NO.119
発行年月日:2007/03/08

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トピックス
◇進む塩ビの再評価 −JPEC研修会開催される−

随想
サンクトペテルブルク見聞記(2/2)− 雨どい
塩ビ工業・環境協会 高橋裕明
お知らせ
【NEW】PVC Newsが3/19に発行されます。
建築・建材展2007 出展案内
時代にあった高性能・高耐久住宅は?
     =ハイクオリティな家づくりセミナーのご案内
【終了報告】ENEX2007 第31回地球環境とエネルギーの調和展
        [大阪会場]

編集後記

トピックス
◇進む塩ビの再評価 −JPEC研修会開催される−

研修会会場
講演風景
 去る3月1日、虎ノ門パストラルにて塩化ビニル環境対策協議会(JPEC)主催の研修会が開催され、100名を越える方々の参加がありました。今回の研修会は、「塩ビに関する最新の情報」を会員各社の皆さんと共有化を図るために開催されたものであり、春の陽気も手伝って会場は関係者の熱気で溢れていました。講演は、「塩ビを取り巻く最近の状況」と、「塩ビリサイクル」について行われました。

 講演では、これまでの関係者の地道な努力と時代の変化(カーボンニュートラルやサステイナビリティーといったパラダイムの変化)が相俟って、世の中から塩ビに対する極端な忌避がなくなったことが紹介されました。特に注目されたのは、「塩ビ回帰」の動きでした。ダイオキシンや環境ホルモンを直接塩ビに結びつけるようなあからさまな塩ビバッシングは、科学的根拠が全くないことが証明され消え去りましたが、負の遺産として自治体や事業者の「物資調達ガイドライン」や「グリーン購入基準」等に依然として塩ビを忌避する内容が見受けられます。ところがこうした中で、最近になって塩ビを制限する姿勢を見直す動きが出始めて来たのです。例えば、国土交通省が「グリーン庁舎基準」からダイオキシンの説明を、「建築設備設計基準平成18年度版」から非塩ビ電線の使用義務を、それぞれ外したことに加え、電気・電子メーカーやゼネコン等が塩ビ被覆電線を継続使用する方向で動いています。プラズマテレビでの使用、あるいは高層ビルでの採用復活といった動きがその具体例です。

 さらに、環境省庁舎ビルへの塩ビサッシの採用に見られるように「塩ビの復権」に向けたプラスの動きが顕在化して来ており、塩ビに対する世の中の動きも漸く理に適った方向に向かいつつあります。しかし、一方で過去の誤った情報や基準に基づいた塩ビ忌避が、見直されずに依然として残っている実態があることも見逃せません。「塩ビはきちんと処理可能、リサイクルも可能」、「塩ビは循環型社会を支える材料」ということを具体論に落とし込んで実行していくことが、「塩ビの復権」を確実なものにするための打開策といえます。

 最後に、塩ビを取り巻く状況の変化をJPEC会員会社の皆さんと共有していくためにも、このような研修会の継続を期待します。また、一般消費者やユーザー業界の方々に広く知ってもらうためにも、コミュニュケーションの場を持つことが肝要であると考えています。

随想
サンクトペテルブルク見聞記(2/2)− 雨どい
塩ビ工業・環境協会 高橋裕明

サンクトペテルブルク市内を流れる運河
サンクトペテルブルクで見た太い“とい”
ビルの裏にある雨水用排水管(東京)
 塩ビ業界の国際会議で訪れたサンクトペテルブルクで見た塩ビサッシのことについては、前回書きましたが、もうひとつ建物を見て歩いて印象的だったのは建物の周りの太いパイプでした。

 その太さは30cmもあろうかと思われるもので、建物のデザインのひとつになっているかのように見えました。そのパイプの先は屋上まで続いていることからするとその機能は雨水の排水管と見受けられました。雨どいの材質といえば、国内の一戸建て住宅では塩ビ樹脂が当たり前となっています。ビルやマンションの排水管(雨水管や“とい”とも呼ばれる)としても塩ビパイプが使われていることが多いのです。その太いパイプの材質が気になり早速近づいてみるとそれは、亜鉛めっき鋼板いわゆるトタンでした。日本の雨どいも塩ビ樹脂に変わる前はトタンが使われていたため、ロシアではまだ塩ビが普及していないのかと思って見てきましたが、帰国後周りの人に聞いてみるとどうもそれだけではないらしいのです。

