NO.102
発行年月日:2006/11/02

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トピックス
◇塩ビ中の塩素を使って有価金属を回収
注目を集める光和精鉱(株)の「塩化揮発法」

随想 
エチオピア奇談(その1)
日本化学工業協会 若林康夫
お知らせ
【NEW】安心・安全な家作りセミナー in 高崎のご案内
【NEW】これからの快適な住まい作りセミナー・長野セミナーのご案内
Japan Home & Building Show 2006 出展案内
【終了報告】安心・安全な家作りセミナー in 仙台

編集後記

トピックス
◇塩ビ中の塩素を使って有価金属を回収

注目を集める光和精鉱(株)の「塩化揮発法」

 塩ビに対するイチャモンといえばいろいろありますが、「廃棄物になった時に、塩ビには塩素があるから焼却処理もし難いし、リサイクルも難しい」というセリフがあります。
 確かに塩ビは約半量が塩素で出来ているので、燃やす時には一段の注意が必要ですし、そのため使用済み塩ビを処理する時にいろいろ制限がつくこともあります。

 しかし、例えば都市ゴミなどのいわゆる一般廃棄物の場合ですと、もともと塩ビの含有率は高々1%程度である上、最近の法規制の強化により、現存のすべての焼却炉は構造上も運転条件面でも改善されているので、この程度の塩ビ、というか塩素分が混入しても殆んど悪影響は出ません。
 一方、いわゆる産業廃棄物の範疇でも、例えば家電・電子機器や自動車の分野では多種多様な部位で使用されている塩ビ製品を、その他素材とともにいわゆるシュレッダーダストとして安全に処理しています。また、塩ビの最大のマーケットである建設・建築分野でも、使用済み塩ビを他のプラスチックと混合して熱回収することが何ら問題なく可能であることがわかってきました。

 さらに、単なる焼却処理や熱回収だけでなく、塩ビを加熱分解した時に出てくる塩素を有効に使おうではないか、という試みも始まりつつあります。その一つが今日ご紹介する、「塩化揮発法」のお話です。

 「塩化揮発法」というのは、北九州市に本社がある、光和精鉱(株)が事業化している独自技術です。簡単にいえば、製鉄ダストや各種産業廃棄物中に含まれる微量の鉛や亜鉛その他の有価金属分を、高温下で塩化カルシウムと反応させて塩化物にし、1000℃近くで気体になったこれら金属塩化物を冷却後、分離・分別して有価金属として回収するというものです。

光和精鉱 産廃焼却炉
 この技術の注目すべき点は、原料がダストや廃油、廃液、汚泥、廃棄物などでよく、最近では焼却炉で発生する溶融飛灰まで有効利用が可能だということ。
 もっと素晴らしいことには、使用する塩素源として塩ビが大変有効だ、ということ。つまり使用済み塩ビをこの設備で熱処理すれば、含まれる塩素が塩化カルシウムの原料として寄与し、塩ビ中の残りの炭素分は熱源として有効利用される、つまり塩ビ分すべてのリサイクルが可能だということなのです。

 この技術を使って光和精鉱(株)は、この2月から年間6千トンの溶融飛灰を資源化処理する設備を稼動させており、来年春には年間3万5千トン処理にまで増強する計画だそうです。
 そして、この溶融飛灰処理で使用する塩酸を廃棄物からの回収品で賄おうとの構想があります。この塩素源として使用済み塩ビは大きなターゲット。これをどのように活用できるか、具体的検討はこれからですが、理論上は充分活用可能です。私たちVECも、光和精鉱(株)をはじめとする関係者と協力しながら、この技術を塩ビのリサイクルの大きな柱の一つとして育てるべく、努力を続けます。

 マテリアルリサイクルはもとより、各種ケミカルリサイクル分野でも次々と有効な技術が生まれてきた塩ビ。もはや塩ビに関しては「焼却が困難だし、リサイクルも難しいからねえ」なんてセリフは時代遅れなのです。

随想
エチオピア奇談(その1)
日本化学工業協会 若林康夫

 縁あってこの9月、暫くエチオピアに滞在しました。その間に見聞きした事柄の内、面白そうなものを少しご紹介します。

エチオピア連邦民主共和国ってどこにあるの?

