NO.156
発行年月日:2007/12/06

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トピックス
◇塩ビサイディングの最大の特徴は耐久性

随想

エリトリア旅行記(2・後編)−行方不明−

(社)日本化学工業協会 若林康夫

お知らせ
エコプロダクツ 2007 出展案内

編集後記

トピックス
◇塩ビサイディングの最大の特徴は耐久性

 何度か本メルマガで、紹介させて頂いている塩ビサイディングですが、塩ビサイディングの製造・販売会社は、樹脂サイディング普及促進委員会を組織し、各種展示会やセミナーに参加し、広く塩ビサイディングを知って頂くための普及活動を行っています。今年も昨年に引き続き、郡山市、岡山市、札幌市など多くの都市でセミナーに参加しています。セミナーには地元工務店やビルダーなど家を建てる本職の方が大勢集まり、現地の施工事例見学などを熱心に行っています。その甲斐もあり、参加の皆様からの反響も年を追って高まってきており、「今後、塩ビサイディングの採用を検討したい」との声が多く聞かれるようになってきていますし、多くのセミナー開催地で塩ビサイディングの工事実施例が報告されています。
 とは言うものの、一般的に「塩ビサイディング(外装材)」と言ってわかって頂ける方はそう多くありません。家の外側の壁といえば古くは土塗り壁や木製の下見板、更にはモルタルやタイル、そして近年多いのは窯業系や金属系のサイディングと呼ばれるものです。プラスチック(塩ビ製)の外装材と言ってもピンときません。更に、多くの方のプラスチックに対するイメージは「壊れやすいもの」「木、紙、鉄、石、ガラスなど自然物のまがい物=安っぽい」というもののようです。初めて塩ビサイディングを見た方は「プラスチックの外装材がもつの?耐久性はどうなの?すぐ壊れないの?劣化はしないの?」という疑問を大体抱かれます。

 ところが、予想外かもしれませんが、塩ビサイディングの最大の特長は耐久性です。
 現在、日本で塩ビサイディングの利用量が一番多いのが北海道、次に北東北といずれも寒冷地です。これは、塩ビサイディングの特長のうち、凍害を受けないという一つの特長を利用して頂いているに過ぎません。凍害以外に塩害を受けない、硫黄(温泉地)などの影響を受けないといった耐候性を有しているばかりでなく、都市部における自動車排ガス等の大気汚染などにも強いのです。
 サイディングそのものの厚みは1.5mm前後と一見頼りなさそうに見えますが柔軟性があり良くしなります。このため衝撃を吸収することができ、物が多少ぶつかった位で割れることはなく、復元力があるため凹むこともありません。これは材料にミクロ単位のゴム粒子が練り込まれていることによります。

 ところで、外装材は直射日光や雨風等厳しい自然環境に晒されるため、8−10年に一度、定期的に再塗装などのメンテナンスが必要と言われています。塩ビの経年変化は、表面の若干のざらつきが起こる程度です。新品を横において比べてみなければ気がつかない程度です。つまり、劣化しにくくメンテナンスがいらないという利点を有しています。
 強度を測る試験の一つに引張り試験というのがありますが、15年使用後のものと新品のものを試験した結果、ほぼ新品と同様の強度を保っていることが確認されています。これらは塩ビ素材そのものの耐久性に加え、耐久性を保持するために紫外線遮蔽剤や抗酸化剤などが練り込まれ特別な設計がされていることに因るものです
 このようなわけで、北海道の室蘭には、約25年前に塩ビサイディングを利用頂いたお宅が十棟近くありますが、今もなお健在で塩ビサイディングの耐久性を証明してくれています。室蘭のお宅ではありませんが施工例は下記によりご紹介しています。
http://www.psiding.jp/thing_bn.html

 なお、冒頭の樹脂サイディング普及促進委員会では、今回紹介した塩ビサイディングの耐久性以外の特徴である「防水性」「施工・補修性」「防火性」「環境性能」「経済性」についても詳しく紹介したパンフレットを作成しています。家を建てられようとされている方や、外壁のリフォームをお考えの方は、是非一度ご覧頂き、選択肢の一つに加えて頂ければと思います。(了)

(パンフレットのご請求は、info@vec.gr.jpまで送付先・ご希望数などご連絡ください。)

随想
エリトリア旅行記(2・後編)−行方不明−
(社)日本化学工業協会 若林康夫

FIAT Tagliero Building
(1938年建築)
 首都、アスマラは1800年代後半から1900年代半ばにかけイタリアの影響を非常に強く受けた街で、街の至る所にアールデコ様式の建物が数多く残されています。私もこちらに来て初めて知ったのですが、ヨーロッパではエリトリアに残されているアールデコ様式の建造物は非常に貴重なものだとされ、写真集や当時の設計図集など数多くの書籍が出版され、研究者も多くいるとのことです。
 エリトリア政府もこのことはよく承知をしており、これらの建物の保護に力を入れており、建物の維持を行うと同時に、それぞれの建築の建設された年代を記載した地図や設計図面集などの資料も作成しています。保護指定を受けたほとんどの建物は役所や劇場、また一般の民家としていまも使われていますが、一部、一般に見学を開放している建物もあります。但し、誰でも自由に見学ができるというわけではなく、見学にはあらかじめエリトリアの観光省で見学をしたい建物ごとに見学申請を行い、許可書の発行を受けておく必要があります。

