===「塩ビと環境のメールマガジン」 第2号 ========== 2001/09/13
   
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     目 次

      ☆巻頭コラム
              「佐賀市の塩ビ追放報道に思う」

      ☆塩ビ管リサイクル拠点、36ヶ所に
       「福井県でも使用済み塩ビ管の受け入れ拠点が始動」        
 
      ☆農ビのリサイクル・カーが登場
       「100%のリサイクルを目指して」

      ☆お知らせ

       □展示会の出展予定
        ・エコビルド展 (東京)
        ・ぐんま環境フェスティバル(前橋)

       □塩ビ関連オフィシャルサイトのご案内

       □パンフレットのご案内

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    ☆巻頭コラム
    「佐賀市の塩ビ追放報道に思う」

     「塩ビと環境のメールマガジン」創刊号を発信しましたところ、
   数多くの方々から激励のメールを頂戴致しました。また、新規の
   登録も頂きました。有難うございました。
    それだけに責任の重さをひしひしと感じております。この責任と
   は、メルマガをきちんと発行する責任というだけではなく、塩ビを
   世の中にちゃんと受け入れられるようにしていく、ということでも
   ありますが…。
    一方、ソフトの不具合で一部の方々へのメールの配信がうまくい
   かず、途中で切れてしまったケースがありました。ご連絡頂いた方
   々にはすぐに再発信しましたが、不手際を深くお詫び致します。
   なお、ホームページ上には暫くの間バックナンバーも掲載しますの
   で併せてご参照ください。

    さて、先日A新聞に、佐賀市がダイオキシン問題の解決のため塩ビ
   製品を追放するという記事が出ました。この佐賀市の方針は既に1年
   以上前に公表されていたものですが、まことにもって残念です。

   燃焼時のダイオキシン発生は、燃やすものに因るのではなく燃やす設
   備や条件に因るものであること、ポリエチレンや紙や生ゴミでも場合
   によってはダイオキシン発生につながることは既に明らかになってい
   ました。また、野焼きなどは不法な処理として法律で禁止されていま
   す。

    このようなことが明確になっている現時点で、一部マスコミでこの
   ような報道がされたことは、何らかのためにする報道かとも疑われ、
   驚くとともに失望に耐えません。ダイオキシン発生原因の本質を踏ま
   えて、佐賀市の方針はどうあるべきだったか?…むしろ世の中に警鐘
   を鳴らす報道こそ望まれたのではないでしょうか。

    この塩ビ追放のため、つまり塩ビを他素材に代替することによりダ
   イオキシン問題を解決できるとして、佐賀市では既に1000万円を
   越える余分な支出を行ったと聞きます。特に、税金の支出にかかる政
   策決定に当っては一面的な評価だけによらず、多面的かつ総合的な判
   断が求められると思います。

   とはいいながら、このような政策決定がなされ、このような報道が
   されたことの裏には、私たちの情報提供不足、コミュニケーション不
   足があったことも否めません。今後もっともっと努力しなければなら
   ない、と反省している次第です。

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  ☆塩ビ管リサイクル拠点、36ヶ所に
   「福井県でも使用済み塩ビ管の受け入れ拠点が始動」

   ●塩ビの最大の用途分野は上下水道用などのパイプで、使用量は年間約
    50万トンになります。いったん敷設されると50年以上も長持ちす
    るので、最近の資源循環型社会にもってこいのプラスチックですが、
        業界としては使用済み塩ビ管のリサイクルに努力しています。

    2005年度にはマテリアル・リサイクル率80%を達成することを
    目標に、メーカー団体である「塩化ビニル管・継手協会」は全国各地
    にリサイクル拠点(リサイクル会社や中間受入場)を設置し、パイプ
    からパイプへの一貫リサイクルシステムを進めています。

   ●8月29日、福井県福井市の日通兜汕芬x店構内に、全国第36ヶ所目
    のリサイクル拠点(中間受入場としては14ヶ所目)が開設され、県内各
    地の管工事店や工事現場などから持ち込まれた使用済み塩ビ管・継手の
    受け入れが開始されました。当日はテレビや新聞からの取材も多数あり、
    世の中の関心の高さをうかがわせました。
     集まった塩ビ管・継手は富山県のリサイクル協力会社である丸喜産業
    へ運ばれ、もう一度塩ビ管に再生されて有効利用されることになります。

   ●業界としては今後も拠点作りを進め、今年末までに全国で合計50ヶ所
    の設定を目指しています。

    塩ビ管は長寿命ですが更にリサイクルにより資源を有効利用する、
        塩ビ業界の心意気です。

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 ☆農ビのリサイクル・カーが登場
  「100%のリサイクルを目指して」

