===「塩ビと環境のメールマガジン」第55号 === 2002/10/10

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目 次

☆巻頭コラム
 リサイクルを含め、健康と環境に貢献する日本の塩ビ業界
  JCSD(持続可能な開発のための日本評議会)の
  「Japan Report」で好評価

☆ガス化技術と塩ビとPETに焦点
  「ベルギーでプラスチックのフィードストック
   リサイクルの国際シンポ開かれる。」

☆お知らせ

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☆巻頭コラム
 リサイクルを含め、健康と環境に貢献する日本の塩ビ業界
  JCSD(持続可能な開発のための日本評議会)の
  「Japan Report」で好評価

 先のヨハネスブルグサミット、いわゆる環境開発サミッ
トで、世界の塩素・塩ビ業界が、「塩素滅菌・塩ビ管給水
システムで、世界の安全な飲料水確保に寄与する」という
宣言をしたことは既にお知らせしましたが、その同じサミ
ットの場で、もう一つ日本の塩ビ業界にとって嬉しいニュ
ースが世界に向けてアピールされていました。

 それは、JCSD(持続可能な開発のための日本協議会)
がこのサミットに提出した、「Japan Report」に示され
ている情報です。
 JCSDというのは、日本の行政、自治体、市民団体、
産業界などの多様なセクターが対等に政策対話を行う目的
で、1996年に設立されたユニークなNGOです。
 JCSDは今回のサミットに向けて、「Japan Report」
と名づけた報告書を作成し、日本の社会を構成する各セク
ターが、持続不可能な経済構造を変革し、21世紀型の社
会作りを目指して試行錯誤を重ねている努力の一端を、世
界に紹介しました。

 この報告書では、持続可能な社会への変革を目指して取
組んでいる、多様な組織の活動振りを評価し、「参考好事
例」として65の事例を紹介しています。参考好事例の中
には、市民団体・住民団体、NPO/NGOなどの活動か
ら、メディア、大学・研究機関、地方自治体、産業界、行
政部門に至るまで、およそ考えられる限りの事例が含まれ
ています。
 この「参考好事例」の中で、産業界に関しては、経団連
(当時)の地球環境憲章や、ISO14001、企業にお
ける環境負荷低減、NPO/NGOとの連携、環境報告書、
エコファンドなどと並んで、より具体的な例として、自動
車産業と電気・ガス産業、それに化学工業とりわけ塩ビ工
業が取り上げられているのです。紹介文は、「塩ビ工業・
環境協会はリサイクルを含めて、健康と環境を考慮する製
品の技術開発、調査研究を行う」とされています。

 私たちは、確かに、健康面、環境面に関しては、ずいぶ
ん昔から、多くの面で活動を続けてきました。
 製造部門では四半世紀も前から、自主的に塩ビモノマー
の環境への排出削減に取り組み、当時の排出量を9割以上
削減することに成功しています。
 リサイクルに関しても、数十年来、地道にマテリアルリ
サイクルの取り組みを続けており、プラスチックの優等生
と自負していますし、最近ではいわゆるケミカルリサイク
ルの技術確立にも、巨額の資金を投入して成果を挙げてい
ます。
 製品面では、至る所で社会のお役に立っていますが、と
りわけ、生命を守る医療用機器として、また安全な飲料水
を提供する水道管として、さらには快適な住環境に欠かせ
ない省エネ・高断熱住宅素材としてご愛用いただいていま
す。

 今回の「Japan Report」での評価は、こういった業界と
しての姿勢と実績が認められたものと考え、大変嬉しく思
います。今後も、更なるレベルアップに向け、業界あげて
努力する所存です。変わらぬご愛顧、ご支援をお願いしま
す。

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☆ガス化技術と塩ビとPETに焦点
  「ベルギーでプラスチックのフィードストック
   リサイクルの国際シンポ開かれる。」

