NO.109
発行年月日:2006/12/21

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トピックス
◇住宅のリフォームで、ロハスで快適なエコ生活を。
第4回「住まいと環境・エネルギーセミナー」開催。

随想 
エチオピア奇談(その4)——国際援助——
日本化学工業協会 若林康夫
お知らせ
PVC Newsが12/11に発行されました。
環境省の「チーム・マイナス6%」WEBサイトに「樹脂サッシ」の記事が
掲載されました。

編集後記

トピックス
◇住宅のリフォームで、ロハスで快適なエコ生活を。

第4回「住まいと環境・エネルギーセミナー」開催。

 毎年恒例となった、「住まいと環境・エネルギーセミナー」が、12月17日(日)に、(財)地球・人間環境フォーラムと塩ビ工業・環境協会の主催、環境省の後援により、開催されました。第4回目を迎えた今年は、リフォームに関心のある方々の便宜も考えて、14日(木)から開催されていた「日経住まいのリフォーム博2006」内のセミナー会場で行いました。
 午前の第1部は小林光環境省大臣官房長、北野大明治大学教授、坂本雄三東京大学教授をお迎えしての「パネルディスカッション」、午後の第2部は「辰巳琢郎、トークショー」と続き、第1部・第2部とも、ナビゲーターとして酒井ゆきえさんの進行で進められました。

セミナー会場風景
パネリストの方々
トークショーの出演者
展示ブース風景
 第1部、第2部とも、セミナーに先立ち、土屋隆塩ビ工業・環境協会会長(東ソー(株)社長)が「塩ビサッシの利用など、私たちの身近なところで地球温暖化のために何が出来るのか、このセミナーで少しでも知識を増やしていただければ幸いです。」と挨拶しました。

 午前の部では「窓とリフォーム&エコロジー」をテーマとしたパネル討論。
 まず小林光環境省大臣官房長から「地球温暖化による影響は、世界各地で進んでいる。今年、環境省も本省内に塩ビサッシ内窓を取り入れるなど、省エネ対策・CO削減対策を強化し、冬期は庁舎の暖房を止めて無暖房化を実施している。」と、環境省が率先して実行している内容が紹介されました。
 次に坂本雄三東京大学教授から、「我々が部屋の中で感じる温度は室内空気温度と床・壁・窓・天井温度の影響が半々であり、これら室内面を積極的に断熱することにより、低い温度で快適な生活ができる。特に窓では、塩ビサッシを使用することにより、輻射から体感温度が上がり、同時に、窓際の冷たい空気が流れてきて寒く感じるいわゆるコールドドラフト現象がなくなり、快適さを実感できます。」と、塩ビサッシの利用によって省エネで快適な生活が楽しめることが強調されました。
 続いて北野大明治大学教授より「昔は住み易かったと言われているが、現在、電化製品等が発達し昔と比べライフ・スタンダードが上がってきている。今のライフ・スタンダードを維持しながらどうやってCOを出さないようなライフスタイルにするか、皆様の生活の仕方が問われている。その対策として塩ビサッシで開口部の断熱化を図るのも1つの方法ではないか。」と、国民の意識の変革も重要であることが話されました。
 その後、出席者同士で活発な意見交換が行われ、参加者にとっても大変参考になる情報が多く出されました。
 最後に、窓をリフォームすることにより、少ない投資で大きな省エネが達成できること、また京都議定書の達成にも効果が大きいこと、こういったことを通じて、我慢ではなく快適で楽しく過せる生活環境を達成すべきであること、といったような結論でパネル討論は締めくくられました。

 午後の部のトークショーでは、「リフォームでロハスな生活」をテーマに、テレビのリフォーム番組で活躍した経験もお持ちの俳優の辰巳琢郎氏が、その番組でのいろいろなエピソードや体験談を交えながら、酒井ゆきえさんとの和やかでかつウィットに富んだトークを繰り広げられ、快適で長持ちする理想の家について紹介されました。

 第1部・2部合わせて約350人が出席し、終始、熱心に講演に耳を傾けておられました。

 また、樹脂サッシ普及促進委員会・樹脂サイディング普及促進委員会では、「日経住まいのリフォーム博2006」に出展致しました。展示ブースには、実際にリフォームを考えている方が多数立ち寄られ、塩ビサッシ、塩ビサイディングについて知って頂くことができました。

