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NEW VEC MAGAZINE 臨時
発行年月日:2004/01/15
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今月のメニュー |
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講演会開催のご案内 |
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塩化ビニル環境対策協議会 国連大学セミナー
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「環境問題 ─ 何が最も重要か!」
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コラム |
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塩ビ産業、半世紀(50年)を越えて その1 |
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−協会に35年間在籍して− |
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太田泰正 |
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■講演会開催のご案内 |
塩化ビニル環境対策協議会 国連大学セミナー |
「環境問題 ─ 何が最も重要か!」 |
あのテレビ番組を見てから、美容と健康のためザクロを食べだした皆さん今でも続けていますか。健康・環境というのは、本当に、何をどうすればいいのか、正解が見つけにくいですね。
あるいは「ワン・フレーズ」で選択することくらい怖いものはありませんね。皆さんもこれは身に染みてお分かりでしょう。しかし、私たちは、何かから情報を取り、決断しなければなりませんね。テレビからでしょうか。新聞からでしょうか。このチャンネルなら大丈夫?
日本でも放映されたイラクでのジェシカ・リンチ上等兵の「緊迫の救出劇」は、画面から伝わるほど、危機迫ったものだったのでしょうか。
“人類史上最の猛毒な─ ─ ─”、“まだ見ぬ孫に残したくない─ ─ ─ ─”のようなセンセーショナルな言辞が踊る状況は、環境先進国日本の誇りを強めることになるのでしょうか。
日本にある唯一の国連専門機関の国際連合大学の副学長になられた安井至教授から「環境問題 ─ 何がもっとも重要か!」を、またメディア界の良識者の読売新聞編集局科学部次長の小出重幸さんから、「メディアから見た環境問題の扱い方」のご講演を頂くことにしました。
安井教授はNHK、日経エコロジー、さらにはご自身のホームページで、新鮮な話題を縦横無尽に解析されています。一般向けの書籍も多数ご執筆されています。また、小出記者は、社会部、生活情報部を経て現在科学部で環境・宇宙・医療などをご担当されています。
環境問題を真剣に考えておられる、しかし「ワン・フレーズ」での説明に違和感を感じておられる皆さん、是非本セミナーに足をお運びください。
このセミナーとそのあとの参加の皆さん同士の交流・情報交換会を通じて課題の解決の糸口がきっとつかめるはずです。 |
○ |
開催期日 |
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平成16年2月2日(月)16時〜19時 |
○ |
会 場 |
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国際連合大学 国際会議場 |
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〒150−8925
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渋谷区神宮前 5−53−70
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電話 03(3499)2811
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(交通)
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地下鉄銀座線、千代田線、半蔵門線
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表参道駅下車 B2出口より徒歩約5分 |
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1. |
講 師
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国際連合大学副学長 工学博士 安井 至 先生
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演 題
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「環境問題、何がもっとも重要か」