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 エチオピアってどこにあるんだっけ。確かアフリカ・・・だったよな。アフリカの、東海岸かな?よく覚えてないなあ。
 ま、そうでしょうな。エチオピアはアフリカの紅海に接し、スーダンやケニアやソマリアと国境を接する国です。もっと詳しい地理関係は右の地図をご覧下さい。

あなたのために祈ります

 日本ではあまりなじみのないアフリカの国、エチオピア。日本人ならエチオピアと聞いて何をイメージするでしょうか。
 ○ある程度の年配の方なら・・・、
   東京オリンピックのマラソンで優勝したアベベ選手。
 ○コーヒーの好きな方なら・・・、
   エチオピアコーヒーの代名詞でもあるモカコーヒー。
 ○経済に詳しい方なら・・・、
   世界最貧国であることを思い浮かべるかもしれません。

 エチオピアは正式国名がエチオピア連邦共和国。200を超える部族が集まって出来た国で、公用語はアムハラ語ですが、部族毎に200以上の独自の言語も使われています。
 英語も広く使われており、道路標識や看板などはアムハラ語と英語の併記。一般の人にも英語がかなり通じます。

 エチオピアはイスラム教国と思っておられる方も多いようですが、原始キリスト教の流れを汲むコプト教系エチオピア正教会(Ethiopian Orthodoxy Catholic)の教徒が半分以上を占めるキリスト教国です。

 エチオピアのGNPは1人当り110ドル前後。貧富の差も激しく、ベンツが走る道路の脇では栄養失調からか、力尽きた路上生活者が倒れています。この風景があまりにも普通で、倒れている路上生活者に声を掛ける人もありません。
 さらに、エチオピアでは昨年まで3年以上続いた大干ばつ。ところが今年は大洪水。家屋や土地を失い難民となった人が数百万家族。死者はいまだに正確な数が分からないままです。

 医療設備もほとんど完備していないため、洪水前の平均寿命も短く、総人口 6,500万人に対し約26%が14歳以下。全人口の半数が34歳以下でしたが、洪水後はもっと平均寿命が下がっている可能性もあります。エチオピアに在住している外国人は「病気になったらすぐにエチオピア国外の医療施設に行け」。これが常識になっているそうです。

あなたのために祈ってくれる(?)
 日本では救急車は消防署の管轄ですが、エチオピアではそれぞれの病院が運行しています。よほどの急患でない限り、病気や怪我などをしたときは収容されたい病院に直接電話などで連絡し、その病院の救急車で迎えに来てもらいます。
 病院は公立病院もありますが、私立病院が多く、そのほとんどはエチオピア正教会が運営する病院です。その病院から出動する救急車。運転手や救急隊員以外に必ずシスターが同乗します。
 このシスター、現場に臨場した際、既に亡くなっていた場合にお祈りをするとか、救急隊員と一緒に救急救命活動を行うわけではありません。その役割とは、病人や怪我人に「大丈夫ですよ。あなたには神がついています。私もあなたの病気(怪我)がよくなるよう、あなたの脇で祈ります。」と勇気付けることなんだそうです。
 宗教心が厚いエチオピアの人には、結構効果があるのかもしれません。(続く)

お知らせ
【NEW】 安心・安全な家作りセミナー in 高崎のご案内

 樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、塩ビサッシ、塩ビサイディングの紹介を行います。住宅の価値が、価格から性能にシフトしていく中、多くの工務店の方々に、「高性能住宅」の必要性を認識して頂くためのセミナーです。「オール電化住宅」、「住生活基本法への対応策」に関する講義も行われます。

 時代にあった高性能住宅は?
  =安心・安全な家作りセミナー in 高崎

 ・日 時:2006年11月17日(金)
       13:00〜17:00 (受付開始 12:00)
 ・場 所:ビエント高崎
       高崎卸商社街協同組合
        高崎市問屋町2丁目7番地
 ・主 催:株式会社日本住宅新聞社
 ・後 援:東京電力株式会社
 ・会 費:無料
 ・参加申込み締切り:11月9日(木)
        (定員100名になり次第、締切らせて頂きます。)

