===「塩ビと環境のメールマガジン」 第15号 === 2001/12/13

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目 次

☆巻頭コラム
 ポケットに入れたら使えない『非・塩ビ』の手帳
 「安易な塩ビ代替の現実」

☆塩ビ管のリサイクル拠点、50ヶ所を突破
 「100%リサイクルへ向けて着実な歩み」

☆わが社の環境活動(10)    ヴイテック(株)
 「プラスチックの3R活動への参画」

☆お知らせ
 出展中 エコ・プロダクツ2001
 東北大学奥脇研究室からのお知らせ

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☆巻頭コラム
 ポケットに入れたら使えない『非・塩ビ』の手帳
 「安易な塩ビ代替の現実」

 いよいよ2001年もカウントダウン、10月末に購入した
編集子の2002年の手帳もすっかり手に馴染み、スケジュー
ルも大分埋まってきました。編集子は30年近く、使い慣れた
同じメーカーの製品を利用し続けていますが、因みに、この手
帳の表紙は、他の手帳の殆どがそうであるよう塩ビ製です。

 ある年、ちょっと贅沢をしようと、同じ製品ながら表紙が革
製の手帳を購入したことがあります。ところが、その数年後、
大変残念な結果に見舞われました。それは、本棚の奥に積んで
ある20数年分の手帳のなかで、その革製のものだけがカビだ
らけになっていたのです。いつも手にし、手汗がついていたこ
の手帳は時の経過と共に………。

 さて、今年の3月、毎年社名入りの手帳を作成している、あ
る一部上場企業が、お詫びの手紙を出すことになりました。
 内容は、『2001年版手帳を作成するに当たり、環境にや
さしい表紙素材を使用するため、従来の塩ビからオレフィン系
素材に変更。外観上も、メーカーにおける品質テストでも問題
は全くなく採用を決定。しかし、実際に使用すると、例えば衣
類の内ポケットに入れて携行したり、手の汗などが付くと、表
紙が大きく波打ち、使用に耐えられなくなってしまう。』とい
うものでした。

 いろいろと考えさせられる話題だと思われませんか?
 因みに、環境にやさしい筈の、このオレフィン系表紙素材の
手帳も、手汗にまみれ、管理状態が良くない炉で焼却すればダ
イオキシンが発生するのは、今や常識。勿論、日本全国で急速
に改善が進んでいる、運転管理がちゃんとした炉で燃やせば、
塩ビも含めて問題無し。

 代替品の実質的な性能評価やリスク評価を充分に行わず、ま
さに、上辺だけの見せ掛けの環境対応を行おうとした今回の出
来事。素材の選択は、特に、流行や風評に惑わされず、冷静で
本質的な判断が必要であること、そして無意味で無駄で空(む
な)しい塩ビ忌避が如何に蔓延(はびこ)っているかを再認識
した次第です。


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☆塩ビ管のリサイクル拠点、50ヶ所を突破
 「100%リサイクルへ向けて着実な歩み」

 塩ビ管の再使用を進めている塩化ビニル管・継手協会は、リ
サイクルシステム確立の手段として、年内を目標に全国50ヶ
所を超える地点に協力会社や中間受入場を設置する活動を進め
てきましたが、11月22日に三重県津市および和歌山県和歌
山市でそれぞれ中間受入場の稼動を開始し、これで全国52ヶ
所に達しました。予定を上まわる速さで目標を達成して、関係
者の喜びもひとしおのようです。

 このシステムは、管工事業者、ゼネコン、官公庁などから、
使用済み塩ビ管を、全国の中間受入場を介して、もしくは直接
にリサイクル協力会社(再生業者)に、持ち込んでもらい、そ
こで再生塩ビ管や塩ビ原料、またはその他の異型押出品などに
リサイクルするものです。

 リサイクル塩ビ管には単層のもの、三層のものなどの種類が
ありますが、いずれも塩化ビニル管・継手協会により品質規格
が明確に定められており、安心して使用できます。
 塩化ビニル管・継手協会では、このリサイクル塩ビ管の販売
にも力を入れており、関係各社で手分けして、全国の都道府県
や主要市町村を訪問して採用を働きかけています。その甲斐が
あり、既に新潟や埼玉を始め各地で採用の動きが出始めました。
今後はそうした動きに乗って、都市や企業での採用が増えるも
のと期待されています。

 協会では2005年までに使用済み塩ビ管のリサイクル率8
0%を達成し、近い将来ケミカル・リサイクルなどの手段も合
わせ100%リサイクルを達成したい、と意気込んでいます。

 50年以上の長寿命を誇る塩ビ管ですが、使用済み後でもさ
らにリサイクルができる。まさに資源循環型社会のお手本のよ
うな塩ビ管です。


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☆わが社の環境活動(10)                ヴイテック(株)
 「プラスチックの3R活動への参画」

