明けましておめでとうございます。
平素より塩ビについて様々お世話になっております各界の皆様には、常々VECの活動にご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。本年もどうぞ、倍旧のご支援を賜りますようお願い申し上げます。新年を迎えまして思うところの一端をお話し申し上げたいと存じます。
昨年の当協会の総会後の懇親会で、わが国の塩ビ産業は、建設需要の低迷もあって厳しいものの、一昨年より塩ビに対する再評価も緒につき、本格的な塩ビへの需要回帰と新規用途開拓による塩ビ産業の復活に向けた活動に取り組む時期が来たと申し上げました。
しかしながら、米国発の金融バブルが弾けてアジアや世界が壊滅的打撃を受け、その影響が日本の企業や家計にもはっきり表われてきました。昨年後半には世界的な金融恐慌の様相を帯び実体経済に波及しました。住宅・自動車・エレクトロニクス・電機などの主要産業をはじめあらゆる分野で世界的な景気崩壊の激震が起きています。
年末年始は全メディアが“景気の急降下”をこぞって報道していますので、繰り返しませんが、こうした未曾有の景気後退に対し、主要国で大規模な世界的景気対策がとられ始めています。塩ビ業界も必死の努力をしていますが、一業界の努力では如何ともしがたい状況にあります。こうしたファンダメンタルズに係わる問題には、是非とも政府の大規模な政策出動による強力な対策をお願いしたいとの思いであります。特に公共投資などへの財政出動は当塩ビ産業にとっても有力な回復材料となります。
需要分野の裾野が広い塩ビは、景気の影響を受けやすく、それが如実に数字に表れています。塩ビの国内出荷は大きく落込み、2008年は四半世紀ぶりに120万トンを割り込むのが必至の状況にあります。一方で輸出も前年比60%近くまで減少しています。しかし、私は塩ビの見通しを悲観しているわけではございません。今は、景気後退による実需減に加え、原油価格の急騰急落に起因する在庫調整が更に需要減を増幅していると見ております。塩ビ産業のキーである新設住宅着工戸数は、2008年は110万戸程度へ回復したものと見られます。住宅分野での需要回復傾向を底流に、政府の景気対策の効果が現れる今年の後半には、ゆるやかながらも反転するであろうと期待しております。
さて、昨年の総会で、塩ビ需要の増加を大目標として、VECの活動の3つの重点課題を設定して取り組んで参りました。
その第一が「塩ビが地球環境に優しい、社会を支える素晴らしい素材であることを根付かせる」ことです。この活動は着実に進んでいると手応えを感じております。ひとえに行政やメディアの皆様が私共の考えをご理解、ご支援いただいた賜物と勇気付けられています。ありがとうございます。今年は、焦点をより明らかにして取り組んで参ります。
第二が「リサイクル支援制度を活用し、リサイクルの拡充を図る」ことです。既に支援制度のもとに幾つかのリサイクルの開発に協賛をしました。今年にはその成果が実を結ぶよう、一層の展開を図って参ります。
第三が「地球温暖化対策に貢献する樹脂サッシ等の普及促進」でした。これは塩ビレジンの市場拡大を目指したものであります。住宅の省エネ窓リフォームにつきまして、政府の補正予算での補助金追加、与党税制大綱への所得税控除の組み入れがあり、また東京大学のTSCP(東大サステイナブルキャンパスプロジェクト)にも取り上げられるなど、心強いかぎりであります。更に、展示会でも大きな反響を呼び、認知度が格段に向上しました。
今年も、各界の皆様のご支援を頂きながら、塩ビ需要の回復に向けて高い効果が期待できる活動を協会一丸となって進めて参る所存でございます。
最後ではございますが、皆様にとって本年が良い年となりますよう、またご健康、ご多幸でありますよう、祈念いたしまして新年の挨拶とさせていただきます。
本日は誠に有難うございました。
(1月7日開催のVEC賀詞交歓会での、会長年頭挨拶を掲載いたしました。)
VEC賀詞交歓会 |
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VEC 菅原会長 |
経済産業省製造産業局 後藤次長 |
懇談風景 |
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