NO.211
発行年月日:2009/02/05

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トピックス
◇いよいよ小学生向けに出前授業を始めました
 「かんきょうワークノート」5万冊配布

随想
ナミビア旅行記(3)−ハンティング−
(社)日本化学工業協会 若林康夫

編集後記

トピックス
◇いよいよ小学生向けに出前授業を始めました
 「かんきょうワークノート」5万冊配布

  VECは2005年の夏から大学生を対象に環境授業をスタートし、高校生、中学生にも対象を広げて、「環境教育」支援の活動を行っています。その活動の一環として、「環境最前線」などの教材提供と出前授業があります。

 教材提供のキッカケは、教科書に書かれている塩ビやプラスチックについての記述に誤解を招く表現などがあったことで、関係先に事情を説明して理解をいただき、記述の訂正に努めた結果、複数の教科書で改訂されました。その活動を通じて、塩ビに関する分かりやすい解説書を作るアイディアが生まれました。教科書の出版社と意見交換を行い、その多大な協力を得て、先生用の副読本「環境最前線」と生徒用「環境ワークノート」が完成し、2005年からの3年間に、29,000校の中学・高校に配布しました。先生方の反応は良好で、実際に授業で使っていただく割合も年々増え、教材の再請求も10万部を越える反響に、関係者一同多いに感激しています。

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  今回、その経験をもとに、塩化ビニル環境対策協議会(JPEC)と共同で、小学校高学年向けの「かんきょうワークノート」を新たに作成し、小学校10,000校に「環境最前線」と一緒に配布しました。前回と同様に、反響が大きく、既に400校を越える小学校から教材の副読本として使いたいとの希望が寄せられ、5万部を越える冊子を発送しています。
 その他にも、昨年の11月には、全国の小中高校約18,000校に、「わたしたちの生活に役立っている塩化ビニル」の表題で、わかりやすい塩ビ製品の紹介と出前授業の記事を掲載したB2サイズの写真ニュースを配布しました。これらの取り組みに関心を持たれた小学校の先生方から、既に14校の「出前授業」の希望があり、今月から「エネルギーとCO2の話」のテーマで授業を行います。

 出前授業は、当初は大学生を対象に始めたものですが、昨年までは中高生にも対象を広げて行っていました。テーマは「環境・資源エネルギー・プラスチック」などを取り上げ、塩ビについてはプラスチックの一部として触れながら好印象を持ってもらえるような内容になっています。既に、累計で20校を越える学校で講義をしています。後日、先生方から送って頂いた生徒達の感想文を見ますと、環境問題が深刻であることの理解、塩ビの有用性に対する理解が、一段と深まっている様子が良く分かり、このような活動の重要さを改めて認識させられます。なお、このような活動の一例として、昨年の11月に兵庫県の山崎南中学校で行われた「環境授業」の様子が、12月9日付けの日本経済新聞に掲載され、出前授業を通じて社会へ貢献するVECの姿勢が報道されました。(了)

随想
ナミビア旅行記(3)−ハンティング−
(社)日本化学工業協会 若林康夫

エサをもらいに来たチーターの赤ちゃん
  今回、ナミビア(ナミビア共和国)で滞在したのは首都のWindhoekからかなり離れた自然の真っただ中の地域。
 周りにはレオパード(豹)やチーター、アフリカ水牛、シマウマなどが普通に生息をしている地域です。夕方になるとチーターの赤ちゃんが夕食を作った時に余った骨や肉を貰いに村の人のところにノドをゴロゴロいわせながらやって来ます(村人曰く、大きなネコだよ)。体の模様が違うだけのように見えるレオパードとチーターですが、レオパードはあまり人にはなつかず、チーターは非常に人になつきやすいそうです。おまけに、どこかの農場から逃げ出したのか野生化したノラ馬までおり、原野を歩いていると、人間に慣れているせいか、どこからともなく「エサくれ〜」と現われてまとわりついてきます。

 ナミビアでは狩猟(ハンティング)は非常に厳しく制限をされており全て許可制。狩猟民族であるブッシュマンを除き、毎年、何頭のどんな種類の動物をハンティングしたいかを申請すると、申請があった全ての地域で生息動物の調査が行われ、その結果に基いてハンティングをしていい頭数と種類が許可されます。ハンティング終了後は必ず狩猟監督官による実際に獲った動物の現物確認も必要です。
 ブッシュマンはこの狩猟規制の対象外ですが、狩りができるエリアは限定されています。以前はブッシュマンに限りどこででも自由に狩りをすることができたそうですが、他の部族から「我々は制限をされているのにブッシュマンが勝手に狩りをする」と苦情が出たことと、密漁者がブッシュマンを使い、必要以上の狩猟を行ったためエリアが限定されました。
 ちなみにこのエリアには狩猟監視官がおり、ブッシュマン以外の狩猟やブッシュマンが密漁者などに頼まれ、必要以上に狩りをすることを監視しているそうです。また、国際的に狩猟が禁止されている象もブッシュマンに限り狩猟が許可されているそうです。首都Windhoekのレストランのメニューにも“Elephant Steak”が載っていましたが、その下に「100名以上から注文をお受けします」と書かれていました。