●会社の概要
 ヴイテックは、2000年4月に三菱化学の電解、VCM、塩ビ樹脂
 部門と東亜合成の塩ビ樹脂部門を統合して発足し、電解から塩ビ樹脂
 までの一貫生産販売体制で運営しています。
 製造は3工場(水島、四日市、川崎)で行い、市場ニーズに対する迅
 速な対応、需要地立地の優位性を生かした合理化推進、循環型社会へ
 の対応を運営方針として活動しています。

●三菱化学グループのプラスチック3R活動に参画
 ヴイテックを始め、三菱化学グループでは、2000年4月からプラ
 スチックの製造、成形加工、販売、リサイクルを行うグループ企業4
 5社で、「三菱化学グループ、プラスチック・エコシステム推進協議
 会」を設立し、循環型社会形成に向けて「3R」活動〜リデュース、
 リユース、リサイクル〜を展開しています。

 これは、グループ各社の「3R」活動についての情報交換と共有化の
 場であるとともに、1社単独では対応しにくい廃プラスチック問題に
 対して、グループで協力しながら推進しようとするものです。
 ヴイテックは、この活動の幹事会社として参画しています。

●塩ビの新たなリサイクルも
 この中で、塩ビに関しては、長寿命化によるリデュース、容器やコン
 テナーなどの製品を繰り返し使用するリユース、施設園芸用シート、
 防水シート、土木資材、管材などのリサイクルに取り組んでいます。

 また、塩ビを含む廃プラスチック類を再び原料に戻す、ケミカル・リ
 サイクル技術の調査も推進しており、現在、塩ビ工業・環境協会が住
 友金属と共同で取り組んでいるガス化溶融も、この協議会の廃プラス
 チック処理技術の調査からスタートしたものが発展した結果です。

●プラスチック・エコシステム 
 今年からこの推進協議会では、工場から発生する廃プラスチックの
 “埋立ゼロ”に向けて、グループで協調しながら挑戦することとしま
 した。3年後には24社が、5年後には35社が“埋立ゼロ”にする
 計画であり、ヴイテックも来年からゼロにする予定です。

 循環型社会構築に向けて生活や産業が変わろうとしている現在、三菱
 化学グループとしては、プラスチックが自然と調和した姿「プラスチ
 ック・エコシステム」の構築に向けて、積極的に取り組んでいるとこ
 ろです。

 ヴイテックとしても、ISO14001を既に2工場で取得しており、
 環境に配慮し、安全を確保し、人の健康に留意する為の活動に取り組
 みながら、メンバー企業の一員として積極的に責任を果たしていきた
 いと考えています。


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☆お知らせ

 ■出展中 エコ・プロダクツ2001(東京)
  12月13日(木)〜12月15日(土)
  10:00〜17:00
  東京ビッグサイト 東4ホール ブースNO.248
  (ゆりかもめ 国際展示場正門駅 下車)

 ■東北大学奥脇研究室からのお知らせ
   
  『プラスチック化学研究会(FSRJ)から第2回プラスチック化
  学リサイクル国際シンポジウム(2nd ISFR、略称ISFR
  ’02)のお知らせ

  FSRJでは、ベルギ−のProf.Buekensに依頼して、
  2002年9月8日(日)から11日(水)まで、ベルギ−北海岸
  のリゾ−ト地オ−ステンドで標記の国際シンポジウムを開きます。
  今回は、マテリアル、フィ−ドストック、エネルギ−からシステム
  研究まで、プラスチックリサイクル全般を対象としておりますので、
  ご関心をお持ちの方々のご発表、ご参加をお待ちしております。詳
  細は、下記のホ−ムペ−ジにアクセスしていただくか、プラスチッ
  ク化学リサイクル研究会事務局までお問い合わせいただければ幸い
  です。


               記

  ISFR ’02ホ−ムペ−ジ: http://dtwws1.vub.ac.be/chis2/

  プラスチック化学リサイクル研究会事務局:
  東北大学大学院工学研究科応用化学専攻奥脇研究室内
  TEL/FAX 022−217−7210
  E−mail: mailto:fsrj@env.che.tohoku.ac.jp

  主な日程(Important Deadlines):
  January31,2002:Abstract Form and Contribution of Paper (Form B)
  March31,2002:Announcement of paper acceptance
  May31,2002:Submission deadline of full manuscripts
  June,2002:Final circular distribution
  July5,2002:Conference Registration (Form A)
        Hotel Accommodation (Form C)            』

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☆編集後記

 IT(Information Technology)ブームといえば最近はやや陰りを
 見せていますが、「こっちのITは盛んだわよ」と家人が言います。
 何かと問えばデパート業界の伊勢丹と高島屋のことだそうで、
 飾りつけといい、商品といい、店員の接客態度といい、
 「なかなかのもの」だそうです。
 しかしこれからはなんといってもTAブームでしょう。敬宮愛子様、
 ご誕生おめでとうございます。(H2記)

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[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
 塩化ビニル環境対策協議会  http://www.pvc.or.jp