NO.070
発行年月日:2006/03/09

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トピックス
◇トンネル迷路にペレット砂場、魔法の鏡も待ってるよ
 新宿OZONEで「ひょうじょう展」好評開催中

随想 
 古代ヤマトの遠景(5)−古事記・日本書紀−
信越化学工業(株) 木下清隆
お知らせ
編集後記

トピックス
◇トンネル迷路にペレット砂場、魔法の鏡も待ってるよ

新宿OZONEで「ひょうじょう展」好評開催中

 東京のJR新宿駅西口から徒歩12分、都庁の近くに、リビングデザインセンターOZONEというビルがあります。その名のとおり、住宅やオフィスなどのデザインに関連した催し物や展示をするところですが、そこで2月23日(木)から3月14日(火)までの3週間、「ひょうじょう展」と名づけられた催しが行われています。
 この催し、シーアイ化成株式会社などの協賛で、居住空間やインテリアの表層をどう表現するか考えよう、ということで壁や床、家具やインテリアなどの表層材を展示しているものです。特に表層材としてプラスチックフィルムに着目し、塩ビを中心とした新規なフィルム材を用いた、多種多様なインテリアが展示されていて、見ごたえのある企画となっています。

「あそびのひょうじょう」展示入口
塩ビパイプのトンネル迷路
樹脂ペレットの砂場
塩ビサッシの曲面鏡
 その催しの一環として、OZONEの6階ギャラリーに「あそびのひょうじょう」というスペースが作られました。私たち塩ビ工業協会も協賛したのですが、なかなか面白いよ、一度のぞいて見たら?と知人に言われて、先週末ふらりと立ち寄ってみました。以下はそのときの感想。

 このスペースは約100m2程でしょうか。入口を入ると正面に巨大なトンネル迷路が出来ていました。直径60cm程の塩ビパイプを縦横に組み合わせて、小さい子供ならもぐりこんで遊べる感じ。現に3、4人の男の子がきゃあきゃあ騒ぎながら遊んでいました。
 その奥には20m2程の砂場が作られており、なかには砂ならぬ、カラフルな塩ビ樹脂ペレットが敷き詰めてありました。ここでも子供たちが数人、母親に見守られながら、靴下脱いで裸足になって歩きまわったり座り込んだり、ペレットの感触を楽しんでいました。
 そして会場の一隅には大きな鏡が、屏風のように並べられていました。塩ビサッシを使ったこの鏡はいわゆる曲面鏡で、その前に立って姿を写すと縦横に縮んだり歪んだり、かわいい子供が怪獣「コドモン」に変身して写るのです。ここにも子供たちが群がって騒いでいました。
 その他このスペースには、色とりどりのフィルムを自由な形にカットして、ガラスの壁に貼り付けて遊ぶコーナーとか、関連するいろいろな資料やパンフレットを提供しているコーナーとか、さまざまな趣向が凝らされていて、子供だけでなく大人でも退屈しませんでした。

 ひょうじょう展の中心である、表層表現素材の展示はここの3階に展示してありましたが、斬新なデザインにマッチした素材が、塩ビ中心に並べられており、いまさらながら塩ビの応用範囲の広さに驚かされました。
 実はこのメルマガがお手元に届く3月9日(木)の午後には、OZONE3階のパークタワーホールで、建築家の隅研吾慶応大学教授や造形作家の伊藤隆道東京芸術大学教授などによる記念フオーラムが行われるのです。

 塩ビはいろいろなプラスチックの中でもとりわけ加工範囲が広く、応用範囲の広いプラスチックです。パイプや窓枠のような固いものから、壁紙やフィルム、ホースのような柔らかいものまで、いろんな局面で市民生活に役立っています。
 なんてことは既に重々承知しているつもりでしたが、ひょうじょう展を見に行って塩ビの有用性を改めて感じた次第でした。
 皆様にも是非一度、この「ひょうじょう展」をのぞきに行くことをお薦めいたします。

随想

古代ヤマトの遠景(5)−古事記・日本書紀−

信越化学工業(株) 木下清隆

 今回から『古事記』『日本書紀』の話しに入ることにする。「記紀」と略称されて親しまれているこの日本最古の歴史書は、何のために書かれたのか、内容は何処まで信用できるのか、古事記と日本書紀とは何処が違うのか等、難問はいくらでもある。

