樹脂窓は日本の元気な住宅を応援します 樹脂窓と暮らそう

  • 樹脂窓の性能
  • 窓(外窓)
  • 二重窓(内窓)

ホーム > まさゆき先生の窓のリフォームによる室内環境への効果

まさゆき先生の窓のリフォームによる室内環境への効果

  • 1 窓の役割と性質
  • 2 窓改修の効果 〜冬の効果は絶大〜
  • 3 窓改修の効果 〜夏の挑戦〜
  • 4 まとめ
  • TOPICS 夏は涼しく、冬は暖かい… Low-Eペアガラスについて

1 窓の役割と性質

窓のない部屋を想像してみてください…。 閉塞的で、気持ちがいいものではないですよね。
窓は建物の外と内側を緩やかにつなげる役割があります。

建物の外部から内部への熱の流入出

雨風等をしのいだり、光を取り入れたり…。人間にはなくてはならないものです。
そして、遮熱や断熱といった室内環境に直接関係する重要な部位でもあるのです。

窓はカーテンやブラインドなどを設置することによって、季節や時間帯により様々な役割を果たしています。

だからこそ室内環境を良くするためには、窓のリフォームが大きなポイントとなってきます。
よい窓を使うということは、遮熱・断熱の性能を向上させ快適な室内環境を作り出すことができるのです。
最近では、中古住宅を部分的にリフォームして活用することが注目されています。中古住宅の窓をリフォームして快適に暮らすことは、エネルギーの削減にもつながるのです。

窓のリフォーム例

2 窓改修の効果 〜冬の効果は絶大〜

日本一電力消費量の多い東京大学では、消費電力を減らすためプロジェクト(TSCP)を立ち上げました。その一つとして、窓のリフォームによる建物全体の断熱性に着目して、フロアーでの窓のリフォームを行いました。(詳細はこちら
そして、今回はその窓により高性能なガラスを入れてさらに効果的な断熱・遮熱を試みました。
その結果、冬場の室内から室外への熱の流出が、改修前に比べて1/3程度減少させることができました。

窓周りのサーモグラフィ比較(室温20℃)

 

つまり暖房で暖めた熱を逃がさずに、効率よく部屋を暖めることができるようになったのです。
また、断熱性が向上することにより不快感を生むコールドドラフト、心筋梗塞や脳血管障害を引き起こすヒートショックのリスクを低減します。

熱の流出程度を示す熱貫流率(小さいほど良い)を見ると、改修後には1.7W/m2Kという省エネルギー基準を上回る数値水準まで改善されました。

冬場においての窓改修の効果は絶大だったのです。

改修前後時系列
改修前後時系列
改修前後ばらつき
改修前後ばらつき

コールドドラフトコールドドラフトとヒートショック
冬季には、室外の冷たい空気に冷やされて、窓の室内側の表面が冷たくなります。そのため、窓付近の室内空気も冷やされて下降気流が生じ、下に冷気、上に暖気が集まって室内に温度差が生じる現象が起きます。


ヒートショック
室内や室間の大きな温度差が原因で血行や血圧、脈拍に激しい変動を起こす状態をいいます。

3 窓改修の効果 〜夏の挑戦〜

季節が変わって、夏場ではどうでしょうか。
イメージ 冬場に効果を発揮したその高い断熱性能ですが、真夏には逆効果を生み出す場合があります。
つまり、本来なら夜中におこる建物内部から外部への放熱が、断熱性能によって妨げられてしまい、空調の効いていない朝方に室内に熱がこもり“むっ”としてしまうのです。

これに対処するためには遮熱性能があるLow-Eペアガラスを選択する、または内窓の開放とナイトパージという方法があります。
内窓の開放は、内窓を開放して断熱性能をあえて抑制することです。ひさしやルーバー、ブラインド等で遮熱を補うことも大切です。

ナイトパージという手法は、夜間などで室内よりも屋外の方が涼しい場合、自然通風もしくはファンなどで強制通風を行うことです。
しかし、ただ窓を開けておけばよいということではなく、雨風の侵入を防いだり夜間などの時間帯のみを実施するといった仕組みを窓に設けておくことが必要です。

ナイトパージは、本来は比較的高級なビル空調システムの一環として導入されることが多いのですが、今回は下の写真のように現場調達による仮施工を試みました。

ナイトパージ

タイマーを設置して夜間のみファンを稼働させる簡易な方法ですが、同様に窓改修をした他の部屋と比べると、ナイトパージをした方の室温が明らかに低く推移していることが分かります。
特に早朝に建物が使われ出す時間帯では、2℃程度温度が下がっていることが分かります。

4 まとめ

窓の改修は室内環境改善に大きく貢献できる、数少ない手法であるといえます。
同時に、内窓の持つ高い断熱性と遮熱性は、屋外の気候や建物の使われ方等の状況に合わせて、どういった使い方をするかが鍵になります。
東京大学本部棟の結果によると、真冬は室内環境を大幅に改善することが分かっていますが、真夏においてはナイトパージ等の併用を合わせる、または夏冬ともに熱環境向上に貢献するLow-Eペアガラス※などを利用することによって、効果的な室内環境を作り出すことができるのです。
樹脂窓の持つ性能を理解して、上手に使い分けることが大切なんですね。

TOPICS 夏は涼しく、冬は暖かい… Low-Eペアガラスについて

◆Low-E(ロー・イー)って何のこと?
 Low Emissivity(ロー・エミシビティー)の略で、『低放射』という意味です。

◆Low-Eペアガラスとは?
 特殊金属膜をコーティングした低放射(Low-E)ガラスを使った複層ガラスをLow-Eペアガラスと呼んでいます。

◆Low-E金属膜には、何が使われているの?
 低放射性能を発揮する金属(銀など)と、それを保護する参加金属を重ねた多層膜になっています。

熱の移動は、<放射><対流><伝導>の3つの形態で起こります。
複層ガラス内でも、これらの3形態が複合して起こっているのですが、Low-E金属膜は、このうちの<放射>による伝熱を少なくする性質を持っています。
※<放射>の分かりやすい例は、暖房器具に手をかざすと暖かく感じられる状態です。
 これは『放射伝熱』と言って、目に見えない熱線の放射が手に伝わっているものです。

複層ガラスの中空層における熱移動は、『放射伝熱』による熱移動が6割強を占めています(残りの4割弱は、<対流>で移動します。
Low-E金属膜を中空層に向けて使うと、この『放射伝熱』による熱移動量を少なくすることができるため、断熱性能が向上します。

また、室温(約25℃)に近い室内からは、波長の長い室内熱(遠赤外線)が放射されています。Low-E金属膜は、この遠赤外線を反射することで、室内の熱が室外に逃げるのを抑える働きをします。
『放射伝熱』を抑えて、遠赤外線を反射する。
目には見えないLow-E金属膜の効果によって、寒い冬でも暖かく、快適な室内が得られます。
夏は涼しく、冬は暖かく。
Low-Eペアガラスは年間通じて効果を発揮する大変優れたガラスです。

ページトップへ戻る