   ●農業用ビニールハウス(略して、農ビ)が使われ始めてから、おおよそ半
    世紀になります。
    農ビはその名の通り、塩ビを原料とした温室栽培用ハウスの外側をおお
    う、透明なビニールです。日本人ならだれでも知っていますね?
    塩ビを原料としているため、太陽光線を通す透明性や、作物を寒気から
    守る保温性、また、肥料や農薬が少なくて済むといった特徴があります。
    トマトやキュウリ、メロンやイチゴなど、四季を問わず皆さんの食卓に
    野菜や果物が届けられるのは、このような塩ビの優れた性質を利用した
    ビニールハウスが登場してきたからです。

   ●ところで、農ビのリサイクルは40年も前から実施されています。なん
    と1960年代から、自治体、農協、農ビ業界などが中心になり、各県
    の市町村レベルで、使用済み農ビの回収システムがつくられ、農ビのリ
    サイクルを推進してきたのです。
    この早くからのシステムづくりが功を奏し、プラスチック製品の中では
    農ビは最もリサイクルが進んでいる製品の一つとなっています。農水省
    の2000年の公表では、使用済み農ビの発生量約10万トンに対して
    約5万1千トン、率にして51%がリサイクルされており、リサイクル
    率は前回調査を6ポイント上回るものでした。これらは床材、土木用シ
    ート、サンダル、カーマットなどとして有効利用されています。農家の
    皆さんをはじめとした関係者の協力の結果と言えるでしょう。
    因みに、同じ使い道の農ポリと呼ばれるポリエチレン・ハウスの場合は
    発生量6万4千トンに対し17%のリサイクルでした。

   ●しかしこの農ビのリサイクルも、まだ決して満足できる数字ではありま
    せん。
    2001年には70%、将来は100%のリサイクルを目指しています。
    この更なるリサイクル推進のためには、農ビが少なくリサイクルシステ
    ムを作りにくい地域においても使用済み農ビの回収を促進する必要があ
    ります。

    このために開発されたのが、リサイクル・カーです。正式には「移動式
    農ビ破砕洗浄機」といいます。これは、農ビを粉砕洗浄する装置を4ト
    ン積みのトラックに載せ、使用済み農ビの発生地域を巡回。その場で粉
    砕して洗浄、農ビをリサイクルさせようというものです。現在は主に、
    東北地方で稼動中です。
     今後はリサイクル・カーの一層の普及により、農ビの更なるリサイク
    ルの向上を進めていきます。
 
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  ☆お知らせ
 
    □展示会出展
      
     ・エコビルド展
       9月19日(水)〜21日(金)10:00〜17:00
       東京 池袋サンシャインシティ 文化会館3F ブースNo.E-04
       (地下鉄有楽町線 東池袋駅下車 徒歩3分)
       (JR池袋駅  徒歩8分)

          ・・・・「塩ビ建材リサイクル品」を展示

     ・ぐんま環境フェスティバル 
       9月30日(日)10:00〜17:00
       県民広場・県民ホール・ビジターセンター(前橋)


    □塩ビ関連オフィシャルサイトのご案内

              塩ビ工業・環境協会(VEC)   https://www.vec.gr.jp
              塩化ビニル環境対策協議会     http://www.pvc.or.jp
              塩化ビニル管・継手協会      http://www.ppfa.gr.jp
              塩化ビニリデン衛生協議会     http://www3.ocn.ne.jp/~vdkyo
              可塑剤工業会           http://www.kasozai.gr.jp
              アメリカ塩ビ工業協会(VI)   http://www.vinylinfo.org
              欧州塩ビ製造者協会(ECVM)  http://www.ecvm.org/hp.cfm


    □パンフレットのご案内

       各種パンフレットを用意しております。
       ご希望の方は下記にてご請求下さい。
         https://www.vec.gr.jp/NEW/Shiryo.htm
      
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  ☆編集後記

     第2号をお届けします。第1号では誤配や尻切れトンボなどトラブルが
    多く、冷や汗をかきましたが、激励の返信も頂戴し、力づけられました。
    2号ではパイプや農ビなどのリサイクルの近況をお届けしました。
    今後も各種特集記事を予定しています。
    それにつけても、予想はしていましたが、週刊とは忙しいものですね。
     そこで駄洒落:「メルマガやったら寝る間がない」 (H2記)


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[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
 塩化ビニル環境対策協議会  http://www.pvc.or.jp