NO.100
発行年月日:2006/10/19

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トピックス
◇塩ビ被覆電線を官庁施設向けとして復活の方向へ
国土交通省、建築設備設計基準を改定

随想 
富士登山顛末記
日本ビニル工業会 専務理事 山本達雄
お知らせ
安心・安全な家作りセミナー in 仙台のご案内
これからの快適な住まい作りセミナー・富山セミナーのご案内
【終了報告】ぐんま環境&森林フェスティバル

編集後記

トピックス
◇塩ビ被覆電線を官庁施設向けとして復活の方向へ

国土交通省、建築設備設計基準を改定

 塩ビの大きな用途の一つに電線の被覆材があります。塩ビは加工しやすい素材であり、耐候性に優れている上、電気絶縁性も良く、かつ難燃性であるため、電線被覆材として大量に使用されているのです。

建設設備設計基準(平成18年版)
 その電線被覆用の塩ビにも、数年前逆風が吹きました。「燃やせばダイオキシン」とか、「環境ホルモン物質が入っている」とかいう説が世間に流れた結果です。
 いずれも真実とは程遠い「風評」だったことは今でこそ明らかになっていますが、当時は深刻でした。「風評」が流布された結果として、行政や企業は塩ビ被覆電線を使わないことを是とし、塩ビの替わりに他の素材を用いた「非塩ビ電線」の採用に踏み切るケースが続出しました。
 建設・建築行政を司る国土交通省でさえも、非塩ビ電線の使用を推奨し、平成14年度に出版された、同省大臣官房官庁営繕部設備・環境課監修の「建築設備設計基準——平成14年版」では、官庁施設の建築設備設計基準として随所に非塩ビ電線の使用を原則として義務付けていました。
 その結果、全国の自治体でも国に倣って非塩ビ電線の使用を義務付けたり奨励したりする例が多かったのです。

 しかし、「ダイオキシン問題は焼却物ではなく焼却条件の問題である」こと、また「塩ビに使う可塑剤には環境ホルモン性はない」ことなどが明らかになってきたことに加え、私たちの度重なる情報提供の甲斐もあってか、関係者の考えも徐々に変わってきました。そして、今年の9月、4年ぶりに改定出版された「建築設備設計基準——平成18年版」では、14年版で非塩ビ電線の使用が基準とされていた、電力設備、通信・情報設備、防災設備など7ヶ所の全ての分野で、「設計基準」からは姿を消し、一部の分野で基準ではなく「設計資料」として非塩ビ電線の記載が残されている程度に過ぎなくなりました。当然の措置とはいえ、客観的事実を重視し、適材適所の素材選定を貫かれた当局の判断に敬意を表します。

 建設・建築分野での塩ビに対する考え方に変化が出てきた兆しはこの例だけではありません。昨年4月に改定された東京都の「グリーン購入ガイド」でも、塩ビを名指しした忌避項目がなくなりましたし、国土交通省関係でも、今年2月に公表された「グリーン庁舎基準及び同解説——平成17年版」ですでに塩ビ忌避の項目は影を潜めています。つけくわえるならば、建築・建設分野だけでなく広い範囲で、行政部門や企業サイドの塩ビに対する考え方に変化が出始め、今や大きな潮流となって、塩ビに対する再評価が始まっているのです。

 こういった建設・建築用の素材としての塩ビ見直しの背景には、ダイオキシンや環境ホルモンといった、塩ビに対する負の風評が否定されたこともさることながら、加工性や難燃性、耐候性など塩ビの持っている建設・建築材としての特長に加え、省資源・省エネルギー性、温暖化防止効果といった、いわゆる環境適応性の良さも併せて評価されたものと私たちは考えています。

 今回の国土交通省の「建築設備設計基準」の改定を踏まえ、中央行政部門に止まらず、都道府県・市町村などの自治体部門や、建築・建設関連企業サイドの方々にも、塩ビ電線のみならず広く塩ビ建材の特長を適材適所で活かしていただけるよう、お願いしたいと思います。

随想
富士登山顛末記
日本ビニル工業会 専務理事 山本達雄

 「年寄りの冷や水」と言われるかもしれないが、「自然と共に生きる会」が主催する「第8回海抜ゼロメートルの田子の浦から富士山頂まで歩いて登る」行事に参加するため、9月15日、会議後の一杯で火照った体で新幹線に飛び乗った。
 明日からの3日間は台風の影響で雨、ということで防水対策バッチリ。テント泊用の寝袋も持参のため、はちきれそうな60リットルの大型バッグが乗客の邪魔にならないようにと、ちょっと気を使う。
 三島駅で東海道線に乗り換え、東田子の浦駅に22時到着。そこで待機していたスタッフの車で海岸に。海岸にはテントが林立している。参加者総数50名のためのテント24張りだ。その中のひとつにもぐりこみ、明日晴れることを祈って寝袋に。

