===「塩ビと環境のメールマガジン」 第10号 === 2001/11/08

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目 次

☆巻頭コラム
 「21世紀の建築材料、塩ビ」

☆もっと露骨に!もっと過激に!
 「これまでの読者の反響から」


☆わが社の環境活動(5)            大洋塩ビ(株)
 「循環型社会の構築を目指します」

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☆巻頭コラム
 21世紀の優良建築材料、塩ビ
 「建築界の地球環境憲章より」

 日本住宅設備システム協会と日本能率協会が主催する、JAPAN
HOME SHOW 2001が、先週有明の東京ビッグサイトで開
かれました。VECも一隅に出展したこともあって、一日会場を見て
回りました。日本最大規模の住宅関連専門展示会との看板に偽りはな
く、その規模、内容の多様性や充実ぶりはなかなか見ごたえがあり、
感心しました。

 少し旧聞に属する話になりますが、建築界では、建築分野における
地球環境問題の重要性に鑑み、地球環境問題に対する包括的かつ長期
的に遵守すべき基本的方針を、建築界全体として策定し守っていく必
要があるということから、昨年6月に「地球環境・建築憲章」を制定
し、公表しました。
 その内容は、21世紀の建築が心すべき5大項目として、1.長寿
命、2.自然共生、3.省エネルギー、4.省資源・循環、5.継承
を謳ったものです。

 更に、憲章に沿った活動を具体的に推進する上での「運用指針」で
は、長寿命の例として耐久性が高く、更新の容易な部材の採用を呼び
かけており、省エネルギーの例では特に空調熱負荷の弱点としての窓
に対する対策として2重ガラスなどによる断熱の工夫を、省資源・循
環の例として環境負荷の少ない材料の採用や、再生利用の促進などを
それぞれ挙げています。

 考えてみると、これらのポイントは、塩ビの特質をそのまま表わし
ているものともいえます。30年、50年、それ以上のロングライフ
を有する塩ビパイプや電線被覆塩ビ、従来の金属製に比べて圧倒的な
断熱性を誇る塩ビ製窓枠、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)
評価の結果、エネルギー面でも炭酸ガス面でも他素材に比べ環境負荷
の少ない諸塩ビ製品、古くからリサイクルに取組み、今やさまざまな
分野でリサイクルへの取組が熱心に進められている塩ビ、…。

 塩ビは建築素材として、21世紀の循環型社会に適合した、優良素
材なのです。これら塩ビの有用性を建築界の方々にもよりよくご理解
いただき、塩ビのさらなる利用を進めて欲しいと考えます。

 たまたま、VECで作成したパンフレット「環境優良素材辞典(塩
ビ編)」には、こういった項目に関する塩ビの特長をまとめて記載し
てあります。これには明治大学の菊池雅史教授に監修頂きました。詳
細はVECホームページへどうぞ。
https://www.vec.gr.jp

 それにしても、幅広い視野で、先駆的な憲章を制定・公表された、
建築関係5団体(日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会、
日本建築家協会、建築業協会、日本建築学会)に敬意を表します。

 私たちも見倣って、今後進めていくべき事柄について、何らかの形
で公約し、公開する必要があると感じているところです。


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☆もっと露骨に!もっと過激に!
 「これまでの読者の反響から」

 わが「塩ビと環境のメールマガジン」も10号になりました。
9月6日の創刊以来たったの2ヶ月と少ししか経っていません
が、ずいぶん長かったような気がします。この2ヶ月余の間に、
読者の方々から、数々の激励や指導、注文などのお便りを頂き
ました。厚くお礼申し上げるとともに、引き続きのご指導ご鞭
撻をお願いいたします。

 お便りの中身で意外だったことは、「塩ビ業界の考え方をも
っとはっきり打ち出せ」、「遠慮せずに過激に主張せよ」、
「業界としてやっていることをきちんと知らせてくれ」といっ
た、叱咤激励というか、煽り立てるというか、積極的なご意見
が多かったことでした。

 確かに、創刊まもないこともあり、またむやみに喧嘩を売る
のは如何かと考えて、これまでは業界の意見も表現としては押
さえ気味にしてきた嫌いはありました。今後も基調としては従
来の、いわば上品路線は維持したいと考えますが、こういった
ご意見に力を得て、少しは過激に、ちょっぴり露骨に、のケー
スもやってみるか!とも思っています。

 そのほか、「内容や表現が難しすぎる」、「ボリュームがあ
りすぎてくたびれる」といった、編集上の問題についても指摘
を受けました。表現については、通常の社会人程度のレベルを
想定しているつもりですが、できるだけ平易に、中学生にでも
理解いただけるようにと考えて進めるつもりです。ボリューム
についても、極力簡潔にと心がけていますが、ついつい書きた
いことが一杯あって、思い通りになりません。