 プラスチックは金属と比べると低温にもろく、塩ビも同じでマイナス20℃にもなる環境にさらされると耐衝撃性が劣るため、北海道のような寒冷地では凍結対策を施して塩ビパイプを使うのだそうです。そういえば、ロシアの塩ビの分野別出荷比率を比べると、パイプはわずか2%しか占めていないことが塩ビ業界の国際会議で報告されたことを思い出しました。日本の分野別比率では、パイプは40%ほどを占めていることと比べると大違いです。これには、ロシアの気温ばかりでなく、技術的な問題や歴史的な理由がありそうです。

 更に不思議に思ったのは、なぜ、あんなに太いのだろうかということでした。どうやら、その理由は、雪が溶け出しパイプの中で凍結しても、パイプをふさいでしまわないように太くしてあるのではなかろうかと思うのです。ご存知の方は教えていただきたいと思います。

 ちなみに、日本のビルの排水管はどんな太さなのか気になったため、事務所のある茅場町界隈を観察してみました。半分石造りの見るからにモダンなビルでは、なんと排水管は表通りに出ているところもありましたが、築30年ぐらいのビルでは、パイプは裏通りやビルとビルの間の外壁に沿って設置されていました。それも太さは10cm前後であり、感触として材質はもちろん塩ビ製と思われます。最近のビルでは外観上外を這わせず、壁の中に取り付けてあるとのことですし、高い建物になると、塩ビパイプそのものではなく外側を鋼管で補強した塩ビライニング鋼管などがあるのだそうです。雨どいや雨水の排水管にも材質ばかりでなく、ビルの設計上の変遷がみられます。

 ビルやマンションの排水管を見るたびに、サンクトペテルブルクで見た太い“とい”のことを思い出してしまいます。

前回の「サンクトペテルブルク見聞記(1/2)− 窓枠」は、下記からご覧頂けます。 https://www.vec.gr.jp/mag/115/index.html#zuisou

お知らせ
【NEW】PVC Newsが3/19に発行されます。

 PVC News 60号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されます。
創刊15年、発刊60号の記念号となります。ご期待下さい。
目次をご紹介致します。

■ごあいさつ

創刊15年、60号発刊を迎えて
     JPEC事務局長/VEC専務理事 西出徹雄

■特別寄稿

PVCニュース発刊60号を記念して
     内閣府原子力委員会委員(前富士常葉大学教授)
     NPO法人「持続可能な元気ネット」顧問  松田美夜子

■トップニュース1
塩ビ被覆電線を官庁施設向けの建設資材として再評価
■トップニュース2
塩ビを含む建設系混合廃プラの有効利用へ新たな道
■視点・有識者に聞く

ソフトパワー強化で産廃業界の新時代を拓く
     (株)ハチオウ代表取締役社長/環境カウンセラー  森裕子氏

■リサイクルの現場から

加速する、セメント産業の廃プラリサイクル

■インフォメーション1
環境ホルモン問題とは何だったのか?
■インフォメーション2
米科学誌が可塑剤工業会の研究結果を掲載
■海外事例紹介
連携進む、VECと海外塩ビ業界
■広報だより

・塩ビ業界のありのままを伝える『データで見る塩ビ』発刊
・第4回「住まいと環境・エネルギーセミナー」開催
・「ENEX2007」に共同出展(JMADO&プラスチックサッシ工業会)

以上、新たな視点に立った塩ビに関する情報を、ご紹介致します。

・PVC Newsバックナンバーは、塩化ビニル環境対策協議会のHPよりご覧頂けます。
http://www.pvc.or.jp/


建築・建材展2007 出展案内

 快適・健康・安全な住環境・商環境の実現に向けた様々な情報を発信する、建築・建材展が以下の通り開催されます。
 樹脂サッシ普及促進委員会では、社団法人日本建材・住宅整備産業協会のブース内に出展し、内窓取り付け実演を実施する予定です。

