===「塩ビと環境のメールマガジン」 第47号 === 2002/8/8

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目 次

☆巻頭コラム
 さらば憎き古家の雨漏り
 「塩ビサイディング材採用で劇的に解決」

☆VCM、EDCとも排出量半減を実現
 製造・取扱い企業の2001年度成果まとまる。

☆お知らせ

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☆巻頭コラム
 さらば憎き古家雨漏り
 「塩ビサイディング材採用で劇的に解決」

 東京都内に住む知人が、数年前に自宅をリフォームした経験
を話してくれました。木造2階建、築30余年のその家は、リ
フォーム前は雨漏りがひどく、近所の工務店に依頼して修理し
て貰ったけれどなかなか直らない。台風や大雨の度ごとにまた
畳が水浸しになるのではないかとびくびくしていたそうです。

 そのほか、一応各居室に冷暖房機はつけているけれど、冬寒
く、夏暑く、特にトイレや風呂場などが過ごしにくいというこ
ともあって、全面リフォームに踏み切ったとのこと。
 工務店と相談して、当時新製品として売り出していた、塩ビ
製のサイディングを外壁として採用することにした。値段とし
てはちょっと高いですよ、と工務店は必ずしも賛成したわけで
はなかったが、その知人が某塩ビメーカーの縁故者だったこと
もあって、いや、これでいく、と決断したそうです。

 ところがリフォームしてみて驚いたことに、雨漏りが嘘のよ
うにぴたりと止まり、ぜんぜん心配が要らなくなった由。おか
げで、家内を連れての海外旅行も後顧の憂いなく楽しめるよう
になりました、と話してくれました。
 塩ビ製サイディングは窯業系のサイディング材と違って材質
自体が水に濡れにくく、そのため毛細管現象が働かないので雨
漏りがしにくい、したがって防水のための目地材も使わなくて
いい、軽量なので施工も簡単、というのがセールスポイントな
のだそうです。
 謳い文句の防水性はともかく、プラスチック製のサイディン
グなんて、見た目が安っぽくて、ベコベコで、我が家の品位が
下がるのではないか、とひそかに懸念していた知人でしたが、
カラフルでモダンな仕上がりを見て、その外観にも充分満足し
ているようです。結構洒落たスタイルなんですよ、とニコニコ
顔でした。

 この塩ビ製サイディング、実はアメリカやカナダなどでは大
量に使用され、アメリカの外壁材市場の約半分、カナダでは約
2/3にまで達しているとか。錆びない、割れない、メンテが
いらないと良い事づくめで、日本でも北海道などの寒冷地を中
心にじわじわ需要が伸びてきているそうです。最近はこの知人
のケースのように都心地でも採用が始まっているほか、スキー
場や別荘地でも、そのモダンさと雨仕舞いの良さなどが受けて
広まっています。
 また、塩ビ製だけに、リサイクルも簡単のようです。あなた
の自宅をリフォームされる時には、循環型社会に適したこの塩
ビ製サイディングの採用を、ぜひご検討下さい。新築住宅にも
採用され始めているそうですから、こちらもどうぞ。

 塩ビ製サイディングについての詳細は、下記のHPでご覧に
 なれます。
    http://www.psiding.jp/

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☆VCM、EDCとも排出量半減を実現
 製造・取扱い企業の2001年度成果まとまる。

 私たちVEC各社は、日本化学工業協会(日化協)が進めている
「第2次有害大気汚染化学物質自主管理計画」に参加し、塩化ビニ
ルモノマー(VCM)および1.2ジクロロエタン(EDC)の環
境への排出量削減計画を立てて公表し、実行してきています。昨年
度、私たちVEC各社は、1999年度を基準として、2002年
度末までにVCM排出量を1/3にまで、EDC排出量を1/4に
まで削減する計画を立てました。その後EDCについては、VEC
加盟各社以外の企業の協力も得て日本全国ベースでまとめた結果、
全国ベースの計画削減率はVCMと同じ1/3レベルになりました。

 つい最近、この計画の2001年度実施状況がまとまり、日化協
へ報告することができました。その成果としては、VCMの場合、
1999年度を基準として、2001年度は環境への排出量52%
減、EDCの場合同じく53%の減、となり、順調に排出削減が進
んでいることが実証されました。目標とする1/3までに対し、あ
と一息です。

