NO.103
発行年月日:2006/11/09

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トピックス
◇塩ビ製造職場のさらなる無事故・無災害操業を目指して
VCM、PVC製造工場関係者の合同保安会議開催

随想 
容器包装リサイクル法の改正とプラスチックリサイクル
塩ビ工業・環境協会 専務理事 西出徹雄
お知らせ
【NEW】住宅リフォームフェア 出展案内
【NEW】樹脂サイディング普及促進委員会のホームページがリニューアルされました。
Japan Home & Building Show 2006 出展案内
これからの快適な住まい作りセミナー・長野セミナーのご案内
【終了報告】これからの快適な住まい作りセミナー・富山セミナー

編集後記

トピックス
◇塩ビ製造職場のさらなる無事故・無災害操業を目指して

VCM、PVC製造工場関係者の合同保安会議開催

東ソー(株)南陽事業所(山口県)
合同保安会議風景
 昨年(2005年)度の塩化ビニルモノマー(VCM)の日本国内での生産量は約310万トン、塩ビ樹脂(PVC)のそれは約211万トンでした。合わせて500万トンを超えるこれら大量の化学製品を、私たちVECの会員企業である10社が、全国19工場でそれぞれ生産して社会に供給しています。

 これらの生産工場では、社会が必要とする量の塩ビを、適正なタイミングで、適正な品質とコストで製造する必要がありますが、最も重要な義務として、環境負荷を可能な限り減らしかつ無事故・無災害で安全に製造しなければならない、という条件があります。
 この「無事故・無災害操業」というもの、「言うは易く行うは難し」で、なかなか大変。関係者の、いや、関係企業の経営トップから現場の従業員一人一人に至るまでの全員の、強い意志が必須の条件なのです。
 幸い塩ビ関連ではここ数年間、大きな事故は起こっていませんが、関係者は一年365日、一日24時間、目を光らせ、安全操業の維持に気を配り続けているのです。

 こういった「無事故・無災害操業」の活動を業界全体として活発化するために、VECは技術委員会の中に工場保安のグループを設け、随時関連事項の調査や意見交換などを行ってきています。そして年一回ですが、工場の担当者を集めて合同保安会議を実施しています。

 今年の合同保安会議は7月6日〜7日、和歌山県白浜町のホテルシーモアを会場として開催され、会員企業10社の19工場から21名の参加を得て行われました。随分以前から続けられているこの催し、今年は第19回目の開催になります。初日には参加各工場で実際に発生した「ヒヤリハット事例」の発表とそれに関する意見交換が行われ、2日目には工場関連の共通テーマについてグループに分かれて意見交換の後、中央労働災害防止協会から招いた特別講師によるリスクアセスメントの講演、最後に全体総括の会議、と盛り沢山でした。

 工場から参加した方の感想としては、「日頃自分達だけで悩んでいる問題点について同業他社の状況や対応が分かり、おおいに役立った」というものや、「リスクアセスメントの講演も自社として取り入れようとしているところであり、参考になった」という意見、さらには「共通事項の情報交換について業界としてもっと取り組んでもいいのではないか」といった積極的な意見も複数出ていました。
 2日目の「工場共通テーマの意見交換」では、環境・保安面ではヒューマンエラー対策、緊急時対応、VCM排出削減などのテーマが中心であった他、もう一つの課題として新人への技術継承問題が大きく取り上げられており、若年労働者の確保に悩む工場の問題意識が浮き彫りになっていた感がありました。

 ご存知のように塩ビ製造工場では、永年努力を続けてVCMやEDCなど化学物質の環境への排出の削減に取り組み、大きな成果を挙げていますが、その成果の裏側ではこのような関係者のたゆまぬ努力の積み重ねがあリ、それでこそ実現できているものなのです。

 社会に貢献する塩ビは、このような製造工場で生産されているのです。今回は塩ビ製造工場の話題をお伝えしました。

随想
容器包装リサイクル法の改正とプラスチックリサイクル
塩ビ工業・環境協会 専務理事 西出徹雄

容リ法対象のプラ容器等の例
 1年半に亘り見直し作業が行われた容器包装リサイクル法は、本年6月に法律改正が国会で承認され、夏休み明けにこれに対応した政省令改正のための審議が産業構造審議会と中央環境審議会で行われ、現在、政省令改正についてのパブリックコメントが行われているところです(11月6日締め切り)。