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時 間 |
16:00〜17:20
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2. |
講 師 |
読売新聞 編集局科学部次長 小出 重幸 氏 |
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演 題 |
「メディアから見た環境問題の扱い方」(仮題)
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時 間 |
17:30〜18:10
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3. |
立食パーティー 18:30〜 |
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終了後、同大学2階「レセプションホール」にて、18:30より立食パーティーを開催致します。
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申込方法 |
下記アドレスまで貴社名・所属・役職・氏名・ご住所・ご連絡先(電話番号・FAX)をご記載頂きお申込み下さい。 |
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〆切 1月28日(水)
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お申込みはFAXでも結構です。
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会場の都合により先着500名様にて締め切らせて頂きますのでご了承下さい。
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参加費 |
講演会、パーティー共無料 |
問合せ先 |
事務局 関
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TEL
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03(3297)5601 |
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FAX
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03(3297)5783 |
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■コラム |
塩ビ産業、半世紀(50年)を越えて その1 |
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−協会に35年間在籍して− |
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太田泰正 |
○はじめに
小職は1968年(昭和43年)に当時の塩化ビニール協会にお世話になり、以来、2003年12月まで35年間に亘り塩ビ業界とともに歩んできました。塩ビ産業が50年を超えて今なお健全なのは、土木・建材、工場・設備、農林・水産、医療家庭用品、車両、および電気・機械、容器・包装等の各産業でなくてはならない素材であればこそで、すなわち安全な且つ快適な生活環境が確保されてきた証といえましょう。
退職にあたりそんな塩ビ産業の50年の足跡を辿って紹介します。
1.塩ビ産業の変遷
塩化ビニール協会(現塩ビ工業・環境協会)の発足は1953年(昭和28年)、以来半世紀に亘り塩ビ産業は素材産業として活躍してきた。
塩ビ産業は、74年及び79年の二度にわたる石油パニック後に、大幅に需要が減少するなどの紆余屈曲はあったものの、総じて順調に需要は伸長し、96年には生産量及び国内需要とも史上最高を記録した。国内需要が200万トン強、輸出が60〜70万トンあり、生産量は250万トン強と堅調に伸長をしてきた。
しかし需要面は増大してきたものの、採算面ではこの35年間で潤った期間は数回しかない。潤うどころかどころか、第2次石油ショック以降80年〜85年間の5ヵ年で業界全体の累積赤字は1,500億円にも上り、さらに92年〜02年の10年間では1,500億円の累積赤字を積み上げている。傍から見ていると誰のために何の為に一生懸命働いているのかわかりません。それでも企業として成り立ってきていることが不思議でしょうが、基盤産業としての社会的使命の大きさの故なのでしょう。
その後、97年以後の内需量は減少の一途を辿り、現在は140万トンレベルで低迷している。
○不 況
小職が入所した68年は不況の只中にあり、設備過剰問題を抱えての不況カルテルの繰り返しで何とかしのいできたものの、生産と需要のバランスが保たれず、基本問題研究会(72年)や構造改善委員会(81年)および長期ビジョン研究会を編成して取り組むなどしてきた。その結果を踏まえ通産省(現経産省)のご指導の下、構造改善基本計画を策定し、ついに85年に49万(年間生産能力、処理率24%)の設備廃棄に踏み切るのである。と同時にポリマーメーカーのアライアンスが始まった。
○塩ビ樹脂製造メーカー数の減少
このような状況下から塩ビ樹脂の製造メーカーも71、72年頃には当協会に18社入会されておりましたが、業界再編の波に漸次洗われ近年は5社体制ということで大変寂しい限りで残念です。
一方、世界に目を向けると塩ビ需要の伸長の著しい発展途上にある中国及び東南アジアは別にしても、先進国の欧米でも現在年平均で数%の伸びがみられ、全世界で塩ビの需要が増加している中で日本だけが著しく減少している。
日本の塩ビ樹脂需要の低迷には2つの要因が考えられる。その1つはバブルが崩壊して以後の長期景気低迷と、もう1つは塩ビ忌避による影響があげられる。
塩ビ忌避による需要の減少はこれまでいわれ無き濡れ衣を着せられてきた影響が拭えきれない。一例を上げれば、酸性雨、ダイオキシンの発生、環境ホルモン問題等いずれも塩ビが元凶との一部学者、マスコミに踊らされた結果、社会に無用な波紋を生み出し風評による被害を蒙ってきた。
ダイオキシン問題についても現在はさすがに一部学者も、マスコミも塩ビが元凶との談話はなくなったがこれは当然のことで、環境省ガイドラインにダイオキシンは燃やし方(塩ビ樹脂があろうがなかろうが)次第で発生すると明示されている。
しかし、こうした背景から塩ビの市場は大幅に縮小され、また、業界再編をも余儀なくされている。
2.需要及び用途の盛衰
次に塩ビ樹脂の使われ方をみると、ご存知のように産業資材から家庭用品まで、言い換えれば硬いものから軟らかいものまで幅広く利用されている。
大げさに言えば塩ビ樹脂がなければ生活が成り立たないとの所まで生活に密着した関わりになっている。
軟質製品(農業用フイルム、一般フイルム、レザー、押出し品、床材、電線被覆材)及び硬質製品(パイプ、波板,平板、フイルムシート、異型押出)などほぼ現在の需要形態に近い用途が61、62年頃(昭和35、36年)には開発されている。
70年代は2度のオイルショックがあり振幅の激しい需要変動に見舞われたものの、日本列島改造で高速道路や新幹線などの公共物件工事の旺盛さと、塩ビ需要の関連が大きい住宅ブームを反映し、需要は著しく増加した。(国内出荷100万トン〜140万トン)
80年台は対外経済摩擦問題が大きくクローズアップしてきたが、概ね内需主導経済への転換を図り、金利安、原油安という恩恵を受けつつ旺盛な個人消費、設備投資、引き続く住宅需要に支えられた大型景気が続いたお陰で、塩ビ樹脂需要もそれにつれて拡大した。(国内出荷140万トン〜190万トン)
90年台に入るやいなやバブル経済がはじけ、以後長い長い不況のトンネルに突入し現在も引き続いている。塩ビ樹脂需要もこれに連動し、とりわけ公共投資及び設備投資、住宅投資の低迷が影響して需要が落ち込んでいる。(国内出荷150万トン〜200万トン)
さらに加えてこの時期、ごみ焼却によるダイオキシン問題が取り上げられ塩ビ樹脂が元凶との風評被害から塩ビ樹脂の忌避がはじまり、需要の低迷に拍車が掛かった。何とか97〜98年頃から脱するかに見えたが、同時に環境ホルモン(DHP)問題が持ち上がり塩ビ樹脂の回復に冷水をあびせた。忌避による需要は特に硬質、軟質製品の包装分野や家庭用品雑貨分野で大打撃を受けた。
この間、軟質用途では軟質の自動車レザーが73年をピークに高級化指向で天然皮革・ファブリック化で激減、農業用フィルムも農POの台頭で減少した。一方の硬質用途ではレコード盤が78年をピークにCDの台頭により、黒電話でお馴染みの電話機が78年をピークにABS及びAS樹脂に代替された。また、雨どいも71年をピークに減少が続いている。これはビル建築様式の戸建住宅が増加し雨どいを使用しなくなったことも一因となっている。
しかし、このように塩ビ製品が市場から無くなった製品もある一方で、新規用途の開発もある。
○成長した新用途
実は67年〜68年頃にはほぼ現在の製品市場が形成されていた。
今から約30数年前であり需要量は100万トンの大台に乗せようとの意気込みであった。
これより2年後の70年には塩ビ壁紙が開発され、これまでの紙、繊維壁紙を駆逐して一大市場を形成、おりしも住宅ブームと相まって従来の漆喰壁、繊維塗り壁を代替し塩ビ壁紙が急成長した。また、78年より床材の特に長尺シートのクッションフロアとタイルカーペットが、塩ビ窓枠も83年頃北海道を中心に省エネの施策として特別融資制度がみとめられたのを契機に急成長した。
また、80年頃からクッションフロアがタイルや長尺シートに変わり、オフィスビルの床材としてOA化が進展すると共に急成長した。
これに相前後して、建築用のガスケットや建築時の養生シート(帆布ターポリン)用途などが開発され、塩ビ需要は量を拡大してきた。
このように、30年前には壁紙がそして20年前には床材が開発され一大需要量を形成してきた。しかし、残念ながらこの後、最近に至る10数年間はまったく新規用途が開発されていない。
塩ビは天然木石や金属あるいは非鉄金属を代替して多方面に需要を拡大してきたわけであるが、新用途が生まれなければ、国民生活の多様化・高度化に相まって塩ビ以外の樹脂や他素材に取って代わられるのは当然であり塩ビ需要の減少は免れない。 |
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(その2は次号で) |
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