===「塩ビと環境のメールマガジン」第63号 === 2002/12/5

===================================================================

目 次

☆巻頭コラム
 リサイクル可能な塩ビ製建材を公営住宅のリフォームへ
 「都営住宅解体材の塩ビリサイクル実証テスト成功」

☆お知らせ

===================================================================

☆巻頭コラム
 リサイクル可能な塩ビ製建材を公営住宅のリフォームへ
 「都営住宅解体材の塩ビリサイクル実証テスト成功」

 わたしは東京都郊外の住宅地に住んでいますが、わ
たしの住むマンションの近くには、沢山の都営住宅が
立ち並んで、威容を誇っています。朝の出勤時間にな
ると、それぞれの住宅からぞろぞろと人が出てきて一
斉に最寄りの私鉄の駅へ向かいます。なかなかの風景
でもあります。

 東京都には、こういった都営の住宅が、26万戸あ
まりもあるそうです。そのうちの半分近くが昭和40
年代に建設されたもので、いまや老朽化がひどく、建
替の時期に来ているとか。

 昭和40年頃!思い出しますねえ。東海道新幹線開
通、皇太子(今の天皇陛下)ご成婚、東京オリンピッ
ク開催、長嶋・大鵬・裕次郎・美空ひばり、…、…。
ああ、当時わたしは若かった。

 いや、それはさておき、東京都はこれら更新時期を
迎えた都営住宅の建て替えに当たって、なかなか面白
い発想の計画を考えました。「スーパーリフォーム計
画」と名づけられたこの計画は、建物の構造体はその
ままにして、間取りの変更や設備の改善などにより、
既存の住宅を新築並みの機能にするというのです。
 さらに好ましいことには、これらの工事に当たって
は、既存のストックをできるだけ長期に有効活用する
とともに、リサイクルを推進し、建設廃棄物の減少な
どに留意し、もって省資源化、省エネルギー化を進め
て、循環型社会形成へ向けて充分な配慮をする、とい
うことです。

 こういった背景の下で、東京都はこの度、葛飾区の
新宿6丁目団地の解体に際して、廃棄物として出てく
る塩ビ廃材のリサイクル実証テストを実施しました。
協力を求められたわたしたちは、喜んで申し出をお受
けし、出てきた管・継手については塩化ビニル管・継
手協会の支援を得て、もう一度塩ビ管の原料へとマテ
リアルリサイクルするとともに、金属部品やセメント
が固着した管・継手、配線カバー、壁紙、床材などは
ケミカルリサイクル可能であることを実証すべく、住
友金属のご協力により、同社のガス化溶融実験炉で確
認実験を行いました。実施に当たっては、東京都はも
とより、茨城県にも大変お世話になりました。
 当然のことながら、実験は成功し、現在、各種デー
タの整理をしている段階です。

 今回の実験成功で、東京都はじめ関係各位にも、建
設廃棄物中の塩ビはリサイクルが可能である、という
ことを改めて認識いただけたと思います。「スーパー
リフォーム計画」の中で、ぜひ、リサイクル可能な塩
ビ建材を沢山使って役立てていただきたい、と願うも
のです。
 水道管や雨樋には塩ビ製を、壁紙や床材にも塩ビ製
を、電線には当然塩ビ被覆電線を…、そして、窓には
プラスチックサッシ、外壁にはメンテフリーのプラス
チックサイディングを、ぜひご検討願いたいものです。

 今回の東京都の試み、つまり既存の構造体を活用し
てリフォームするという考え方は、今後の日本の社会
に広く深く根づかせる必要があるのではないでしょう
か。リデュース・リユース・リサイクル、省資源・省
エネルギーはいまや世界の常識なのですから。

===================================================================

☆お知らせ

 ■展示会出展予定

  エコプロダクツ2002
   12月5日(木)〜7日(土)
     10:00〜17:00
   東京ビッグサイト 東5ホール 小間番号310
   (有明・東京国際展示場)

 ■セミナー

  「顧客に魅力のある健康な住まいとは!」
    主 催:住まいづくり研究会
        (福岡大学 建築学科 須貝研究室)
    協 賛:プラスチック・サイディング懇話会
        プラスチックサッシ工業会・東レコースティック
    日 時:12月13日(金)13:00−17:00
    場 所:熊本市産業文化会館
    申込方法:12/10まで下記宛FAXにてお申込み下さい
         FAX 092−865−3109
    問合先:福岡大学 建築学科 須貝研究室
         TEL 092−871−2409
         FAX 092−865−3109

     プラスチック・サイディング懇話会及び
     プラスチックサッシ工業会にて参加しております。

 ■ホームページ

  プラスチック・サイディング懇話会
  (プラスチックサイディング事業を行っている
   信越ポリマー(株)、ゼオン化成(株)、三
   菱樹脂(株)の3社で組織されています。)

  がホームページをオープン致しました。是非ご覧下さい。

     http://www.psiding.jp

===================================================================

☆編集後記

  昭和40年頃の公団住宅と聞いて回想するもの。
 ガス風呂(標準装備でなくてオプションで、自前で
 セッティングだった)、ステンレス流し台(いかに
 も清潔な感じだった)、ダイニングキッチン(ちゃ
 ぶ台とさよならした)、そしてスチールサッシ(ア
 ルミでなく、無論プラでもない!)。
  上の音や隣の音に悩まされた(悩ませたかも?)
 こと。音といってもいろいろあるが・・・?
 (H2記)

===================================================================

[塩ビと環境のメールマガジン]

 発   行  塩ビ工業・環境協会
 編集責任者  佐々木 修一

 塩ビ工業・環境協会     https://www.vec.gr.jp
 塩化ビニル環境対策協議会  http://www.pvc.or.jp