 今回の見直しに当たっての論点の中心は、(1)排出削減の一層の推進、(2)役割分担・費用分担の見直し、(3)再商品化手法の拡大、の3点でした。
 (1)についてはレジ袋の有料化やリターナブルの推進が検討され、レジ袋の有料化の動きに対応して、有料の容器包装であっても容リ法の対象になりうるよう法律改正が行われました。
 (2)については行政、事業者、消費者など各主体間での連携強化が必要とされ、費用分担については、自治体の分別収集費用を事業者が一部負担することが議論されましたが、自治体での分別収集の実態やコストが明確にされず、自治体間の効率性の差も存在することから、「再商品化費用が効率化された分について、その利益を事業者と自治体で折半して還元する仕組み」が平成20年度から導入されることになりました。
 (3)については、従来の手法に加え、補完的な手法として、サーマルリサイクル(エネルギー回収)手法としての固形燃料化が認められることとなりました。
 また、義務者であるにもかかわらず費用負担をしていない事業体が依然として存在することから、これら、「ただ乗り事業者」への罰則強化が改正に盛り込まれています。

 プラスチック容器包装に着目して今回の法律改正を見ると、分別収集されたプラスチック廃棄物が中国等へ輸出される動きが拡大して、その分リサイクルに回らなくなり、特にPETボトルでは国内でのリサイクル施設が稼働できないほど深刻な状況となっています。リサイクルのための国内のインフラが崩壊すれば取り返しのつかない事態となるため、自治体が収集した廃棄物を国内のリサイクル・ルートに乗せるよう要請することとなりました。

 今回の議論を通じて明らかになったもう一つの問題点は、PETボトル以外の「その他プラスチック」廃棄物の再商品化費用が年々増大してついには年額400億円を超える事態となっている一方、その中身を見ると、材料リサイクルといいながら有効利用できない部分が残渣物として埋立処分に回され、その割合が50%にも達している点です。
 材料リサイクル優先で入札を行うと再商品化のコストが高くなると同時に有効利用率がどんどん下がるというこの実態は、廃棄物の有効利用を進めて最終処分量を減らすという制度の目的に基本的に反するものです。このため、形式的な材料リサイクル優先の方向が見直されそうですが、環境負荷を下げるとともに経済的負担も増大させないように、拡大された再商品化手法全体の中での実質的な評価と活用が進むことを期待したいと思います。

 発生するプラスチック廃棄物をどのような形でリサイクルしていくかについては、廃棄物の具体的性状や形態に応じて、環境負荷と経済性をもとに考えなければ進展しません。
 塩ビ樹脂について見ると、リサイクル容器包装廃棄物の中に占める塩ビの割合は最近は他のプラスチックより減少したため、廃棄物中の塩素分の起源は塩ビではなく食品中に含まれる塩分に主に由来する実態となっています。
 また、廃棄物焼却施設でも、塩素を含む廃棄物を処理しても発生する塩化水素による腐食が問題にならないよう設備や運転条件が整備されてきているため、プラスチック廃棄物の中に塩ビが含まれること自体は殆んど問題ない状況となっています。

 塩ビはもともと他のプラスチックに比べて長寿命の用途に多く使われ、新しいリサイクル技術も開発が進み、材料リサイクルもし易い素材ですから、各種のリサイクル法ともうまく馴染んで、循環型社会を支える材料と認識されるよう、私たちも努力して参ります。

お知らせ
【NEW】 住宅リフォームフェア 出展案内

 樹脂サッシ普及促進委員会では、消費者とリフォームのプロとの出会いの場となる、「住宅リフォームフェア」に出展致します。

[千葉会場]
 ・日 時:2006年11月18日(土)〜19日(日)
      10:00〜17:00
 ・場 所:幕張メッセ
      千葉市美浜区中瀬2−1
 ・主 催:(株)リフォーム産業新聞社

 ・住宅リフォームフェアのホームページをご覧下さい。
http://www.the-reform.co.jp/fair.html

【NEW】 樹脂サイディング普及促進委員会のホームページがリニューアルされました。

 「美しい快適な住まいを実現する樹脂サイディング」をご紹介している、樹脂サイディング普及促進委員会のホームページを、より分かりやすく致しました。
次のリニューアル・ポイントを是非ご覧下さい。

