NO.213
発行年月日:2009/02/19

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トピックス
◇「建築・建材展2009」予告編
樹脂サイディング普及促進委員会 長縄 肇志

随想
世が不況に向かうとき
東京農工大学大学院MOT、
日本化学工業協会広報委員会顧問 瀬田重敏

お知らせ
建築・建材展2009 出展のご案内

編集後記

トピックス
◇「建築・建材展2009」予告編
樹脂サイディング普及促進委員会 長縄 肇志

  今年で15回目を数える「建築・建材展2009」が3月3日(火)〜6日(金)に東京ビッグサイトの東5・6ホールにて開催されます。
 塩ビ工業・環境協会、樹脂サイディング普及促進委員会では「環境配慮型プラスチック塩ビでエコライフ」「超・長寿命 塩ビ樹脂サイディング」をメインテーマに昨年に引き続き、塩ビ建材と塩ビサイディングの展示を行う予定です。

 建築においてプラスチックは決して主役とは言えませんが、家の中を見渡せば多くのプラスチック建材が使用されており、今や無くてはならない存在となっています。プラスチック建材が使用される理由は様々で、経済性、安定供給性、デザイン性、施工性、メンテナンス性などが挙げられますが、塩ビはこれらに加え「丈夫で長持ち」、「燃えにくい」という特性を有しており、水道管をはじめビニールクロス、床材、見切材、巾木、雨どい、サイディング、窓枠など多くの建材に使用されています。

 塩ビは原料の40%が石油、60%が工業塩と石油資源の観点から省資源に貢献するプラスチックであるばかりでなく、このことが「丈夫で長持ち」「燃えにくい」という最大の特長をもたらしているのです。
 ブース内に設置されたミニハウスをご覧頂くと分かるように、ハウス中に使用されている建材はごく一般のご家庭で使われているものばかり。塩ビについてはご存知なくても、「なんだこれか」と思われる方も多いと思います。使われている理由は塩ビの特性によるのです。
 また、ハウスの外に張られた樹脂サイディングについてはご存知ない方も多いと思いますが、「耐凍害性」や「耐塩害性」に優れることから寒冷地や塩害地域を中心に普及が始まっています。こちらも塩ビの特性を如何なく発揮した製品で、「高耐久性」「難燃性」に加え、「施工性」「メンテナンス性」に優れており、近年では戸建住宅の断熱改修やRC住宅の改修などにも使用されはじめ、また耐震改修やRC住宅の塩害からの保護といった観点からの検討も始まっています。是非、お立ち寄り頂きご覧頂ければと思います。

 2008年12月、長期優良住宅普及促進法が公布となり、「いいものを作り、手入れしながら長く使っていくストック型住宅」が法制化され、それを促進するためのモデル事業も開始されました。建材はあくまでも建築の一部を構成するものですが、耐久性、メンテナンス性に優れ、省資源でリサイクルが可能な塩ビ製の建材は超長期優良住宅、耐震住宅、省エネ住宅など、これからも日本の住宅のお役に立てればと考えています。(了)

随想
世が不況に向かうとき
東京農工大学大学院MOT、
日本化学工業協会広報委員会顧問 瀬田重敏

  2009年、私は72歳、歳男である。その私が大学を卒業して会社に入ったのが1960年だから今年は社会人49年目、ほぼ50年、半世紀になる。
 怒涛の50年であった。1960年は日本にとって戦争が終わってまだ15年、まだ貧しかった。そこからエネルギー革命が進み、所得倍増計画をきっかけに日本の経済が大発展し、世界第二の経済大国となり、有色人種で初めて先進国入りを果たした。医学薬学医療技術が急速に進歩し、感染症も子どもの死亡率も劇的に減少した。国境や人種を超えた政治的発展があった。IT、BTの驚異的な発展があり、それはいまも加速度的に進歩している。化学界では石油化学が勃興してレベルオフした。3度の石油危機があった。冷戦、そして旧ソ連の崩壊、天変地異もあった。公害から地球環境問題も騒がれた。アジアパワーの台頭、テロ、天災、何度かの経済危機、エネルギー・資源の高騰、食糧危機、貧困の拡大、経営者や科学への信頼の危機、そして日本にとってはバブル崩壊から「失われた10年」、ようやく立ち直ったかと思ったら今、世界的同時大不況に突入しつつある。

 大変な50年だったが、しかしその前はもっと過酷な50年だった。世界的な政情不安から1914年に第一次世界大戦が勃発、戦争中の1917年にはロシア革命が起き社会不安が拡がった、翌年1918−9年には巨大インフルエンザ(スペイン風邪)が世界中に蔓延し、戦争を止めるほどの猛威を振るって世界全体で数千万人が死んだ。やっと戦争が終わったと思ったら10年もたたない1929年には世界大恐慌に突入、その中からやっと光明が見えたと思ったら、1936年には第二次世界大戦が始まった。欧州全土を巻き込んだ惨憺たる戦争は終わったが、東欧諸国にとってはその後もソ連の支配が続いた。私が出会ったある若いハンガリー人が言った「(父母たちにとって)本当にひどい時代でした」という言葉は心に響いた。1956年のハンガリー動乱のとき私は19歳、ラジオと新聞報道に連日釘付けだったからだ。
 日本でも対外戦争でたくさんの若者たちが亡くなった。インフルエンザでも死者数十万人、世界大恐慌でも手痛い影響を被った。第二次世界大戦ではほぼ全土が焦土と化した。数百万とも言われる人々が戦争と疫病と爆撃により、国の内外で生命を落とした。戦争中の飢餓の記憶は当時の日本国民の性格に深く刻み込まれた。

