これは外気温と各疾病の相関を、死亡リスクが高い順にまとめた表です。
つまり、順位が高いほど死亡の原因に外気温が関係しているということです。
北海道ではリスクがとても低く、逆に比較的温暖な地域での死亡リスクが高くなっています。
明確な地域差があることがわかりますね。
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濱田直浩ほか:人口動態統計を用いた疾病発生に関する研究 その5 月平均気温・住宅の地域性が疾病発生・入浴死に与える影響の分析, 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集,2012年 |
寒い月ほど死亡リスクが高まりますが、寒い地域ほど死亡リスクが高くなるわけではないのです。
寒い地域の人は、寒さによるリスクを分かっているので「高気密・高断熱の住宅」に住んでいるのです。
では実際に戸建て住宅の室温を比較してみましょう。
これは、戸建て住宅の年間の室内気温をグラフ化したものです。北海道では平均して20〜25℃の室温を保っていますが、九州では夏と冬の室温差が大きいことがわかります。全国で比較すると、北海道、東北で室温差が小さく、北陸、関東、関西、九州の戸建てで最低温度が低いことがわかりました。
つまり…
温暖な地域ほど、室温を一定に保つ工夫(断熱、気密)があまりされていません。そのため、室内の温度差が広がり、冬に室内の急激な温度差にさらされることで血圧や心臓に負担がかかり、心疾患や脳血管疾患、溺死などが発生しやすくなってしまうのです。