★樹脂サイディングの特長を、項目ごとに分かりやすくご紹介致しました。
http://www.psiding.jp/speciality.html

★リフォーム事例、新築事例の写真を掲載致しました。
http://www.psiding.jp/gallery.html

★皆様の疑問にお答え致します。Q&Aのページを新設致しました。
http://www.psiding.jp/qa.html

★セミナー/展示会情報を見やすく致しました。
http://www.psiding.jp/seminar.html

樹脂サイディング普及促進委員会トップページはこちらからご覧頂けます。
http://www.psiding.jp/index.html

Japan Home & Building Show 2006 出展案内

 日本最大規模の住宅・建築関連専門展示会「Japan Home & Building Show 2006」が下記の要領にて、開催されます。
 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会にて出展致します。

 ・日 時:2006年11月15日(水)〜17日(金)
      10:00〜18:00(最終日は〜17:00)
 ・場 所:東京ビッグサイト(東1〜3ホール)
      東京都江東区有明3−21−1
 ・主 催:社団法人日本能率協会
 ・入場料:1,000円(税込み)
      下記HPより事前登録頂くと無料となります。
https://www.digi-k.com/exhibit/jizen/jhbs/npre_jhbs.php

・Japan Home & Building Show 2006のホームページをご覧下さい。
http://www.jma.or.jp/jhbs/

これからの快適な住まい作りセミナー・長野セミナーのご案内

 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、塩ビサイディング、塩ビサッシの紹介を行います。セミナーでは、無暖房住宅の取組み状況や、信州の気象状況に適した快適な住宅作りに関する講演が行われます。

 これからの快適な住まい作りセミナー・長野セミナー
  −無暖房住宅へ限りなく挑戦−

 ・日 時:2006年11月21日(火)
       13:15〜17:00 (受付開始 12:30)
 ・場 所:メルパルク長野 3階会議室 「飛翔」
       長野市鶴賀高畑752−8
 ・主 催:信州大学工学部
      エネルギー自立型環境調和住宅研究会
 ・後 援:(社)長野県建築士会長野支部【CPD認定セミナー】
 ・会 費:無料
 ・参加申込み締切り:11月15日(水)
        (定員70名になり次第、締切らせて頂きます。)

  ※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい。
    信州大学工学部 社会開発工学科
     建築コース 山下研究室
    電話:026(269)5360

【終了報告】 これからの快適な住まい作りセミナー・富山セミナー

 既報のとおり、樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会では、標記のセミナーに参加致しました。
 富山県、石川県下の工務店や設計事務所から、40名を超えるご参加を頂き、盛況のうちに終了致しました。

 ・日 時:2006年10月31日(火)
 ・場 所:富山電気ビル5階中ホール
 ・主 催:信州大学工学部
      エネルギー自立型環境調和住宅研究会

編集後記
 11月3日文化の日の日経新聞に面白い記事が載っていました。18世紀の国学の巨人、本居宣長がなんと自作のなぞなぞを作っていた、本人とその門人などが作った計80題のなぞなぞが未だに残っているというのです。このなぞなぞ、「二段なぞ」というもので、問題文と正解を示して解き方を考えさせるのだそうです。記事に出ていたなぞなぞの中の一つは例えばこんなものでした。
 問:友もなき博士の物乞う詞・・・・・・答:年の暮れ  
解き方 「友もなき」は「とも」の「も」がないのだから「と」。「博士」は「し(士)」。「の」はそのまま「の」で、「物乞う詞」イコール「くれ」。どうです、面白いでしょ。

 そこで問題。本居宣長の向こうを張って、H2創作の二段なぞなぞ、ジャジャーン!
 問:戦争映画を繰り返し見る・・・・・・答:ウオームビズ
 問:波風騒ぐ旅籠なりけり・・・・・・答:ハロウィン
 問:天に届かぬ借り物が増え・・・・・・答:クリスマス
 なんでこうなるのか、分かった方はメールでどうぞ。(H2記)

先週の編集後記についての読者からのお便り・・・[編集後記後]

そうそう、思い出しました。野球。ヤクルト、中日、巨人を応援していました。見事に中日がリーグ優勝して喜びましたが、日本シリーズは、『新庄効果』で日ハムに声援を送ってしまいました。そんなこんなで、来年は・・・高校生ドラフトで入団した、田中将大投手に注目して「楽天」イチオシで!…(風見鶏野球ファン様)


先週の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/102/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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