初日(9月16日)晴れ
 5時起床。晴れている。予報が外れたことに感謝。テントをたたみ、デイバッグに歩行中必要なものだけを詰め、それ以外はトラックに預ける。
 参加者はウォーカー10名ずつの4班と残りはウォーキングリーダー、ペースメーカー、最後尾フォロー、伴走車4台、トラック、介助スタッフ。そのうち男性は27名、女性は23名。最年少は9才、最年長は73才。
 全員集合して先ず海辺に行き海水にタッチ。振り向けば富士山がくっきり見える。
 準備体操後の6時、本日の宿泊地表富士グリーンキャンプ場までの30km走破の第一歩を踏み出す。歩き出してみると、これまでの7回(私は1回不参加)の中で最も体が軽い。同行者との楽しい語らいもさることながら、ペースメーカーのバランスよい歩行によるところが大きいようだ。
 さらには、1時間毎に公園などの休憩場所に班ごとに休憩用ブルーシートを敷き、テント囲いのトイレを設営し、さらに補給用の水やバナナなどを用意すると共に、足にマメができた人には所要の処置を施してくれるスタッフの存在が頼もしい。
 途中一度道を間違えかけたが、ウォーキングリーダーのすばやい指摘で道を引き返す。ただ、1班で一列縦隊の先頭集団にいる私たちは、余分に歩いた分ちょっとしんどい。
 子供の国手前の公園で昼食を摂る時には、スタッフが預けておいた荷物をトラックから降ろし、着替えや荷物交換ができるように準備してある。
 十里木を過ぎると、これまでの車の往来の激しい街道から林道に入りゆったり安心して歩ける。それから2回計6回の休憩をはさんだウォークの後、15時過ぎに富士山一合目にある表富士グリーンキャンプ場に、歩行者全員が伴走車のお世話になることなく到着。気分は最高。
 各自テントを張り、シャワーを使う者、歓談するもの、酒を酌み交わすものなど、三三五五にウォーキングの余韻を楽しむ。
 夕食後19時半には就寝。1回トイレに行っただけで6時まで熟睡。

二日目(9月17日)曇り
 台風がそれたというわけではないが九州手前でモタモタしているらしい。テントの朝露を乾かすためフライヤーをはずし別に干す。歩行中の必要品をデイバッグに詰める。今日は山道を登るので、昼食時まではスタッフと合流できないため、水を多めに持つ。
 朝食後、準備運動をし、乾いたテントをたたむ。富士山がより大きく姿を見せる。
 8時スタート。樹林帯の中を歩く。足元が土なのでしっとりと心地よい。フィトンチッドをたっぷり浴びながら歩くと、なんだかだんだん元気が湧いてくる。しばらく行くと以前はバス通りだったというすっかり草生した道をたどる。傾斜角が緩やかで、これでは相当何度も折り返しただろうと当時をしのぶ。
 「タマゴタケ」という声のするほうを見ると、実に見事なタマゴタケがいくつも生えている。さらにクリタケの密生も。これらはみんなキノコ名人たちの手で夕食時に手料理していただいた。
 11時過ぎ、ドライブウエー脇の空き地にスタッフがブルーシートを敷いて待っていてくれた。昼食だ。こうして歩いていると、口にするものすべてが美味だが、さらにスタッフから配られたリンゴの味は忘れられない。しゃっきりしていて瑞々しく甘みと香りが口の中に爽やかにひろがった。
 ゆっくり休んだ後、車道脇をしばらく歩いて再び山道に。ここからはかなり急登。また倒木に道をふさがれ、潜り抜ける際バッグが引っかかったり、跨ぐには太すぎたりとまさに障害物競走。また、大木を潜り抜けてヒョッイと横を見ると頭蓋骨が!! びっくりしてよく見るとどうやら鹿のものらしい。
 そんなこんなで14時過ぎ、五合目に着く。その頃から雨が降りはじめ、止みそうもないので、テント泊まりは中止して、五合目小屋に泊めさせてもらう。といっても、宿泊施設ではないので、女性陣には畳部屋を貸していただくが、男性陣は食堂の利用客がなくなる20時から、テーブルをどかせてそこにブルーシートを敷き、寝袋で寝るというもの。
 夕食が済むと、朝が早いので早々に就寝。

