NO.101
発行年月日:2006/10/26

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トピックス
◇工期は短いし、室内は明るくなるし・・・、全てのオフィスビルにもお奨めしたい
環境省本省ビルで塩ビサッシ製の内窓設置工事完成

随想 
古代ヤマトの遠景(12)—【斉明天皇】—
信越化学工業(株) 木下清隆
お知らせ
【NEW】安心・安全な家作りセミナー in 宇都宮のご案内
【NEW】Japan Home & Building Show 2006 出展案内
【NEW】VEC HPを更新致しました。

編集後記

トピックス
◇工期は短いし、室内は明るくなるし・・・、全てのオフィスビルにもお奨めしたい

環境省本省ビルで塩ビサッシ製の内窓設置工事完成

これまでは、このような状態
でしたが・・・
こんなに明るくなりました。
 地球温暖化対策に関して日本は、2010年頃までに温室効果ガスの排出を現状よりも14%以上削減しなければなりません。そのためには産業部門、運輸部門、家庭部門、業務その他部門など国を挙げての必死の努力を続ける必要があります。
 この温暖化対策推進の中心となっているのが環境省を始めとした行政府です。内閣府などの各府庁省では、率先垂範というわけで、政府の事務・事業に係わる温室効果ガスの排出を平成13年度比7%削減するという目標を立てていますが、平成17年度実績では、増えてはいないものの1.2%ダウンに止まっていることから、新たな対応策の導入に力を入れています。

 こういった中で注目を集めているのが環境省です。ここでは、照明の合理化、冷暖房の節減、自動車利用の合理化といったありきたりの対応策に加えて、建物開口部の断熱性強化による省エネ・省炭酸ガス対策を打ち出しました。具体的には環境省本省のある、中央合同庁舎5号館の23階と26階に「塩ビサッシ+low−E複層ガラス」の内窓を設置し、従来の「アルミサッシ+単板ガラス」窓に比べて段違いの断熱性を実現して成果を挙げようというのです。

 「2重サッシ化による断熱改修工事」と名づけられたこの試み、年度予算も決まり、一般競争入札による業者選定も終わって9月23日から工事に入っていましたが、つい先日10月22日に予定通り完工しました。工事といっても従来の窓の内側に複層ガラス付きの塩ビサッシの内窓をつけくわえるもので、土曜・日曜ごとに一区画づつ完工し、週明けに出勤してきたその区画の課員たちは一新された室内を驚きと興味をもって眺めたそうです。

 この室内で勤務されている課員さんに感想を聞いてみると「いやあ、窓の工事というから、執務中にゴリゴリやったり、青いシートをかぶせたり大変かな、と思ってたら、何のことはない、土日でやってしまって、月曜日はちゃんときれいになってた。それに、塩ビの白い窓枠なので部屋の中がすっかり明るくなってこりゃ良いや。ほかの部屋やほかの建物でも是非採用したら良いのじゃないかねえ」とのこと。確かに従来よりも明るく、落ち着いた雰囲気になっていました。

 CO削減効果が出てくるのは当然これからですが、この複層ガラス・塩ビサッシシステムというのは、もしも全ての日本全国の戸建住宅や集合住宅に取り付けられれば年間約3500万トンのCO削減になり、それだけで日本全国のCOの約2.7%削減になるという大変な代物なのです。環境省としても、単に自省のCO対策を進めるためだけではなく、この成果を広く関係者始め国民に認識させることで、塩ビサッシを利用した地球温暖化対策をもっともっと日本全国で繰り広げてもらおうという思惑もあるようです。

 民間でも最近、この複層ガラス・塩ビサッシシステムの断熱性や防音性や防犯性、さらに結露しなくなるということからの健康環境の維持といった効果に着目して、戸建住宅の標準仕様に採用する工務店が増えてきていますし、全戸に塩ビサッシ内窓を採用したマンションが現れたりするようになりました。また戸建やマンションに限らず、リフォーム時に採用するケースも目立ってきています。
 欧米や韓国、中国などでは早くから注目された塩ビサッシですが、日本でも地球温暖化問題との関連もあって、やっと塩ビのこの面でのよさも認められるようになってきたのです。

