===「塩ビと環境のメールマガジン」 第52号 === 2002/9/19

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目 次

☆巻頭コラム
 きれいな飲み水の提供は、われわれの手で!
 「環境開発サミットで、世界の塩素・塩ビ業界がアピール」

☆建材革命に貢献する塩ビリサイクル品
 有力各社の参入続く

☆お知らせ

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☆巻頭コラム
 きれいな飲み水の提供は、われわれの手で!
 「環境開発サミットで、世界の塩素・塩ビ業界がアピール」

 8月26日から9月4日にかけて南アフリカのヨハネスブル
グで開催されたWSSD(World Summit on SustainableDeve
lopment)、いわゆる世界環境開発サミットのことは、まだ皆さ
んの記憶に新しいことと思います。この会議での重点項目とし
て、日本のマスコミでは、地球温暖化対策の進展や、人口問題、
貧困の克服、といったテーマが多く取り上げられ、それはその
とおりであったのですが、もう一つ、この会議での重点テーマ
として取り上げられていたのが、世界的な水不足と、それへの
対応策でした。

 最近の気候変動や、人口の増大、森林資源の枯渇などにより、
水資源不足の問題が世界的に深刻化しており、これにどう対処
するかが大きな関心事になっているわけです。つい最近までと
うとうと流れていた河川や、満々と水をたたえていた湖が、徐
々に水脈が細り、乾いた河川敷や平原に変わっている様を、時
々マスメディアで目にすることがあります。現在のペースで水
が消費されれば、2025年までに27億人が深刻な水不足に
直面する、と最近の国連の発表にも述べられています。

 さらに、量的な水不足だけでなく、質的な問題、つまり、不
衛生な水しか飲めない環境下に置かれている人たちの問題もあ
ります。不衛生な飲料水が原因で起きる病気は、世界中で年間
200万人以上の生命を奪っているというのが現実の姿だそう
です。

 この、飲料水問題を解決するにはどうすればいいか。原則論
を言えば、水源から居住地への飲料水の輸送システムを作る、
つまり、配水システムを整備するということと、飲料水を滅菌
する、ということに尽きます。

 今回の環境開発サミットの場で、
世界塩素協議会(WCC:World Chlorine Council)と、
世界塩ビ会議(GVC:Global VinylConference)は、「安全
な飲料水を安全に供給する最善の方法は、塩素滅菌された水を
塩ビ製パイプによる配水システムで住民に供給することである」
と述べ、「われわれは今後とも、この『塩素滅菌・塩ビパイプ
給水システム』の供給を世界各地において展開し、世界の安全
な飲料水確保に協力する」と宣言しました。

 これまでにも彼らは、ガーナ、マリ、ニジェール、ドミニカ、
ホンジュラス、グアテマラなどで現実に給排水プロジェクトを
手がけており、今後も例えば世界の災害被災地などでの協力を
自主的に行うとしています。

 わたし達日本の塩ビ業界も、この活動に全面的に賛同します。
日本の塩ビ業界として、具体的に何ができるのか、現時点では
手探りの状態ですが、このWCC・GVCの宣言を契機として
、日本での展開を企画して行きたいと思っています。

 塩ビは、この種水道給排水管としては最適の素材です。この
特長を活かして、世界の水資源の活用にお役に立ちたいと考え
ます。

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☆建材革命に貢献する塩ビリサイクル品
 有力各社の参入続く

 9月4日(水)〜7日(土)の4日間、大阪南港のインテック
ス大阪で開かれた2002NEW環境展(大阪)で、興味ある展
示を見かけました。東京品川に本社のある、アイン・エンジニア
リング(株)の展示です。
 この会社は、プラスチックの複合体を、乾式で分離洗浄するユ
ニークな技術を持った会社として知られていましたが、そういっ
た技術を基に、建設廃木材と使用済みプラスチックから、押出し
方式による大型中空構造パネルを製造することに成功し、アイン
ウッドパネル、アイン断熱大型パネルとして上市しました。これ
は、従来のパーティクルボードやMDF、合板などに比べて高性
能であるとしており、各種パネル用途はもちろん、エクステリア
製品、家具、ドア、カウンター、フラワーボックスなどに関して
「革命をもたらす」、としています。
 わたし達にとって興味深いのは、使用済みプラスチックとして、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンに加え、塩ビも使
用できるとしている点です。

 一方、日経エコロジーの10月号には、最近のリサイクル製品
開発の試みとして、ミサワホームの記事が載りました。この会社
も、建設廃木材と廃プラを原料にして押出し成型し、木材様の柄
でありながら耐久性などでは木材を上回る機能を実現させている
としています。ミサワ「エムウッド2」と名づけられたこの製品
は、通常の建材はもとより、エクステリアや浴室の壁材などにも
特長を活かして使用できるそうです。
 ここでも、リサイクル塩ビが重要な役割を果たしているようで、
家電のリサイクル関係者などの間で、大きな関心を呼んでいるよ
うです。

 さらに、先週のメールマガジンで紹介した、名古屋の(有)三
宝も、使用済み塩ビを廃木材と混合成型して、家具類を製作する
事業を始めたということです。社長の松尾さんは、「リサイクル
塩ビでないと出来ない製品を開発します」、と語っておられまし
た。

 これらの事例をここ数週間で見聞すると、使用済み塩ビの建材
への利用があちらこちらで、急ピッチで進んでいる様子がうかが
えます。もともと加工性が良く、長所の多い塩ビですが、当然の
ことながらリサイクル品でも十分その特長が活かせる訳で、その
意味では驚くことではありませんが、それにしても各地で同じよ
うな試みがされていることがわかり、わたし達にとっては心強い
限りです。

 それぞれに知恵を出して、成功して欲しいものです。

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☆お知らせ

 ■展示会出展

  1.住宅リフォームフェア(大阪)
     9月20日(金)〜21日(土)
      10:00〜17:00
     インテックス大阪 5号館 ブースNO.B−10
      (ニュートラム 「中ふ頭」下車徒歩3分)

    この展示会はプラスチックサイディング懇話会にて
    出展しています。

  2.新潟 環境フェスティバル
    「エコビジネス展2002 IN 長岡」
     9月27日(金)〜28日(土)
      10:00〜17:00
     ハイブ長岡 大展示ホール

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☆編集後記

  「秋来ぬと、目にはさやかに見えねども…」と
 いう歌がありましたが、H2にとって秋の知ら
 せは、風の音ならぬ、水の量なのです。なぜか?
  ウイークエンド・テニスプレイヤーのH2は、
 毎週末、天気さえ良ければ、万難を排してコー
 トで白球(今の時代は黄球)を追います。ゲー
 ムの合間に水をがぶがぶ飲みます。
  この水の量が真夏度の尺度なのです。8月真
 っ盛りは一日2リットルビン一本、9月の今頃
 は500ミリリットルビン2本、…。そろそろ
 秋の気配だな、とわかるのです。
  このメルマガが出るのは木曜日、週末の天気
 予報に気もそぞろの日です。(H2記)

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[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
 塩化ビニル環境対策協議会  http://www.pvc.or.jp