 ・日 時:2007年3月6日(火)〜3月9日(金)
      10:00〜17:00(最終日のみ16:30終了)
 ・場 所:東京ビッグサイト  東5・6ホール
      東京都江東区有明3−21−1
 ・主 催:日本経済新聞社
 ・入場料:当日一般 1,500円

 ・建築・建材展2007のホームページをご覧下さい。
http://www.shopbiz.jp/top/index_AC.html?PID=0003&TCD=AC


時代にあった高性能・高耐久住宅は? 
                =ハイクオリティな家づくりセミナーのご案内

 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会では、下記のセミナーに参加し、塩ビサイディング、塩ビサッシの紹介を行います。
 セミナー後には、実際に塩ビサイディング、塩ビサッシを使用したオール電化住宅の見学会も行う予定です。
(こちらのセミナーは、建築士会継続能力開発(CPD)制度認定プログラムです。)

・日 時: 2007年3月23日(金)
13:00〜17:30 (受付12:30)
・場 所: 盛岡市 西部公民館
岩手県盛岡市南青山町6番1号
・主 催: 株式会社日本住宅新聞社
・参加費: 無料    
・参加申込み締切り:3月16日(金)
     (定員100名になり次第、締切らせて頂きます。)

※参加希望の方は下記までお問合わせ下さい。
      株式会社日本住宅新聞社
           電話:03(3823)2511


【終了報告】ENEX2007 第31回地球環境とエネルギーの調和展
        [大阪会場]

 省エネルギーセンター主催のENEX2007『第31回地球環境とエネルギーの調和展』が、東京会場に引き続き、インテックス大阪(2号館)にて2/22(木)〜24(土)の3日間、開催されました。
 樹脂サッシ普及促進委員会とプラスチックサッシ工業会は、共同でこの催しに参加し、塩ビサッシ窓のカットサンプルや、性能を示したパネル、パンフレット類を展示して塩ビサッシのアピールをしました。
 ご来場者の多くの方は結露・騒音に悩んでおられ、内窓リフォームに興味を示されていました。しかし、塩ビサッシの性能を紹介しても、関西地域は暖かいので塩ビサッシにする必要がないと思う方がいたり、依頼主が樹脂サッシを要望しても業者の方が塩ビサッシを取り扱ってない事があるなど、関西地区では、まだまだ塩ビサッシの認知度が低く感じられました。環境問題に関する意識を向上させ、地球温暖化防止に貢献できるアイテムとして、塩ビサッシを広く知っていただきたいと感じました。
 最終日には、京都市環境局地球環境政策部の方がご来場され、今後、京都市としても塩ビサッシも含んだ省エネ対策を早急に検討したいと話されていました。

編集後記
 今週の随想に、サンクトペテルブルクの太い雨どいの話題がありましたが、雪の多い北海道などの一戸建の家には雨どいがないそうです。それは、雪の重みで壊れてしまうため、最初から付けないという合理的な考えによるのだそうです。とはいうものの雨垂れで外壁が汚れるのを防ぐため、雨どいが欲しいという人もいるのではないでしょうか?
 過日、東京国際フォーラムで開催されたベンチャーフェアJapan ’07をのぞいてみたら、そんな要望を叶えるべくある企業が雨どい融雪装置を展示していました。雨どい(横とい)にセラミックスヒーターをつけたカバーをすることによって軒先にツララや雪庇ができることを防ぎ、雨どいが壊れるのを防ぐというものです。
 もちろん、雨どいもカバーも塩ビ製です。いろいろと工夫を凝らした製品を開発するベンチャー精神に感心させられる一方、世の中に役立つ塩ビの活躍の場がまたひとつ増えることを我々も期待しています。(HI)

○編集部からのお願い。
   先週のNo.118号へいただいたお返事のメールが、システムエラーのために読むことができなくなりました。
  ご迷惑をお掛けし大変申し訳ございませんが、よろしければ再度お送りいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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◆編集責任者 事務局長  東 幸次

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■TEL 03-3297-5601 ■FAX 03-3297-5783
■URL https://www.vec.gr.jp/  ■E-MAIL info@vec.gr.jp