 『古事記』は紀伝体で書かれているが、『日本書紀』は歴史上の出来事が年代順に並べられた編年体の歴史書である。
 内容的にどちらが古いのか、という問題も古事記が早く出来上がったから古いはずだとは一概に言えない。両書を徹底的に比較して、間違いなく日本書紀の内容の方が古いと結論している古代学者もいる。更に、古事記には有名な太安万侶(おおのやすまろ)の序文が付いているが、この内容は平安時代に書かれたものであり、したがって「古事記は偽書である」との説まである。
 しかし、現在のところ、やはり古事記の内容の方がおおむね古い、というのが定説となっている。このことは両書を注意深く読めば随所にそれと分かる個所が出てくるが、決定的な証拠は系譜問題である。

上賀茂神社(桜門)
 古代に活躍した各地の豪族たちは氏姓(うじかばね)を持つようになることから、後世になると氏族と呼ばれるようになる。葛城氏・蘇我氏・大伴氏・物部氏等が有名である。
 彼等にとって出自を明確にすることは重要なことであった。何処の馬の骨か分からないような先祖より、何々天皇の後裔と名乗った方が名門らしくなる。このような系譜の整理が古代において徹底的に推し進められたらしい。これに乗り遅れるとその氏族は、その後の取り扱いで大いに不利となるために、当時の彼等は必死になったはずである。
 このような系譜が整理され、文書で残された。それが『古事記』なのである。古事記の1/3は神話が占めており、神話に比重の置かれた歴史書のように思われがちであるが、古事記は氏族の系譜書であると考えた方が分かり易いくらいである。

 ところが書紀は、この古事記の系譜をずたずたに破壊してしまっているのである。ここに古事記と書紀の決定的な違いがある。書紀にも新しい系譜が記されている。しかし、古事記の系譜はしっかり残っているのである。
 9世紀の初頭、これまで混乱していた氏族の出自に関する基本台帳のような書が発刊された。それを『新撰姓氏録』(しんせんしょうじろく)と言う。一例を引くと、
 藤原朝臣、出自津速魂命三世孫天児屋命也
と書いてある。「藤原朝臣、津速魂命の三世孫、天児屋命より出るなり」とでも読めよう。これが「出自」の語源である。新撰姓氏録には約1200氏族の出自が整理されているが、その内容は、殆どが古事記の系譜に基づいており、もし、古事記が世に伝わっていなかったら、なぜそうなのかが分からない系譜が大半を占めることになるはずである。

 このような事実から、古事記の方が古く書紀は新しいと云えることになるが、では、なぜ書紀が古事記の系譜を破壊したのかが大きな疑問として出てくる。記紀が、言われているように天武朝に作成されたとするなら、天武天皇が心血を注いで作り上げた系譜を、後の書紀編纂者たちが破壊することは考えられない。壬申の乱で勝利した大王の作品に手をつけるなど畏れ多いことだからである。このように考えると、古事記は天武天皇よりもっと古い時代にその原典が作成されたと考えなければ、辻褄が合わなくなる。(つづく)

このシリーズ「古代ヤマトの遠景」のバックナンバーは下記からご覧頂けます。
「古代ヤマトの遠景(4)・・・ヤマト政権のその後」
「古代ヤマトの遠景(3)・・・ヤマト政権の誕生」
「古代ヤマトの遠景(2)・・・纏向遺跡」
「古代ヤマトの遠景(1)・・・卑弥呼誕生」

お知らせ
【NEW】 勝ち組み工務店育成セミナー In名古屋 参加報告

 樹脂サイディング普及促進委員会、樹脂サッシ普及促進委員会では、去る2月24日(金)に名古屋市において行われた「勝ち組工務店育成セミナー」in名古屋(主催:住いづくり研究会 須貝高福岡大学建築学科教授主宰)のセミナーに参加し、樹脂サイディング、樹脂サッシの紹介を行うとともに樹脂サイディング、樹脂サッシを使用したヨットハーバー施設の見学会を行いました。
セミナー風景
 セミナーでは基調講演として、福岡大学建築学科/須貝教授より「今、顧客の心を掴む断熱工法とは!」をテーマに外断熱と充填断熱、健康住宅、耐震対策など幅広い内容について講演が行われました。また、宮副建材コンサルタントより「住まいの健康を考えた開口部のあり方」をテーマに樹脂サッシの講演、引き続いて桜井建材コンサルタントより「顧客に喜ばれる樹脂系外装施工事例の紹介」の講演が行われました。地元名古屋市を中心に愛知県、岐阜県、静岡県より約200名の参加を頂き活発な質疑が行われるとともに、講演終了後に行われました見学会にも多数のご参加を頂き大変盛況な会となりました。
(樹脂サイディング普及促進委員会 事務局 長縄肇志)