 9月8日〜12日の間、ベルギーのオーステンドで、「第
2回プラスチックフィードストックリサイクル国際シンポジ
ウム(ISFR2002)」が開催されました。
 このシンポジウムは、東北大学の奥脇教授が中心となって
数年前から活動している、「プラスチック化学リサイクル研
究会」が、3年に一度世界各地で開催するもので、第1回の
仙台での開催以来の会議です。
 私たちVECも、塩ビのフィードストックリサイクルの技
術開発には、業界挙げて取組んでいます。こういった機会に、
世界の状況を勉強するとともに、VECの取り組みを広く海
外の関係者にも知っていただこうと、今回のシンポジウムに
参加しました。

 シンポジウムには世界29ヶ国から、150名の参加者が
あり、5日間に渡って、口頭発表とポスターセッション合わ
せて84題のテーマについて、熱心な議論が交わされました。
 テーマの内容は、ガス化、油化、高炉還元剤化、モノマー
化など多岐に渡っていましたが、3年前の第1回に焦点だっ
た油化については、より具体的な課題の解決策に研究の重点
が移っているように感じられました。一方、ガス化技術の進
歩、PETを中心としたモノマー化(ボトルtoボトル)それ
と塩ビのリサイクル技術が、興味の中心になってきているよ
うでした。

 私たちが提供した、塩ビのリサイクルの取組状況に関する
ポスター展示では、私達日本の塩ビ業界が取組んでいる、マ
テリアルリサイクルやフィードストックリサイクルについて、
現状と将来構想をまとめましたが、海外の参加者には、日本
の塩ビ業界が、高炉還元剤化技術や塩ビモノマー原料化技術、
さらにはガス化技術などに熱心に取組んでいることに、驚き
とある種の感動を与えたようでした。
 特に、塩ビのガス化技術に関しては、ヨーロッパでも開発
が進んでいるとのことでしたが、そういった経緯もあってか、
日本の塩ビガス化技術について大きな関心を抱いたようで、
シンポジウム当日のみならず、帰国後も情報交換をしたいと
の希望があり、やり取りが続いています。

 リサイクルでは、可能ならばマテリアルリサイクルが望ま
しいことは言うまでもありませんが、必ずしもマテリアルに
適さない場合もあります。そういった観点から、総合的にリ
サイクルを進めるためには、フィードストックリサイクル技
術を完成させることが必要不可欠です。私たちは今後も、マ
テリアルリサイクルに加えて、フィードストックリサイクル
にも力をいれて開発を進めるつもりです。今回のシンポジウ
ムで世界の研究者・技術者と情報交換ができたことは大変良
かったと考えます。

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☆お知らせ

 ■セミナー

  日 時 10月11日(金)9:00−12:00
  場 所 沖縄コンベンションセンター特別会議室
  テーマ プラスチック建材と建築
      −プラスチック建材の現状と将来について−
  講 師 9:00−10:30
       「環境建築と開口部−光と風の建築」
         東京大学大学院工学系研究科建築学専攻
           坂 本 雄 三 教授
      10:30−11:15
       「米国のサイディング事情」
         (株)トクヤマ RC・環境経営室主席
           石 田 博 氏
      11:15−12:00
       「建材リサイクルの現状と課題」
         鐘淵化学工業(株)環境安全部総括担当部長
           阪 内 孚 史 氏

 ■展示会出展予定

  「ぐんま環境フェスティバル」
    10月27日(日)
     群馬県庁 県民広場

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☆編集後記

  秋の長雨もそろそろ終わりでしょうか。天高く、
 ○○肥ゆるの秋が待ち遠しいです。
 そこでくだらないひとくだり:
  秋の七草:「萩の花、尾花葛花撫子の花女郎花、
        また藤袴朝貌の花」
  春の七草:「芹薺、御形繁縷仏の座、菘蘿蔔これぞ七草」
  (セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、
   スズシロ、念のため)
  七福神:恵比寿・大黒・毘沙門・弁天・福禄寿・寿老人・布袋

  さてこれは?:ローエチハイエチポリプロピレン、塩ビに
         ポリスチペットにポリカ
  まことにもって、オソマツでした。(H2記)

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[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
 塩化ビニル環境対策協議会  http://www.pvc.or.jp