===「塩ビと環境のメールマガジン」 創刊号========== 2001/09/06
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目 次
☆
ご挨拶「メールマカジンを始めました」
☆生まれ変わる塩ビ
「小中学生のみなさん、謎解き体験の旅はいかがでしたか?」
☆塩ビのリサイクルあれこれ
・・・・3つのリサイクル
☆おもちゃの規制ってこれでいいのでしょうか?
「塩ビ使用制限の政府案に、パブリックコメントで反論」
☆お知らせ
□展示会の出展予定
・2001NEW
環境展(大阪)
・エコビルド展 (東京)
□パンフレットのご案内
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☆メールマカジンを始めました
突然のメールをお許し下さい。
このたび私たちVEC(塩ビ工業・環境協会)では、「塩ビと環境の
メールマガジン」を発行することと致しました。
VECは塩ビモノマーおよび塩ビ樹脂といった、塩ビ原料を製造販
売している企業が集まって作った団体であり、塩ビ全般、とりわけ
塩ビにおけるリサイクルの推進や環境にかかわる調査研究、塩ビに
関する正しい理解の普及や社会とのコミュニケーションに取り組ん
でいます。
昨今、塩ビとダイオキシン問題、塩ビ製品に含まれる化学物質の
安全問題などから、塩ビに対するご意見、ご批判を頂戴することが
増えてきていますが、なかには誤った事実認識に基づいたもの、世
間で取りざたされている「風評」にのみ基づき正確な科学的根拠の
ないものなどが多く見られ、残念でなりません。
また、塩ビがどのように社会のお役に立っているのか、塩ビ業界
としていろいろな問題に対しどのような考え方でどのような活動を
しているのか、知って頂きたいことがたくさんあります。
このメルマガはそういったことに関し、タイムリーかつざっくば
らんに私たちの情報を提供し、ご理解を深めて頂くために作ったも
のです。従来からリリースしている、
VECのホームページ https://www.vec.gr.jp
PVCニュース http://www.pvc.or.jp/pvc/index.html
などに加え、親しみやすくそしてスピーディな情報手段として、ご
愛読頂けるようになればと願っています。
発行は毎週木曜を予定しています。
ご一読頂くとともに皆様からのご意見、ご助言をお待ちしています。
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☆生まれ変わる塩ビ
「小中学生のみなさん、謎解き体験の旅はいかがでしたか?」
●塩ビの役割とリサイクルを紹介しました—仙台市化学展で
7月28日から8月26日にかけて、仙台市科学技術館で「仙台市
化学展・・・謎解き体験の旅」が開かれ、私たち塩ビ工業・環境協
会も出展しました。
これはこの化学展に協賛する東北大学大学院工学研究科(奥脇研
究室:応用化学)からの「生まれ変わるプラスチック」という展示
企画にお応えしたもので、前半の2週間は(社)プラスチック処理
促進協会がプラスチック全般を紹介。後半は当協会が塩ビのリサイ
クルを紹介しました。
おりしも仙台市は容器包装リサイクル法に基づいて、本年1月か
ら「塩ビを含むプラスチック」の分別収集モデル事業を開始、来年
4月からは全市域で実施することになっており、市民と行政もこれ
を通じて「資源循環型都市・仙台」を形成しようとしています。
そんな中で今回の化学展はプラスチックとは何か?リサイクルで
どう生まれ変わるのか?を小中学生に考えてもらうというものでし
た
。
●例えば市民が家庭ごみから分別したプラスチックは製鉄所に運ばれ
コークスの代わりとなる還元剤としてリサイクルされます。
またその一方、東北電力や市内の企業で使用済みとなった塩ビ電線
などは、循環資源として回収され、もう一度電線に戻ったりします。
また近郊の農家で使い終わったビニールハウスなども同じく資源
として回収され、これらも床材やサンダルなどの塩ビ製品に生ま
れ変わっていきます。
このようなリサイクルの仕組みを理解し、分別に始まってリサイ
クルの輪を完成させていくことを小中学生にも理解してもらいたい
これが当協会の思いでした。
