NO.125
発行年月日:2007/04/19

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トピックス
◇環境省本庁舎ビルで塩ビ製内窓サッシの増設工事(第2次)を実施。

今度は、環境大臣室も・・・


随想
古代ヤマトの遠景(16)—【天照大神の放浪譚】—
信越化学工業(株) 木下清隆
お知らせ
NEDOの補助金事業公募、締切せまる。
三菱地所、塩ビリサイクル景観材を採用。

編集後記

トピックス
◇環境省本庁舎ビルで塩ビ製内窓サッシの増設工事(第2次)を実施。
今度は、環境大臣室も・・・

 昨年10月、メールマガジンNo.101にてお伝えしました環境省本庁舎ビルでの塩ビサッシ内窓を使った「二重サッシ化による断熱改修工事」の続報です。
 環境省では、庁舎ビルの省エネ・省CO対策として昨年10月、中央合同庁舎5号館の23階及び26階に、従来の「アルミサッシ+単板ガラス」窓に比べて格段の断熱性をアップできる「塩ビサッシ+Low−E複層ガラス」の内窓を設置(20窓、約200m)することにより、他省庁に先駆けて”冬期間の無暖房”化をモデル的に実施し、省エネ・CO削減に対し具体的な成果を挙げてきました。
 今回、塩ビサッシ内窓による断熱・遮音等の効果を実感されたことと、工事実施の簡便さ(休日のみの工事実施で、平日の執務に全く影響しない)を評価し、追加(増設)の第2次工事を実施されました。第2次工事では、若林環境大臣、副大臣、審議官等、環境省幹部が執務されている24階の幹部部屋が対象となりました(25窓、約160m)。工事は、3月1日に入札が行われて順調に進行したようです。近々環境省から大臣室などの完成写真も公表されることと思います。

 この例のように温暖化対策として、政府自らも排出削減の実行計画を作成しており、去る3月30日にその見直しが閣議決定されました。これは、「政府の実行計画」(正式には「政府がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画」)と呼ばれており、今回の改訂は平成19年度から24年度に行なおうとしている計画であり、政府全体の目標を平成13年度比8%削減としています。
 計画の内容は、低公害車の導入、太陽光発電の導入拡大や庁舎の省エネ対策などですが、庁舎の省エネ対策に注目すべき次の記載があります。
 「建築物の断熱性能の向上に資する建具の利用を図る。特に、建築物の断熱性能に大きな影響を及ぼす窓については、複層ガラスや二重窓・・・の導入など、断熱性能の向上に努める。」というものです。
 これは、窓の断熱性能が省エネに大きく寄与していることを指摘しており、これまで我々がPRしてきた内容と合致していると共に、環境省が実施した塩ビサッシ内窓による「二重サッシ化による断熱改修工事」が評価されたものと考えています。
 また、去る4月17日に開催された中央環境審議会地球環境部会と産業構造審議会環境部会地球環境小委員会の合同会合において、今後の温暖化ガス排出量削減対策の中間的取りまとめに向けた論点整理が行われましたが、配布された論点整理(案)の資料を見ると、民生(業務・家庭)部門の更なる対策のトップには「住宅・業務用ビルの省エネ化」が掲げられてありました。1990年比で約40%も排出量の増加している家庭部門と業務部門の対策としては、建物の省エネ化に一番の期待が集まっているということでしょう。

 地球温暖化を防止するための「京都議定書」では、日本もCO排出量1990年比マイナス6%を約束していますが、「日本の約束達成に赤信号!!」というような記事が目立ってきています。
 これは、削減の柱に見込んでいた原子力発電所の稼働率が相次ぐ不祥事で低下しているためだそうです。最近よく話題となっている“原発制御棒の脱落事故とその事故の隠蔽”問題が原発不信につながり大きく影響しているとのことです。原発のCO排出量は火力発電に比べて1/20であり、原発の稼働率を上げて排出量を減らす計画でしたが、当面稼働率が大きく向上する見込みは乏しく、原発に頼った削減計画は大きな修正を余儀なくされそうです。
 このような状況を見ていますと、やはり民間レベルの地道な努力も小さな積み重ねとして重要であると再認識せざるを得ません。特に、我々がお勧めしています“塩ビサッシによる窓の断熱化”は、断熱性能アップによる暖・冷房エネルギーの削減(省エネ)と結露防止や防音による(住環境の改善)を両立することができ、地球温暖化防止にも大いに役立つアイテムです。

 先にご紹介しました環境省でのモデル施工を契機とし、日本全国に“塩ビサッシ”が広く普及していくよう我々も努力を続けて行きたいと思っています。
 最後に、“塩ビサッシ”に関する詳しい情報については「樹脂サッシ普及促進委員会」のホームページにアクセス願います。
http://www.jmado.jp/

メールマガジンNo.101は、下記からご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/101/index.html#topics

随想
古代ヤマトの遠景(16)—【天照大神の放浪譚】—
信越化学工業(株) 木下清隆

 このシリーズの第10回で「天照大神」の誕生が比較的に新しいことを紹介したが、今回はなぜこの神が伊勢神宮に祀られているのかについて、その経緯を説明することにする。

 天照大神は建前上皇祖神として神代の時代から坐(ま)しますことになっている。当然この神の後裔が神武天皇に繋がることになる。その系譜をたどると次のようになる。

  天照大神 ⇒ アメノオシホミミ尊 ⇒ ニニギ尊 ⇒ ホホデミ尊
  ⇒ ウガヤフキアエズ尊 ⇒ 神武天皇

この内、ニニギ尊は高天原から日向の高千穂峯に天降りしたことになっている。ここから地上での天皇家の歴史は始まる。日向の地が天皇の本拠地ということになる。ところがその皇祖神である天照大神は、日向ではなく大和からは反対方向に当たる伊勢の地に祀られているのである。どう考えても方角は違うし、日常の祭祀を考えると皇祖神を伊勢に祀るのは、如何にも遠すぎる。その昔であれば伊勢の地は未だ未開の地であったはずである。そんな僻地になぜ天照大神は祀られることになったのだろうか。

