NO.167
発行年月日:2008/03/06

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トピックス
◇酷寒の地、旭川に塩ビサイディング・タウン
 −凍害にもびくともしません−

随想

古代ヤマトの遠景(23)−【度会氏の祖(2)】−

信越化学工業(株) 木下清隆


お知らせ
建築・建材展2008 出展案内
今問題になっている内容のセミナー In 横浜 のご案内

編集後記

トピックス
◇酷寒の地、旭川に塩ビサイディング・タウン
 −凍害にもびくともしません−

 北海道のほぼ中央に位置する旭川市。東北以北では仙台、札幌につぎ人口約36万人を擁し大雪山系の麓にある四方を山並に囲まれた上川盆地の中核都市で、市内を石狩川、美瑛川、忠別川、牛朱別川の4大河川が通り、その支流を合わせると何本もの川の流れる水と緑の街。作家、三浦綾子の故郷であることでも有名です。
 また、酷寒の地としても有名で冬季は最高気温でも零下、最低気温は−20〜30℃となります。関東ではめったに雪が降ることもありませんが、降る時には「今日は寒いから雪になった」が当たり前ですが、当地旭川では「今日は暖かいから雪になった」だそうです。

セミナー風景
塩ビサイディング施工家屋
 この2月、塩ビサッシ、塩ビサイディングのセミナーをこの旭川市で開催しました。すでに何度か本メルマガでも紹介させて頂いていますが、塩ビサッシ、塩ビサイディングとも寒冷地で良くご利用いただいています。北海道では断熱性能の観点から塩ビサッシの採用は当たり前となっていますが、塩ビサイディングはその耐久性に加え、凍害(浸み込んだ水が凍結融解を起こしひびや剥離が生じること)を受けないことから採用が進んでおり、旭川市は日本でも有数の塩ビサイディング採用の多い地域です。特に近年は新興住宅地域において新築戸建て住宅に採用頂いているケースが増えてきています。

 旭川市の中心街から車で走ること約20分、鷹栖シンフォニータウンという新興住宅地があります。よく見かける同じ形をした住宅の集合地をイメージしていましたが、区画は整理されているものの住宅の形状、屋根の形状、色合い等特に統一感はありませんでした。景観を保持するため、ガレージは木製とすること等の一定の決まりはあるそうです。外装材についても材料や形状、色の指定はなく窯業系、金属系、塩ビ系と様々でした。新しい住宅が多いためか市街地と比べモダンなデザインの住宅が多く、延床面積も大きいお宅が多く見られます。
 この新たな町の中に約20件の塩ビサイディング施工家屋があるとのことで雪の降る酷寒の中、「あそこにもある、ここにもある」と目を皿の様にして約10件の施工家屋見学をしました。築年数は様々ですが、どのお宅も非常にきれいな外観で贔屓目に見るせいもあるのか銀世界の中、カラフルな塩ビサイディングが一段と輝いて見えました。

 長寿命住宅、200年住宅が国の施策として掲げられた今日、外装材にも長寿命性が求められるとともに、いかにメンテナンスが楽でコストパフォーマンスに優れるか、更にはリサイクルの可否も問われる時代となります。この酷寒の地旭川でもその検証が行われようとしています。10年後いや30年後この町並みはどのように変わり、住人の方たちはどのような判定を下すのでしょうか?(了)

塩ビサイディングについての詳細は、こちらのHPからご覧頂けます。
樹脂サイディング普及促進委員会:http://www.psiding.jp/

随想
古代ヤマトの遠景(23)−【度会氏の祖(2)】−
信越化学工業(株) 木下清隆

 度会(わたらい)氏の祖が大若子命(おおわくごのみこと)であることは、彼らがそうだと主張していることから、間違いの無いところであるが、天日別命(あめのひわけのみこと)が彼らの祖であるのか否かは明確ではない。もし、そうであれば度会氏は伊勢国造家と同族ということになるが、そのようなことを窺わせるような記述は『伊勢国風土記』には全く無い。しかし、先述したように『倭姫命世記』には、「一書曰」として「大若子命の先祖天日別命」と明確に述べられていることから、度会氏がこの時期、天日別命を自分達の祖と考えていたことは確かなようである。このような系譜が鎌倉時代の『豊受太神宮禰宜補任次第(とゆけだいじんぐうねぎぶにんしだい)』にまで記載されていることは、度会氏がその当時までそのように考えていたことになる。