随想
エチオピア奇談(その4)——国際援助——
日本化学工業協会 若林康夫

 日本ではエチオピアのニュースが流れることはほとんどありませんが、エチオピアでは昨年から、首都アジスアベバを中心に全土で爆弾テロが続発しています。犯行声明は出されていないものの、民族闘争が根底にあることは確かです。
 また、隣国、スーダンに軍事介入しており、そのことも爆弾テロに関係があるとされています。
 爆弾テロでは政府機関など特定の建物や場所を狙うのではなく、普通のホテルや市場など一般の人が集まりやすい場所が標的にされています。このため、全土に非常事態宣言が出されており、街には武装した警察官や国防軍の軍人が溢れています。また、少し大きなホテルや銀行,ショッピングセンター,スーパーマーケットなどには入り口にセキュリティチェックポイントがおかれ、空港さながらの金属探知やボディチェックを受けなければ中に入ることは出来ません。
 エチオピアでは民間のセキュリティ会社の警備員も武装することを認められています。日本では通常、警察官はピストルを携行しているだけですが、こちらでは警備員といえどもマシンガンやライフルで武装しています。
 一般の犯罪発生率は比較的低く、戦闘やテロ以外の所謂、殺人事件などはほとんどありません。また、強盗や引ったくりなども比較的少なく、警察官によると最大の犯罪は「スリ」だそうです。

 共同体としての意識も比較的発達しており、というよりも、古きよき日本の社会でもそうであったように、失業者や路上生活者に対し商店の人が商品の配達を頼んだり、人手が足りないときに手伝ってもらい、優秀であれば採用したりと、再チャレンジが可能なシステムが出来上がっています。このため、一定割合の失業者や路上生活者は存在しますが、その割合が急激に増加するようなことはありません。

 エチオピアでは国連をはじめ、国際赤十字委員会など多くの国際的な援助機関が活動を行っています。街には「UN」や「赤十字」マークを付けた車両が溢れています。空港には「UN」マークの機体が数多く駐機しています。
 このような機関で働いている西欧人は比較的真面目なのですが、所謂、現地採用のローカル職員が問題です。俺は国連の機関で働いているんだ、偉いんだ、というエリート意識で満ち満ちていて、援助を受ける人達を見下しています。運転手ですら、「UN」マークの車両を運転するときは特権意識むき出し。歩行者がいようがお構いなしに突っ込むわ、信号が赤であってもクラクションを鳴らしながら突進するわ、国連であればすべてが許されるという認識です。

 このような行動の積み重ねがあるせいか、一生懸命に援助活動をしている割に、国連や国際赤十字委員会の評判は地元の人にはパッとしません。ピカピカの車両に乗り、好き勝手に行動をする鼻持ちならない奴ら、という評価が出来つつあります。実際、「UN」マークを付けた車両が援助活動のために走っていても、歓迎するどころか罵声を浴びせられることがしょっちゅうです。
 海外青年協力隊やアメリカの Peace Corps のように現地に溶け込んで活動をするのが理想的なのでしょうが、国全体を援助するような、大きなプロジェクトでは地域により援助の濃淡が起こったり、特権意識が芽生えてきたりと、どうしてもこのようなことが起こるようです。

 話しは変わりますが、2006年に小泉首相がアフリカ中近東諸国を訪問した際、エチオピアにも立寄りました。
 お土産は学校建設。アジスアベバに上下水道建設の専門家を養成する学校を作るのです。地方出身の生徒に、彼らの住む街や村の上下水道建設の技術を教えるため。全寮制。
 首都アジスアベバですら下水道が完備されておらず、雨が降れば道路が生活排水で溢れ、歩くことすら出来なくなります。上水道も首都のアジスアベバですら完備しておらず、あっても殆んど補修もされていないので老朽化や衛生上の問題も抱えています。
 この新しい学校がこれらの状況の改善に少しでも役立ってくれればと願っています。