 今回の旅行では本物のブッシュマンに出会うことはありませんでしたがブッシュマン出身の人の話によると最近のブッシュマンはほとんどが定住し、立派な家に住んでいるということでした。
 朝、時間になると我々と同じ普通の洋服からブッシュマンの民族衣装に着替え、車で森林のキャンプに出勤。観光客が来るとそれまで話していたAfrikaansや英語を止め、部族の言葉を話し、それを自称ブッシュマン語の通訳と称する人が英語に直す。観光客が希望をすれば狩りのまねごとをするけど、最近では実際に弓や槍で狩りができる人はほとんどおらず、適当に矢や槍を放り投げ、予め専門業者から買っておいた“冷凍の”獲物をいま獲ったかのように見せる。最近の若者はブッシュマン語をほとんど話せないので何となくブッシュマン語のようなイントネーションのAfrikaansか英語を話している。もし、ブッシュマンの若者に会ったら、彼らの話す言葉をよく聞いていると、ブッシュマンイントネーションのAfrikaansか英語だよと笑っていました。う〜ん、時の流れを感じると共に、あまり聞きたくない裏話でした。
 昔、日本で公開された「ミラクル・ワールド ブッシュマン」という映画がありましたが、あの時の撮影隊がそれまで貨幣経済とはほとんど無縁だったブッシュマンに大量のお金を与え、その使い方と西洋文化を教えたため急速に彼らの文化が崩壊したとも話してくれました。一旦、崩れた文化はもう元には戻らないのでしょうね。

  こちらではLeon君というナミビアの若者が様々なコーディネートをしてくれたのですが、この彼がなかなかお茶目。
 ある日、森林の中を一緒に歩いていた時のこと、Leon君に「ちょっと立ち止まって。いまカメラ持ってる?ナミビアで絶対に忘れられない経験をさせてあげる。上を見て」と教えられ、カメラを構えて見上げると、手が届くほどの高さで頭の上に張り出した大木の枝の上に体長2メートル近いレオパード(豹)が寝そべっていました。ぞぞっ・・・。Leon君に「早く写真を撮りなよ」と急かされるものの、「舌なめずりをしているけど、襲ってきたりしない?」「いきなりガブリと来ることは?」としり込み・・・。「大丈夫。木の上にいるのは雌で、狩りをするのは雄だから。そんなこと言っている間に写真を撮ってさっさと逃げたほうがいいと思うけど」と押し出され、しっかり撮らせていただきました。レオパードの写真を至近距離から。3倍ズームは付いているけど、望遠レンズも付いていない普通のデジカメで鮮明で大きな写真を。というか、相手はレオパードですよ。被写体に近付きすぎではないでしょうか。しかも、視線が合っているし!
 後で他の人に聞いたところ、赤ちゃんの頃、人間に拾われ、農場の台所に置かれた段ボール箱の中で育てられた、人によく馴れたレオパードとのこと。「たまに餌が獲れず、お腹がすいたときは村人が飼っているニワトリを食べちゃうことはあるけど、いままでのところ人を食べたことはない」と言っていましたが、いまは野性に戻って生活をしているんだよなぁ。(続く)

前回のナミビア旅行記(2)−交通のお約束− は、下記からご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/205/index.html#zuisou
ナミビア旅行記のバックナンバーは、下記からご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

編集後記
 いよいよ、アメリカのリーダーがオバマ新大統領に替わりました。就任式には約200万人がホワイトハウス前の広場に集まって、歴史的な「チェンジ」の証人になりました。あの広いワシントンの広場が人々で埋め尽くされている様子に、アメリカ国民の期待の大きさを感じます。早速に、新大統領は「グリーン・ニューディール」の推進を訴え、地球温暖化の防止に取り組む姿勢を打ち出しています。その風は早晩に日本にも影響することでしょう。日本もこの厳しい状況から「チェンジ」したいものです。(円行)

VEC関連URL
●家族で学べるページ https://www.vec.gr.jp/kids_new/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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