NO.204
発行年月日:2008/12/04

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トピックス
◇「日経住まいのリフォーム博」出展と
 「第6回住まいと環境・エネルギーセミナー」開催
樹脂サッシ普及促進委員会 川並則夫

随想
古代ヤマトの遠景(31)—【熊野本宮大社・熊野速玉大社】—
信越化学工業(株) 木下清隆

お知らせ
「エコプロダクツ2008」出展のご案内

編集後記

トピックス
◇「日経住まいのリフォーム博」出展と
 「第6回住まいと環境・エネルギーセミナー」開催

樹脂サッシ普及促進委員会 川並則夫

 メールマガジン、No.201でご紹介したように、11月20日(木)〜23日(日)に東京ビッグサイトにて「日経住まいのリフォーム博2008(第4回)」が開催されました。
https://www.vec.gr.jp/mag/201/index.html#topics

セミナー会場
第1部 パネリストの方々
第2部 はなさん、早見優さん
  その期間中の11月22日(土)に、(財)地球・人間環境フォーラムと塩ビ工業・環境協会(VEC)の主催で、毎年恒例となっており、今年で6回目を迎える「住まいと環境・エネルギーセミナー」を開催しました。
 セミナーは2部構成となっており、第1部は、環境省総合環境政策局長 小林光さん、東京大学大学院教授 坂本雄三さん、歌手・女優の早見優さんの3人によるトークディスカッション、第2部では、引き続き早見優さんとモデル・タレントでありエッセイストのはなさんに対談をしていただきました。どちらも進行役はフリーアナウンサーの酒井ゆきえさんにお願いいたしました。
 開会に先立ち、塩ビ工業・環境協会 菅原公一会長から、より良い住まいを目指してリフォームするには“窓”が重要であることを訴え、断熱性、結露防止、防音、冷暖房費の節約等、優れた特性を持つ塩ビ樹脂サッシ窓を通して、快適・健康・エコな住まいの普及に取り組みたいとの挨拶がありました。

 第1部は、「地球温暖化防止と窓のリフォームとの関係」をテーマとし、まず環境省総合環境政策局長の小林光さんより以下のようなお話がありました。洞爺湖サミット以来、国民の温暖化防止意識は確実に高まったが、一方で京都議定書の約束したCO2排出量(1990年比で6%減)に対して逆に1990年比7%もアップしており、この達成には家庭部門での削減が急務になっていること、家庭でのCO2削減対策には、家の断熱性能の向上、特に“窓”が重要であり、環境省自身が率先して塩ビ製の内窓をつけ大きな効果があったこと、家の断熱を促進する為、来年は新築でもローン減税を考えていること。更に、局長ご自身の家庭でもエコを実践されていることもご紹介いただきました。
 次に、東京大学大学院教授 坂本雄三先生から断熱性能向上による熱損失の防止に加えて、冷え症やアトピー、喘息を減らすという健康増進効果があることが紹介されました。また、東京大学の小宮山総長の言を引用されて「日本は先進国として、世界の中で信頼される振る舞い(行動)を率先して実行して行く必要がある。」「行動する大学として」更には、個人ベースでは「身銭を切る行動力が求められている。」と訴えられたのが印象に残りました。この中では東京大学の総長室フロアーに樹脂サッシの内窓を設置することも話されました。
 早見優さんは、1992年のブラジルでの地球サミットへの参加をきっかけとして環境問題に興味を持ち、地球温暖化の要因であるCO2の排出をどう削減できるかが課題だと思っていること、自身の生活では日常的に窓ガラスの結露を拭いていて不便を感じていることなどを発言され、目に見えないカビ・ダニを考えると子供のアレルギー等が気にかかるという家庭の主婦としての実感をお話しいただきました。

 第2部は、はなさんに加わっていただき、酒井ゆきえさん、早見優さんの3人で「家庭でのエコについて」自由にお話しいただきました。
 早見優さんからは、血圧の高いご家族が暮らすお宅に樹脂サッシをいれることを考えたいとのお話しまで飛び出してきました。はなさんも長い時間家を守る女性の立場として今日のセミナーは大変参考になったとの素直な感想を話されていました。

「ウエルカム・スクエア」(一部)
「塩ビミニハウス」
  セミナーには、第1部、第2部合わせて300名以上の方が参加され、終始熱心にお聴きいただきました。同時に、環境省、エコリフォームコンソーシアム、日本経済新聞社と協力して、VEC、樹脂サッシ普及促進委員会(Jmado)、樹脂サイディング普及促進委員会は、リフォーム博会場の入口で来場者を出迎える「ウエルカム・スクエア」に出展し、エコリフォーム事例展示を行いました。

