===「塩ビと環境のメールマガジン」 第30号 === 2002/4/4

===================================================================

目 次

☆巻頭コラム
 建設的な対話の場をもっと増やそう
  「プラスチック関連団体と消費者団体との対話集会から」

☆風雪をくぐり抜けて10年
 「PVCニュース創刊10周年記念号発刊」

===================================================================

☆巻頭コラム
 建設的な対話の場をもっと増やそう
  「プラスチック関連団体と消費者団体との対話集会から」

 先週、日本プラスチック工業連盟が主催する、「プラスチックに
関する消費者団体との懇談会」なるものに出席しました。日本プラ
スチック工業連盟は、プラスチック製品を製造販売する企業団体の
集まりで、当日のメンバーは日本プラスチック工業連盟のほか、日
本化学工業協会、日本プラスチック日用品工業組合、プラスチック
処理促進協会、それに私たち塩ビ工業・環境協会など8団体の関係
者12人、一方の消費者団体からは、主婦連合会、消費者団体連絡
会、生活協同組合など9団体約20人が出席されました。

 業界側からの、プラスチックについての概説とトピックスの紹介
の後、質疑応答、意見交換が行われましたが、消費者側からいろい
ろなご意見やご提言が相次ぎました。
 例えば、
 「地域によっては廃棄物を細かく分別させられているが、その後
  の処理実態と合っていないものが多い。処理実態に合わせた分
  別で充分ではないか。」
 「プラスチックの種類は多すぎて分別にも困る。もっと種類を統
  一すべきではないか。」
 「プラスチック製品などの表示で“燃やせます”というのがある
  が、東京都の場合、プラは不燃物なのでこの表示はおかしい。」
 「スウェーデンではペットボトルのリユースが常識になっている
  と聞くが、なぜ日本ではできないのか。」
 「製品の安全性について、製造業界も自らでキチンと評価し、そ
  の結果を公表すべきである。」
 「プラの製造者も使用者も、そのプラが捨てられる時のことまで
  考えた製造・使用を心がけて欲しい。」
 「消費者自身もリサイクル品を進んで使用するよう努力する必要
  がある。」
 などです。

 いろいろな場面でご活躍の方々ばかりであり、ご意見にもそれなり
の重みが感じられました。各論については、業界側としても異なった
見解や対論がないわけではなく、それなりに率直な意見交換をさせて
いただきましたが、時間の制限もあって100%ご納得いただくこと
はできなかったようでした。

 この懇談会を通じて感じたことは、先ず第一にこういった対話の場
をもっともっと増やす必要がある、ということでした。私たちも今ま
で極力対話の機会を作ってきたつもりですが、まだまだ足りない。特
に、安全性情報や、リスクの大きさと考え方、諸外国の情報や政策、
業界としてのやり方の困難性と限界などについて、突っ込んだ意見交
換を進める必要があると思います。
 もうひとつは、プラスチックについても環境面を含めたLCA(ラ
イフサイクルアセスメント)を業界なりにきっちりデータベース化し、
その結果を広く公表することが大事であるということ。
 第3には、消費者サイドにも、もっと正確な知識を持っていただく
必要がある。どんな物質にもリスクはつきものだ、とか、LCA的に
考えると世間の常識が非常識になる場合がある、とか、・・・。
 情報開示、コミュニケーションの必要性をいまさらながら感じた集
会でした。


===================================================================

☆風雪をくぐり抜けて10年
 「PVCニュース創刊10周年記念号発刊」

 塩化ビニル関連の企業の集まりである、塩化ビニル環境対策協議会
(JPEC)が編集、発行している、塩ビの環境・リサイクル活動に
関する広報誌「PVCニュース」がこの3月、第40号を迎えました。
1992年の創刊以来、3ヶ月に一回の発行を続けてこれで創刊10
周年になったものです。

 PVCニュースでは毎号、その時々のトピックスについて解説した
「トップニュース」、広く有識者から塩ビを巡る諸問題についてご意
見をいただく「視点・有識者に聞く」、塩ビを実際にリサイクルし、
循環型社会に貢献している事例を紹介する「リサイクルの現場から」、
などのシリーズに加えて、最新の塩ビ関連の技術の状況などを紹介す
る「インフォメーション」、その時々の講演会紹介、海外事例紹介、
広報関連の紹介などがラインアップされています。読んで楽しいだけ
でなく、塩ビに関する情報を手軽に勉強できる読み物として、塩ビ関
係者はもとより、広く一般市民の方々にも親しまれています。

