===「塩ビと環境のメールマガジン」第61号 === 2002/11/21

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目 次

☆巻頭コラム
 甘いもの食べてスリムになろう
 「砂糖は太る」の非常識

☆お知らせ

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☆巻頭コラム
 甘いもの食べてスリムになろう
 「砂糖は太る」の非常識

 私は無二の紅茶党で、何かあると日本茶でなく、コ
ーヒーでもなく、紅茶を飲む習慣なのですが、何時の
頃からか、紅茶に砂糖を入れなくなりました。この道
に入ってみれば、砂糖もミルクもレモンも入れない、
いわゆる「ブラック」(コーヒーならこう呼ぶらしい
けど、紅茶ではどう言えば好いのか?)が美味しいと
感じるのですが、砂糖を入れなくなったのは美味しい
だけが理由ではなく、「砂糖を取りすぎると太る」、
「砂糖を食べると糖尿病になる」という、「常識」が
働いて、控える習慣になった、という面もあります。

 ところが先日、この話になったら、関西の友人に、
「おまえ、アホか」と言われました。むっとして、思
わず「なんでアホやねん」と言い返したら、友人曰く
「砂糖食べて太るちゅうのはウソや。糖尿病になるち
ゅうのんもウソや」と。
「なに?」と気色ばんだら、「これ読んでみ」と一冊
の本を渡されました。講談社ブルーバックス、高田明
和著の「『砂糖は太る』の誤解」という、そのものズ
バリの本でした。

 読んでみてびっくりしました。友人の言ったとおり、
砂糖は太るというのはまったくの誤解で、太る作用に
関しては砂糖もそば粉も同じ、砂糖10グラムとそば
粉10グラムはほぼ同じカロリーで、同じ作用しかし
ない、と書いてあります。
 現実に、日本人の砂糖の摂取量は、昭和40年頃に
は一人年間約40kgだったものが、2000年には約
20kgと半減している、にもかかわらず肥満や糖尿病
は増えているそうです。
 また、イギリスの調査で、被験者を砂糖の摂取量の
多い順に5グループに分けてそれぞれの肥満度を調べ
たら、砂糖摂取量が多いほど肥満度が低い、つまり痩
せているという、見事な相関関係が得られたというデ
ータも示されています。因みにこのデータでは、肥満
度は摂取する脂肪量/砂糖量のこれまた見事な正相関
を示すとされています。

 糖尿病に関しても、先に述べたように、摂取量が減
っているのに糖尿病患者が増えているとしたら、原因
を砂糖に求めるのはやや無理があるとしか考えられま
せん。
 一方、砂糖は甘くて美味しいだけでなく、効率のよ
いエネルギー源であり、往時には結核の治療薬として
使用されたこともあり、また脳の健康にとっても不可
欠な素材なのだそうです。
 この様にそれなりの存在価値のある砂糖が、どうし
て悪者扱いされてしまったのか。「このままで良いの
かという疑問が、この本を書かしめた理由である」と
高田氏は述べています。

 いや、私にとっては将に「目からうろこ」もいい所
で、「世の常識の中には非常識もあるものだな」とし
みじみ感じた次第です。考え様によっては、「砂糖を
食べてスリムになろう」というキャッチフレーズでも
作って、女性週刊誌で大々的にPRしたらどうかな、
と夢想したりしました。

 と同時に、「どこかで聞いたような話だな」という
直感も働きました。そうです。塩ビの話と、どこか似
ていませんか。
「塩ビはダイオキシンの原因である」、「塩ビは環境
によくない」、「塩ビ製品はなるべく使わないように
すべきである」…、…。こういった認識が、「常識」
になりかかっている今日ですが、実はこの「常識」、
まったくの「非常識」なのですよね。

 科学的にも、現実的にも、塩ビのこの種「常識」が
「非常識」であることは証明されています。ダイオキ
シンの発生主原因は塩ビではありませんし、塩ビは省
資源・省エネルギーでリサイクルもたやすい、社会の
インフラはじめありとあらゆるところで人類の役に立
っている、優秀な素材です。

 くどくど述べるのは止めますが、世間には意外とこ
の種「常識の面を被った非常識」は多いもの。風評に
流されず、じっくり真実を見極めて事に当たりましょ
うね。

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☆お知らせ

 ■展示会出展予定

  1.ジャパンホームショー 2002
     11月19日(火)〜22日(金)
       10:00〜17:00
         (最終日は16:30まで)
       東京ビッグサイト
       (有明・東京国際展示場) 東3ホール G−1110

     プラスチック・サイディング懇話会にて
     出展しています。

  2.実用化開発助成事業 成果展示会
    (新エネルギー・産業技術総合開発機構)
     11月20日(水)〜22日(金)
       9:30〜17:30
       東京ビッグサイト
       (有明・東京国際展示場) 東5ホール

     (社)プラスチック処理促進協会にて
      展示いたしております。

  3.エコプロダクツ2002
     12月5日(木)〜7日(土)
       10:00〜17:00
       東京ビッグサイト 東5ホール 小間番号310
       (有明・東京国際展示場)

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☆編集後記

  木枯らしが吹き、枯葉の舞う季節になりまし
 た。夜、仕事を終えて帰りの地下鉄駅まで歩く
 間、周りを乾いた落ち葉がかさかさ音を出して
 転がって行くのをよく聞きます。疲れていない
 時には、パリにでもいる気分になって、背筋を
 シャンと伸ばして気取って足を運ぶのですが、
 くたびれ果てた時には、その音で却って背中を
 丸くして、靴を引きずって歩きます。同じ枯葉
 の音でも、ずいぶん違う反応をするものです。

  H2でも、たまにはちょっと洒落た気分にな
 る、というお話でした。(H2記)

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[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
 塩化ビニル環境対策協議会  http://www.pvc.or.jp