 「ウエルカム・スクエア」は、エコリフォームの必要性を環境の変化から実感していただく「環境ゾーン」、樹脂サッシ、樹脂サイディングを始めとする、塩ビ製品によって施工した『塩ビミニハウス』によってリフォーム事例を体感していただく「エコリフォームゾーン」、活弁士や専門家が、映像や実演でプレゼンテーションを行う「セミナーゾーン」の3つのゾーンで構成しました。
 ご来場者の皆様には、それぞれのゾーンともに大変熱心にご覧いただき、エコリフォームには、樹脂サッシ、樹脂サイディングが大変有用であることを理解していただけたと思います。また、塩ビ製の各種建材を展示し、更には「エコマーク」や「グリーン購入基準」の取得製品や、リサイクル製品の解説などを行い、“海からの贈り物”である塩ビが環境性能に優れていることを感じていただけたと思っています。

 この、「ウエルカム・スクエア」には、前述の「住まいと環境・エネルギーセミナー」にご出演の早見優さんにもお越しいただきました。特に樹脂サッシに興味を持たれて、断熱性を実感できる「遮熱ボックス」、結露の状況を見られる「結露ボックス」や、遮音効果を実際に耳で聴いて確認できる「遮音ボックス」などの体感装置をご覧になりました。「塩ビミニハウス」に入り、樹脂サッシの窓を閉め切ったとたんに、隣接する「セミナーゾーン」で行われていた電動紙芝居の活弁士・坂本頼光さんのよく通る声が、ピタリと聞こえなくなったことには大変驚かれたようです。

 「リフォーム博」期間中の4日間はお天気にも恵まれ、来場者数は合計で約57,000人にのぼり、我々のブースを訪問された人数は、約10,000人にもなりました。
 最後に、今回多くの方々のサポートを受けて立派な展示会、セミナーを実現出来たことに対してお礼申し上げます。(了)

随想
古代ヤマトの遠景(31)—【熊野本宮大社・熊野速玉大社】—
信越化学工業(株) 木下清隆

 紀伊の熊野地方には「熊野三山」として知られる三大社がある。即ち、熊野本宮(ほんぐう)大社、熊野速玉(はやたま)大社それに熊野那智大社である。この内、那智大社は「那智大滝」への自然崇拝がその起源と考えられており、他の大社とは全く異なる性格の神社なので、ここでは外して論議を進めることにする。

熊野本宮大社
(一の鳥居と八咫烏の幟)
  先ず、熊野本宮大社であるが、この大社は熊野川の河口から約30kmも遡った川沿いに建っており、一の鳥居の脇には大きな八咫烏(やたがらす)の幟がはためいている。明治時代の大水で社殿が流され倒壊するまでは、熊野川の中洲の中に建っていたらしい。この大社の起源は崇神天皇の頃と伝えられており、崇神天皇はここでは初代倭王と同一と考えて論を進めているので、この神社の起源は三世紀後半頃に遡ることになる。極めて古い歴史を有する神社だと云うことである。これ程古い歴史を有する神社を他に捜すと、出雲の熊野大社ぐらいしかない。大和の大神神社(おおみわじんじゃ)も古い歴史を有しているが、現在のような三輪山の山麓での祭祀が始まったのは四世紀中葉と考えられており、かなり本宮大社の方が古い。
 これ程の歴史を有する神社が、なんで熊野地方の山奥に創建されたのか、これまでのところ、この疑問に答える明快な説はない。今でこそ、辺りには幾つかの温泉地が拓け彩りを添えているが、創建当時にあってはまさに深山幽谷のまっただ中である。更に、その祭神名は他の何処にも類を見ない不可思議な名称である。「家津美御子(けつみみこ)大神」がその主祭神の名である。この馴染みのない祭神について、神社側は、実は「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」ですと明快に説明している。なぜ「家津美御子大神」が「素戔嗚尊」なのかの説明はない。恐らく、大昔からこの神社に理屈抜きで伝承されてきたのであろう。

 次ぎに熊野速玉大社であるが、この大社はJR新宮駅のすぐ近くに位置し、熊野川の河口に面した所に建っている。創建については荒唐無稽の伝承が多く、その時期を特定するのは難しいが、一応、景行天皇時代と考えられる。その創建をこの時代とすると、本宮大社に半世紀〜一世紀遅れて創建されたことになる。この神社が「熊野本宮」に対し、「熊野新宮」と称される所以であろう。ところで、その祭神であるが「熊野速玉大神」となっており、これも他では馴染みのない神名である。

