===「塩ビと環境のメールマガジン」 第37号 === 2002/5/30

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目 次

☆巻頭コラム
 DES(発展・公平性・持続可能性)の発想でも役立つ塩ビ
 「京都議定書」批准の動きに想う

☆ブース来場者、一日2,000人を超える
 「2002NEW環境展、31日まで開催中」

☆お知らせ

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☆巻頭コラム
 DES(発展・公平性・持続可能性)の発想でも役立つ塩ビ
 「京都議定書」批准の動きに想う

 5月21日の衆議院本会議で、地球温暖化防止のため温室効果ガス
の排出削減を義務付ける、いわゆる「京都議定書」関連法案が可決さ
れました。参議院の承認を経て6月には議定書が批准される運びとな
り、日本は2008年からの約束期間において、温室効果ガス排出量
を1990年に比べ6%削減することを義務として国際的に宣言する
ことになります。

 この「京都議定書」については、1997年に採択されて以来、国
内でさまざまな議論がありました。産業界は、「日本の省エネ技術は
1990年以前に世界のトップレベルを達成しており、省エネへの取
り組みが遅れた欧米各国と同一基準では納得できない」と主張しまし
たが、そういった議論を超えて、経団連は1997年、「自主行動計
画」を策定し、更なる省エネ技術の開発と実用化に取り組んでおり、
昨年10月には第4回の「経団連自主行動計画フォローアップ結果」
を公表しています。

 政府も今年3月に「地球温暖化対策推進大綱」を発表し、その中で
は「引き続き事業者の自主的取組の推進を図るとともに、特に、民主
・運輸部門の対策を強力に進める」と謳っています。省エネカー、省
エネエアコン、省エネ住宅など、民生部門でのハードウェアの整備が
進む一方、ライフスタイルの転換について環境省は「家庭でできる1
0の温暖化対策」を発表し、国民の協力を求めています。

 地球温暖化問題について日本では、「3つのE(Ecology=環境、
Economy=経済、Energy=エネルギー)」という観点から議論されてい
ますが、国際的な場では「DES(Development=発展、Equality=公
平性、Sustainability=持続可能性)」という言葉が多用されていま
す。こちらは、単に「3Eを鼎立させていく」という発想ではなく、
「劣悪な環境と貧困・生命問題を抱える開発途上国とともに持続可能
な解決を目指す」という、いわばもっと上位な考え方です。「シャワ
ーの時間を1日1分減らそう」といった次元の話ではないのです。

 発展途上国における「食料・飲料水・農業用水の確保」などをはじ
めとする、「貧困・衛生・生命等の問題解決」に向けて、日本はすで
に長期に渡って巨額の資金を注ぎ込んできたわけですが、この「京都
議定書」批准の機会に改めて、歴史的には短期間に「貧困・衛生・生
命の問題」を解決した日本の経験を、その光も影も含めて振り返って
みる必要があるのではないでしょうか。

 日本の経験は、間違いなく新しい科学技術の成果を活用できたこと
によるわけで、とりわけ、新しい素材を提供した化学産業が果たした
役割は大きいと思います。
 あまり手前味噌になるのは避けたいと思いますが、飲料水・農業用
水の確保に役立つ塩ビ製パイプ、食糧の増産や安定供給に貢献する塩
ビ製農業用フィルム、省エネルギーに資する塩ビ製窓枠等々、私たち
塩ビ業界も「DES」の上位概念の中で、産業としての役割を立派に
果たして行きたいものです。

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☆ブース来場者、一日2,000人を超える
 「2002NEW環境展、31日まで開催中」

 以前からお知らせしていましたが、日報主催の2002NEW環境展
が東京ビッグサイトで28日(火)から開催されています。この環境展
は1992年から、当初は廃棄物処理展という名称で始まり、今年で1
1回目になるそうです。

 私たち塩ビ工業・環境協会は1998年以来毎年出展しており、今年
で5年目を迎えます。今年も東第1ホール、エコ包材・新素材プラザと
いうコーナーに小間を設け、塩ビ製品の特長、環境への優しさ、リサイ
クルの状況、リサイクル品の実物などを展示しています。

 初日の28日は、例年にも増して大勢の入場者があり、VECのブー
スでパンフレット等を差し上げた方々の数も、この日だけで1,000
人を超えました、2日目の29日は2,300人もの人に配布できたそ
うです。数年前までは、塩ビと聞いただけで拒否反応を起こす方も多か
ったものですが、今年あたりはそういった方は殆んどなくなりました。
かわりに増えたのは、「使用済み塩ビの処理に困っているのだが、どう
したらいいか」とか、「リサイクルを手がけているのだが、廃塩ビを入
手したい」とかいった、具体的な課題解決やビジネス上の相談事です。

 こういったご質問には、最近VECで改定・発行した、「塩ビリサイ
クル製品カタログ」をご説明とともに差し上げ、喜んでいただいていま
す。このパンフレットには、塩ビのリサイクル品の一部が写真入りで紹
介されているとともに、リサイクル品の製造メーカーやリサイクル拠点、
リサイクル原料メーカー、サーマルリサイクル拠点などの一覧表が掲載
されています。同時に循環型社会に貢献する塩ビの特長をまとめた「環
境優良素材事典」、塩ビのリサイクルの状況を紹介した「塩ビとリサイ
クル」、「塩ビ建材とリサイクル」などいろいろなパンフレットも提供
しています。

