NO.092
発行年月日:2006/08/24

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トピックス
◇プールに浮き輪にビーチボールに・・・
夏休みの子供たちに欠かせない、塩ビ製水遊び用品

随想 
古代ヤマトの遠景(10)—【天照大神】—

信越化学工業(株) 木下清隆

お知らせ
【NEW】住宅・生活誌「家と人。」セミナー in会津若松のご案内
街と住まいづくり博 NAGANO 出展 & セミナー開催案内

編集後記

トピックス
◇プールに浮き輪にビーチボールに・・・

夏休みの子供たちに欠かせない、塩ビ製水遊び用品


 8月も後半に入りましたが、あいかわらず暑い日々が続いています。長かった夏休みも終わりに近づき、子供たちもそろそろ宿題が気がかりになってきていることでしょう。
 子供たちといえば、お宅ではこの夏休み、どんな風にして子供たちと一緒に遊んだのでしょうか。中には飛行機に乗って海外旅行としゃれ込んだご家庭もあれば、海や山や観光地へ出かけた方も多いはず。楽しい思い出が一杯できたことでしょうね。

 そういった行事の中で子供達の人気が高いものの一つが、海やプールやあるいはおうちでの水遊び。浮き袋にしがみついて深いところまで冒険したり、浜辺で友達とビーチボールで遊んだり、ベランダに置いたプールに水を入れてアヒルのおもちゃを浮かべて楽しんだり・・・。

 で、このような夏の水遊びに欠かせないのが、塩ビ製の水遊び関連製品。浮き輪やビーチボール、プールやフロートなどは塩ビ製品の独壇場なのです。
 一時、ダイオキシンやら環境ホルモンやらのトバッチリ(?)で、これらの塩ビ製品のマーケットも影響を受けた時期もありましたが、いまや塩ビを懸念する声は殆んど聞かれなくなりました。ある時期塩ビからオレフィン素材へ転換された品目もありましたが、耐久性や印刷性、加工のし易さや価格などの点でまた塩ビが見直されてきているようです。

東京おもちゃショーにて
オンデマンドプリントのパンチング
 7月中旬に東京ビッグサイトで開催された「東京おもちゃショー2006」でも、他の玩具類に混じってこれら塩ビ製品群が展示され、来場者の興味を惹いていました。塩ビ製品を中心に出展していたのは、「日本空気入ビニール製品工業組合」です。
 同組合によれば、今後大きな発展が見込める分野としては例えば「ムシキングシリーズ」として、浮き輪やフロート、ビーチボールなどにカブトムシやクワガタムシなどをかたどったり、印刷したりするもの、ディズニーやキティーやスヌーピーなどの「キャラクター製品」もの、自動車、家電、食品などの関連企業の販促商品もの、などが有望だそうです。

 さらに最近「オンデマンドプリント商品」と称して、例えばデジカメで撮った写真をその場で軟質塩ビシートに印刷し、高周波ウェルダー加工してビーチボールや大きなおきあがり人形などに仕上げるものも考案されています。おもちゃショーの会場でも、子供の写真や愛犬の顔写真などの例が展示されていました。
 これなどは最近流行りの「オンリーワングッズ」としてブームを呼ぶかも知れないと、業界筋では期待を寄せているそうです。パンチングと称する大きなおきあがり人形に、いやな上司の写真を印刷して、ムシャクシャした時に思いっきりぶん殴ってストレスを解消する、なんて大のおとなもけっこう喜ぶのでは、と思ったりするのですが・・・。

 これら空気入りビニール製品は色彩豊かで安全で、軽い上に持ち運びが簡単、価格的にもリーズナブル、ということで、おもちゃやレジャー用品から宣伝用品、医療・介護用品、自動車用品など広い分野で利用されています。塩ビの特長はこんなところにも活かされているのです。

日本空気入ビニール製品工業組合の詳細は下記HPでどうぞ。
http://www.ku-bi.or.jp/

随想

古代ヤマトの遠景(10)—【天照大神】—

信越化学工業(株) 木下清隆


 前回、神代物語の概要を説明したが、この物語の中で先ず問題となるのは、天照大神(アマテラスオオミカミ)である。この神は女神として現在伊勢神宮で祀られているが、古事記においてはどこにも女神であるとは書いてない。そのことが明示されているのは日本書紀においてだけである。何故このような違いがあるのかは不思議であるが、このことは、古事記の天照大神は男神で、書記において女神に変化した可能性があるのかも知れない。