 このように両社は多くの謎に包まれているが、これまで、その謎は殆ど解明されていない。なぜ、紀伊南部の広大な地域に熊野の地名が残されているのか、明らかに出雲の影響が見られるが、なぜ、出雲勢力がこんな所にまで勢力を伸ばしたのか。要するに判らないことだらけなのである。従って、「熊野は出雲勢力の植民地であった」或いは「紀伊の海人族が出雲へ移住した」といった説までが飛び出してくる。このような混迷は全て、「神武東征譚」は神武天皇の事跡を記録したものだ、と人々が信じ込んでいるから起きている。

 このような先入観を捨て去り、「神武東征譚」は、実は初代倭王の「大和入り」の事跡を記録したものだ、と評価し直せば全てが氷解する。
 初代倭王一行は名草郡で倭王の肉親の弔いを済ませた後、海路を南下し、熊野川河口付近にたどり着いたものと考えられる。これからは船を捨て陸路を進んで行かなければならない。獣道さえ無かったであろう当時にあっては、川の遡上以上に確かなものはない。熊野川・十津川渓谷を遡上し、更に吉野川を渡れば大和は間近である。それにしても、とてつもない行軍が待っている。彼等は食糧補給のため現在の新宮の地に揚がり、地元の人々の暖かいもてなしを受けて休息し、十分すぎるほどの非常食を貰って、熊野川を遡上したと考えられる。しかし、彼等の行軍は困難を極め、何度も道に迷ったようである。そのことが、記紀の中に象徴的に記されている。書紀によれば、天照大神が神武天皇に八咫烏(やたがらす)を遣わし、道案内をさせている。実際は、参加した各氏族の屈強な若者が、交代で道案内を務めたものと考えられる。それでも彼らは随所で立ち往生する。そのような中で、初代倭王は熊野川の中洲に神籬(ひもろぎ)を設け、彼等の祖神、神魂神に旅の無事を祈ったのでは無かろうか。この神籬の跡、或いは伝承が後世の熊野本宮の礎となったと考えられる。このような考え方が可能な理由は、本宮大社の祭神が素戔嗚尊と伝承されていることにある。出雲の熊野大社の祭神は、本来神魂神であったが、その後、素戔嗚尊を受け入れたことをこのシリーズ(11)で説明した。従って、その祭神とされている「家津美御子」は実は神魂神のことであり、更に素戔嗚尊とも云う、と説明されることになる。

 熊野速玉大社の方は、初代倭王が無くなったことを知り、昔、倭王一行をもてなした記憶が蘇った地元の人々が、その御魂の祭祀を行ったのが始まりと考えられる。従って、こちらの祭神は、伊勢神宮、日前神宮と同一となるが、彼等は何らかの理由で「熊野速玉大神」の名を与えたものと考えられる。(続く)

前回の「古代ヤマトの遠景」は、下記からご覧頂けます。
古代ヤマトの遠景(30)・・・【日前・国懸神宮の祭神】

「古代ヤマトの遠景」(11)は、下記からご覧頂けます。
古代ヤマトの遠景(11)・・・【出雲の国譲り】

上記以前の「古代ヤマトの遠景」のバックナンバーは、以下のアドレスからご覧頂けます。
https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

お知らせ
「エコプロダクツ2008」出展のご案内

 「エコプロダクツ2008」が下記の要領で開催されます。
 塩化ビニル環境対策協議会/塩ビ工業・環境協会にて、「塩ビでエコライフ!−身近な環境素材、塩ビを学ぼう−」をコンセプトとして出展いたします。

 塩ビ製品展示、パネル説明、ステージ・デモンストレーションなどで、塩ビへのご理解を深めていただきたいと思います。

・日 時  2008年12月11日(木)〜13日(土)
10:00〜18:00(最終日のみ17:00まで)
・場 所  東京ビッグサイト(東1〜6ホール)
(出展小間番号:5042)
・主 催  (社)産業環境管理協会、日本経済新聞社
・入場料  無料
・「エコプロダクツ2008」のホームページをご覧下さい。
http://eco-pro.com/

編集後記
  今週から師走ですね。何となくあわただしい時期になりました。VECでも先月のリフォーム博に続き、今月はエコプロダクツ展があり、忙しい時期となっています。
 最近の休日、小生は“ 晴耕雨鑑”、晴れの日は外に出て植物に接し、雨の日は映画を鑑賞しています。最近では「イーグル・アイ」や「レッド・クリフ(赤壁)」を見に行きました。後者は北方謙三さんの「三国志」を読んでいたことから、興味を持って見ましたが話の内容、特に登場女性はかなり異なっていました。「三国志」は過去から「三国志演義」などのように種々の小説の材料となっていることから当然かもしれません。本メルマガの随想にある「ヤマト」に繋がる邪馬台国と同じように。(可)

VEC関連URL
●家族で学べるページ https://www.vec.gr.jp/kids_new/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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