   ※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい。
    株式会社日本住宅新聞社
     電話:03(3823)2511

【NEW】 これからの快適な住まい作りセミナー・長野セミナーのご案内

 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、塩ビサイディング、塩ビサッシの紹介を行います。セミナーでは、信州の気象状況に適した快適な住宅作りに関する講演が行われます。

 これからの快適な住まい作りセミナー・長野セミナー
  −無暖房住宅へ限りなく挑戦−

 ・日 時:2006年11月21日(火)
       13:15〜17:00 (受付開始 12:30)
 ・場 所:メルパルク長野 3階会議室 「飛翔」
       長野市鶴賀高畑752−8
 ・主 催:信州大学工学部
      エネルギー自立型環境調和住宅研究会
 ・後 援:(社)長野県建築士会長野支部【CPD認定セミナー】
 ・会 費:無料
 ・参加申込み締切り:11月15日(水)
        (定員70名になり次第、締切らせて頂きます。)

  ※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい。
    信州大学工学部 社会開発工学科
     建築コース 山下研究室
    電話:026(269)5360

Japan Home & Building Show 2006 出展案内

 日本最大規模の住宅・建築関連専門展示会「Japan Home & Building Show 2006」が下記の要領にて、開催されます。
 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会にて出展致します。

 ・日 時:2006年11月15日(水)〜17日(金)
      10:00〜18:00(最終日は〜17:00)
 ・場 所:東京ビッグサイト(東1〜3ホール)
      東京都江東区有明3−21−1
 ・主 催:社団法人日本能率協会
 ・入場料:1,000円(税込み)
      下記HPより事前登録頂くと無料となります。
https://www.digi-k.com/exhibit/jizen/jhbs/npre_jhbs.php

・Japan Home & Building Show 2006のホームページをご覧下さい。
http://www.jma.or.jp/jhbs/

【終了報告】 安心・安全な家作りセミナー in 仙台

既報のとおり、樹脂サッシ普及促進委員会、樹脂サイディング普及促進委員会では、以下のセミナーに参加致しました。宮城県下の工務店や、設計事務所の皆様をはじめ、東北電力の社員の方など、60名を超えるご参加を頂き、盛況のうちに終了致しました。

 ・日 時:2006年10月27日(金)
 ・場 所:フォレスト仙台(宮城県教育会館)
 ・主 催:株式会社日本住宅新聞社

編集後記
 今年の日本野球界の三大話題。先ずは世界野球大会(WBC)での日本優勝。続いて夏の甲子園での早実対苫駒の壮絶な戦い。そして最後が北海道日本ハムファイターズの日本シリーズ制覇、ですかね。
 特に日本ハムは、44年ぶりの日本一だそうで、当然ながら北海道の球団では初めて。もっとも、もしも中日ドラゴンズが勝っていたら、こちらは52年ぶりだったらしい。
 44年前なんてH2は何してたかなあ。てんで数えてみたら44年前とは昭和37年。うーん、H2は花の大学生でしたね。いや、ハナはハナでもハナタレ小僧のハナかな。酒なんか飲まず、くわえタバコでマージャンに凝って、粋がってましたね。
 それはともかく、今年の日本ハムはパリーグのプレーオフで、西武を降したソフトバンクに2連勝してパリーグの覇者となり、日本シリーズでは中日を4勝1敗でやっつけた。この経過をダジャレしてしまうとこうなりますぞ。
 「スペイン(西)を降したソ連に2連勝した日本は、余勢を駆って決勝で中国を、1敗した後4タテして優勝した。日中戦で日本勝利!」(H2記)

先週の編集後記についての読者からのお便り・・・[編集後記後]

秋も深まり、紅葉の季節になりました。気候も良く山歩きにはもってこいですね。山に登り、汗をかき、風に吹かれ、自然に触れる。そして赤坂、神楽坂で美味しく飲める。これは素晴らしいシステムです。誰かさんに教えて差し上げましょう。予想外に飲み過ぎると『システムダウン』ですが。…(飲む理由募集中様)


先週の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/101/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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