◇温暖化対応:事務局のひとりごと |
(社)日本化学工業協会 常務理事 中田三郎
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「化学産業は大幅なCO2削減目標を新しく発表した」との、新聞報道がひとり歩きしていますが、謙虚に、今までの活動を引続いて推進していくことが大切と認識しております。
自主行動活動の集計・目標見直しの時期が、ちょうど、ドイツのハイリゲンダムのサミットと重なり、会員企業から温暖化対応の議論を前向きにやるという雰囲気がありました。二ヶ月の間に、温暖化対応WGは無論、上部組織の幹事会を2回、技術委員会を2回開催し、毎週、委員長と相談を重ね、会長にも数度ご報告し、まさに、最優先事項でした。
目標見直しの議論の当初は、前向きな意見が多数ある中で、「守れなかった時のペナルティー」を意識し、「実績値(82)と従来の目標値(90)の間に新目標を設定すべき」の声もありましたが、「出来ないことを掲げてはいけないが、既に達成した実績値より緩い目標は、社会が許容しない」、との声が優勢となり、その後の幹事会、技術委員会での議論が進みました。
最終的には、「2008〜2012」年度の平均として、エネルギー原単位を1990年の80%にするよう努力する。ただし、今後の原単位悪化要因が顕在化した場合には、87%程度になり得る」という表現になりました。
未だに、元の目標(90)に向かって活動を推進している企業が多数あり、「目標を引上げられては迷惑だ」、との声もありますが、各社が今までどおりの活動を順調に推進すれば、日化協平均として(80)が達成可能としているわけで、参加企業200社の目標すべてを(80)にするわけではありません。
「新目標が守れなかったら、ペナルティーを考えているのか?」と聞かれることがありますが、既に、元の目標を5年連続で達成し、上積みした新しい努力目標にペナルティーがあるとは認識しておりません。
新目標には、新しく、家庭部門や業務部門での省エネ活動も含まれております。
国内、国外の省エネ技術を必要としている企業を対象とした省エネ技術集も中国語、英語、日本語で作成し、11月から提供を開始しております。
今後は、鉄鋼業界やセメント業界のように、国際的な連携の中での活動も増えてくるようです。
今後も精一杯頑張っていきますので事務局へのご支援をよろしくお願いします。(了)
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