 前の50年に比べれば、今までの50年、日本人は世界のどこの国民より幸福だった。何よりも戦争がなかった。「戦争反対」「いじめ反対」「暴力反対」「学校教育での競争反対」、そう叫べばみんななくなると思った。その幸せを生かしきれたか。苦難の犠牲になり、あるいは苦難を乗り越えてきた先人に対して内心忸怩たるものが残る。

 次の50年はどうなるか。未曾有の経済危機、スペイン風邪を上回る強毒性といわれるH5N1型インフルエンザ、また、どんなテロや破壊活動や戦闘活動が待っているか。東南海トラフだけでない大地震の可能性、京都議定書でのCO2削減責任の負担、社会モラルの崩壊、近隣諸国との関係も気になるところだ。幸いにして今回は不発に終わったかに見えるエネルギー危機、資源危機、食糧危機もいずれ近いうちに再来するだろう。最大の心配は、これらのいくつかの厄害が同時に起きることだ。

 出典がわからないのだが、どこかで読んだ「不況に向かうときの戒め」を思い出す。それは1929年の世界大恐慌から数年、惨憺たる世相から社会がようやく少し落着きを取り戻しかけたとき、人々はしみじみと考え、子や孫に家訓として伝えたという言葉である。「今後、世の中が再び不況に向かうとき、すでに不況が始まったと考えて次のように行動せよ」と。

1. 清く正しく生きよ
2. ものを買うのをやめよ
3. 家族、親戚、隣人を大切にせよ
4. 人を助けよ、そのためのお金は惜しむな
5. 借金をするな、あれば極力整理せよ
6. 現金を持て
7. 健康第一、病気になるとお金がかかる
8. 被害者になるな、暗い気持になるな

 今まさに不況に突入した日本、この指摘は心に響く。
このことから読み取るものは人それぞれであろうが、ひとつ明らかなのは、特効薬はない、ごく普通だが、身辺を固めつつ人間として基本的なものを忘れるな、清く正しく、明るく、健康第一でゆけ、ということだったのだろう。
 『2』では「ものを買うのをやめよ」という。これは、別の立場から言えばデフレスパイラルをもたらすと批判を受けそうだが、国民も生活を守らなければならない。徒然草も「余分なものは持つな、不揃いでもよいではないか」(第72段、82段)と戒めている。

 結局これは、「供給者側は国民生活に本当に必要で、無駄にならないものを国民に供給する、一方国民はそういうものを購入する」という、国民の経済理念を、架空需要や「今ならいくら!」「いますぐ電話を!」などと、消費者に考える時間を与えない扇動販売にひっかからない、無駄金使いや「ものを捨てる美徳」から日本人の古来の美徳ともいうべき、ものを大切にし、質素倹約に努める、よいものを代々に亘って使うという消費の本道を取り戻せ、ということだろう。こうした本来の精神への回帰は結局、健全な消費、健全な経済を取り戻すことになる、それは多分、不況のときだからこそ出来るのだ、ということだろう。
気持を引き締め、明るく、健康にこの1年を過ごしたいものである。
(注)上記の「不況に向かうときの戒め」の出典ですが、ご存知の方があればお教えください。(了)

前回の「もめごとをつくらないための法律相談」は、下記からご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/179/index.html#zuisou

バックナンバーは、以下のアドレスからご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

お知らせ
建築・建材展2009 出展のご案内

 快適・健康・安全な住環境・商環境の実現に向けた様々な情報を発信する、建築・建材展が以下の通り開催されます。
  塩ビ工業・環境協会、樹脂サイディング普及促進委員会は、「健康・エコロジー建材ゾーン」に出展いたします。

・日 時 2009年3月3日(火)〜3月6日(金)
10:00〜17:00(最終日のみ16:30終了)
・場 所 東京ビッグサイト 東5・6ホール
(VEC小間番号:AC5117)
・主 催 日本経済新聞社
・入場料 当日一般 1,500円
下記HPより事前登録いただくと無料となります。
 https://www.shopbiz.jp/w/?page=Prereg&action=form&expo=ac
・建築・建材展2009のホームページをご覧下さい。
 http://www.shopbiz.jp/top/index_AC.html?PID=0003&TCD=AC

編集後記
 最近の新聞は雇用不安や景況の悪い話が大きく取り上げられています。毎日このような記事を見せられると、ますます先行きに対して不安感が増し、消費行動を抑えなければという気になります。加えて政局の不安定さがこれに輪をかけているように感じます。
 このような中、雑誌Voice3月号に東大の坂本先生に「熱の逃げない住宅への挑戦」と題し、塩ビサッシの効用についてご紹介いただけました。また、先週号でご紹介しましたように、東大本部棟の1フロアに内窓を試験的に設置、データ取りが始まるなどのNewsもありました。東大では内窓設置後、快適だとの評価を早々と頂いており、データの解析結果が楽しみです。(可)

VEC関連URL
●家族で学べるページ https://www.vec.gr.jp/kids_new/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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