伊勢神宮内宮
 実は書紀の中に天照大神を宮中から出して伊勢に遷す話が出てくるのである。この話は書紀の中でも大変有名なくだりで、次のように書かれている。

— 天照大神・倭大国魂、二の神を天皇の大殿の内に並祭る。然して其の神の勢いを畏りて、共に住みたまふに安からず。—

意味は、天照大神と倭大国魂(やまとおおくにたま)の二神が宮中で祀られていたが、これらの神の勢いが強く、二神を祀ることが出来なくなった、といったものである。だから、二神を宮中から出すことになった、とこの後続くが、なぜ、祖神を外に放り出すようになったのか、その理由は不明である。「其の神の勢いを畏りて、共に住みたまふに安からず。」と理由らしきことが書いてあるが、二神の勢いが強いくらいでは理由にならない。

 実はここに引用した文の前後には、大和に疫病が流行り時の崇神天皇が困り果てる話が続いている。その途中に突然のようにこの文章が挿入される。従って、二神を宮中で祀ることが災いを招いているから、二神を外に出したと解釈できないことも無い。しかし、この疫病問題は三輪山の神を祭祀することで収まったと話が続くことから、この解釈も的外れといえよう。
 要するに理由が明らかにされないまま、天照大神は宮中から当ても無く放り出されるのである。当初は豊鍬入姫(とよすきいりひめ)が三輪山の近くで祭祀していたことになっているが、次の垂仁天皇の時代になって、その皇女、倭姫(やまとひめ)が代わって天照大神の面倒を見ることになる。倭姫は天照大神の安住の地を求めて放浪を始める。書紀には、近江国・美濃国を経て伊勢国に至ったと書いてある。何で美濃くんだりまで放浪したのか不思議であるが理由は判らない。最終的には、五十鈴川の辺に至ったとき、「この国は素晴らしい。ここに住みたい」と天照大神の仰せがあったことから、そこに祠が建てられたとされている。それが現在の伊勢神宮である。

 この天照大神の「伊勢遷座譚」から幾つかの重要な問題が明らかとなってくる。

(1) 先ず、天照大神が皇祖神として伊勢神宮で祭祀されていることは歴史的な事実であることから、天皇家の日向本拠説は単なる創作物語に過ぎないことを示していることになる。
(2) この遷座譚の舞台となる崇神天皇は、このシリーズ(8)で示したように古事記・日本書紀共に初代天皇であることを明らかにしている。そうであれば、その当時、既に天皇家の祖神となることの出来る神は、三輪山の神しかいないことになる。この神は卑弥呼の時代から大和の守護神として祭祀されていた神だからである。
(3) ところが、天皇家の祖神はこれまでの検討から、出雲の神である可能性が高いと想定されている。そうであれば、崇神天皇の時代に宮中から放り出されたとされる神は、一体誰だったのかが改めて問題となってくる。

このように天照大神の伊勢遷座譚から重要な問題が引き出されてくるが、このような問題をどのように考えたらよいのか、次回に検討を進めることにする。(続く)

前回の「古代ヤマトの遠景」は、下記からご覧頂けます。
☆ 古代ヤマトの遠景(15)・・・【氷川神社・賀茂神社】

上記以前の「古代ヤマトの遠景」のバックナンバーは、
以下のアドレスからご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

お知らせ
NEDOの補助金事業公募、締切せまる。

 以前よりお知らせしていました、NEDOの補助金公募の締切が1週間後の4月26日にせまりました。
 詳細は、NEDO:独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構のホームページをご覧いただき、ご希望の方はお早めにどうぞ。
http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/190313_1/190313_1.html

(なお、二次公募は7月上旬〜下旬に予定されています。)

概要:
 住宅・建築物高効率エネルギーシステムの公募により、NEDO技術開発機構が指定する当該システムを住宅に導入する場合に、その費用の1/3が補助されます。
 様々な補助要件がありますが、樹脂サッシ普及促進委員会がお勧めする要件は『断熱リフォーム』です。
 既設住宅のリフォームで『塩ビサッシ+複層ガラス』の内窓を採用する事により、上記の費用補助の対象となるものです。

三菱地所、塩ビリサイクル景観材を採用。

 去る、3月20日(火)東京大手町の新日本製鐵と朝日ビルの間の公開広場(東京都千代田区大手町2丁目6番)に、リサイクル塩ビ製ベンチ(企画・販売(有)三宝)が、4台設置されました。
このベンチは、パイプなどの廃棄物を原料にした環境配慮型製品です。内1台は太陽電池を利用した夜間用フットライトも備えています。

太陽電池を利用した夜間用フットライト付ベンチ

塩ビリサイクルベンチ関連の記事は以下からご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/press_release/20070316.htm

編集後記
 先週末の京都出張での嬉しい話です。鴨川から石山にかけて、東京ではとうに終わった満開の桜に出くわしました。仕事の方も首尾上々で、暖かい春陽のもと、これまではできなかった新築現場からの糊濡れの壁紙をあっという間に破砕、ノートラブルでした。これならリサイクルにも使えそうです。探せば必ず花も人も技術もみつかる。花粉症のぶり返しという嬉しくないお土産はついたものの、ご機嫌な春の一日でした。(加地)

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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