 次にこの神で問題となるのは、高天原の本来の最高神ではなかったらしいということである。ニニギノミコトを天降りさせるために、出雲へ何度も使者が送られるが、これを指揮命令する神は、古事記では高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)と天照大神の2神である。常にこの順序で併記されて登場することから、明らかに高御産巣日神の方が格上であることが判る。ところが話が進むにつれて併記の順序が逆転し、更に高御産巣日神は高木神に名を替えられてしまい、後半では天照大神・高木神と記されるようになる。このことは何を意味しているのだろうか。これは高御産巣日神を中心に記述されていた物語に、後から天照大神を登場させ、その地位を交代させていくように書き換えられたものであるといえよう。そうであれば天照大神の誕生は比較的に新しいものである可能性が出てくる。

石舞台古墳
 では、日本書紀ではどのようになっているのだろうか。出雲への使者派遣から天孫降臨に至るまでの間、書記本文では高皇産霊尊(タカミムスヒノミコト)のみが登場し、天照大神はどこにも登場しない。古事記では恐る恐る天照大神を高天原に登場させ、そこの本来の主である高御産巣日神の地位を奪うようなストーリー展開をしているのに、書記はこのような古事記の苦心を一蹴し、無視するかのような態度なのである。これは一体どういうことなのか。

 先に天照大神の誕生が、比較的に新しいものであることについて触れたが、実は天照大神は天武朝に誕生したとする有力な説がある。一つは、天皇家の守護神である太陽神に仕える巫女から女神天照大神が誕生したとする説の中で展開されるもので、現在の天照大神誕生論の有力学説である。
 他は壬申の乱の前段での出来事からの推論である。
 近江朝のただならぬ動きを知った天武天皇は、後の持統天皇とわずかな手勢をつれて吉野から美濃へ逃げた。この間たった三日の強行軍である。現在の鈴鹿・四日市辺りを過ぎ、朝明川に至ったとき天武天皇は伊勢神宮を望拝し、戦勝を祈願した。この行為が天照大神の誕生とつながっているとの類推である。推古朝から天智朝までの約150年間、伊勢神宮は全く天皇家から顧みられなかった。その理由は謎とされているが、そのような中での天武天皇の伊勢望拝はきわめて異例といえる。
 天武天皇は天下を平定すると、これまで中断されていた斎宮制度を復活し、手厚い伊勢神宮の祭祀を復活させる。斎宮制度とは伊勢神宮の祭祀に仕える内親王クラスの女性を伊勢に常駐させる制度のことである。このような天武天皇であれば、伊勢神宮の祭神の名称を天照大神に替え、祭祀を始めたとしてもおかしくない。更に古事記の中での天照大神の恐る恐るの登場も納得できる。

 このように、天照大神は天武朝に誕生し、この天皇の意向を反映したものが古事記である可能性が高い。そうとするなら、日本書紀の内容は明らかに天武天皇の願いを無視したものになってくる。そしてこの変心は天武天皇の後の持統天皇時代に起きたことになる。要するに、天武天皇が苦心して誕生させた天照大神のイメージを持統天皇はぶち壊していることになる。
 このような推論が正しいとするなら、何故、二人の間に変化が起きたのかが改めて問題となるのだが、これは難問であり、暫くこのままにしておきたい。(続く)

前回の「古代ヤマトの遠景」は、下記からご覧頂けます。
☆ 古代ヤマトの遠景(9)・・・【記紀の世界】/【神代の時代】

上記以前の「古代ヤマトの遠景」のバックナンバーは、以下のアドレスからご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

お知らせ
【NEW】 住宅・生活誌「家と人。」セミナー in会津若松のご案内

 樹脂サイディング普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、樹脂サイディングの紹介を行うとともに、樹脂サイディングの施工実演も行う予定です。