●塩ビなどのプラスチック製品は身の回りに数多く存在していますが、
いったいどこから来たの?とか、どうやって作るの??使った後は
どうなるの???といった素朴ですが基本的な疑問に対し、子供た
ちに判りやすく説明することは重要なことだと考えています。この
コミュニケーションは、産業のこれからにとって重要な仕事です。
なぜなら、製品が有用であることに加え、リサイクルの推進が
循環型社会の一員としての必要条件ですから。
●でも今回の展示はちょっと難しかったかな。絵や実物をもっと多く
して実際に製品が形となる様子を、もうちょっと工夫すべきでした
皆さんたちだけでなく私たちも勉強させてもらいました。また
どこかでお会いしましょう。
そして小中学生の環境に対する関心の高さも再認識しました。私た
ちは、この子供たちの未来のためにも、リデュース・リユース・リ
サイクルといった3Rをはじめとした循環型社会への取り組みを進
めていかなければならないと改めて認識した次第です。
●最後になりましたが、ボランティアとして約1ヶ月の間インストラ
クターを務めてくださった東北大学大学院の研究室のみなさん、本
当に有難うございました。
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☆塩ビのリサイクルあれこれ
・・・・3つのリサイクル
約100種類あるプラスチックのなかで3番目に多く使用されて
いる塩ビは、他のプラスチックに先駆け、1950年代から普及し
てきました。
ビニールという言葉が汎用のプラスチックを指して言われることが多
々あるように、いわばプラスチックの代表選手であるというのがイメ
ージです。
それだけにリサイクルに関しても早くから進み、現在では1年間に使
用済み塩ビのうちの約30万トンがリサイクルされ、新しい塩ビ製品に
生まれ変わっています。
このメルマガでは、塩ビのリサイクルの色々を分かりやすく皆様にご
紹介していきます。今週はリサイクル全体のお話。
●マテリアル・リサイクル
「もの」から「もの」へのリサイクルをマテリアル・リサイクルと呼
んでいます。
全く同じ元の製品へリサイクルすることをホリゾンタル・リサイクル
と呼び、違う製品に姿を変えてリサイクルすることをカスケード・リ
サイクルと呼ぶこともあります。
リサイクルはホリゾンタルが好ましいには違いありませんが、しかし
それだけでは限りがあります。リサイクルの用途をさらにひろげる
為には、異なる製品に姿を変えて、リサイクルすることも必要です。
塩ビに関して言えば、水道パイプから水道パイプ、電線から電線を再
生するのはホリゾンタルですし、ビニールハウスから床材やサンダル、
自動車の座席の下に使うカーマットに再生するのはカスケードです。
使用済みの塩ビをマテリアル・リサイクルすることを、私たち塩ビ業
界は約40年も前の1960年代から取り組んできました。
●ケミカル・リサイクル
マテリアル・リサイクルと共にケミカル・リサイクルにも取り組んで
います。
この方法はフィードストック・リサイクルとも呼ばれ、使用済み製品
を再び化学原料として活用します。汚れすぎていたり、他の素材と複
合しているものに対しても有効です。塩ビのケミカル・リサイクルは
「高炉原料化」、「コークス炉化学原料化」、「セメント原燃料化」
「ガス化」、「油化」といった様々な方法が進められています。
次の機会に詳しくご紹介しますが、いずれもプラスチックを高温で
熱分解し、炭化物や元の炭素、水素、塩素の形に戻して再利用するも
のです。
なお、このケミカル・リサイクルはマテリアル・リサイクルに含め
ることもあります。
●サーマル・リサイクル
塩ビが普及するに伴って、日用品や文房具など沢山の製品が登場しま
した。これらの使用済み製品は家庭などから排出されますが、清掃工
場の「焼却炉」で焼却され、多くはごみ発電や温水プールの熱源とし
て有効利用されています。これをサーマル・リサイクルと呼びます。
欧米ではエネルギー・リカバリーと呼ばれ、これまで埋め立ててきた
塩ビやほかのプラスチックをこの方法で有効利用することが見直され
始めています。
わが国の場合、埋立処分場の逼迫などを背景に、自治体の清掃工場で
焼却し、使用済みプラスチックの減容と熱利用の拡大を図ってきまし
た。