 ところが、十三世紀初頭に作成されたと考えられているこの『豊受太神宮禰宜補任次第』での天日別命の取り扱いは微妙に変化してくる。この書は冒頭に天御中主尊(あめのみなかぬしのみこと)から大若子命までの系譜が示されているが。先ず、度会氏の祖として登場するのは「天牟羅雲命(あめのむらくものみこと)」である。この命は天御中主尊の十二世の孫であることが示され、十二名の個別名称が全部列記されている。次が大若子命である。この命は天牟羅雲命の七世の孫であることが示されるが、その起点となっているのは天牟羅雲命である。天御中主尊から大若子命までの十九世の系譜の中に十四世として天日別命も記載されている。しかし、この長い系譜の節目をなす重要な命は、天牟羅雲命であって天日別命ではない。『倭姫命世記』の中では挿入文にしてまで天日別命を取り入れておきながらである。更に、世記の中では天牟羅雲命など何処にも登場しないのである。このように見てくると、『豊受太神宮禰宜補任次第』のなかで、天牟羅雲命が急浮上し、天日別命が地盤沈下したことになる。しかし、このような状況の中でも大若子命だけは不動の地位を保っている。このことは、度会氏にとって大若子命は間違いなく彼らの祖ではあっても、天日別命は借り物であったことを示していることになる。何故、度会氏は天日別命を粗略にしてまで、伊勢氏との関係を悪化させたのかの問題があるが、この問題は幾分複雑なのでここでは割愛することにする。

出雲国庁跡・茶臼山
 更に十三世紀後葉になって出された『伊勢二所皇太神宮神名秘書』には、
「弟若子命は神皇産霊神(かむむすひのかみ)の六世の孫、天牟羅雲命の八世の孫なり」
 という驚くべきことが述べられている。ここの弟若子とは大若子命の弟のことである。この時代になると弟若子が有名になっていたらしい。この『神名秘書(しんめいひしょ)』は外宮の禰宜度会行忠が、弘安八年(一二八五)に亀山天皇への奏覧のために撰進したとされるもので、ここには度会氏の遠祖は、天御中主尊ではなく神皇産霊神であることが示されている。この神皇産霊神は、古事記では神産巣日神(かむむすひのかみ)として天御中主尊と共に登場する神であるが、出雲系の神々と係わりが深く、出雲の神として知られる神魂神(かもすのかみ)の別名ではないかと見られる神である。この神皇産霊神を出雲の神とすると、度会氏は間違いなく出雲系の氏族であることになる。ではなぜ彼らは鎌倉時代になって、こんなことを主張するようになったのだろうか。この主張が単なる思い付きでないことは、『神名秘書』が天皇奏欄のために撰進されたことからも分かる。彼らは数百年の長きに亘って自分達の素性を韜晦して来たのである。それがやっと鎌倉時代になってその呪縛から解き放たれ、時の天皇に対して、度会氏に伝承されていた彼らの本当の出自を述べる決心がついたのではなかろうか。このような彼らの出自と、伊勢氏の先祖と見られる伊勢津彦が、出雲系であるとみなされていることと合わせると、度会氏と伊勢氏はその遠祖が同一の出雲に突き当たることになる。このように考えると彼らはやはり同族だったのである。(続く)

前回の「古代ヤマトの遠景」は、下記からご覧頂けます。
☆古代ヤマトの遠景(22)・・・【度会氏の祖(1)】

上記以前の「古代ヤマトの遠景」のバックナンバーは、
以下のアドレスからご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

お知らせ

建築・建材展2008 出展案内

 快適・健康・安全な住環境・商環境の実現に向けた様々な情報を発信する、建築・建材展が以下の通り開催されます。
 塩ビ工業・環境協会、樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会は、「健康・エコロジー建材ゾーン」に出展いたします。

・日 時 :2008年3月4日(火)〜3月7日(金)
 10:00〜17:00(最終日のみ16:30終了)
・場 所 :東京ビッグサイト 東3・5・6ホール
・主 催 :日本経済新聞社
・入場料 :当日一般 1,500円
・建築・建材展2008のホームページをご覧下さい。
 http://www.shopbiz.jp/top/index_AC.html?PID=0003&TCD=AC

今問題になっている内容のセミナー In 横浜 のご案内

 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し講演を行ないます。

・日 時 :2008年3月18日(火)
 13:00〜17:30 (開場12:30)
・場 所 :横浜金沢ハイテクセンター・テクノコア 1階 会議室
・主 催 :住まいづくり研究会
・後 援 :株式会社日本住宅新聞社
・参加費 :無料(定員:先着100名)
・参加申込み締切り:3月10日(月)
・お問い合わせ:住まいづくり研究会
          電話:092(871)2409

編集後記
 メルマガで紹介されている旭川の塩ビサイディングの住宅街はまだ深い雪に覆われていることでしょうが、街を歩いているとどこからとなく梅の花の香りが漂ってきます。杉花粉も飛び回っているところですが、思わず思いっきり深呼吸をしてしまいました。東京では日一日と春が近づいている感じがします。
 3月というと年度の締めくくり、仕事のうえでは何かと気ぜわしい月ですが、同時に卒業シーズンで別れと新しい出会いに羽ばたく準備の月ですね。(HI)

VEC関連URL
●家族で学べるページ https://www.vec.gr.jp/kids_new/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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◆編集責任者 事務局長  東 幸次

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