 創刊10周年を迎えて第40号では記念特集として、富士常葉大学
助教授、というよりもむしろ「元気なごみ仲間の会」代表の、松田美
夜子さんによる記念講演会の要約と、関係各界から東大生産技術研究
所教授の安井至さん、ジャーナリストの崎田裕子さん、東工大教授で
日本建築学会会長の仙田満さんなど11人の方々の記念コメントが組
まれており、平常号にもまして充実したものになっています。

 10周年と一口に言うのは簡単ですが、塩ビのここ10年について
はまさに山あり谷あり、たまに晴天の季節もあれば、嵐吹きすさび、
進むに進めぬ季節もありました。この間、多くの方々から貴重な助言
や提案を頂戴し、そのことで大変勇気づけられたものです。これらの
ご好意を無にすることなく、今後とも塩ビに対してより深い理解をい
ただけるよう、そして塩ビが社会とともに健全な歩みを進められるよ
う、一層の努力を続けます。

 なお、まだお読みになっていない方でご関心の向きは、下記へお申
し込みください。
 塩化ビニル環境対策協議会
   〒100-0011 東京都千代田区内幸町2−1−1 飯野ビル
      TEL 03-3501-2010 FAX 03-3506-5487

 また、内容はJPECのホームページ http://www.pvc.or.jp
 からもご覧いただけます。


===================================================================

☆お知らせ

 ■塩化ビニル産業 日中共同フォーラム 続報

  「開催要領」
    日 時 4月22日(月)終日、4月23日(火)午後1時終了
    会 場 東京厚生年金会館 新宿区新宿5−3−1
    申込先 化学工業日報社 企画事業局事業グループ
          〒103-8485 東京都中央区日本橋浜町3−16−8
          電話 03-3663-7931 FAX 03-3663-2330

  「講師とテーマ」
   ●第一日目=22日(月)セミナー
   <日本側講師とテーマ>
   「日本における塩ビ工業の現状と展望」
         東ソー 理事 宇田川憲一
   「塩ビ樹脂の需給動向」
         新第一塩ビ 常務 前田宣忠
   「塩ビ工業におけるリサイクルの現状と課題」
         鐘淵化学工業 専務 乾佐太郎
   「塩ビ工業の環境問題と技術開発」
         信越化学工業 環境保安部長 久我直温

   <中国側講師とテーマ>
   「中国の塩ビ工業の現状と展望」
         中国クロロアルカリ工業協会 張国民秘書長
   「WTO加盟、塩ビ関連産業の事業チャンスと展望」
         上海クロロアルカリ化工股分有限公司 李軍総経理
   「中国塩ビ市場(原料・製品、生産能力拡充など)の回顧と展望
         河北滄州化工実業集団 于生春副総経理

   ●第二日目=23日(火)セミナーとパネルディスカッション
   【セミナー】
    「地球環境と塩ビ」
         塩ビ工業・環境協会専務理事 佐々木修一
    「塩ビの魅力と特徴」
         塩化ビニル環境対策協議会 運営委員長 牧野哲哉

   【パネルディスカッション】
     <日本側パネラー>
      東ソー専務(大洋塩ビ社長) 日野清司
      塩ビ工業・環境協会専務理事 佐々木修一
      塩化ビニル環境対策協議会  運営委員長 牧野哲哉
     <中国側パネラー>
      初日講師の3氏

 ■高齢化時代に向けた健康住宅セミナー(盛岡)

   日 時 平成14年4月19日(金)13:00−17:00
   場 所 サンセール盛岡(定員 150名)
       盛岡市志家1−10 電話 019-651-3322

   ご興味のある方は下記セミナー事務局までお申し込みください。
    FAX 03-3506-5487、E-mail mailto:t_naganawa@vec.gr.jp


 ■「塩ビ樹脂生産・出荷実績表」および「塩ビモノマー生産・出荷
  実績表」をホームページにて掲載しています。
   https://www.vec.gr.jp/data/data.htm

===================================================================

☆編集後記

  4月新年度を迎え、オフィス街のあちこちで新入社員と思しき
 若者の初々しい姿を見かけるようになりました。思い起こせばH2、
 新入社員のころは(すでに数十年の昔)、・・・もう忘れてしまい
 ましたね。覚えているのは皮肉にも、「初心忘るるべからず」とい
 う社長の訓辞だけだったりして・・・。
  とにかく、21世紀は環境の世紀、ただし、ひょっとすると人類
 滅亡の世紀。もしも新人に送る言葉は、と問われたら、ただ一つ、
 「サステイナブル」と答えましょうか。(H2記)

===================================================================

[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
 塩化ビニル環境対策協議会  http://www.pvc.or.jp