◇「地球環境にやさしい塩ビ」
−菅原新会長 VEC総会後懇親会にて力説− |
5月28日(水)に、塩ビ工業・環境協会第11回総会・懇親会を開催いたしました。
今年度は役員の改選期にあたり、菅原会長((株)カネカ社長)、中原副会長((株)トクヤマ社長)、中村副会長(ヴイテック(株)常務取締役)が新しく就任いたしました。
以下に、菅原新会長の懇親会での挨拶を掲載いたします。
|
菅原新会長
|
|
会長・副会長
|
本日は皆様ご多用中にも拘わりませず、多数ご出席を賜り、誠に有難うございます。本日の懇親会にご列席頂いています、経済産業省製造産業局の照井次長様をはじめ関係官庁の皆様、塩ビ製品業界や商社の皆様、マスコミの皆様、さらには日頃より塩ビについて様々なお世話になっております皆様、平素よりVECの活動へのご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
先刻開催されました塩ビ工業・環境協会の第11回総会におきまして、土屋会長の後を受けて、会長の大役を拝命致しました。身の引き締まる思いでございます。塩ビ産業の益々の発展のため、微力を尽くす覚悟でございます。幸いなことに、この度は見識、経験の豊かなトクヤマの中原社長とヴイテックの中村常務に副会長をお引受け頂きました。力を合わせて会務に邁進致す所存でございますので、ご列席の皆々様の一層のご助力、ご指導をお願いするものであります。会長をお引受けするにあたりまして所信の一端を申し述べ、ご挨拶と致したいと存じます。
一昨日の5月26日、塩ビ工業・環境協会は発足10年の節目を迎えました。この間、歴代の会長の方々、その間第一線で活動された諸先輩の方々、そしてここにご列席の皆様方の多大なご尽力のおかげで、いわれ無き反塩ビの風潮がなりを潜め、塩ビを再評価する動きが出てくる状況にまでなりましたことに、心より感謝申し上げます。
さて、昨年度の塩ビの国内需要は厳しいものがありました。景気の低迷に加えて、改正建築基準法の影響や公共工事の抑制もあり、住宅着工は前年度を2割近く下回る104万戸となりました。その結果、塩ビの国内需要は前年度比93%の126万トンと大きく落ち込みました。一方で、世界的に見ると塩ビの市場は順調に右肩上がりで拡大すると予測されています。この世界の流れに反して、塩ビの国内需要が10年程前の200万トンから大きく減った日本の現状は、市場構造の変化もあったとは言え、塩ビについての誤解や理解不足により、塩ビの機能や経済性が無視され、他素材への転換が進んだことが一つの大きな要因であります。見直し機運は出てきたものの、需要回帰はその緒についたところであります。
VECとして本格的な塩ビへの需要回帰と新規用途開拓による塩ビ産業の復活に向けた活動へ強く取り組む時期が、いよいよ来た、と考えております。そこで、次の3つの重点課題に取り組みたいと思います。
先ず第一は、『塩ビが地球環境に優しい、社会の持続的な発展を支える素材であることを発信し、塩ビはやっぱり素晴らしい、すごい、使いたい、というイメージを根付かせること』であります。近年、行政庁の調達基準、グリーン購入法の特定調達品目、エコマーク製品の基準が塩ビを認めるよう、見直しが進みました。更に、日経エコロジーを皮切りに各種のメディアに塩ビこそ環境特性が優れた有用な材料だと報道して頂けるようになって参りました。一方で、地球温暖化や資源・エネルギーの枯渇が懸念され、石油などが高騰しています。塩ビは石油依存率が低く、他の汎用プラスチックスに比べて圧倒的なコスト優位性があり、経済的にも石油資源の有効利用からも、塩ビの優位性が理解されるようになりました。塩ビ製品のユーザー業界で、塩ビの特性と良さが充分に理解され、塩ビを再び使いたいと言う会社が出ていることは、大きな励みになります。一層効果的な広報をはじめ幅広い活動をして参りますが、塩ビ製品ユーザー企業に納得していただくには、VEC単独ではなく、塩ビ製品業界の皆様と一体となった活動こそ大切であると存じます。どうか宜しくお願い申し上げる次第でございます。
第二は、『リサイクル支援制度を活用し、関係業界や企業の方々と連携してリサイクルの拡充を図ること』であります。この支援制度には、塩ビと他材料との複合製品のリサイクルという挑戦的な案件も採り上げ、大きな成果を期待しております。今後のリサイクル推進のために、塩ビの特長であるマテリアル・リサイクルなどに取り組むとともに、混合廃プラスチックスについても、関東建廃協をはじめ、各団体や企業と連携して参ります。リサイクルの拡大に王道はありません。地道な努力を積み重ね、関係各位と共にリサイクルの仕組みを拡充して、塩ビ製品のお客様に安心して塩ビを使って頂ける様にする所存でございます。
第三は、『地球温暖化対策に貢献してゆくために、塩ビ樹脂サッシや塩ビ樹脂サイディングの普及促進を図ること』であります。洞爺湖サミットの機会を活用し、幸先のよいスタートを切り、塩ビ市場の成長につなげて参る所存でございます。昨年度末に、環境省は庁舎の全ての窓に塩ビサッシ内窓を設置し、国土交通省も近々に設置を予定しています。又、今年度のNEDOの塩ビサッシなどを対象とする省エネリフォームの補助金に応募が殺到し、更に、優遇税制も創設されました。今後、一層普及活動を進めて参りたいと存じます。一方、塩ビ樹脂サイディングは長寿命・高耐久・軽量・断熱性など優れた特徴があり、昨年とりまとめた技術情報を活用して、今年度からは塩ビ樹脂サッシと併せて普及促進活動を強化して参ります。
これら3つの重点課題に加えて、塩ビの環境問題対策と、化学物質管理や工場保安対策について、JPECをはじめ、国内外の各団体と連携し、知恵の共有と、より効果的な活動を目指すことが重要だと考えております。
これまで申し述べました活動を進めることによって、『サステイナブルな塩ビの復活』を図る所存でございますが、是非とも本日ご列席の経済産業省をはじめ関係行政府のご支援をお願いするとともに、塩ビ関連業界、塩ビ製品をご愛顧いただいていますユーザー業界、マスコミ関係各位のご支援、ご協力をお願い申し上げる次第です。
最後に、本日ご列席の各社の益々のご発展と、ご参集の皆様のご健康、ご多幸を祈念致しまして、私のご挨拶とさせて頂きます。本日は誠にありがとうございました。 |
|