 また、ボレ国際空港に日本の援助で、エチオピアではじめてのエスカレーターが設置されました(設置費用は日本持ちですが、エスカレーターは国際入札の結果ドイツ製)。
 もちろん、ホテルやビルなどにはエレベーターはあったのですが、階段が動くエスカレーターを見たことも使ったこともない人が多く、空港では恐る恐る利用をしたり、乗るタイミングが分からずエスカレーターの前で立ちすくんだりしている人達が沢山います。
 たまたま荷物を持ったままエスカレーターの前で立ちすくんでいるおばあさんの手を引いてエスカレーターに乗せてあげて上まで昇ったら、下から「私も助けてくれ」と次々に声をかけられ、かなりの回数、エスカレーターを上下しました。

 実際に私がエチオピアで見たり経験したりした事をとりとめもなく綴ってみましたが、日本では殆んど知られていないエチオピアの理解に、少しでもお役に立てれば幸いです。

前回の「エチオピア奇談」は、下記からご覧頂けます。
エチオピア奇談(その3)—コーヒーは2時間かけて—

お知らせ
PVC Newsが12/11に発行されました。

 PVC News 59号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されました。
 目次をご紹介致します。

 ■トップニュース1
  環境省が「樹脂サッシ」による断熱リフォームを率先して実施
 ■トップニュース2
  中越地震の塩ビ管・継手廃材1,120トンをリサイクル
 ■視点・有識者に聞く
  サステナブル・ビルディングの最新動向
  慶應義塾大学理工学部教授(工学博士) 伊香賀 俊治 氏
 ■リサイクルの現場から
  進化する、光和精鉱の廃棄物リサイクル事業
 ■インフォメーション
  積水ハウスが挑む、サステナブル時代の住まいづくり
 ■広報だより
  ・『ヨーロッパ塩ビ安定剤事情』発刊(VEC)
  ・出展レポート/Japan Home & Building Show 2006

 以上、塩ビに関する最新情報をお届けしています。

 記事内容は、こちらから。
 今号よりカラーでの発行となりました。是非、ご覧下さい。
http://www.pvc.or.jp/index/i_saisin.html

 バックナンバーは、
 塩化ビニル環境対策協議会のHPよりご覧頂けます。
http://www.pvc.or.jp/

購読を希望される方は、送付先などをご連絡下さい。

環境省の「チーム・マイナス6%」WEBサイトに「樹脂サッシ」の記事が掲載されました。

 地球温暖化防止に役立つ樹脂サッシ。
 環境省が地球温暖化防止をアピールする「チーム・マイナス6%」のWEBサイトに樹脂サッシ関連の下記2件の記事が掲載されました。

 (1)「樹脂サッシ+低放射複層ガラス」環境省が官舎窓に導入
http://www.team-6.jp/report/movement/2006/11/061130a.html

 (2)窓を一枚厚着する!窓の快適「樹脂サッシ」
http://www.team-6.jp/try/uchieco/061130a.html

編集後記
 だいぶ以前の話になりますが、8月の日経新聞「私の履歴書」に連載された遠州茶道宗家の小堀宗家さんの文章を読んでいて、涙が出てきた記憶があります。終戦直後にロシアで捕虜生活を送っていた小堀さんが、連日の重労働で生きる気力を失いかけていた時、春になって収容所の片隅の氷の下から芽を出した植物が可憐な花を咲かせたのを見て「こんな小さな植物だって頑張って生きて花を咲かせている。俺だって頑張れるのだ。頑張るぞ。」と気力を取り戻したと言うのです。なぜか分かりませんが、この話に感動しました。今書いていても瞼が潤みます。なんでかな?やっぱり年の所為かな?(H2記)

先週の編集後記についての読者からのお便り・・・[編集後記後]

H2さん、宗教とはまた、高尚ですね。私は、「お腹がすくのも、恋をするのも、化学反応の為せる業」と思っているオモシロクナイ人間ですが、こんな言葉を聞いて“なるほど”と思いました。『現代人は、感謝と畏れを忘れている。いくつもの、気が遠くなるような偶然が重なってこの世に生まれて来た事に対する感謝。人間にはどうすることもできない、自然の力に対する畏れ。この二つを忘れてしまっているから自分勝手に、傲慢に行動することができるのだ。』…(“高尚”は無理ですが、“中尚”位にはなれたでしょうか?様)


先週の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/108/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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