 「塩ビサッシ+low−E複層ガラス」について詳しくは、樹脂サッシ普及促進委員会のホームページをご覧下さい。
http://www.jmado.jp/

随想
古代ヤマトの遠景(12)—【斉明天皇】—
信越化学工業(株) 木下清隆

 前回、出雲で最も由緒のある神社は熊野大社であることを紹介したが、今回はこの大社の築造時期に関する問題を取上げる。

 斉明天皇の5年(659)に、「出雲国造に命じて神の宮を修厳させた」という有名な記事が出てくる。斉明天皇は、天智天皇・天武天皇の実母であり、百済再興のための派兵を決断した女帝である。自らも九州へ向かったが病を得てその地で崩御する。この後、天智天皇が皇位を継ぎ、百済再興問題を引き継ぐが白村江の戦いで、唐・新羅連合軍に大敗する。

 この斉明5年条の内容は何を意味するのかは、古来激しく論争されてきた問題である。要するにここに出てくる「神の宮」は「熊野大社」か「杵築(きづき)大社」なのかの論争である。
 この杵築大社の名の由来は杵築郷に建てられたからであるが、明治になって「出雲大社」に名が変えられた。古代学では杵築大社が一般的なので、以後これに従うことにする。
 この問題を解く鍵の1つは、出雲国造である。出雲の国は宍道湖の南を大きく東西に分けて考えることが出来るが、東部を支配していたのが出雲国造の一族であり、西部を治めていたのが神門(かんど)臣の一族である。現在、熊野大社が位置している一帯は出雲国造の支配していた地域であり、杵築大社の位置する辺りは、神門臣の勢力下にあったと想定されている地域である。
 このような勢力分布を考えると、出雲国造に神の宮を修厳させたことの意味は、自ずと熊野大社がその対象であったと考えられることになる。ここに出てくる「修」の字は古代では建物を新築する意味があり、従って、熊野大社は659年頃に現在の地に新しく建造されたことになる。

出雲大社
 ところが、杵築大社の方は神代時代の国譲りの代償として、大己貴命のためにヤマト国家が築造したものだから、こちらの方が古いはずだの論理が一方にはある。杵築大社が古いのか、熊野大社が古いのかの論争も決着がついていないが、ここでは当然熊野大社の方が古いとする立場である。

 理由の第一は、毎年十月十五日に熊野大社で行われる「鑚火(きりび)祭」である。このとき杵築大社は火鑚(ひきり)臼と火鑚杵を熊野大社から受領し、翌月の杵築大社の新嘗祭は、この臼と杵で新しく「神火」をキリ出して神事が執り行われるのである。これは明らかに熊野大社の方が格上であることを示している。ここに出てくる「鑚火」とは、臼に杵を錐揉みさせて、摩擦熱で火をおこすことである。その道具を毎年、杵築大社は熊野大社から貰い受けているのである。この行事は現在においても続けられている。

 第二は、神階である。8世紀後半になると朝廷は、主要な神社に正三位とか従二位といった神階を祭神に与えるようになる。更に時々昇格させた。京都の上賀茂神社・下鴨神社、大和の大神(おおみわ)神社等、超一流の神社は9世紀の中葉までに位を極め、正一位が贈られている。お稲荷さんは正一位で有名であるが、その本家の伏見稲荷が正一位を賜ったのは10世紀の中葉である。
 このような神階を熊野大社も杵築大社も贈られている。記録によれば貞観九年(867)に、熊野神と杵築神はそれまでの従二位から昇格して、それぞれ正二位を授けられているが、熊野神の勲七等、杵築神の勲八等の格差はそのままとなっている。このように常に熊野大社の方が上位と認識されていた点が第二の理由である。

 このような理由から、熊野大社の方が古くて由緒がある、と言えることになり、先の「神の宮」も熊野大社のことで間違いなさそうだと云うことになる。
 では、なぜ斉明天皇は出雲の熊野大社の神殿を新築させたのか、という疑問が次に出てくる。この疑問については次回に解明することにする。(続く)

前回の「古代ヤマトの遠景」は、下記からご覧頂けます。
古代ヤマトの遠景(11)・・・【出雲の国譲り】

上記以前の「古代ヤマトの遠景」のバックナンバーは、以下のアドレスからご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

お知らせ
【NEW】 安心・安全な家作りセミナー in 宇都宮のご案内

 樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、塩ビサッシ、塩ビサイディングの紹介を行います。住宅の価値が、価格から性能にシフトしていく中、多くの工務店の方々に、「高性能住宅」の必要性を認識して頂くためのセミナーです。