 一方で、「リサイクルの実際を教えて欲しい」とか、「海外
の状況を詳しく知りたい」とかの具体的要望も頂戴しました。
こういったお便りには、できる限り早くお答えする方針で進め
ています。

 このメルマガは、読者の方々との双方向コミュニケーション
の場でありたいと思っています。どんなお便りでも結構ですの
でどしどし発信してください。そのことで、塩ビに対する認識
を少しでも深めて頂き、塩ビ業界の発展にもつながり、ひいて
はよりよい循環型社会の実現につながると素晴らしいです。
(H2記)


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☆わが社の環境活動(5)

 大洋塩ビにおける環境への取組み       大洋塩ビ(株)
 「循環型社会の構築を目指します」

●「大洋塩ビ」の概要
 当社は、東ソー(68%)、三井化学(16%)、電気化学工業
 (16%)における塩ビ樹脂事業部門を統合して誕生しました。
 当初は、製造を親会社に委託していましたが、2000年4月、
 製造を含めて研究、管理、営業までの一貫体制をとり運営してい
 ます。

 当社で製造、販売している塩ビ樹脂は、耐久性や難燃性に優れる
 など種々の利便性があり、また原料の約6割が塩、約4割が石油
 成分であることで、資源枯渇防止すなわち省資源であり、エネル
 ギー消費量も少ないため省エネ素材となります。
 さらに資源の有効利用として各種のリサイクルを適切に実施する
 ことにより、日本が目指す循環型社会構築に貢献し、より一層地
 球環境にやさしい素材となります。

●環境への取り組み
 このようにますます地球環境にやさしい素材とするために、次の
 ような環境への取り組みを積極的に推進しています。

1.工場部門における環境問題について
 事業活動に伴い環境に排出される大気、水質等の排出物について、
 法規制値以下のより厳しいレベルで自主管理し、環境負荷の低減
 に努力しています。さらに今年から施行されたPRTR法につい
 ては、対象物質の排出量の削減に向けて積極的な取り組みを進め
 ています。

2.塩ビ樹脂に関する環境問題について
 個別企業による対応は当然のこととして、関係各社が科学的、客
 観的知見を集約して対応することがより効率的であることから、
 当社も塩ビ工業・環境協会の一員として、広報活動、リサイクル
 推進活動、新製品開発活動など多方面にわたり参画し活動を展開
 しています。
 また、プラスチック処理促進協会の一員としてプラスチックのリ
 サイクル手法の開発等の各種活動に参画しています。

●コミュニケーションとリサイクルの推進
 広報活動としては、塩ビ樹脂や塩ビ製品に関する正しい知識や情
 報の普及や啓蒙に努めています。例えば工場においては環境関係
 のイベントへの参画、小中学生や婦人団体の事業所見学等の場を
 提供しています。 

 リサイクル推進活動としては、すでに塩ビ樹脂のマテリアル・リ
 サイクルについて他のプラスチックに比べて最も高いリサイクル
 率を達成していますが、さらに塩ビ樹脂の用途毎に適切なリサイ
 クルシステムを選択して構築すべく、各種のリサイクル実証実験、
 再生品試作、モデルシステム実験などについて推進しています。

 新製品開発活動としては、耐久性、錆びない、軽量であるなどの
 特徴を生かした塩ビサイデイングの大幅普及を目指し、積極的な
 普及活動、開発活動に参画しています。

 塩ビ関連業界は、一体となって、これらの問題に対し取組みを推
 進する必要があり、当社も引き続き積極的に推進していきます。


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☆お知らせ

 ■出展予定 エコ・プロダクツ2001(東京)
  12月13日(木)〜12月15日(土)
  10:00〜17:00
  東京ビッグサイト 東4ホール ブースNO.248
  (ゆりかもめ 国際展示場正門駅 下車)


 ■「塩ビ樹脂生産・出荷実績表」および、「塩ビモノマー生産・出荷
  実績表」をホームページにて掲載しています。
  https://www.vec.gr.jp/data/data.htm

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☆編集後記

 前号に続いて、秋の話題・・・。
 某協会の事務所のすぐ近くに、知る人ぞ知る「百年の
 孤独」なる焼酎が飲める居酒屋がある。
 飲んでいる人は不思議と孤独ではなく、大勢でわいわ
 い言いながら飲む。
 深まり行く秋を偲びながら、飲み、食い、語り、明日
 への活力を養う。
 早く書き終わって早く行きたい。(H2記)

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[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
 塩化ビニル環境対策協議会  http://www.pvc.or.jp