◇我輩は猫砂、猫のトイレである。
壁紙の新しいリサイクル、ペット用品素材への再資源化 |
今年も沢山の年賀状をいただきましたが、ワンちゃん、猫ちゃんと一緒の家族写真を印刷したものもいくつかありました。ペットも家族の一員であり、ペットというよりも家族を癒してくれる大事なパートナーなのでしょう。それだけにホームセンターをのぞくと昔は考えられなかったような多種多様なペット商品が並んでいます。避妊後の雌猫ちゃん、去勢後の雄猫ちゃん専用フードといった商品があるのにはびっくりしました。
こうしたペット関連商品のなかで広い売場面積を占めている商品に“猫砂”があります。“猫砂”といってもペットを飼っておられない方には耳新しい言葉かもしれませんが、要は猫ちゃんのトイレに使う吸収素材のことなのです。
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我輩は猫砂のユーザー様である |
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ペット商品コーナーの様々な猫砂 |
昭和30年代、我々団塊と呼ばれる世代が小中学校の時分、我が家でも犬、猫を飼っていました。犬の餌は朝ご飯の残りに味噌汁をかけたもので済ませていたし、猫は自力で調達していたのでしょう、餌をやった記憶はありません。犬の生活圏は家の外、猫は家の内外で生活していました。彼らのトイレは、犬は犬小屋の周辺、猫は自分の縄張りのどこかであり(我が家の猫は物置の炭俵のうえがお気に入りのトイレだったようで、火鉢にくべた木炭の強烈な臭いに悩まされた)、ペットフードや“猫砂”とは無縁の時代でした。
こうしたペット達の生活環境は年とともに大きく変わり、特に都会のマンションでは彼らの生活圏も室内に限定され、密室空間でペット(パートナー?)と一緒に快適に過ごすにはトイレ空間が必要となってきます。今日のトピックス“猫砂”が誕生してきた背景もここにあります。
“猫砂”にはシリカ等の無機系、紙系、木質系、おから系など、いろいろありますが、その中でも最近、特に伸びてきているのが紙系のものだそうです。表面に抗菌処理を施し、防臭機能をもたせ、軽くて、吸水力があり、ほこりが発生しにくいなどの理由から伸びているのだそうです。またマンションでペットを飼う人には若い女性やお年寄りが多く、軽くて持ち運びが楽ということも大事な点なのです。
何故、今回“猫砂”を取り上げたか、といいますと、最近伸びているこの紙系の“猫砂”の原料素材に塩ビ壁紙の工場端材が適していることがわかり、主要素材のひとつに使われるようになってきたからです。工場端材だけでなく、発生量の多い新築やリフォーム現場からの施工端材、廃材なども使用が検討されているときいています。塩ビと紙からなる塩ビ壁紙が建材としてお役目を果たした後、今度は“猫砂”として再びお役に立てるわけです。マテリアルリサイクルの進んでいる塩ビ製品のなかで、これまで比較的リサイクルがむずかしいとされてきた壁紙の新しいマテリアルリサイクルが生まれつつあります。
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