MAIL MAGAZINE Vol.02
塩ビ技術に貢献した先輩たちの記録
■コラム
■寄稿
■グラフで見る海外情報
■生活バンク・FPの部屋
■読者便り

●マガジンTOP
●バックナンバー
●お問い合わせ

国立科学博物館 産業技術史資料情報センター
主任調査員 宮本 眞樹

 国立科学博物館が平成12年度から2年間をかけて塩ビの技術史に関する調査研究を行い、その成果を「国立科学博物館 技術の系統化調査報告」第1集および第2集として公刊したことは、既に昨年のメールマガジンの48号(8月22日)に報告しました。
 このたび、これらの報告書には収録することのできなかった資料、特に重要な技術開発に中心的に係わった先達たちの証言や個人資料をまとめた資料集を公刊しました。「国立科学博物館 技術の系統化報告 塩化ビニル樹脂技術史資料集 技術開発者達の証言と関連資料」がそのタイトルです。
 技術史の大きな意義は、その技術の過去を知ることではなく、次世代へ継承することにあると考えられます。その時、重要な技術開発に携わった人たちの証言を聴くことは極めて有意義だと思われます。どのような重要な技術を、どのような経緯で開発したかという事実もさることながら、その技術開発にかけた技術者の心を伝えることができるからです。NHKのプロジェクトXが人々の心を打つのもこの点にあるでしょう。
 さて、この資料集はこのような観点から、第一には、これまでに刊行されている個人業績に関する資料、証言、論文を可能な範囲で集め、これをリストアップしました。そして、新たに、重要な技術に携わってきた幾人かの方々に、その経験を証言として記述して頂いて新たな資料としました。したがって、この資料集は実物資料を中心とした先の「系統化報告」第1集、第2集を個人の業績の面から補完する意味をもつものと考えています。
 このような重要な技術の開発に携わってきた方々は、他にもまだ多く居られますし、中には、企業秘密上まだ技術の内容や開発の経緯を詳しく述べて頂くことのできないものもありますが、この資料集に終らず、今後はVECなどの業界でこうした個人の証言集を編纂して頂ければと願っています。

 終わりに、この資料集の目次を紹介しておきましょう。

はじめに
1. 日本の塩ビ工業揺籃期の技術に関する資料
2. 戦後の塩ビ工業草創期の技術に関する資料
3. モノマー合成技術開発に関する証言
4. 重合器開発に関する資料
5. 特殊樹脂開発に関する証言
6. 用途と成形加工技術分野の技術開発に関する証言

資料1
資料 1-1 日本ゼオン試作第1号の塩化ビニル樹脂サンプルについて
資料 1-2 日本ゼオン蒲原工場写真集およびアルバムの作成
資料2 GPAプロセスの開発
資料3 東ソー法オキシクロリネーション技術の開発
資料4 三井化学のオキシクロル化塩化ビニルモノマー製造技術の開発
資料5 リフラックスコンデンサによるPVC大型重合器の除熱
資料6 レコードレジンの開発
資料7 内部可塑化塩ビ開発の経緯
資料8 塩ビ製品の出会いから加工へ —ロンシール工業社史原稿からの抜粋—
資料9 農業用水路に初めて硬質塩化ビニル管を採用
資料10 塗装法による塩化ビニル被覆鋼板の開発について
資料11 古谷正之氏に関する資料

ページのTOPへ


■東京都千代田区内幸町2-1-1
■TEL 03-3506-5481 ■FAX 03-3506-5487
■URL https://www.vec.gr.jp/  ■E-MAIL info@vec.gr.jp