===「塩ビと環境のメールマガジン」第7号 == 2001/10/18

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目 次

☆巻頭コラム
 狂牛病騒動につけて想うこと
 「科学的根拠に基づく判断を」
             
☆'ヨーロッパの選択'、塩ビ窓枠。
 「次世代省エネ基準にも適合」
                  

☆わが社の環境活動(2) 呉羽化学工業(株)
 「公害防止プロセスに注力し地域環境へ貢献」

☆お知らせ

 □展示会の出展予定        
 ・ジャパンホームショー(東京)

 □パンフレットのご案内
      
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☆巻頭コラム  狂牛病騒動につけて想うこと
 「科学的根拠に基づく判断を」

 国内で狂牛病の牛が発見され、その牛の肉骨粉が飼料として出荷
されていたことが報道され、大騒ぎになっています。一部の小学校
の給食から牛肉料理が消えたそうですし、先週末には東京でも感染
牛?と騒がれました。幸い誤報だったようですが・・・。

 先日この問題に関して、あるホームページを読みました。199
6年以来(この年英国政府が、狂牛病が人にも感染する可能性があ
ることを認めた)、英国在住の日本人を対象にこの問題についてコ
ンサルティングをされている方のものですが、今日の狂牛病騒動に
いて、科学的根拠に基づいて判りやすく解説されています。

 この方の想定では「日本における狂牛病の発生は最悪の事態とし
ても100頭未満、それによる死者はせいぜい1人」とされており、
交通事故死者年間約1万人、直接間接の喫煙による死者年間約9万
5千人のリスクと比べてどちらを重要視するべきか、とコメントし、
「イソップの狼少年もどきの一部のメディア」を批判しています。

 確かに、狂牛病を巡る一部マスコミの報道には、狂牛病が出た出
たと報道するのみで、狂牛病の正しい知識にまでは触れず、ニュー
スショーでは専門家と称する人をして「怖いですね」と喋らせ、ひ
たすら不正確な知識をばらまいている姿勢が目立ちます。
 
 一方、「牛肉を食べると狂牛病にかかって死ぬ」という知識を植
え付けられた市民は、否定報道を聞いてもなかなか考えを変えよう
としないのが現実です。内容がセンセーショナルであればあるほど、
クチコミで不安がさらに広がるのです。

 この図式、どこかで経験したことがあります。
一時の、いや現在もそうかもしれませんが、塩ビを巡る状況となん
となく似ています。
(塩ビとダイオキシン、塩ビと環境ホルモン、・・・ )

 私たち、情報を提供する側の問題点も多々ありましたが、一般市
民へ情報を提供する際の重要な問題点として、社会全体が考えなけ
ればならないと思った次第です。

話題に取り上げさせていただいたホームページを紹介しておきます。
http://square.umin.u-tokyo.ac.jp/~massie-tmd/bse.html



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☆'ヨーロッパの選択'、塩ビ窓枠。次世代省エネ基準にも適合!
 「100%リサイクルも始まります」

●ヨーロッパ建築文化の香り、塩ビ窓枠
 塩ビ窓枠(サッシ)は1955年にドイツで開発され、暖かく
 静かな部屋をもたらすだけでなく、手入れも簡単なため、あっ
 という間にヨーロッパ各地に広まりました。

 花を飾った美しい白い窓が、石造り住宅の多いヨーロッパの街
 並みに映えている様子は、行かれた方ならご記憶にもあること
 でしょう。
 それはヨーロッパの人々の落ち着いた文化的な生活を思い起こ
 させます。

 あの白い窓枠は実は塩ビ製なのですが、断熱性、気密性など、
 日常生活での省エネルギーに配慮するヨーロッパ人の賢い選択
 の象徴ともいえます。

 一方、日本ではアルミサッシが定着していますが、1980年
 頃から、より快適でエネルギー消費の少ない住環境が求められ
 る傾向が高まり、塩ビ窓枠の普及が始まりました。

 そして今では、断熱性に富んでいるため電気や石油などのエネ
 ルギー使用を大幅に軽減でき、冷暖房費の節約になるといった
 ことから、寒冷地を中心に年間100万窓と本格的に普及、北
 海道では新築の90%に採用されているのです。

●将来を見据えたリサイクルへの取組み
 発祥の国ドイツでは30年以上の耐久実績があるように、もと
 もと塩ビ窓枠は長寿命なので、日本国内ではまだ建築廃材とし
 ては殆ど発生していません。

 しかしサッシ業界は将来を見据え、いずれ建築廃材として発生
 する塩ビ窓枠の100%リサイクルにも取り組み始め、リサイ
 クル拠点を北海道(岩見沢市、恵庭市)、岩手(花巻市)の3
 ヶ所に設定しました。

 もちろんリサイクル技術も確立されています。取付け後10年
 以上経過した窓枠を集めてテストし、外観、断熱性、強度が変
 わっていないことを確認しました。
 そしてこれを粉々にしてリサイクル材料とし、もう一度窓枠に
 戻しました。その結果、多少の汚れや埃が原料に混ざっても、
 二層押し出し技術との組み合わせによって、新品の窓枠と同じ
 外観、性能であることが確認できています。

●「次世代省エネルギー基準」に対応
 現在ドイツでは新築の50%以上が塩ビ窓枠と言われ、米国で
 も40%、さらに中国などでも急速に普及しています。

 日本においても1999年3月に「次世代省エネ基準」が改正
 され、塩ビ窓枠もこれに対応する製品と位置づけられ、金融公
 庫の割増融資枠も100万円から250万円までに拡大されま
 した。