また一部の産業系廃プラスチックも固形燃料(RDF)に変え、こ
の方法で有効利用されています。
近年は高温焼却技術が進み、ダイオキシンなどの有害物を欧米と同じ
かそれ以下の厳しい基準で安全に管理できるようになりました。さら
に「ガス化溶融炉」のように、プラスチックだけでなく、金属や陶磁
器までも資源として回収・再利用できるところまできています。
●なお最近の企業や行政の方向ですが、廃棄物に関して3Rを掲げ、リ
デュース・リユース・リサイクルの順位で資源循環型社会を目指すと
しています。そしてそのうちのリサイクルに関してはマテリアル、ケ
ミカル、サーマルの順位が望ましいとされています。
私たち塩ビ工業・環境協会もこの方向に則り、リデュースやリユース
に関しては耐久性に優れる塩ビは十分に貢献できる立場であると考え
ています。また、リサイクルについても再生利用しやすいプラスチッ
クであり、この実績を踏まえ、さらに今後もリサイクルを拡大してい
こうと考えています。
●次号以降、塩ビのさまざまなリサイクルを紹介していきます。
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☆おもちゃの規制ってこれでいいのでしょうか?
「塩ビ使用制限の政府案に、パブリックコメントで反論」
7月27日に厚生労働省の審議会は、油脂・脂肪性食品の器具容器包装
用途及びおもちゃ用途として、可塑剤DEHP入りの塩ビ(おもちゃ用の
一部には可塑剤DINP入りも)の使用を禁止する方向づけをしました。
そして8月にはその方向に沿った規制案について広く国民の意見を問う、
パブリックコメントを募りました。
私たちは、この規制案は、安全性に関する科学的根拠が乏しいこと、
特にその暴露の値が十分TDI(耐用1日摂取量)以下でありながら
規制が行われること、また代替使用する物質についても必ずしも安全性
が十分確認されているとは言い難く、かえってリスクを増大させる危惧
もあることなどから、この規制案には反対です。
こういったことを含め、私たちの見解を、8月29日厚生労働省のパブ
リックコメント募集への応募という形で政府あて送付致しました。
下記にて掲載しておりますのでご一読下さい。
https://www.vec.gr.jp/pubcomm/index.htm
併せて欧米を含む関連団体のコメントも掲載しています。
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☆お知らせ
□展示会出展
・2001
NEW 環境展(大阪)
9月4日(火)〜7日(金)10:00〜17:00(最終日は16:00まで)
インテックス大阪2号館 ブースNo.21
(ニュートラム中ふ頭駅下車徒歩3分)
・・・・各種「塩ビ・リサイクル製品」を展示
・エコビルド展
9月19日(水)〜21日(金)10:00〜17:00
東京
池袋サンシャインシティ 文化会館3F ブースNo.E-04
(地下鉄有楽町線 東池袋駅下車
徒歩3分)
(JR池袋駅 徒歩8分)
・・・・「塩ビ建材リサイクル品」を展示
□パンフレットのご案内
各種パンフレットを用意しております。
ご希望の方は下記にてご請求下さい。
https://www.vec.gr.jp/shiryo.htm
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☆編集後記
まったく素人に近いわれわれが、小泉総理の向こうを張って
メールマガジンの発行という大それたたくらみを始めました。
編集の経験や知識はないものの、塩ビを愛し、塩ビの正確な
情報を皆さんに知っていただこうという情熱だけは人一倍持
ち合わせているつもりです。
今後何かとお世話になり、一方ご迷惑をおかけすることもあ
るやと思いますが、よろしくご指導・ご鞭撻のほどを。(H2記)
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[塩ビと環境のメールマガジン]
発 行 塩ビ工業・環境協会
編集責任者 佐々木 修一
塩ビ工業・環境協会 https://www.vec.gr.jp
塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp