VEC TOPICS
2014年2月19日
 グリーン購入ネットワーク(GPN)ガイドラインが「塩ビ」の情報提供を削除


 グリーン購入の判断基準となるGPNガイドラインには、これまで、焼却時ダイオキシン生成が増加するとの誤解に基づき、塩ビを使用している場合はその表示を求める規定がありましたが、GPNの二月の理事会において、その削除が決まりました。塩ビを情報提供項目としているGPNガイドラインは、オフィス機器、家電、文具他多岐にわたり、古いものは1996年に制定されていますが、これらすべてにおいて同項目が削除されます。
 塩ビは、他の汎用樹脂と比して、省石油型の素材であり長寿命で、しかもマテリアル・リサイクル性能が高いという優れた環境性能を有しています。例えば、2011年、2012年と続けて、塩ビの床材でその製造企業がエコマークアワードを受賞したのもこの特長が活かされたことによります。にも関わらず、ダイオキシンの原因との誤解は長らく続いていました。
 そもそも、ダイオキシン生成量は焼却物中の塩素量に比例しません。塩素は、厨芥ゴミ中の食塩、紙製品中の漂白剤等、様々な形で存在し、塩ビの割合は限られています。空気中にも微量ながら塩素があるため、何を焼却させてもダイオキシンを生成する可能性はありますが、焼却の条件を管理することでその発生を激減させることが可能です。実際に、焼却施設からの排出量は1997年に比して2011年は1/100程度にまで下がっています。プラスチックゴミ処理を埋め立てから焼却へと方針変更したことに伴い炉内の塩素濃度が増えた後でも、東京都の焼却施設から排出されるダイオキシンの量は減り続けています。

 今後、企業、自治体において、この決定を反映してグリーン調達方針が速やかに改定され、塩ビの環境性能を積極的に評価した調達・購入が進むことを期待しております。

    塩ビを情報提供項目としている購入ガイドライン一覧 (http://www.gpn.jp/guideline/)
コピー機・プリンタ・ファクシミリ 洗濯機 テレビ
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冷蔵庫 エアコン
文具・事務用品 家具

 塩ビの情報提供を削除することをアナウンスしたGPNのリンク
   http://www.gpn.jp/archives/gpnnews/archive/2014/02/000682.php