真ん中のビルディングの状況ではありますが、いたるところに塩ビサッシが使われていることがわかり、寒い地域の常識なのかと改めて認識させられました。「最近の出荷の7割は塩ビサッシです」とさるロシアの窓枠メーカーが会議で話していたことを自分の目で確認できたことは本当に貴重な経験でした。
日本ばかりでなく、今年の冬は世界的に暖冬といわれているところです。省エネ効果のある塩ビサッシを備えたサンクトペテルブルクの家では、例年に比べさぞかし少ない暖房費となっていることでしょう。 |
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