 1/3にまで排出量を削減する、と一口に言いますが、これは並
大抵の努力でできるものではありません。特にVCMについては、
1999年度に至るまで、実に20年以上以前から、営々と削減努
力が続けられてきており、1980年から比べると1999年度に
は既に排出量は1/4にまで削減されていました。そこからさらに
この2年で半減です。1980年比では実に1/10近くまで削減
されていることになります。
 この間、各社が投資した設備費用は述べ300億円に及びました。
さらに今回の第2次削減に関し、各社は2000年度および200
1年度で約80億円、2002年度にはさらに約30億円の設備投
資を見込んでいます(何れもEDC対策用設備も含む)。

 今後私たちは、この計画を完璧に実現することを目指す一方、工
場周辺の住民の皆様に安心していただくため、VCMおよびEDC
について、工場敷地境界での大気環境濃度に、ヒトに悪影響を与え
ないレベルの自主管理目標値を決め、この濃度以下に管理すること
を目指そうとしています。工場周辺に住む立場からすれば、環境へ
排出される絶対量が削減されることもさることながら、自分たちの
地域の大気中の化学物質が無害レベルであることも重大関心事だ、
と考えるからです。

 私たち塩ビ業界は、決して豊かな業界ではありません。昨年度前
半の業界全体としての損益は40億円前後の赤字、昨年度全体とし
ては、100億円を超える赤字が見込まれている。しかし、社会に
対し極力迷惑をかけないように努力することは、企業としての最低
限の義務であると考え、今後も環境対策には可能な限り注力してい
く所存です。ぜひ、この私たちの努力を理解いただき、一層のご支
援、ご協力をお願いする次第です。

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☆お知らせ

 ■次週はお休みを頂きます。
  次回の配信は8/22となります。

 ■展示会出展

  1.2002NEW環境展(大阪)
     9月4日(水)〜7日(土)
      10:00〜17:00
     インテックス大阪 1号館(コマ番号1-11)
     (ニュートラム 中ふ頭駅 下車)

  2.「おもしろサイエンス IN ソラール2002」
     7月23日(火)〜8月25日(日)
     山口県防府市青少年科学館 ソラール

 ■シンポジウム

  『住環境フォーラム』
   「高齢化社会の住文化の創造に向けて」

  日時:平成14年8月27日(火)10:00〜12:20
  会場:UNハウス(国連大学ビル)3階
      ウ・タント国際会議場
      東京都渋谷区神宮前5-53-70
  主催:住環境フォーラム実行委員会
  後援:(財)建築環境・省エネルギー機構、国際連合大学
     新建新聞社、(財)地球環境戦略研究機関(五十音順)
  協賛:板硝子協会、塩ビ工業・環境協会(五十音順)
  参加費:無料
  言語:日本語
  お問合先:住環境フォーラム実行委員会 事務局
   (三菱総合研究所 環境研究部内 担当:牧、又は小島)
      〒100-8141東京都千代田区大手町2-3-6
     Tel:03-3277-0446 Fax:03-3277-0512
     E-Mail: mailto:kkoji@mri.co.jp

  ●基調講演
   「高齢化社会の住文化を創造する—住環境の構造改革案—」
     坂本雄三 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授
  ●パネル・ディスカッション
    ・モデレーター:新井庄市郎 新建新聞社代表取締役社長
    ・地球環境の視点から(ビデオメッセージ)
       ラジェンドラ・パチャウリ
     気候変動に関する政府間パネル議長パネリスト(予定)

     パネリスト(予定):建築技術の視点から
               工務店の視点から
               環境NGOの視点から
               医学・健康の視点から
               海外の視点から
     まとめ:澤地孝男 (独)建築研究所環境研究グループ
               上席研究員

  ●レセプション(無料)12:20−13:40
    於:UNハウス(国連大学ビル)2階
       レセプション・ホール

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☆編集後記

  この前、塩ビ建材の議論をしていたら、某氏曰く、
 「家を建てる時には、先ず一家の主婦が、一にキッ
 チン、二にバスルームを贅沢仕様にして予算超過に
 なり、窓や外装材には窮屈な予算しか回ってこない
 んだよ」と。
  けだし機微を突いてはいますが、それでは日本の
 住宅が本当の意味で豊かにならない。本来の日本の
 住居は如何に在るべきか、長持ち、健康、省資源・
 省エネルギーなど、今日的なキーワードを手がかり
 にして、本質に立ち戻って議論をする必要があるの
 ではないでしょうか。(H2記)

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[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
 塩化ビニル環境対策協議会  http://www.pvc.or.jp