 これまではエリトリアの比較的明るい部分をお伝えしましたが、暗い部分もあります。その代表的なものが「鎖国」政策でしょう。鎖国といっても江戸時代の日本のように出島を除き完全に国を閉ざしているわけではありませんが、国連を含む海外援助団体をはじめ企業や旅行者などの入国を制限しています。
 外国人は国連職員を含め、在外のエリトリア大使館で入国VISAを取っただけではエリトリア国内を自由に動き回ることはできません。入国VISAを取り入国しただけでは外国人が滞在、観光できるのは首都のアスマラ市内に限定され、市外へ出ることはできません。エリトリア国内には街や村の出入り口にあたる道路にセキュリティチェックポイントがあり、そこを通過する人はエリトリア人、外国人を問わず、身分の確認が行われます。

 もし、首都のアスマラ以外の場所を訪問したい場合は観光省からTravel Permitという旅行許可証を発行してもらう必要があります。この許可証を持っていればエリトリア国内をどこにでも自由に旅行ができるわけではなく、予め申請をしたエリア以外に行くことはできませんし、申請した全てのエリアが許可になるわけでもありません。
 また、移動手段も決められ、許可された移動手段(バスか飛行機など)以外では移動もできません。ただ、許可書自体は比較的簡単な申請手続きで、朝のうちに申請をすれば、早ければその日の夕方には発行されます。

 国内の報道も制限され、海外の報道機関はフリーのジャーナリストも含め入国を許可されません。国内報道ではエリトリアには新聞社も放送局もそれぞれ国営の1社しかなく、報道内容も含め全て政府の管理下にあります。
 アメリカ政府の情報では、身分を隠して入国をした外国人ジャーナリストを含め、年に10名ほどの報道関係者(エリトリア国内のジャーナリストを含む)がいつの間にか行方不明になっているということです。
 また、「国境なき記者団」が毎年発表している「世界報道の自由度インデックス2007」でエリトリアは「報道の自由がない国」の上位3位に挙げられています。
 そうはいってもこの時代、完全に鎖国をすることはできません。エリトリア政府も、今年の春、日本に大使館をオープンしました。日本大使館はエリトリア国内にはなく、在ケニア日本大使館が兼務をしています(エリトリア国内で何かあったら本当に助けてくれるのか?)
 え?こんなメールをエリトリア国内から発信しているヒトが一番危ないって。
 気が付けば行方不明?(続く)

前回のエリトリア旅行記(2・前編)−前向き− は、下記からご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/154/index.html#zuisou

エリトリア旅行記のバックナンバーは、下記からご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

お知らせ

エコプロダクツ 2007 出展案内

 『ダイエットCO2』を掲げる、「エコプロダクツ2007」が下記の要領にて開催されます。
 塩ビ工業・環境協会と塩化ビニル環境対策協議会は、『もっと知ろう!塩ビと地球環境』をテーマとして2年ぶりに出展し、塩ビが地球に優しいプラスチックであることを、製品展示、解説パネル、ステージ・デモでご紹介します。

・日 時: 2007年12月13日(木)〜15日(土)
10:00〜17:00
  ・場 所: 東京ビッグサイト(東展示場)
(VECブース:東3ホールNo.3035)
・主 催: (社)産業環境管理協会、日本経済新聞社
・入場料: 無料
・エコプロダクツ2007のホームページをご覧下さい。
http://www.eco-pro.com/


編集後記
 冬は駆け足でやって来ると言いますが、今年は短かった秋を象徴するかのように、あっと言う間に冬将軍がやって参りました。夏の猛暑、短い秋、11月の大雪と記録尽くめの1年となりそうです。これも気候変動のひとこまなのでしょうか。
 街角では、クリスマスツリーの点灯が始まっておりますが、塩ビ工業・環境協会が入っているビルのコンコースにも立派なツリーが飾られ、師走の足音が間近に聞こえて参りました。
 そういえば、先週くらいから、弊協会の近くを流れる運河で羽をやすめる鴨の姿を見かけるようになりました。都会の中にも季節の移り変わりを感じる風景があるのを見て何故かほっといたしました。
 エコプロダクト2007の開幕まであと1週間足らず。インフルエンザがはやり始めているようです。皆様も体調の管理には充分留意され、この冬を乗り切って下さい。(樹)

VEC関連URL
●家族で学べるページ https://www.vec.gr.jp/kids_new/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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