 年々規模が大きくなっているこのNEW環境展ですが、今年は特に
「建設リサイクル法」や、「土壌汚染対策法」など新法成立に関連した
大型機械の展示が目に付きます。来場者のトーンも、従来の、どちらか
といえばお祭り的なムードから、実質的な、ビジネスの場、商談の場と
して活用する雰囲気が強くなってきたと感じました。

 この環境展、31日(金)までです。もし興味と関心をお持ちの向き
は、急いでお出かけください。そして、ぜひVECの小間にもお立ち寄
りください。小間番号は「東1ホール 1101−A06」です。
よろしくお願いします。

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☆お知らせ

 ■パンフレット改定致しました。

  「リサイクル製品カタログ」
  「塩ビ建材とリサイクル」
  「知って得する暮らしの科学 −ダイオキシン編−」

   3種類のパンフレットを改定致しました。
   ご希望の方はこちらからお申込み下さい。
    https://www.vec.gr.jp/NEW/Shiryo.htm

 ■セミナー
 1.「プラスチック建材と建築」
  主 催:塩ビ工業・環境協会
  日 時:6月11日(火)14:00−17:00
  場 所:如水会館2F オリオンルーム
      地下鉄半蔵門線/三田線/新宿線
      神保町駅下車 A8出口 徒歩3分
  対 象:日本建築家協会会員、建築関係者
  問合先:塩ビ工業・環境協会 長繩
      TEL 03−3506−5481

  プログラム
  14:00−15:00「環境建築と開口部 -光と風の建築」
              東京大学大学院工学系研究科建築学専攻
                  坂本雄三 教授
  15:00−16:00「米国のサイディング事情」
              塩ビ工業・環境協会 建材部会長
                  石田 博 氏
  16:00−17:00「建材リサイクルの現状と課題」
              塩ビ工業・環境協会 技術・調査部会長
                  阪内 孚史 氏

 2.「日欧塩ビリサイクルの現状と展望」
  主催:塩ビ工業・環境協会
  共催:塩化ビニル環境対策協議会、鳥取環境大学(予定)
  協賛:プラスチック化学リサイクル研究会
  日時:6月20日(木) 13:30〜19:00
  会場:京都リサーチパーク 京都市下京区中同寺南町17
     TEL 075−322−7888
  申込:このメールに下記事項をご記入頂きご返信下さい
     ご氏名、ご所属、TEL、懇親会 参加の有無

 ●国際フォーラム(同時通訳)
  司会:塩ビ工業・環境協会専務理事 佐々木修一

  1.テーマ   「日欧塩ビリサイクルの現状と展望」
  2.場所・時間:京都リサーチパーク 13:30〜17:15
          (西4号館地下1Fバズホール)
 ●プログラム
  ○ごあいさつ (13:30〜13:40)
    鳥取環境大学 環境政策学科 教授 岡崎 誠
 (1)日本の塩ビリサイクルの現状・塩ビ業界の
    リサイクルへの取組み 13:40〜14:40
    塩ビ工業・環境協会  旭 哲也
 (2)新しいリサイクル技術
  ・「ビニループR」による塩ビリサイクル 14:45〜15:15
     神戸製鋼所(株)山本浩司
  ・塩ビ樹脂製品のガス化リサイクル技術 15:15〜15:45
     ダイセル化学工業(株) 喜多雅巳
     新日本製鐵(株)    河村隆文
 (3)欧州の塩ビリサイクルの現状
  ・欧州塩ビ業界のリサイクル -成果と展望-16:00〜17:00
     欧州塩ビ生産者協会
      Rolf Buehl、Arjen Sevenster(ECVM)

  ○まとめ (17:00〜17:15)
    東北大学大学院 工学研究科 教授 奥脇昭嗣
     (プラスチック化学リサイクル研究会 副会長)

 ●懇親会 京都リサーチパーク 17:30〜19:00
      (東1号館1F アトリウム)
      出講者を交えた懇親会に是非ご参加ください 

 ●フォーラム、懇親会とも無料です
  (会場の都合により、勝手ながら先着200名様を
   定員とさせて頂きます)


 ■展示会出展予定

  MIE・みんなで創る 環境フェア(三重県四日市)
    6月1日(土)〜2日(日)
     10:00〜16:00
    四日市ドーム (近鉄・JR 四日市駅からシャトルバス)

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☆編集後記

  5月31日、サッカーワールドカップ開幕!日本はベルギー、
 ロシア、チュニジアと第1次リーグ戦を戦うんですね。勝って、
 勝って、勝って欲しいですがね。みんなで応援しましょう。
  ところで、ベルギーやロシアやチュニジアでも、塩ビはパイプ
 や建材分野を主体にして、大量に使用されています。もちろん、
 その他の参加国でも、同様です。
  塩ビの消費量が増えている国が勝つことにしたら、日本は決勝
 トーナメントへいけるか?
 ちょっとヤバイかも知れません。困ったものです。(H2記)

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[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
 塩化ビニル環境対策協議会  http://www.pvc.or.jp