  時代にあった高性能住宅は?
     =安心・安全な家作りセミナー in 宇都宮

 ・日 時:2006年11月8日(水)
      13:00〜17:00 (受付開始 12:00)
 ・場 所:宇都宮市文化会館
      宇都宮市明保野町7番66号
 ・主 催:株式会社日本住宅新聞社
 ・後 援:東京電力株式会社
 ・会 費:無料
 ・参加申込み締切り:10月30日(木)
       (定員100名になり次第、締切らせて頂きます。)

   ※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい。
     株式会社日本住宅新聞社
     電話:03(3823)2511

【NEW】 Japan Home & Building Show 2006 出展案内

 日本最大規模の住宅・建築関連専門展示会「Japan Home & Building Show 2006」が下記の要領にて、開催されます。
 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会にて出展致します。

 ・日 時:2006年11月15日(水)〜17日(金)
      10:00〜18:00(最終日は〜17:00)
 ・場 所:東京ビッグサイト(東1〜3ホール)
      東京都江東区有明3−21−1
 ・主 催:社団法人日本能率協会
 ・入場料:1,000円(税込み)
      下記HPより事前登録頂くと無料となります。
https://www.digi-k.com/exhibit/jizen/jhbs/npre_jhbs.php

・Japan Home & Building Show 2006のホームページをご覧下さい。
http://www.jma.or.jp/jhbs/

【NEW】 VEC HPを更新致しました。

 1.「塩ビニュースレター」Vol.3(9月12日発行)を掲載しました。

 <CONTENTS>の一部をご紹介致します。
 ○塩ビ製品のできるまで(成形と加工法)
 ○エッ!?これも塩ビ(駅のゴミ箱&濡れない本)
 ○安心・安全な塩ビ壁紙

 全文は、こちらからご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/news_letter/index.html

 メールマガジンの関連記事はこちらからご覧いただけます。
https://www.vec.gr.jp/mag/096/index.html#topics

 2.10月18日付けで、VEC HP「塩ビの生産出荷データ」の更新と「トピックス」への最近のVEC活動の掲載を致しました。

 ・9月度の塩ビの生産出荷データ
https://www.vec.gr.jp/enbi/seisan.htm

 ・トピックス
  1.環境省の「塩ビサッシ内窓」一部完成
  2.国交省「建築設備設計基準」平成18年版が刊行され塩ビ電
    線の扱いが大きく改善
https://www.vec.gr.jp/topics/index.html
https://www.vec.gr.jp/english/topics/index.html

編集後記
 先週、富士登山の話が出ていて、最近山歩きに凝りつつあるH2も興味津々で読ませていただきました。
 日本一の富士山にはおよびませんが、H2は先日、東京都で一番高い山、「雲取山」へ登りました。花の季節にはやや遅く、紅葉にはやや早いシーズンでしたが、サラサドウダンやナナカマドが一部色づき始めており、風情がありました。それと、シカやサルに始まってホシガラスやらジモグリヘビやらモグラやらテングチョウやらスズメバチやら、硬軟、善悪(?)とりまぜた生き物にお目にかかりました。
 2日間坂道を歩き通しで疲れに疲れてもうイヤになりました。しかし、例によって帰ってきた途端に「次は何処へ行こう?いつ行こう?」と考えちゃうんですよね。
 次はどこかって?次は先ず、坂は坂でも赤坂か神楽坂へ出かけて、人生を楽しむこととしましょう。(H2記)

先週の編集後記についての読者からのお便り・・・[編集後記後]

100号おめでとうございます。
百円札、「支払いは停止(銀行で両替はしてくれない)ですが、市中では流通可能」というのは理屈がわかりませんね。逆でよいのは?だって銀行は日銀の代理機能を義務付けられているんだから支払いに応ずるべきだ。他方、市中の個人や企業は引取りを拒否する自由が事実上あるし、一般消費者は買い物を拒否されても相手に強制できないでしょうに。いやH2さんに絡むわけではないですけど。ちなみに、コイン屋に持ち込めばいくらなのかしら。…(まえだなおや様)


先週の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/100/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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◆編集責任者 事務局長  東 幸次

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