三日目(9月18日)雨 
 2時起床。やはり雨。それに風がややある。
 余分な荷物は和室に預け、雨具を装備して3時、山頂に向けて出発。
 外は真っ暗、ヘッドライトで照らしてもわずか手前しか見えない。これまで伴走車を運転していた地元の会員の方が道案内人となって先頭に立つ。
 風雨が強くなったようだ。六合目小屋前で9才の子とご両親にはスタッフが同伴して下山。
 6合目半を過ぎた頃からさらに風が強くなり横殴りとなる。
 新七合目小屋前で小休憩。そこにウォーキングリーダーが追いついてきて、「折角ここまで来たけれど、ここで下山しようと思います。皆さんのご意見はいかがですか。」との問いに対し、全員が賛意を示し、下山することにした。
 正直、どのタイミングで「帰りたい」と言い出そうかと思っていただけに、ホッとする。
 五合目小屋には6時帰着。雨具などまったく役に立たなかった。下着まで雨でグチャグチャ、全部着替えてどうやら一息。
 急遽、目的地を七合目に書き換えた完歩賞を頂き、記念写真を撮って解散し、観光バスで御殿場駅に送ってもらう。
 それにしても、目的としていた頂上までは行けなかったが、充実した3日間だった。特にそれを支えてくれた、皆と同様の参加費を払いボランティアに徹してくれたスタッフの皆さんに感謝。このようなスタッフが居てこその行事であり、決して一人や少人数では、歩いて日本最高の高低差を味わうことはできないのではないかと痛感した。
 幸い、この行事は10回までは続けるとのことなので、来年は頂上まで行きたいとの思いで、富士山を後にした。

前回の「自然と共に生きる会」のお話は、こちらからご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/041/index.html#zuisou

お知らせ
安心・安全な家作りセミナー in 仙台のご案内

 樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、塩ビサッシ、塩ビサイディングの紹介を行います。住宅の価値が、価格から性能にシフトしていく中、多くの工務店の方々に、「高性能住宅」の必要性を認識して頂くためのセミナーです。

  時代にあった高性能住宅は?
     =安心・安全な家作りセミナー in 仙台

 ・日 時:2006年10月27日(金)
      13:00〜17:00(受付開始 12:00)
 ・場 所:フォレスト仙台(宮城県教育会館)
      仙台市青葉区柏木1−2−45
      フォレスト仙台ビル4階
 ・主 催:株式会社日本住宅新聞社
 ・後 援:東北電力株式会社
 ・会 費:無料
 ・参加申込み締切り:10月20日(金)
       (定員100名になり次第、締切らせて頂きます。)

   ※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい。
     株式会社日本住宅新聞社
     電話:03(3823)2511

これからの快適な住まい作りセミナー・富山セミナーのご案内

 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、塩ビサイディング、塩ビサッシの紹介を行います。セミナーでは、信州・北陸の気象状況に適した快適な住宅作りに関する講演が行われます。

  これからの快適な住まい作りセミナー・富山セミナー
     −無暖房住宅へ限りなく挑戦−

 ・日 時:2006年10月31日(火)
      13:00〜17:20(受付開始 12:30)
 ・場 所:富山電気ビル5階中ホール
      富山市桜橋通り3−1
 ・主 催:信州大学工学部
      エネルギー自立型環境調和住宅研究会
 ・後 援:(社)富山県建築士会【CPD認定セミナー】
 ・会 費:無料
 ・参加申込み締切り:10月25日(水)
        (定員70名になり次第、締切らせて頂きます。)

   ※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい。
     信州大学工学部 社会開発工学科
         建築コース 山下研究室
     電話:026(269)5360

【終了報告】 ぐんま環境&森林フェスティバル

樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会では、既報の展示会に出展し塩ビサッシ、塩ビサイディングの紹介を行いました。当日は多数の方のご来場があり、盛況に終了致しました。

 ・日 時:2006年10月15日(日)
 ・場 所:群馬県庁(県民広場、県民ホール、昭和庁舎他)
 ・主 催:ぐんま環境&森林フェスティバル実行委員会

編集後記
 先週の99号記念に続いて今週は100号記念。この調子だと毎週○○号記念の編集後記とすれば、楽で良いな。
 という訳で100号、100号・・・う〜ん、そうだ、百円札だ。
 百円札というのが昔はありましたね。調べてみたら、聖徳太子の百円札、および板垣退助の百円札はいずれも、支払いは停止(銀行で両替はしてくれない)ですが、市中では流通可能なんだそうです。現に、鹿児島の城山公園の土産物店では未だに百円札でお釣りをくれるとか。
 財布に百円札を隠し持ってて、品物を買った時に出すと店員は怪訝な顔をするそうです。面白そうだな、H2もやってみたいな。相手としては若い、20歳台の女性の店員がいいな。ウフフッ!(H2記)

先週の編集後記についての読者からのお便り・・・[編集後記後]

先週号が第3巻第99号とすると、今週号は第100号ですね。おめでとうございます。H2さんは、約100週間、きっと毎日、毎日メルマガの原稿の事で頭がいっぱいだったのではありませんか。脳トレに最適ですね。メルマガで脳を鍛えて、山登りとテニスで体を鍛えて…怖いものなしですね。…(継続力にあやかりたい様)


先週の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/099/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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