 冷暖房費が安くなるばかりか、結露や騒音にも強い、丈夫でお
 しゃれな風貌。まさに長寿命・省エネ・省資源の塩ビの面目躍
 如といったところです。

 塩ビ窓枠がさらに全国に広がり、人々の生活文化の向上と美し
 い街づくりに大きく貢献していくよう、私たち塩ビ業界はひそ
 かな誇りをもって期待しています。



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☆わが社の環境活動(2)

 呉羽化学グループにおける環境への取り組み
 「公害防止プロセスに注力し地域環境へ貢献」

 呉羽化学工業(株)環境・安全・品質部  

●わが国で初めて実用化・・・・排煙脱硫技術
 呉羽化学の主力工場は良質な水が豊富な福島県いわき市の田園
 地帯にあります。殆どの生産部門をここに集約し、一大生産拠
 点となっています。

 当社は戦前からこの地に縁があり、地域社会のよき住人であり
 たいと早くから公害防止に取り組んできました。

 特に1970年代初頭には排煙、排水の浄化などの公害防止プ
 ロセスに力を入れました。

 この時期に研究し実用化した排煙脱硫技術は、我が国で初めて
 のものであり、その後この技術は電力会社や製紙会社、海外企
 業などでも多数採用されています。

●"レスポンシブル・ケア"を社会に宣言
 地球規模での環境汚染が進行しているといわれている現代社会
 で、環境保全はいまや世界の急務です。

 当社は化学物質を取り扱う企業の一員として、1995年に
 「レスポンシブル・ケア」の実施を社会に宣言しました。

 レスポンシブル・ケアとは「企業が環境や安全に責任をもって
 配慮していこう」という、企業の自主活動です。 1985年
 にカナダで始まり、各国政府や国際機関から広く認められたこ
 の活動を、呉羽化学グループ全体として推進しています。

●いわき市の空と水とともに・・・・地域環境を守る工場
 呉羽化学グループ各社は、レスポンシブル・ケア活動以前から
 環境課題に取り組んできましたが、ここ数年は、特に大気及び
 水域への化学物質の排出削減に力を入れています。

 大気への化学物質の排出削減については、当社独自の粒状活性
 炭を使用した溶剤回収設備の開発など注力しており、特に近年
 の成果はめざましいものがあります。

 また排水は、各々の発生源で処理システムを用いて処理した上、
 総合排水処理設備で浄化してきましたが、今年5月に総合排水
 処理設備を更新し、単に排水基準をクリヤーするだけではなく、
 地域河川の水質改善に寄与しています。

 いわき市の空と水とともに、今後も地域環境を守るべく、努力
 を継続していきたいと考えています。

●産業廃棄物を手がける先端企業・・・呉羽環境(株)
 産業廃棄物については、大きな社会問題になる以前から、その
 減量と廃棄物の種類に応じた適正な処理に取り組んできました。

 当社は、有害化学物質や重金属などの無害化技術をはじめとす
 る廃棄物処理のさまざまなノウハウを蓄積し、その高い専門技
 術を広く産業界に利用して頂く目的で呉羽環境を設立しました。

 呉羽環境は、今や産業廃棄物処理業界をリードする先端技術企
 業に成長しました。

 そして1997年には、塩ビ樹脂を含む廃棄物でもダイオキシ
 ン類を殆ど発生させない焼却が可能であることを実機で証明し、
 廃棄物の適正な焼却条件の確立に貢献しています。

 こうした活動により呉羽化学グループ各社は着実に環境改善を
 図るとともに、企業活動への理解が得られるよう努めています。


●グループあげてのISO14001
 更に、呉羽化学グループ各社は、環境改善を一層効率的に進め
 るために、ISO14001の認証を、次々と取得しています。

 1998年には呉羽環境が廃棄物処理業界としては我が国で初
 めて取得しました。
 2001年には当社錦工場を始め、関係会社のケー・エイチ・
 ケミカル、クレハレンテック、クレハ分析センター、呉羽テク
 ノエンジなど、次々と取得しています。

 呉羽化学グループ各社は今後も環境改善に向けての取り組みの
 輪を拡げ、地域社会との交流も積極的に進めます。

 そして、ふるさと"いわき市"の一員として幅広い信頼が得られ
 よう努めていきます。




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☆お知らせ
 
 □展示会出展
 ・ジャパンホームショー(東京)
 10月30日(火)〜11月2日(金)
 10:00〜17:00(最終日は16:30まで)
 東京ビックサイト 東3ホール ブースNo.5704
 (ゆりかもめ 国際展示場正門駅下車)
    
 □パンフレットのご案内
 各種パンフレットを用意しております。
 ご希望の方は下記にてご請求下さい。
 https://www.vec.gr.jp/NEW/Shiryo.htm

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☆編集後記

 編集者は凝り性で、始めるとやめられなくなる習性があります。
 先週に引き続き、パソコンクイズ。
 ただし、今回のものはパソコンでは出てきません。

 1.暮里変態恋:ストーカー?  2.腫瘍六皮連:要手術? 
 3.警察隊練:合同演習?
 4.羨:うらやましい   5.唾:(失礼)

 なお、前回第6号のクイズの答えは
 1.オサマ・ビン・ラディン、2.リサイクル、3.メールマガジン、
 でした。   (H2記)


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[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
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