【NEW】 PVC Newsが3/14に発行されます。

 PVC News 56号(塩化ビニル環境対策協議会)が発行されます。
記事の一部をご紹介致します。

トップニュース(1)
塩ビを含む建設系混合廃プラのサーマルリサイクル確立へ
トップニュース(2)
塩ビ業界、新潟中越地震の塩ビ廃材リサイクルを全面支援
視点・有識者に聞く
化学物質の安全性確保へ向けて
環境省環境保健部 環境安全課長 上家和子氏
リサイクルの現場から
使用済み塩ビ管・継手のリサイクルシステム、さらに拡充

 その他、塩ビに関する様々な情報をご紹介致します。

 ・PVC Newsバックナンバーは、塩化ビニル環境対策協議会のHPよりご覧頂けます。
http://www.pvc.or.jp/

ひょうじょう展 〜未来はいい“表情”から始まる〜 出展案内

日 時 2006年2月23日(木)〜3月14日(火) ※水曜日(祝日を除く)休館
10:30〜19:00
場 所 リビングデザインセンターOZONE (3F:OZONEプラザ、6F:リビングデザインギャラリー)
東京都新宿区西新宿3−7−1
新宿パークタワー

主 催 「ひょうじょう展」実行委員会、リビングデザインセンターOZONE
入場料 無料

樹脂サッシ普及促進委員会では、樹脂サッシを用いた遊具の提案として、フレームに樹脂サッシを用いた屏風状の鏡の世界を作り、見えたり、離れたりする不思議な世界を表現します。(6F:リビングデザインギャラリー)
2006年3月9日(木)開催のトークイベント会場に、「塩ビ工業・環境協会PRコーナー」を出展致します。(3F:パークタワーホール ホワイエ)
詳細は、ひょうじょう展 ホームページよりご覧頂けます。
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/12.html

「塩ビファクトブック2005」に検索機能を付けました。

塩ビ工業・環境協会ホームページ内の「塩ビファクトブック2005」に検索機能を付けました。以下のアドレスよりお試し下さい。
https://www.vec.gr.jp/fact/index.html

編集後記
 月が変わったらしなければならないこと。というといろいろあるでしょうが、その一つに、カレンダーをめくるというのがあります。
 3月になったので、毎月めくりのも2ヶ月めくりのも揃ってめくる。H2宅も、狭いにも関わらず、リビングと寝室と書斎と物置部屋と洗面所と、それにトイレにまでカレンダーが張ってあって、月初めにめくるのが一仕事。物置部屋なんか、毎月めくりにもかかわらず、1月分がまだ残ってたりする。
 そこでめくった(剥ぎ取った)カレンダー、これがなかなか棄て難いんですなあ。素晴らしい風景や可愛らしい動物の写真や、有名人の書や画があって、無残にゴミ箱へ捨てる気になれない。
 だので、切り取ったまま暫く積んでおいて、そのうち安物の額でも買ってきて廊下にでも飾るか、と思ってるんですが、思うばかりで事は進まず、切り取っておいてある廃(?)カレンダーが随分溜まっています。やれやれ、これも老化現象なのでしょうか。
(H2記)
〔編集後記後〕

 毎週の編集後記に関し、読者からいろいろ感想や意見を頂戴します。
誠に有難く、力強いことです。中には大変面白く、かつ示唆に富んだものもありますので、お便りを貰いっぱなしではもったいない、一部をここでご紹介しようと思います。題して「編集後記後」。本号から原則毎週掲載します。

日本のNumberというスポーツ誌(月刊誌?)は、五輪の開始前、日本のメダル総数を「21個(!)」と予想しとりましたよ。・・・(渡辺正様)
トリノオリンピックの国別メダル獲得率のトップは韓国です。韓国は出場40選手で11個(金6、銀3、銅2)のメダルを獲得しました。・・・(川島久徳様)

先週の編集後記をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
https://www.vec.gr.jp/mag/069/index.html#kouki

VEC関連URL
●VEC 塩ビジュニア https://www.vec.gr.jp/kids/index.html
●塩化ビニル環境対策協議会 http://www.pvc.or.jp/
●樹脂サイディング普及促進委員会 http://www.psiding.jp/
●樹脂サッシ普及促進委員会 http://www.jmado.jp/
●メールマガジンバックナンバー https://www.vec.gr.jp/mag/index.html

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