 「暮らしも、地球も、納得の家づくり」

・日 時:2006年9月19日(火)
        13:15〜 (12:45開場)
・場 所:ウェルサンピア会津
      会津若松市神指町北四合字東神指77−1
・主 催:住宅・生活誌「家と人。」
     (有限会社リヴァ−プレス社)
・参加費:無料
・参加申込み締切り:9月11日(月)
         (定員60名になり次第、締切らせて頂きます。)

※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい。

 有限会社リヴァープレス社
   電話:019(664)0830

街と住まいづくり博 NAGANO 出展 & セミナー開催案内

下記の要領にて「街と住まいづくり博 NAGANO」が開催されます。

・日 時:2006年8月26日(土)〜27日(日)
      10:00〜17:00
・場 所:エムウェーブ 
       長野市北長池195番地
・主 催:新建新聞社
・入場料:無料

 樹脂サッシ普及促進委員会と樹脂サイディング普及促進委員会では、樹脂サッシ、樹脂サイディングの展示を行うと共に、特設会場にて以下のセミナーを開催致します。一般の方も是非、ご参加下さい。

勝ち組工務店育成セミナー in 街と住まいづくり博 NAGANO
   〜健康と省エネを考えた住まいづくり〜

・日 時:2006年8月27日(日)
      13:00〜16:00
・会 場:エムウェーブ 
     『街と住まいづくり博NAGANO』会場内の特設会場
・参加費:無料 定員70人
・セミナー内容:

  基調講演:『内緒の建楽会なのに集客が多いのは、なぜ?』
  講  師:(有)親和創建 取締役トータルアドバイザー 大滝典子氏

  セミナー:『サッシを選ぶと暮らしが変わる』
  講  師:(株)カネカ 宅資材部エクセルグループリーダー 青井郁夫氏

  セミナー:『長寿命・省資源・簡単メンテナンス〜樹脂サイディングの魅力』
  講  師:建材技術コンサルタント 中村扶氏

 ※参加ご希望の方は、メールにて、お名前・TEL・FAXをご連絡下さい。
  申込書をFAXにてお送り致します。( info@vec.gr.jp )
編集後記

 「スイキンチカモクドッテンカイメイ」って、知ってる? そう、わが太陽系の周りを回っている惑星の順番を覚える、試験対策呪文です。「水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星」の9惑星のことです。
 ところが最近、「あと3個の惑星があるよ」という提案が出てきて、本日24日の国際会議で審議決定されるそうな。新惑星は、火星と木星のあいだにある「セレス」と、冥王星のさらに外側を回る「カロン」および「2003UB313」なんだって。
 太陽系の仲間が3個も増えるなんて、世俗を離れて、久しぶりに壮大な、すがすがしい気分になりました。
 それにしても、もしそうと決まったら、例の「スイキンチカモク・・・」はどうすりゃいいの?
 なーに、簡単、簡単。「スイキンチカセキドッテンカイメイ、カロウブ」とでもすりゃいいさ。

・・・なんて調子で予定稿を書いて安穏としてたら、状況が急変。「惑星の定義をきちんと考えたら、セレスやカロンはおろか、冥王星だって惑星の資格はない。よって太陽系の惑星は従来の9惑星のうち、冥王星を除く8惑星に修正すべきである」なんて新説が出てきて、日本時間で明日未明に国際会議で投票されるんだって。
 なんだか、すがすがしくはなくなってきましたね。
 「スイキンチカモク、ドーナッテンカイ?」(H2記)


先週の編集後記についての読者からのお便り・・・[編集後記後]

メルマガがお休みの間も暑さは続いていましたが、いかがお過ごしでしたか。アウトドア派のH2さんの事ですから、テニスに山に、お孫さんのお世話にとお忙しかった事と思います。胃と腸の検査となさったとの事、問題がなくて良かったですね。ほどほどにお酒もお楽しみ下さい。私、実は、胃の再検査指示を見て見ぬ振りではや数年。家族に叱られながら、痛みは薬でごまかしていますが…そろそろ、きちんと検査(というより治療)を受けないといけませんね。…(レントゲン撮影中に胃潰瘍告知様)


先週の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/091/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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